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2004年上半期・すみ&にえのベストほんやく本
日時: 2004/07/02 04:48
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

今回は10作品、3つの部門に分けてみました。
「長編小説部門」「小説なのか、小説外なのか部門」は迷いなく、「短編集部門」はこの半年で読んだ短編集のほとんど全部を入れようかとも思ったんですが、かなり迷ったすえに2つだけに絞りました。

◇長編小説部門◇

■1位■ アンリ・トロワイヤ 「サトラップの息子」

アンリ・トロワイヤは3冊まとめて読んだのですが、とにかく、本当に美しいと言える小説はこういうものだ、というところを見せつけられました。
http://park8.wakwak.com/~w22/488.htm

■1位■ ジェフリー・ユージェニデス 「ミドルセックス」

アンリ・トロワイヤに敬意を表して、これは2位にしようかとも思ったのですが、やっぱりこの作品を1位以外にはできないっ。素晴らしくよかったです。
http://park8.wakwak.com/~w22/499.htm

■3位■ クリストファー・ブリースト 「奇術師」

こういう濃厚さは、まさに私たちの好みです。
http://park8.wakwak.com/~w22/515.htm

■4位■ ヤン・マーテル 「パイの物語」

まだ小説を読んで、「してやられた」と感じることができるというのは、まさに喜びですね。ベルナルド・アチャーガの「オババコアック」の中の「最後の言葉を探して」という中編で語られた剽窃について考えさせられてるところに、そのままズバリ、こういう小説が読めたから、というところも大きいのですが。
http://park8.wakwak.com/~w22/481.htm

■5位■ フィリップ・ロス 「ヒューマン・ステイン」

アメリカ純文学の健在ぶりを見せつけられました。
http://park8.wakwak.com/~w22/520.htm


◇小説なのか、小説外なのか部門◇

■1位■ キアラン・カーソン 「琥珀捕り」

読む楽しさ、美しさに酔いしれました。
http://park8.wakwak.com/~w22/506.htm

■2位■ オラフ・ステープルドン 「最後にして最初の人類」

オラフ・ステープルドンは「スターメイカー」とこれと2冊読んだのですが、こちらのほうが取っつきやすく、単純におもしろかったです。読んでいて、え〜、そうかなあ?と思うところが多く、そのたびに自分の考えというものを再確認でき、そこが楽しかったです。
http://park8.wakwak.com/~w22/494.htm

■3位■ ジョン・バクスター 「ある愛書狂の告白」

古書蒐集の喜びをあますところなく伝えていただきました。憧れますっ。
http://park8.wakwak.com/~w22/512.htm


◇短編集部門◇

■1位■ ケリー・リンク 「スペシャリストの帽子」

今期に読んだ短篇集はどれも良かったんですが、全編が気に入った、特別な個性がある、書きすぎていなくて余韻がある、1作ごとに新鮮で、でも統一感がある、などなどの条件で絞りこんでいくと、やっぱりこれに。読んだ全員が好きと思う本ではないのでしょうが。
http://park8.wakwak.com/~w22/492.htm

■2位■ シオドア・スタージョン 「不思議のひと触れ」

選定基準は上記と同じです。どこか寂しく、やさしく、美しく、余韻深く魅了されました。
http://park8.wakwak.com/~w22/463.htm
メンテ

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Re: 2004年上半期・すみ&にえのベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2004/07/02 18:21
名前: ベック

ぼくもどちらかというと、長編好きなんで長編部門が気になる口なんですが、後半三作品読んでないなぁ。「奇術師」と「パイの物語」は特に気になりますね。そうか、「琥珀捕り」はビミョーなんですね。ぼくはてっきり小説だと思ってました。
メンテ
Re: 2004年上半期・すみ&にえのベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2004/07/03 08:53
名前:

うきゃ〜ん、トロワイヤですよね、最後まで迷ったんですよ。ですが、あのあまりに完璧な品位とバランス感覚あふれる佇まいに、まあ私などがベストに入れなくてもと、ちょっと躊躇ってしまったというか……まあこういう駆け引きも変な話なんですが。
『奇術師』は読めば読むほどに魅力を増す、奧の深〜い小説ですよね。ネタバレ掲示板でもずいぶん楽しませていただきました。一読で既にこれは!と看破されたすみ&にえさんは凄いと思いました。
『スペ帽』は私もいったん短篇部門に挙げたんですが、字数の関係で割愛しました(笑) うん、この上半期、短編集はずいぶん粒ぞろいでしたよね。
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Re: 2004年上半期・すみ&にえのベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2004/07/07 00:11
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

>ベックさん
いやあ、私たち的には『琥珀捕り』は小説なんですが、あとがきにも小説か小説じゃないか諸説ありって書いてあったので、とりあえず別枠にしました。ベックさんは『パイの物語』、絶対お気に召すと思いますよ。お早めにどうぞ〜♪

>雫さん
はい、今期の私たちにとって、アンリ・トロワイヤはちょっと特別な存在になりましたね。目から鱗というか、「小説ってこういうもの」みたいな決めつけを根底から揺さぶられたような。
『奇術師』は私たちだけすっとぼけてますが(笑)、とにかく素晴らしい出来の幻想小説でしたよね。
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Re: 2004年上半期・すみ&にえのベストほんやく本 ( No.4 )
日時: 2004/07/09 12:39
名前: mopsa
参照: http://granola.jfast1.net/

『ミドルセックス』は深く頷けますが、トロワイヤは未読です。完璧に美しい小説…どんなんだろう〜。気になります。
うわ、『琥珀捕り』の存在を忘れていました!美術館のように目の保養になる作品でしたね。「嵐の夜、ビスケー湾でのこと…」眩惑されました!
メンテ

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