3月25日、奇岩の宝庫、足摺宇和海国立公園 足摺岬⇒直川村国道10号線延岡まで後42キロ地点95.6Km
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夜中、風で何度か目がさめた。テントが飛ばされそうになったのだ。
あわてて足とテントを突っ張り、テントが浮くのを防ぐ。
砂利の上にテント張ったんで、ペグなんて打たなかったしね。打っても効かないだろうし。 今日も一日、風に悩まされるのかなと思いながら起きだし、 飯を食べ、テントをたたんで7時半。 四国最南端の足摺岬を探索して見る。 展望台でしばらく風に吹かれていたら、観光客がわらわらと押し寄せてきた。 バスガイドさんが一生懸命に足摺岬の解説をしてくれている。おいらも一緒になって 聴いてみる。やはりプロだねえ。説明を聞くのが面白い。 戻って見たら隣にテントを張っていたお遍路さんも起き出していた。 顔を見ると、思っていたよりかなり若い。歳を聞いたら二十歳だそうだ。 この若さで何で四国霊場八十八箇所巡りなんかしてるのか聞いたら、 国内を長期旅行してみたかったそうだ。 それには、お遍路さんが金銭的にも安全性にもちょうどよかったらしい。 ちなみに歩く距離は1200キロ、早い人で一ヶ月半だそうである。 始めてしまえば結構はまるかも…。 結構若い女の人も歩いていたしなあ。 | ![]() |
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足摺岬を離れる前に白山洞門というものがあったので、見に行って見る。
高さ16メートル、幅17メートル、花崗岩の洞門では日本一だそうだ。
太平洋の荒波が作り上げた典型的な海食洞門なんだそうだけど、こんな
奇岩が似合うのはどちらかというと日本海とか、オホーツク海のような
イメージがあるのは俺だけ? 寒風とオホーツクの荒波に耐える厳しくて寂しい岬というイメージを 見事にひっくり返してくれた宗谷岬を思い出す…。 ま、この日が結構寒くて風も強かったから、なおさら南国のイメージとかけ離れてたのかも。 |
ちょっと軟弱モードが入って今日の目的地は宿毛である。
九州に渡るフェリーを確認したら、二時半発の宿毛発佐伯行きのフェリーがあったので
それに乗船するべく、宿毛を目指す。 しかし、足摺岬の海岸線は美しい。奇妙な形に侵食された岩や、 深い緑が疲れを忘れさせてくれる。 今日は、素直に海岸線の道を通ったので、土佐清水まではあっという間。 そこから国道321号線、通称足摺サニーロードに出る。 ここの道もまた、素晴らしく眺めのよい道。展望台でのんびりしていたら バイクでツーリング中のお姉さんが、オイラの荷物の大きさ、 また、大阪から自走でここまできたことにびっくりしていた。 しかし、この道、走っていて気持ちがよい。 道幅も広いし、舗装もきれい。風景は美しいし、なにより、追い風。 ところでころにある、観光施設もいいね。 足摺海洋館と足摺海底館、寄っていこうかどうか迷うけど、 フェリーに遅れたらしゃれにならないので寄らないでしまった。 しかし、追い風の加護は想像以上。 なんていったって時速25キロというスピードが苦もなく出る。 山陽を走っていたころにこのスピードが出てくれたら…。 というわけで、予想を大幅に上回り、午後一時には宿毛のフェリー乗り場についてしまった。 自転車屋を見つけ、補修パーツを手に入れたら、 二階の喫茶店でのんびりとランチ&携帯、ザウルスの充電。 |
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左の写真は竜串海岸にあった化石漣痕というものだそうである。
化石漣痕とは地面が波に削られて作られた、早い話波の化石だそうである。
薄く重なった地層が波で削られて写真のようになったのかと思いきや、
実際はもっと複雑らしい。
実際は砂岩にできる模様で、階段状の模様は粘土が降り積もり、
そこからはがれるために出来るらしい。詳しいことは
ここのページ
で解説しているからよろしくね。行った人は直リンしてしまったので、ちゃんと
トップページも踏むこと!(無断リンクだったりする) 国の天然記念物に指定されているらしい。 多分、太平洋の荒波と削れやすい砂岩の組み合わせでこんな模様になるんだろう。 でも、まあ、奇妙な模様だ。 |
宿毛から九州大分県佐伯市までは二時間半の船旅である。
知り合いにメールを打ったりして時間をつぶすも、そのうち睡魔が襲ってきて、
気がついたらもうすぐ接岸だった。
慌ててもしょうがない。案内にしたがって車両甲板に降りてみるも、
トラックとかが怖くてほかの車が全部いなくなるまでは出る気にならない。
自転車はオイラ一台きりであった。
一番最後にのんびりと出る。 桟橋を渡ればそこはもう、九州。とりあえず、地元の人に 佐伯駅の方角を聞いて走り出す。 しばらく海沿いを走ったので、今度は山の中の国道10号線を走り出す。 しかし、困ったことに気がついた。6時ごろ、米を磨ごうと、なべに米をあけようとしたら、 一合しか米がない。米といったら日本人の主食である。燃料である。 燃料無しにどうやって走ればいいのだ。 まあ、それはともかく、これではどう考えても足りないので通りかかったスーパーを覗いて見る。 残念ながら目標の米は5キロ単位でしか扱ってなかったけど、 お惣菜のコーナーで鮭弁が半額、190円になっていたのでおもわず買ってしまう。 あと、レトルトのカレーとハンバーグ、カップラーメンに牛乳の500ccパック。 スーパーに入るとどうしても物を買いすぎていけないな。 三つセットで安売りだったりすると、どうしても買いすぎてしまう。 晩飯の確保が出来たところで眠る場所を探すがなかなかいい場所がない。 スーパーの外のコインランドリーの中で寝ようかとも思ったのだが、 どうも人がきそう。あきらめて暗い中を前に進むが、どんどんと山の中に入って行ってしまった。 完全に峠の登りに入ってしまったという感じ。 夜、7時に、これ以上は無理、と判断、近くにあった民家の脇に 一応断りをいれてテントを張らせてもらう。 さて、毎晩楽しみの夕ご飯だけど、今日はスーパーで買った鮭弁。 鮭弁と侮るなかれ。ご飯の上には海苔がしいてあり、さらに脇には梅干と昆布の佃煮が。 メインの鮭の横には鳥の唐揚げ、サツマイモのてんぷらとウインナーが並び、 さらには付け合せで漬物とごぼうの胡麻和えが。 これでなんと190円。 しかし、しかしである。なにか物足りない。そう、理由は簡単。 圧倒的にご飯が不足しているのだ。そう、われらが日本人の元気の元、 白くてふっくらとしたご飯。 それこそが日本人の活動の源なのである!!! ああ、馬鹿なことを言っているのに気がついた。 とっとと寝よう。トラックの音がうるさいかなあと思ったけど、 疲れのほうが大きかったようですぐに寝てしまった。 | |
3月26日、雨が降ります… 直川村国道10号線延岡まで後42キロ地点⇒宮崎市内130.4Km
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朝起きたら小雨がぱらつく天気。
昨日は弁当を食べたので、珍しく、朝、ご飯を炊く。
水加減を調整してご飯を炊き、お湯を沸かして味噌汁を作る。
おっと、米だけじゃない、水も使い切ってしまった。
ぎりぎり間に合ってよかったな。
しかしこれは、早くテントをたたんで出ろということか。
天気予報ではあまりいい天気じゃなさそうだ。
今晩から本降りになるらしい。早めに動きますかね。 一晩寝たことで体力もかなり回復。昨日はあんなに苦しんだこの登りがたいしてきつく感じない。 すんなりと下りに入る。 さすがに10番と、若い番号の国道だけあって道は走りやすい。ふと見ると左手に 細い川が流れている。そこになにか大きな茶色い生き物が。 鹿だった。「あっ、鹿だ!」思わず、声に出してしまった。 ピクンとこっちのほうを見た後、山の中に駆けて行ってしまった。 ところが、もう少し行くと今度は親子連れ。どうやら水を飲みにきていたらしい。 さすがに写真を撮る余裕はなかったけど。気持ちいいよね。 坂も終わりになり、勾配もほとんど感じられなくなると、 ペダルが一気に重くなったような気がする。 小さな商店を見つけたので小休止に菓子パンを一個買う。 ぱくついていると雨が降ってきた。 予報だと雨が降るといっていたのだ。覚悟を決めてカッパを着込んで走り出す。 米がなくなっているので、延岡市に入ったところで、米穀店を見つけて聞いて見る。 残念ながら5キロ単位でしか売ってくれないそうだ。 ところが、南に向けての旅の途中だというと、 売り場のおばさんが残りの米を買い取ってくれる形で2キロ、米を売ってくれました。 米を精米している間、たわいもない雑談をしていたら、 自炊をしながら自転車でとんでもない距離を走っていることにいたく感激したらしく、 レトルトのカレー3パックに缶詰を2缶もらいました。 やはりこんな親切はうれしい。 雨の中、重たい気分で走っていたのだけど、ペダルが一気に軽くなったような気がした。 延岡を過ぎてしばらくしたら土々呂という地名がある。 街のいたるところに「となりのトトロ」のトトロの絵が書いてあるのに苦笑する。 ためしに土々呂駅に行って見ようかとも思ったけど、行き損ねてしまった。 雨が降っているときは余計なことはしたくないよなあ…。 しかし、雨の中を走るのは神経を使う。 カッパのフードが垂れ下がってきて前が見づらいし、 フードをかけていると車の音が聞き取りづらい。 側溝のレーチングの上や視覚障害者用のタイルの上なんかよくすべるしね。 それでも、5時ごろ、一回止んでくれたのだが…。やはり天気予報は馬鹿に出来ない。 7時ごろ、また降り出して来た。 オイラはテントを張る場所に右往左往。 できたら、乾いたところにテントを張りたかったので橋の下の段差にテントを張る。 ほとんど浮浪者だね。 しかし、雨に降られて厳しいのはオイラだけじゃない。 自転車にとってもかなり厳しいものだ。 ブレーキシューの減りは異様に早くなるし、チェーンなんかの駆動系の油切れも起こす。 B・Bという部品がある。正式名称ボトムブラケット。 早い話、クランクの軸のベアリングである。 このベアリングが傷んできた。まあ、走れなくなるのは当分先である。 しかし、このベアリング、オイラが一番気にしているベアリングだ。 ペダルを踏むごとに、パキッ、パキッっていやな音がするのだ。 気にしない人は気にしないかもしれないがオイラはかなり気にする人だ。 というか、前回オーバーホールに出したときに替えてもらったのだが、 元は調整式だったのを無調整のカートリッジ式に替えてもらったのだ。 こっちのほうが寿命も長いし、メンテもいらないってことで。 しかし、無調整ということは、万が一ガタが出たとき、調整でごまかすということが 出来ないということだ。いいんだか悪いのだか。 まあ、たかだか、1500キロぐらいでだめになるとは思わなかったというのが本音だが…。 テントの中で蚊に刺された。かゆい!!、て言うか、この時期に蚊がいるのがすごいぞ!!!、宮崎。 |