私は旅行をする時に限らず、小さなスケッチブックを鞄の中に入れておきます。
　 ハッと胸を突くように美しいものに出会うとササッとスケッチします。
　カメラで撮ったら簡単ではありませんか、と言われますが後でスケッチと写真を見比べるとスケッチのほうがとても説得力があるのです。これは私が何について魅力を感じたのか、時間をかけて、心の中で「きれいだなぁ！」と感じながら描いたものがそのまま紙の上に出てくるからと思います。
　仕事柄、寸法も知りたくなりますので小さなメジャーや色鉛筆も持ってゆき、スケッチに寸法や色も描きこみます。これが私の建築の仕事をする時の大事なヒントになっています。ホテルのカーテンや鏡の使い方やタイルや石の使い方、色の使い方、建具の納まりなど参考になるものはいっぱい。
　スケッチブックは10冊位になり、繰り返し眺めプランの際に役立てています。