3月27日、日南海岸を走る 宮崎市内⇒鹿児島県大崎町107.9Km
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朝、テントから顔を出したら反対側の土手を散歩している人に見られた。
慌てて顔を引っ込め、出来るだけこそこそと朝飯を食べ、
速攻でテントをたたむ。
昨日の雨はすっかり止んで今日は気持ちのいい天気だ。 しかし、困ったことにまるで動く気にならない。 天気はいい。Tシャツでちょうどいいぐらいの暖かさ。 風はゆるい追い風。 道にはヤシの木が植わり、路肩にはハイビスカスらしき花が咲き乱れている。 絶好の条件。でもなぜか走る気にならない。 元気だったら「シーガイア」の看板があったところで、見に行っていたかもしれないが、 そんな気持ちも起きなかった。 国道220号線に折れ、日南市を目指していやいやながら走る。 青島の海水浴場を過ぎると道が登りになった。 登りきると、堀切峠という看板が立っている。 内心、「こんなの、峠というほどの峠じゃないよなあ」と思いつつも 景色がよかったし、相変わらず走る気がなかったので休憩することにする。 走る気がなかったので自転車の整備をする。 いろんなパーツのネジを増し締めしてブレーキのシューを交換する。 おかげでブレーキのタッチが硬くなってしまったけど、ま、すぐに慣れるだろう。 それより、B・Bのガタが思った以上にひどいのにがっくり。 昨日は雨だったから気にする余裕もなかったけど、 昨日の雨で、さらに傷んだんだろうな、やっぱり。 | ![]() |
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いやいや走っていくと、また、洗濯板のように削り取られた地形があった。
すぐそばに降りる道があったので波打ち際まで降りてみる。
潮溜まりの中を覗いて見ると貝やカニ、ヤドカリがたくさん。
ヤドカリにいたずらして遊んで見る。
波打ち際まで行って見ると、地元の人が貝を取っている。結構うまいのだそうだ。
今度は堤防のほうに歩いていく。珊瑚のかけらがたくさん打ち上げられている。
地元の人にとってはただのゴミだろうが、新潟の海しか知らないオイラにしては
不思議な物体だ。形のいい珊瑚を探して見る。
こうして時間はゆっくりと過ぎていくのでした。 さすがに12時をまわるとオイラも腹がすいたので先に進み、 見つけた活魚店で刺身定食をいただきました。でも、この店はちょっと外れだったかな。 |
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しかし、見れば見るほど妙な削れ方をしているね。右の写真は化石漣痕の岸側に出来ていた模様。
多分、石は砂が固まって出来た石で削れやすいのだろう。 かってな想像ではあるが、セメントといっしょで水分があると風化しにくいのではないか。 それで、石に入ったひび割れは水分を含んでいるので風化しにくく、 ひび割れに沿って盛り上がるような形に削れてしまったものだと思う。 左下にある写真はこれこそよくわからん。この小さな窪みはいったいなんだろうね。 大まかな形は化石漣痕だけど、その表面に空いている小さな窪みはこれは あとから出来たように思う。 地元の人の言うに、石が入って波で削られたという人がいたけど、 オイラ的には右下の拡大写真を見ると、中にあるのは石ではなく、貝なんだよね。 もしかして、この貝が住みかを作るために酸を出して穴を空けたのではと言う気もするけど…、 よくわからないです。 |
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昼飯を食べたらやっとエンジンがかかったようだ。
今日は多分70キロぐらいしか走れまいと思ったら急に元気になってしまった。
やはり、バイク旅行者、観光客、地元民、その他もろもろの人から手を振られると気分いいね。
4人組みの女の子がコテージのベランダから頑張ってー!、と手を振ってくれようなものなら。
元気百倍って感じだね。長続きしないけど。 ま、途中からエンジンがかかってくれたおかげでかなりやる気になったものの、 夜7時ごろ、大崎町の「あすぱる大崎」というところで、もらい湯が出来て、 コインランドリーもあると確認できたので、休憩。 洗濯物が乾くのを待っていたら10時近くになってしまった。 それから、テントを張れそうなところを探して飯を作って就寝。Zzzzzz...... | |
3月28日、本土最南端、佐多岬 大崎町⇒佐多岬79.4Km
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本日の目標は佐多岬。
まずは、国道220号を西に向かって進む。大型トラックがかなり多い割に道幅が狭い。
橋を渡ろうとしたとき、その狭さに、どうしようか迷ったときに
隣に別の橋があるのに気づいた。橋の脇に花が飾ってあって歩行者用の公園という感じだ。
迷わずそっちに行って見る。走り始めてすぐ気づいた。
廃線を整備して舗装したものだ。
そういえば、昨日も寝場所を探してうろうろしていたときに、
田んぼの中に、不釣合いなぐらいまっすぐで広い道が走っていたのを思い出す。
近くの人に聞いてみたら、旧国鉄大隈線で、古江まで伸びてるはずという話を聞いた。
こりゃ、いいや。元線路の道なら、きつい勾配はないはず。
舗装がやや荒れているけど、段差のきつい歩道や、トラックの多い国道を走るよりよっぽどもまし。
なかなか快調に走れる。 しかし、いいことは長くは続かない。 いきなり、道が消えてました。しばらくすればまた復活するかと思い、 うろうろして見たけど、公園の隅に車掌車が一台ぽつんと置かれていたのみ。 あきらめて国道に戻りました。 そして、鹿屋を通って鹿児島湾へ。 ここでまばゆいばかりの青空が迎えてくれればいいんだけどねえ。 ま、そうもいかないですな。 とりあえずはまた南下をするわけだが、海沿いに出たら風がまたつらい。 ペースがガクッと落ちる。 眺めがいいのがせめてもの救いだね。 無人販売所ではっさくの大きな袋が100円で売っていたので買う。 なんか、めちゃくちゃ安いね。はっさくを食べていたら、 地元の人が、これも食えと、小さなみかんを二つもらった。ありがたや。 風に悩まされながらなんとか、佐多町に到着。 町外れを走っていたら小学生の集団と合流。 おじさん呼ばれされ、苦笑する。 やはり、このランドナーの姿は異様に映るらしい。 さて、でも、ここからが正念場だ。 案内にしたがって県道に入ると道はどんどんと山の中へ。 三方を山に囲まれた谷に入ってこの道はどこに行くのかと 訝しむ。 まさか、右手の山の上にある生コン工場まで行くのではないだろうなと思っていたら、 そのありがたくない予想が大正解。そこまであがることになりました。 それが終わっても、細かいアップダウンの連続。4時ごろ、佐多岬の先端の集落についたときには もうへとへとになっていた。 | ![]() |
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さて、ここまでくればあと少しと、気合を入れなおし、佐多岬ロードパークに入ろうとする。
しかし、この道路、自動車専用だったのだ。
有料道路とはわかっていたけど、まさか自転車進入禁止とは…。
最終のバスがもうすぐだったので、渋々ながらもバスで佐多岬に向かう。
佐多岬には45分しかいられないということだ。
いかにも道路は南国風だけど、風が強く、空がどんよりしているのでなにか寂しい。
駐車場から佐多岬までは歩いて10分ほどかかる。 せっかく来たものの、何か腹が立つねえ。 それでも建物の壁に書いてある落書きを読むと 笑ってしまうものがある。 それに、リレー式とはいえ、オイラも日本縦断チャリダーの仲間入りなのだ。 最後の最後で、バスに頼ってしまったとはいえね。 |
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ま、そんなこんなで最後にけちがついた佐多岬だったけど、 冷静に考えればかえって良かったかもしれない。 当初の目的だと岬の先端にテントを張るつもりだったが、 ロードパークの中は夜間完全閉鎖のようで、それは無理らしい。 そうすると、あの急坂をロードパークの門が閉まる5時までに戻ってくるのはかなりつらいもんなあ。 というか、荷物を積んだままあの道を走るのはほとんど無謀かも。 そう思うと、なんか、釈然としない気持ちもあるけど、 かえって良かったような気がしなくもない。 しかし、ロードパークの受付のおばさんの態度には真面目に頭に来た。 その集落でテントを張るのはいやだったので、 今日のうちにまた戻り始め、ふれあいパーク佐多という休憩所で 寝ることにする。 ありがたいことに、トイレも水もついている。 トイレの中にはコンセントも。携帯の充電が出来る。ラッキー! | ![]() |
テントを張る前に米を磨いでいたら、バイクのツーリスト、村田君がやってきた。
佐多岬を目指していたのだけど、もう、佐多岬ロードパークがしまってしまったので、
今晩寝るところを探してうろついていたとのこと。
バイクは80ccのオフ車もどきのやつだ。
キャリアにダークグリーンのコンテナをビス止めして、さらにその上にいろんな荷物を積んでいる。
小さいバイクなので、コンテナがキャリアからはみ出していて、正直、後ろにひっくり返りそうだ。
実際、向かい風の突風に吹かれると前輪が浮きそうになったといっていた。 何でも彼はこれから佐多岬に行った後、鹿児島に戻り、フェリーで沖縄に向かうそうである。 奈良から出発して一週間、 食べた外食は一食だけ、ほとんどの日を食費500円以内に押さえているというつわものである。 といっても、これだけの荷物を積んでいるだけあって、燃費も悪く、ガソリン代が 一日1200円ぐらいかかるらしいが…。 お互いの情報交換をしてるうちに風がどんどん強くなってきた。 明日の天気は良くないらしい。 そう言えば、携帯で現在地の天気予報を表示させたら屋久島の天気予報が出てきた。 恐るべし、佐多岬。 | |
3月28日、本土最南端、佐多岬 佐多岬⇒桜島袴腰93.9Km
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風のうなる音で目がさめた。天気予報どおり、朝から強い雨と強烈な風。
昨日一緒に泊まったバイクの兄ちゃん、村田君と顔を見合わせる。
とりあえず、この条件で出るのはいやだ。雨と風の中、のんびり朝食。
しかし、止む気配がない。
こんなところで、一日潰すのもいやである。
雨の中、村田君が撤収を開始。オイラのほうも朝飯の片づけが終わったら、
雨が弱くなったので、撤収を決意、片付け始める。
さすがに、オイラのテントはツーリング専用テントなので撤収も早い。
ほとんど同時に出発準備が出来てしまった。
オイラは鹿児島に向け、村田君は佐多岬に向けて出発。 出発してすぐ気がついたのだが、テントを張ったところがちょうど風の通り道だったようで、 馬鹿みたいな強風はなくなってくれた。それでも相変わらずの雨だったけど。 海沿いに出ると雨がつらいけど、風は全体としては弱い追い風。 結構順調に走る。 しかし、やっぱり雨天走行は難しい。神経もすり減らすし、体力も消耗する。 しかも、ずぶぬれの格好のまま店に入るのも気が引ける。 昼飯は久しぶりにコンビニ弁当になりました。それでも、外のベンチで休んでいたら 雨もかなり小ぶりになったので、また出発。 | ![]() |
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3時半過ぎには有村溶岩展望所に到着。ちょうど、雨も止んでくれ、日が差してくれた。
オイラのほうも、いくら追い風の援護を受けていたとはいえ、相当つかれていたので、
のんびりと散策モードに入る。
バックの中にリコーダーを入れておいたけど、今まで一回も吹かなかったのを思い出し、
引っ張り出して演奏してみる。
結構忘れているもんだね。
ま、人も少なくて、誰も聞いてる人がいなかったからどうでもいいんだけどさ。
テーブルにカッパを干しておいて、乾くのを待っていたら5時ごろになってしまった。 それから寝場所を探してうろうろ。 なんか、いきなり桜島が噴火しないか心配なのだ。 どうせだったら退避壕の中にテントを張りたいけど、どうしたものか。 結局、袴腰まで一回出て、スーパーで 晩飯のおかずを仕入れた後、 人通りの少なそうなところにあった退避壕の中にテントを張ってしまった。 |