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2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本
日時: 2003/12/28 17:52
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

すみません、悩みに悩んだんですが、どうしても長編小説と短編集を比較できず、絞りこめませんでした。別枠でご勘弁を。

◇長編小説◇

■1位■ マーガレット・アトウッド「昏き目の暗殺者」

2003年に読んだ本の中から代表を選ぶ、と考えると、これしかないっとなりました。上半期と順位が違うんですけどね。なんといっても私たちが好きなのは正確には海外小説ではなくて、もう一手間かけた翻訳本なので、翻訳文も全部ひっくるめての評価で、やっぱりこれ! となりました。
http://park8.wakwak.com/~w22/317.htm

■2位■ 高行健「霊山」

これは、感動したんじゃなくて、魂を揺さぶられました。なんとも説明しがたい本なんですが。
http://park8.wakwak.com/~w22/440.htm

■3位■ コニー・ウィリス「航路」

上半期で1位だったのに、3位になってしまいましたが、エンタメ系では、これがもうダントツのナンバー1です。
http://park8.wakwak.com/~w22/333.htm

■4位■ ジェイムズ・M・バリ「小さな白い鳥」

これは一言、好きなんですっ(笑)
http://park8.wakwak.com/~w22/366.htm

■5位■ ジークフリート・レンツ「アルネの遺品」

これも一言、ハンスの語りに惚れましたっ(笑)
http://park8.wakwak.com/~w22/351.htm

■6位■ ピータ−・ディッキンソン「血族の物語」

これはもう、いろんな年齢の方に楽しんでいただきたいですね。読書の楽しみを存分に味わわせてくれました。やっぱりディッキンソンは凄いっ!
<上巻> http://park8.wakwak.com/~w22/386.htm
<下巻> http://park8.wakwak.com/~w22/414.htm

■7位■ ウィティ・イヒマエラ「クジラの島の少女」

私たちはこの2、3年、日本人の民族意識は?ってのが、なぜかやたらとよく話し合うテーマになってるんですね。ということで、民族意識の危機に瀕したマオリのこのお話は、特別に感慨深いものがありました。
http://park8.wakwak.com/~w22/413.htm

■8位■ 莫言「白檀の刑」

ウゲゲってところもあったけど、やっぱり良かった、血の熱さに圧倒されました。ラストも美しかったですねえ。
http://park8.wakwak.com/~w22/421.htm

■9位■ イアン・マキューアン「贖罪」

これを書いたのがイアン・マキューアンじゃなかったら、もっと上位にしていたかもしれません。やっぱりマキューアンとなると、次作はどうなるの? まだ上に行けるの? と待つ気が入ってしまいます。
http://park8.wakwak.com/~w22/368.htm

■10位■ マーク・Z・ダニエレブスキー「紙葉の家」

まさか年間ベストにまで入れると思わなかっただろう? って別に驚かそうとして選んだわけではないんですが。やっぱり一年通しても、一番楽しませてもらいましたもん。こういう本は一年に1冊あれば充分、という気持ちもこめて。
http://park8.wakwak.com/~w22/325.htm

■10位■ T.R.ピアソン「甘美なる来世へ」

もうひとつ10位に。上半期に悩まされつつ楽しまされたのが「紙葉の家」なら、下半期はこれですね。やはり一年に1冊で充分ですが、こちらは今後も楽しみです。
http://park8.wakwak.com/~w22/452.htm

長編小説に関しては、とにかく候補が多く、甲乙つけがたいというか、それぞれに良くて、選ぶのに悩みました。どうしてアレが入ってないの、なんて言われたら、返事に困って唸っちゃいます(笑)


◇短編集◇

■1位■ デイヴィッド・イーリイ「ヨットクラブ」

やっぱり短編集となると、こういう知性が光りまくってるのが好きですね。
http://park8.wakwak.com/~w22/449.htm

■2位■ イーサン・ケイニン「宮殿泥棒」

心地よい余韻、甲乙つけがたい秀作揃いの短編集でした。
http://park8.wakwak.com/~w22/339.htm

■3位■ アンソニー・ドーア「シェル・コレクター」

鳥肌が立つほど描写が美しかったです。
http://park8.wakwak.com/~w22/390.htm

■4位■ バリー・ロペス「冬かぞえ」

すさまじいほどの余韻に圧倒されました。
http://park8.wakwak.com/~w22/428.htm
メンテ

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Re: 2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.5 )
日時: 2004/01/05 02:48
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

そうなんですよ〜、『昏き目の暗殺者』は、先がわかっちゃうストーリー展開ってこともあって、読了後すぐは100%褒めたたえるってところまでは実は行ってなかったんですけどね、でも、時間の経過とともに、あらためて、やっぱりあれは凄い本だった〜っ、となってきました。

ベックさん>
そうなんですよ、やっぱり『紙葉の家』はじけんだったんですよ。

mopsaさん>
いや〜、じつは2003年は、こんな本手を出さなきゃよかったってのがとくに多い年でもあったんですけどね(笑)。でも、ベストに入れたくなる本にも出会えましたね〜。

H2さん>
『ヨットクラブ』はぜひお試しいただきたいですね。『紙葉の家』は恨まれるかもしれないから(笑)、勧めづらいんですが。『アルネの遺品』は男性読者には、えらく人気がないしなあ(笑)

雫さん>
『霊山』は東洋を強く意識させられましたよ。べつに『ある男の聖書』を読んでなくても問題ないと思いますが。軽く高行健の半生を知っておいた方が読みやすいかな。
あ、アレは迷ったすえにベストに入れず、厳選作家に入れるという処置に。アレのことですよね?(笑)
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Re: 2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.6 )
日時: 2004/01/05 20:51
名前:
参照: http://http://yonosk.at.infoseek.co.jp/03.htm

『昏き目の暗殺者』は幾層にも重なり合った時間と情念、読みごたえがありましたね。のちのちまで胃にわだかまって「1位にしろ〜」と呟かれては、もう仕方がないところでしょう。『霊山』と『白檀』は、魂のつぶやきと、徹底的ケレン味の作為のどちらを採るか、というところでしょうか。「物語好き」のわたくしとしては、『白檀』を上位にしておりますが、もちろんそれは優劣ということではありません。『小さな白い鳥』は良きイギリス、『アルネ』は悲しきドイツという感じで、どちらも翻訳もの好きには訴えるものを持っている感じでしたね。
 お、『甘美』さん、滑り込み当選ですか〜。一月中にはなんとかしたいもんです。
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Re: 2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.7 )
日時: 2004/01/07 12:43
名前: サイファ

1位は「昏き目…」ですか〜。実は去年「食べられる女」を読みまして他のアトウッド作品も読もうとは思っているんですがあの厚さにひるみまして(持ち歩くの重そうで)後回しにしてたんです。でもやっぱ読まなくちゃ!!
この中で読んだ事があるのは「航路」だけでした〜(笑)
ヨットクラブ・シェルコレクター・冬かぞえは読んでみたいと思います。(こうして読みたい本リストが増えていくんですね〜)
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Re: 2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.8 )
日時: 2004/01/08 02:14
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

坤さん>
そっか、坤さん的には『霊山』より『白檀の刑』が上でしたか。でも、物語好きとは知らなかったですよ(笑) ストーリーのない書き物を避ける傾向の強い私たちは、物語があってもなくても存分にその本の良さを味わってらして羨ましいと思ってました。
『甘美〜』はぜひ感想をうかがいたいところですね。

サイファさん>
まあ、見た目だけかもしれませんが、『昏き〜』は『航路』よりは薄いですよ(笑) なんてことはともかく、とにかく迫力がありましたよ〜。
『ヨットクラブ』のゾゾゾ感なんて、ぜひサイファさんとは感想交換したいところですね〜。楽しみにしてます♪
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Re: 2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.9 )
日時: 2004/01/14 00:47
名前: 子午線

「昏き目の暗殺者」と「贖罪」を読みました。この順位は異議ありです。確かに、「昏き目」の四重の入れ子構造は見事です。しかし、それにも増して「贖罪」の方が素晴らしい。漱石の「こころ」を思わせる。しかもリアルだ。何故、このリアルな物語の最後に、虚偽を入れたと思いますか。そう描くことでしか、贖罪が果たせなかったからでしょう。人生の深み、人間の深みをシンプルな形でリアルに描ききった点で、「贖罪」の方が遥かに優れた作品と思います。
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Re: 2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.10 )
日時: 2004/01/14 23:33
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

子午線さん、はじめまして。
ええっと、ここでのベストっていうのは、個人個人の趣味思考に偏って選んでもらう、ごく個人的なベストなので、他の人に納得してもらわなくてもいいんですよ。
それに、同じ1冊の本を読んでも、読みとるものというのは人それぞれで、そのなかでまた細かい描写が一番気になる人もいれば、全体の構成が一番気になる人もいるし、人物の心理描写にこだわる人もいるし、と、それぞれの甲乙の付け方って違いますから、個人それぞれが甲乙をつけることは出来ますが、全員で絶対的な甲乙をつけるってことはできないと思います。ということで、私たちのベストはこれです。よかったら子午線さんは子午線さんでベストを挙げてみてくださいね。
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Re: 2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.11 )
日時: 2004/01/18 01:32
名前: しま

どうも。「贖罪」がどうも今ひとつピンと来ないしまです。(^^ゞ
「シェル・コレクター」「冬かぞえ」よかったですよね〜〜。
それにしてもバリの「小さな白い鳥」、読みたいです。見かけないんですよ;;
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Re: 2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.12 )
日時: 2004/01/18 21:24
名前: Hiro

『昏き目の暗殺者』は、翻訳の文体の妙技も大きな要素ですよね。
私には『白檀の刑』が耐えられるかどうか、ちょっと心配だし、『紙葉の家』『甘美なる来世へ』はどうも読みとおす自信がないです。(^^;
しかし、『霊山』の2位は気になりますね。
それと、短編集の順位はものすごく納得♪ 『ヨットクラブ』、早く読みたいな。


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Re: 2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.13 )
日時: 2004/01/19 01:13
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

しまさん>
バリの『小さな白い鳥』、図書館にリクエストしてもダメかしら。好きな本だったので、ぜひ読んでいただきたいです。お気に召すかどうかはわからないんですが・・・。

Hiroさん>
『昏き〜』は素晴らしい翻訳文でしたよね。私たちが見たかぎりですが、ふだんは翻訳文を褒めたいのに褒める機会がなくて、とおっしゃる方までが手放しで絶賛なさってました。
『霊山』は人に勧めるとなると自信がなかったりするんですよ。でもなんだろう、なんか他の本を読んだときには感じないなにかを受けとったような気になりましたね。『ヨットクラブ』はおもしろいですよ〜。
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Re: 2003年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.14 )
日時: 2004/01/26 00:08
名前: 子午線

『霊山』読みました。素晴らしい。『霊山』>『贖罪』>----->『昏き〜』です。『昏き〜』は良く出来た推理小説の域を出ないが、『霊山』と『贖罪』には文学に必要なリアルさと深みがある。
メンテ

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