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2005年・すみ&にえの年間ベストほんやく本
日時: 2005/12/27 00:41
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

今年は珍しく、上半期に選んだものが多く残りました。こうなると、読んでから半年以上経っての思い返しなので、順位に変動が。
とはいえ、1位と2位は動きません。

■1位■
アリステア・マクラウド 「彼方なる歌に耳を澄ませよ」
http://park8.wakwak.com/~w22/607.htm
思い起こせば、けっきょく今年は、この本の余韻だけで一年を過ごしたような気がします。
魂を揺さぶられた読書でした。

■2位■
アン・タイラー 「結婚のアマチュア」
http://park8.wakwak.com/~w22/634.htm
「彼方なる歌に耳を澄ませよ」に魂を揺さぶられたのなら、こちらは感情を揺さぶられました。

■3位■
ブルーノ・シュルツ 「肉桂色の店」
http://park8.wakwak.com/~w22/628.htm
タイトルを見ながら二人で思い返していくと、やっぱりこれの印象は強いのでした。
「シュルツ全小説」が出たこともプラスして。

■4位■
ミュリエル・スパーク 「ミス・ブロウディの青春」
http://park8.wakwak.com/~w22/624.htm

ミュリエル・スパーク 「運転席」
http://park8.wakwak.com/~w22/625.htm

同じ作家だし、絶版本だしってことで、2冊まとめさせていただきました。
読んだ直後は「ミス・ブロウディの青春」が圧倒的に良かったのですが、半年ぐらい経ってからでしょうか、
「運転席」って物凄い小説じゃないのかって話になってきて。あまりに強烈で、
半年経ってようやくこの本のテンションに追いついたのかも。

■5位■
ヴァレリー・ラルボー 「幼なごころ」
http://park8.wakwak.com/~w22/639.htm
これも読んでから半年以上経ってますが、思い出すことの多い本です。

■6位■
パトリシア・ハイスミス 「回転する世界の静止点」
http://park8.wakwak.com/~w22/608.htm
短編集は他にもいいのがあったのだけれど、やはりこれはドーンと貫禄がありました。

■7位■
ウーヴェ・ティム 「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」 
http://park8.wakwak.com/~w22/664.htm
他と比べて小さくまとまっている印象はあるけど、やっぱり好きは好きってことで。

■8位■
スティーヴ・エリクソン 「黒い時計の旅」 
http://park8.wakwak.com/~w22/671.htm
正直言って、これのあとにもう1冊エリクソンを読まなかったら、もっと順位が上だったかもしれない。

■9位■
ピーター・トレメイン 「アイルランド幻想」 
http://park8.wakwak.com/~w22/682.htm
設定とかストーリーとか文章とか、そういうものすべてが上質でバランスがよく、いい作家さんに出会えたなと嬉しくなりました。

■10位■
アルベール・サンチェス・ピニョル 「冷たい肌」
http://park8.wakwak.com/~w22/633.htm
生意気なことを言えば、ほんのちょっぴり著者の青さ(?)みたいなものが気にならなくもなかったんですが、
小説としてはとても良かったので。

その他--------------------------------------------

■トレイシー・シュヴァリエ 「貴婦人と一角獣」
http://park8.wakwak.com/~w22/606.htm
余韻を引きずりまくるようなインパクトがちょっとだけ足りない気もしますが、良かったです。

■リチャード・フラナガン 「グールド魚類画帖」 
http://park8.wakwak.com/~w22/663.htm
ほんのちょっとだけなにかが足りない気もしましたが、濃厚で良かったです。

■ユーディット・ヘルマン 「夏の家、その後」 
http://park8.wakwak.com/~w22/662.htm
もっと読みたい作家さんです。

■V・S・ナイポール 「ミゲル・ストリート」
http://park8.wakwak.com/~w22/619.htm
私たちがズキンと来るにはパンチが足りない気もしましたが、良かったです。

■W・G・ゼーバルト 「ゼーバルト・コレクション 移民たち 四つの長い物語」
http://park8.wakwak.com/~w22/684.htm
コレクションが出揃ってないですからね。
同じように、スタニスワフ・レムもまた、コレクションの途中なので。

■ジャック・リッチー 「クライム・マシン」 
http://park8.wakwak.com/~w22/686.htm
上手いなあと、ただただ感心しました。

■フィリップ・グランベール 「ある秘密」
http://park8.wakwak.com/~w22/700.htm
今年最後に読んだ本だけど、10位に入れてしまおうかって話もしたんですが、あまりにも緊張感のある美しい小説だっただけに、
話が終わったあとの後日談的な20ページぐらいがどうしてもユルく感じられて、この位置に。
メンテ

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Re: 2005年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2005/12/27 22:11
名前:
参照: http://yonosk.at.infoseek.co.jp

おっ、先頭切ってのベストテン+α、ご苦労様です。
やはりマクラウドが一位でしたか。この重厚さは古典的風格もありましたからねー。シュルツの魅力は工藤氏の訳文にもかなり負っているわけですけど、「ほんやく本」というのはそれも含めた面白さがあるということも再認識できた作品でもあります。凡庸な訳だったらあの「幻想」を目の前に彷彿とさせることは不可能だったでしょう。
「幼なごころ」と「カレーソーセージ」はそれぞれ日本の作品でも同様のテーマを持つものがありながらそれとはまったく異質の文化を教えてくれるという意味で、これまた「ほんやく本」の代表にふさわしい作品でした。おっと「移民たち」がぶらさがりの位置に…。ま、ゼーバルトコレクションはまだまだ続きますので、先が楽しみです。
 わたくしは例によって年明けに参加予定です。まーほぼ予想通りということになりそうですが。
メンテ
Re: 2005年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2005/12/28 01:40
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

ありがとうございます。マクラウドは読んだときから、今年はこれがナンバー1だろうなと思っていたのですが、思った以上に超えるかもと予感させてくれる本がなかったです(笑) なにげに、1位も2位も中野さん訳だったりして。その下に工藤さんというのは、いいのだろうかと怖ろしい気もしますが(笑)、シュルツの工藤訳は本当に素晴らしいですよね。
「幼なごころ」と「カレーソーセージ」はたしかにそうですね、日本の作品にも見つけられるだろうってところがありながら、ほんやく本だからこその味もありで。
はい、ご参加お待ちしておりますっ。
メンテ
Re: 2005年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2005/12/29 20:17
名前: おはな
参照: http://www.geocities.jp/hana3baba3

わほ〜予想通りのマクラウドトップですね。これは私の先送り課題ですが、来年早々にはと考えています。シュルツ、エリクソン、ラルヴォーはいつでも食べられる市にはあるのだけど。ハイスミスが上位に来たのが意外という感じです。いや、私は読んではいませんが感想を拝見する限りではそう熱狂されてる風にも思えなかったので。伏兵至る所にありですね。それにつけても嬉しいのがスパーク2冊ともエントリーしてる!四捨五入すればトップだわ(笑)。イケてる作家ですよね。そんなに大物風ではない『運転席』、でもあの味はやっぱり忘れられません。
メンテ
Re: 2005年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.4 )
日時: 2005/12/29 23:12
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

おはなさん、ありがとうございます。偶然にも、スパークは同じ4位でしたね。『運転席』はちょっと忘れられない本になりました。あのくっきり映像の浮ぶ描写はスゴイですよね。あの女性のことは、いまだに思い出しちゃいます。
いや〜、ハイスミスはいいですよ。やっぱり飛び抜けてました。おはなさんも機会があったら是非♪
メンテ

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