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2006年・すみ&にえの年間ベストほんやく本
日時: 2006/12/26 00:05
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

今年も一年お付き合いありがとうございました。2007年もよろしくお願いいたします。
ということで(笑)、珍しく1位で悩んだ年となりましたが、全体としてはけっこう順当? あ、でも、国名も入れたほうが良かったかなという幅の広さになりましたよ。


■1位■

カズオ・イシグロ 「わたしを離さないで」
http://park8.wakwak.com/~w22/729.htm

悩んだんですが、やっぱり2006年で1番存在感があったのはこの本ではなかったかと。無茶な話もぐいぐいと引っぱっていく力と心地よく酔わせてくれる翻訳文、うん、これでいいの、1位は(笑)


■2位■

「風の影」 カルロス・ルイス・サフォン
http://park8.wakwak.com/~w22/755.htm

完成度はともかく(いや、出来が悪いとは言いません)、こういうエンタメ小説を書いてくれる人をいつでも待っているんですよね。そういう意味で、いらっしゃいませ、お待ちしておりましたということで(笑)


■3位■

「エルサレムの秋」 アブラハム・B・イェホシュア
http://park8.wakwak.com/~w22/770.htm

久々にブンガク作品に浸れたな〜という感想です。中編2作収録の本だったんですよね、長編だったら1位だったかも? この方の本はもっと読みたいです。


■4位■

オルハン・パムク 「雪」
http://park8.wakwak.com/~w22/726.htm

個人×2的な喜びからいくと、これが1位でもよかったですよね。作品を読んでいる作家がノーベル文学賞を獲るのがこれほど嬉しいとは。この2冊めで、オルハン・パムク節的なものもなんとなく掴めてきたような。とにかく、これからも読んでいきたい作家さんです。


■5位■

莫言 「四十一炮」
http://park8.wakwak.com/~w22/727.htm

ここから下がまた迷ったんですが(笑) 余計なところも気になりますが、やっぱり「熱」を感じる作家さんですよね。この作品ではとくにその「熱」を感じたので。


■6位■

「自由の樹のオオコウモリ」 アルバート・ウェント
http://park8.wakwak.com/~w22/756.htm

サモアの文豪が日本語で読めるってのは、ホントに翻訳本を読む喜びで、しかも、こちらの好みにもピッタリで、出会えた喜びを噛みしめることができたとあっては、ベスト10入りでしょう。素晴らしい作家さんです。


■7位■

「大統領の最後の恋」 アンドレイ・クルコフ
http://park8.wakwak.com/~w22/767.htm

1人の主人公で3つの話が並行して進んでいくという、これまで読んだことのなかったパターンに読んだ当初は戸惑いましたが、やっぱり良かった、とあとからジワジワ。


■8位■

アニー・プルー 「ブロークバック・マウンテン」
http://park8.wakwak.com/~w22/712.htm

薄い本ではあるけれど、思い出すとまだズキリと痛みが走るから、もっと上の順位でも良かったかもしれないです。


■9位■

「コレラの時代の愛」 G・ガルシア=マルケス
http://park8.wakwak.com/~w22/765.htm

「わが悲しき娼婦たちの思い出」と合わせての感想なんですが、どうもG・ガルシア=マルケスの愛に対するリアリティの求め方が私たちには少しグロテスクな気がしてしまうんですよね。そこまで冷静な第三者目線で克明に描く必要があるのかというか。そこが面白くもあるからベスト10入りなんですが(笑)


■10位■

イヴ・テリオー 「アガグック物語」
http://park8.wakwak.com/~w22/733.htm

さて、最後になにを入れるかも候補が多くて悩みましたが、9位までを見てから、候補をながめると、このイヌイットのお話が目立っていました。物語の「力強さ」というものにやっぱり惹かれてしまいます。




ちなみに、下半期のトップ10は以下になります。(順位付けなし)

「最後の晩餐の作り方」 ジョン・ランチェスター 
http://park8.wakwak.com/~w22/744.htm

「シャルビューク夫人の肖像」 ジェフリー・フォード 
http://park8.wakwak.com/~w22/746.htm

「それぞれの少女時代」 リュドミラ・ウリツカヤ
http://park8.wakwak.com/~w22/749.htm

「サフラン・キッチン」 ヤスミン・クラウザー
http://park8.wakwak.com/~w22/752.htm

「風の影」 カルロス・ルイス・サフォン
http://park8.wakwak.com/~w22/755.htm

「自由の樹のオオコウモリ」 アルバート・ウェント
http://park8.wakwak.com/~w22/756.htm

「コレラの時代の愛」 G・ガルシア=マルケス
http://park8.wakwak.com/~w22/765.htm

「大統領の最後の恋」 アンドレイ・クルコフ
http://park8.wakwak.com/~w22/767.htm

「エルサレムの秋」 アブラハム・B・イェホシュア
http://park8.wakwak.com/~w22/770.htm

「天使が堕ちるとき」 トレイシー・シュヴァリエ
http://park8.wakwak.com/~w22/771.htm
メンテ

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Re: 2006年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2006/12/26 00:50
名前: おはな

あぅ『最後の晩餐』、最後までもたなかった〜(笑)。
それにしても今年のイシグロの話題性はダントツだったということかしらん。勝手にepi入りを狙って本購入はそれからということにしているんですが、自分でもいいわけっぽいなぁ。
『風の影』が上に来ましたね。このジャンルでここまでのぼりつめるというのは珍しいパターンかも。本好きのツボを見事につかれたようで、そうですよね、そこをつかれちゃ反応するしかないか(笑)。
莫言さんがそこそこに来たというのが実は意外でした。どぎつくないという点で「落ちる」と思っちゃったのね。この本は手元にあるのでいつでも攻略可能でありますが‥むむむ、その内ゆっくりカブリモノの世界でお話できるようにガンバリまぁす。待っててね。
メンテ
Re: 2006年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2006/12/26 23:44
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

おはなさん>
「最後の晩餐」はホントに、最後の最後まで入れようかと悩んだんですけどね、というか、気持ち的にはほとんど入れたも同然なんだけど(笑)
はい、「風の影」は読めそうでなかなか読めない上質エンタメですからね、これは認めておかないとっ。
「四十一炮」は私たちがよけいなことを言ったばっかりに、ずっとおはなさんに誤解され続けてしまっているようで申し訳ないかぎりです。私たちのせいで後回しにされちゃってるのかしらと考えると、とてもとても心苦しゅうございます。ということで再度申し上げますが(笑)、「白檀の刑」が処刑タップリで、そこが辛かったけど、こちらは処刑の話じゃないから良かったというだけで、奇想天外さ、暴走する狂気の凄まじさでは、けっして「白檀の刑」に劣らずどころか、さらにイッちゃってる感もあり、ストーリーは濃厚そのもの。決して薄味で普通の小説に近くなってしまったとか、そういうものではありませんよ。真逆です。うん、もっと言っちゃえば、すごい殺人もありですよ、こっちでも。だからお願いだから、私たちが与えてしまった、間違った印象は消してくださいませ。土まじりの血をたぎらせた莫言さんはまだまだ健在ですっ。
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Re: 2006年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2007/01/02 15:05
名前:
参照: http://yonosk.at.infoseek.co.jp

すみさんにえさん、あけましておめでとうございます。今年も発表の場をご提供くださりありがとうございます。
 おっとカズオ・イシグロさすがのトップですか。わたくしもこれが新春読み初め本としてスタンバイしております。
『風の影』は内戦そのものにほとんど触れていないところが不満と言えば不満なのですが、実に魅力的な作品でした。きっと映画化されるのでしょうけど、本の墓場や顔のない男がさまようバルセロナの夜の光景が目に浮かぶようです。これはわたくしも文句なしのベスト入りでした。
『雪』はとうとう取ったぞノーベル賞というところですが、そういった権威抜きにしても、かなり問題意識をはらんだ重要な作品といえるでしょうね。もっともわたくしはあの訳文にはうーむむでしたけど〜。
『四十一炮』は莫言さん来日の折りに話されていた作品であり、待望の邦訳ということになります。食文化に象徴される時代の矛盾を突く姿勢はさらに尖鋭化されているようでもありますが、わたくしはこの倍くらいの分量でもっと時代を広げた大ボラを吹いてほしかったような気もします。ま、ゼータク言ってるわけですが。
『コレラの時代の愛』はわたくしもベストには入れたものの、感想を書こうとして壁にあたっております〜と言うくらいに濃いですねー。これがペストとか梅毒なら納得できるんですけどって、そういう問題ではないか。
 さて、今年も当方の路線はぷるぷる続行と山崩し重視ですのでどこまでカブれるか不安ですが、それだけにお二人の新刊評価は参考にさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
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Re: 2006年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.4 )
日時: 2007/01/03 22:13
名前: 海ねこ

すみ&にえさん 今年もどうぞよろしくです♪
おっ、『大統領の最後の恋』が入っていて嬉しいな♪ これは後でじわじわ来ますね。『風の影』もヴィクトル・ユゴー的な重厚さで小説読む楽しみにあふれていました。『わたしを離さないで』はいまだに鮮烈なイメージが脳裏に焼きついています。未読でぜひ読みたいのは『エルサレムの秋』かな。良さそうなので期待しています!
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Re: 2006年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.5 )
日時: 2007/01/06 01:54
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

坤さん>
あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします。
はい、ちょっと迷いましたが、やっぱり1位はカズオちゃんで落ち着きました(笑) 「風の影」はそうですね、そのあたりにも期待するところはあったけど、いまひとつ触れられてなかったですね。自国の方が読む時に、純粋にエンタメとして楽しめなくなるからの配慮とかかなあ。最初から世界へって意識だったら、また違っていたかもしれませんね。
オルハン・パムクの翻訳は、また出るみたいだし、がんばってくれの一言に尽きますね(笑)
莫言さんはこれからまた世界を広げてくれそうですよね。次がまた楽しみってことで。「コレラの時代の愛」は私たちとはまた違うところで壁に? とにかく、坤さんの鋭いレビュー、期待しております。これはほんとに他の方のご意見をもっとうかがいたい作品です。

海ねこさん>
今年もよろしくお願いします♪
「大統領の最後の恋」はほんとに、あとからジワジワ来ました。これを時系列に沿って書いていたらどうなんだろう、なんて、つい考えてしまいますが(笑) 「風の影」は待ってました!ですよね。
「エルサレムの秋」は地味と言えば地味なんでしょうが、私たち的にはかなりグッと来ましたよ。海ねこさんはどうかな、ドキドキしながら感想をお待ちしますねっ。
メンテ
Re: 2006年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.6 )
日時: 2007/01/08 23:38
名前: ぎんこ
参照: http://park8.wakwak.com/~yawa/

 私が読んでいる本は「わたしを離さないで」と「ブロークバック・マウンテン」だけです…今年はもっと本を読みたい! 「コレラの時代の愛」は、図書館で借りてたのですが時間切れで返してしまったのが残念です。オルハン・パムクもノーベル賞もとったし、異文化体験してみたいのでぜひ読みたいと思います。
メンテ
Re: 2006年・すみ&にえの年間ベストほんやく本 ( No.7 )
日時: 2007/03/03 02:50
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

ぎんこさん>
すみません、ものすごい遅レスです。ここ読んで、そのあと、ぎんこさんのベストを見てコメント書いたら、こっちも書いた気になっていました…ということに、いまごろ気づきました(^^;)(^_^;)
オルハン・パムク、いいですよ〜。トルコの作家さんの本が読めるなんて、それだけでも幸せですよね。今年もいろいろ経験のない異文化を体験できそうで、嬉しいかぎりです♪
メンテ

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