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エンジンメンテナンスついて(ヤマハKT100S限定)
◆STEP1 ◆STEP2 ◆STEP3 ◆STEP4 ◆STEP5 ◆エンジンメンテ◆ウエットセッティング ◆フレーム比較
はじめに KT100SDを使用するクラスではポート研磨等、一切の加工が認められていません。(ノーマル状態で使用)
車検で違反が発覚すれば当然失格です。レースで上位に顔を出す為にも、調子の良いエンジンを確保したいものです。
KTとは言え、基本的にレーシングエンジンですので、適切なメンテナンスが必要です。
メンテナンスは基本的にショップ(チュ−ナー)のお世話になります。
ご自身でメンテナンスも可能ですが、必要な工具(設備)及びノウハウを考えると難しいかもしれません。
レースに出られない方でも、最低限のメンテナンスは必要です。
年に一度はショップに持ち込み必要なメンテナンスを受けましょう。
(メンテをさぼると、結局新品エンジンが買えた等と言う事も・・・)
普段は使用OILと混合比に注意し、フレッシュな混合ガソリンを使用するように注意しましょう。
「画像はヤマハKT100SD」
1.エンジンライフ
ピストンのライフは、通常は走行500〜1.000kmと言われています。(1kmのコースで500LAP換算・レースが前提)
KTはパワーダウンのカーブが緩く、1.000〜3.000LAP以降でも練習には十分使えます。
1回当りの練習走行は約100〜300LAPですので、1基のエンジンでフルシーズン参加は厳しく、度々オーバーホールを行う事になります。
つまりシーズン参加をする方は、必ず予備エンジンが必要です。如何使うかは彼方次第です。
(交互に使用するか?レース用と練習用を使い分けるか?)
周回数・タイム・最高回転数・パワー感・他車との比較で、オーバーホールの時期を見極めます。
フレームやその他のパーツのライフ(交換時期)を管理する為にも、最低限「周回数」の記録だけは付けて欲しいです。
◆エンジンOILの選択について
植物油タイプは高回転、Hiパワーのチューニングエンジンに使用され、その性能と実績が認められています。
しかし、その性能と引き換えにスラッジ(カーボン)が蓄積しやすく、長期の使用によっては焼き付きが起こる場合があります。
そこで頻繁にメンテナンスされる、チューニングエンジンと異なり、KTーSユーザーは化学合成油タイプの使用をお勧めします。
KTの回転粋では性能差は殆どなく、そのままレース使用も十分可能です。化学合成タイプは殆どカーボンの蓄積が無く、
長期に渡ってエンジン内をクリーンに保つことが可能です。コスト的にも頻繁にO/Hを行えないホビーユーザーにメリットがあります。
頻繁にO/Hするか、少々高いOILを使用してメンテナンスを減らすかの選択ですね。
植物タイプのOILを使用しているKT-Sオーナーは、時々カーボン除去(エンジン洗浄)を行うと良いでしょう。
O/Hと異なり、メンテナンス費用はそんなに高くありません。
2.オーバーホールとその費用
ピストンとシリンダーが油膜で保護されているとは言え、高回転で回るエンジンです、必ず磨耗や歪が出ます。
レーシングエンジンの宿命でパワーを追求してありますので、いわゆる「美味しい所」は結構短いと思って下さい。
◆オーバーホール
シリンダーをホーニング又はボーリングし、ピストンを新品に入替えます。(周辺パーツを含む)
費用はパーツ代金を含めて、約¥20.000〜
◆フルオーバーホール
オーバーホールの作業プラス、クランク回りのメンテ(大端・小端ベアリング交換等)
芯振れ等の異常のチェック、芯だし組み立て)になり、費用は¥35.000〜
お世話になるなら、自店でエンジンを触ってくれるショップと付き合いたいものです。
私の経験上、オーバーホールのポイントは、加工精度と組み立て精度 を妥協せず、如何に上げるかです。
又オーバーホール後は再度、慣らし運転をする必要があります。
※ホーニング:
専用の砥石でシリンダー内面を削る作業。歪と傷を修正し、凹凸の無い綺麗なシリンダー内面に仕上げます。
ボーリング後の修正や、ピストンクリアランスの調整にもホーニング作業を行います。
※ボーリング:シリンダー内面を専用のマシンで切削する作業の事。歪を取ったり、焼き付きの場合など大きくシリンダーを
切削する場合に利用します。まれにクランクに対して垂直が出ていない場合なども、ボーリングで芯出しをします。
3.ピストンサイズ表
参考までにピストンサイズ表を添付しました。中古KTを手に入れる際には、必ず確認したいポイントです。
中古の場合でも、O/Hを行うこと事でエンジンは元気を取り戻してくれますので、
ピストンサイズが52.50 (No,11) を超える物はライフが無く (ボーリングで2サイズUP)お勧めしません。
【画像の「25」の刻印が52.25(No.6)を表しています】
(ノーマルサイズには刻印が無い場合があります)
ピストンサイズNo, |
ピストン径mm |
1 |
52.00 |
2 |
52.05 |
3 |
52.10 |
4 |
52.15 |
5 |
52.20 |
6 |
52.25 |
7 |
52.30 |
8 |
52.35 |
9 |
52.40 |
10 |
52.45 |
11 |
52.50 |
12 |
52.55 |
13 |
52.60 |
レースではピストンサイズ52.55mm・ボアサイズ52.61mmまで認められています。
レースには使用出来ませんが、60サイズのピストンも存在するようです。
※ピストンクリアランス(ピストンとシリンダーのすきま)
標準値は0.030〜0.035mmです。狭いとライフ(O/H寿命)は長いがエンジンが回りません。又焼き付きの可能性が高くなります。
ある程度広いとエンジンは高回転し易くなりますが、ライフは短くなります。この数値にチューナーのノウハウがある訳です。
通常は標準値から離れた数値で加工しています。圧縮を保つ為に、ピストンリングのオーバーサイズを挿入する事も・・・
あまり詳しく書くとショップに嫌われますね!
4.キャブレターメンテナンス
「走り終わったら、フューエルホースを外してキャブを手でふさぎ、クランキングしてキャブ内のガゾリンを出しておきましょう」
理想は2〜3レース毎に、オーバーホール・パッキン類の交換でしょうか。中にはレース毎O/Hされる方も。
ホビー派は1シーズンに1回のO/Hメンテナンスで良いでしょう。費用は交換部品を含み、約5.000円です。
エンジンとの相性もありますので、出来れば予備のキャブが有ると色々比較出来て便利です。
普段はチェック圧に気を配る位で良いでしょう。覚えれば、自分でメンテナンスも可能です。
しかし、なかには調子の良いキャブをO/Hして、調子が崩れる場合も有るようなので注意して下さい。
5.究極のエンジンパワー?
全てが高次元でバランスが取れた時に、究極のパワーを引き出す事が可能です。
(レースのトップレベルでは当たり前の話なのですが・・・)
1.組成の良いエンジンを適正なメンテナンスを行う
2.調子が良い(相性が良い)キャブレターを選択出来る
3.レース時の気候に応じたキャブセットを出せる(データーの蓄積とテクニック)
4.プラグ
5.ガソリン
6.駆動ロスの低減(カートのメンテナンス)
・チェーンの張り、ライン、OIL、215、フローティング式等
・ベアリングメンテ、アクスルシャフトの芯だし
・駆動系の軽量化、ホイル、ハブ等
・アライメント調整
・タイヤエアー圧
どんなに調子の良いエンジンでもそれを生かせる、キャブ&セッティングとマシン(フレーム)が
なければなりません。彼方は大丈夫?一つづつ原因を潰してセットUPしましょう!
一つ一つのロスは小さい物ですが、それが積み重なると大きなロスになります。
イコールコンディションの中で戦われるカートレースでは特に、不利になる状況は避けたいですね。
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