掌編

使命感

自分に秘めたる使命感

いつもいつでも付き纏う
やらねばならない やらねばならない
うちから湧き出る使命感

自分がやらなきゃいけないと
そんな想いに突き動かされて
誰が見ずとも懸命に
歯を食いしばってやり遂げる

自分に秘めたる使命感

気づいてしまえばあっけなく
こんなことかと こんなことかと
脆く崩れる使命感

自分がやらなきゃならないと
そんな使命は思い込み
誰かに必要だと言われ
ただただ認めて貰いたい

これは単なる期待感

それでもやらないよりゃマシさ
誰が見ずとも懸命に
自分の使命と思い込み
歯を食いしばってやり遂げろ

それで得るのは達成感

自己満足でも構わない
確かに自分はやり遂げた
もういいだろうと目をつぶる

最後に得るのは開放感

約束

 それは完成されて始めて価値を持つ宝石。

 その言葉が交わされた時から精製が始まる。
 信じる心が輝きを与え、応える心が形を作る。

 どちらが欠けても価値を持たない。
 どちらを欠いても完成されない。

「約束だよ」

 始まりのことば。

 信じ続ける限りその存在は消えず、
 たとえ時間がかかっても、
 応えられた時に完成する。

「約束だったからね」

 終わりの言葉。
 完成された瞬間。

 その時きっとお互いの顔は笑顔で。
 お互いの心には価値のある宝石が輝く。