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 転機が来たのは二年目のことでした。モデルハウスのコーディネートを私のプランでやってみるようにという大仕事を店長がさせてくれたのです。これをきっかけに名実ともにインテリアコーディネーターとしての仕事が始まりました。夢に見ていた仕事は面白かったです。内装全て、憧れの照明プランはもとよりクライアントとコンセントの位置、設備の選定、カーテン、家具もコーディネートして心地良い空間を造ってゆく作業の面白さは忙しければ忙しいほど充実したように感じられ楽しい仕事でした。

悶々とする日が始まる
 身を粉にして働いたことも苦ではありませんでしたが、やっている仕事が物足らなくなってきました。色、素材、設備を選ぶことだけではなく空間をコーディネートしたくなったのです。図面を見ながら、ここのキッチンにもう一つ入口を付けたら使い勝手が良くなって開放的になるのに、この壁を45cmずらしたらダイニングルームが気持ちよい広さになるのに….。
 それにしてもこんなひどい図面で家を提案しても良いものかしらと思いつつも目の前のクライアントとようやく契約を終えたばかりでホッとしている営業マンの前では口に出せないコーディネーターの辛い立場でした。
 現場に行けば現場も知らない女が何しに来たと毎回露骨な言い方で大工、職人に追い帰されました。プライドの高い大工、この道何十年の職人の前で建築の知識が無い女は何も言えないという弱い立場でした。