新建材についてどう考えるか
新建材。不思議な言葉です。
新建材とは今まで太古から住宅に使ってきた木や石、土ではなくおもに石油製品がからんだ建築材料のことです。
近代化はそんな不思議な建築材を次々に作り出しました。
たとえば
人工大理石 | 樹脂に大理石の粉を混ぜて作った大理石に似たプラスチック。 | |
ビニールクロス | 薄紙にビニールを貼ってプリントした壁紙そっくりなビニール。 和紙風、塗り壁風、石風、土壁風……いろいろあります。 |
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M D F | パルプに樹脂を混ぜて木の板にしたもの | |
合 板 | 木を大根の皮を剥くように薄く薄く剥いて接着剤のサンドイッチのように重ね合わせて板にしたもの | |
プリント合板 | 上の合板やMDFに木目などプリントしたビニールを貼って一見立派な木の板に見せたもの。 |
このように書いてきますとおぞましくなってきます。これで家を丸ごと造るこ とが出来るのです。
どういう家ですかって?一見普通に見えますがつまり天井 も壁も床も建具も接着材やビニール、プラスチックの塊であるわけです。 接着剤を含んだビニールで包まれて暮らす家です。 想像してみてください、接着剤の臭いのするサランラップに体を包まれたみた いだと思いませんか?
体に良いはずがありません。さまざまな病気を引き起こす原因になっているはずです。
建材メーカーも、ほとんどの工務店もこれを勧めます。 安いし、木目は揃って 見た目も良いし(プリントですからね)がっちりコーティングしてあるから工 事中の傷も付きにくい。
でもだまされないで!この写真は新建材の幅木(床と壁の見切りの木)の15年 後の成れの果てです。両面のプラスチックが劣化して中のMDFつまりダンボ ―ルが覗いています。文字通り化けの皮が剥がれたということです。 木や石、土などの自然素材が経年変化で劣化してゆくのは美しい味わいがあり ます。木に塗ったペンキが剥がれてゆくのもそれはそれで風情があります。
自然素材の魅力は健康的であることは勿論ですが年月を経たほどその魅力が増す ことです。 ところが新建材だけはなんとも浅ましい姿になってしまいます。 自分自身を偽って整形手術を重ねてきたけれど年をとったら化けの皮が剥がれ た侘しさに似ている、と言ったら言いすぎですか?