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第十六回 〜松井秀喜と花子さん〜

 

ゆうこ 「ゆうこです。二ヶ月ぶりですがきょうも宜しくお願いします」
ヒカル 「十六度目まして、阪神が弱いとプロ野球がつまらないとよく言いますが、 実際に強くなるとそれはそれでつまらないと思ってしまうヒカルです」
ゆうこ 「アンタ阪神ファンに殺されるよ…」
ヒカル 「まあ、今年の阪神は『選手は育てるのではない、獲ってくるのだ』 という巨人理論の正しさを証明してくれたわけなのですが」
ゆうこ 「阪神ファンならびに巨人ファンにも喧嘩を売るような真似はやめて!」
ヒカル 「そんなこんなで、私達が休養していた二ヶ月のあいだに色々なことがありました」
ゆうこ 「だから、どうしていつもアンタはいきなり話題を転換するのよ!」
ヒカル 「私としてはパナウェーブについてぜひ語りたかったのですが、 こういう色物は旬な時期を外すと途端に鮮度が落ちてグダグダになること間違いないのであえて無視します」
ゆうこ 「別にアンタにそれを語ってくれなんて頼んでないから!」
ヒカル 「というわけできょうは、今年1月に川崎市川崎区で万引きをして逃走した 中学3年の男子生徒(当時15歳)が踏切で電車にはねられ死亡した事故で舞台となり、 このほど廃業が決定した古本屋さんについて語り合いましょう♪」
ゆうこ 「人が亡くなっているのに語尾に♪を付けるなんて不謹慎でしょ!」
ヒカル 「犯罪を犯した上に逃げ出して勝手に踏み切りに飛び込んで死んだのですから自業自得だと思います」
ゆうこ 「それはそうだけどさ…」
ヒカル 「それに私より、この古本屋さんの店長に『人殺し』と電話した人のほうが不謹慎だと思います」
ゆうこ 「それは考え方が人それぞれなわけだし…」
ヒカル 「たぶんこういう電話をした人達は万引きで生活をしているのでしょう」
ゆうこ 「なんでそうなるのよ!」
ヒカル 「それにしても、どうしてこの事件で古本屋さんの店長さんが責められたのでしょうか」
ゆうこ 「だから、それは考え方が人それぞれなわけだしさ」
ヒカル 「さらに驚いたのはこの少年の父親が事件発生直後のインタビューでしたこの発言。

 廃業していただければ本当に嬉しい。 あそこを通るのはつらいし。 本屋さんの中で、ウチの子はどんな思いをしたか…。 きっと一生懸命謝ったと思うんですよ。 しかし、あんな形で死んでしまって…。 本当に哀しい死に方でした

私は思わず、お前も踏み切りに飛び込んで死んで来いってテレビに向かって叫びましたよ」
ゆうこ 「そういうことを言うな! その父親だって自分の子供が死んだのだから動揺だってするよ」
ヒカル 「それにこの事件は店長さんが警察を呼んで 警察官が任意同行を求めた際に少年が逃げ出したんですから、 よく考えてみれば警察側の不手際で起こった事件なのです」
ゆうこ 「でもさ、警察を呼ばなければその少年は死ななかったんだよね」
ヒカル 「それを言ったら、この少年が万引きをした本が出版されなければ死ななかった、 つまりこの事件の責任はこの本の作者と出版社だとも言えることになります」
ゆうこ 「なんでそうなるのよ!」
ヒカル 「お前の意見はそれと同じだと言ってるんだ! 分からないのか、このボケ!」
ゆうこ 「一人で熱くならないでよ!」
ヒカル 「熱くもなるさ! いいか、万引きってのは立派な犯罪、窃盗だ。 それを少年だから配慮しろだ。 なんだよ、配慮って! 犯罪を見過ごすのが配慮なのか!」
ゆうこ 「見過ごせとは言ってないでしょ、ただいきなり警察はどうかってことでしょ」
ヒカル 「犯罪者を警察に引き渡す、これは非常識なことなのでしょうか」
ゆうこ 「そこは少年だから、例えば親を呼ぶとか、学校に連絡をするとか」
ヒカル 「じゃあ、名前も住所も学校も教えなかったらどうするのでしょう。 事実、この事件の犯罪少年は連絡先も何も教えなかったそうです」
ゆうこ 「う〜ん」
ヒカル 「そもそも、万引きって呼び方が間違っているのですよ」
ゆうこ 「それはたしかにあるね。売春って言うとちょっと重いけど、援助交際だと軽い感じがするしね」
ヒカル 「そう、だから万引きももっと違う呼び方を考えなければなりません」
ゆうこ 「窃盗でいいんじゃないの?」
ヒカル 「窃盗という呼び方はあの年頃のガキ連中にはあまりピンとこないかも知れませんので、例えば…」
ゆうこ 「例えば?」
ヒカル 「パナウェーブとか」
ゆうこ 「どうして万引きがパナウェーブになるのよ!」
ヒカル 「万引きした少年Aがいるとして、そのAが近所のおばさんが井戸端会議で 『ほら、近所に住んでるAって子、パナウェーブしたらしいわよ』 『まあ、パナウェーブ。いやですわね、おほほほ』 なんて会話をしているのを聞いたら恥ずかしくて家から出られなくなるでしょう」
ゆうこ 「どうしてそうなるのよ!」
ヒカル 「Aが学校に行けば、『お前、パナウェーブしたんだって』 『マジかよ、お前パナウェブってるのかよ』 といじめられ、もう二度と万引きなんかしないと心に決めることでしょう」
ゆうこ 「だから、どうしてそうなるのよ!」
ヒカル 「おまけにクラスの担任の先生からは、 『この中に守備力を上げたものがいる』と朝のホームルームでクラス中の晒し者にされることでしょう」
ゆうこ 「パナウェーブが唱えるスカラー波とドラクエの守備力を上げる呪文スカラをかけてるってことを 説明しないと分からないでしょ!」
ヒカル 「とにかく呼び方ひとつでここまで印象が違うのです」
ゆうこ 「どこがよ!」
ヒカル 「というわけで、本日の結論といたしましては、 少年ジャンプでプリティフェイスが終わってショックです」
ゆうこ 「ウルトラレッドも」

 


 

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けぇずまにあ