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第十四回 〜日本政府と花子さん〜

 

ゆうこ 「ゆうこです。きょうも宜しくお願いします」
ヒカル 「十四度目まして、前回の  戦争論と花子さん  での私の意見に対して、 『アメリカの武力行使を支持するということは貴方は人殺しと一緒なんですよ』といった ピースボート臭がプンプン漂う内容の抗議メールを頂いてしまったヒカルです」
ゆうこ 「そういう偏見に満ち満ちたことをいきなり言うな!」
ヒカル 「あと、『こういった問題を取り上げるならもっと真面目に、そしてもっとはっきりと物を言うべきだと思います』 というメールも頂戴しました」
ゆうこ 「まったくその通りだね。アンタはいっつもふざけ半分でしか物を言わないからね」
ヒカル 「失敬な。私はいつだってどこだって誰にだってキッパリハッキリテキパキと物を言いますよ」
ゆうこ 「じゃあ、前回の意見からしてアンタは今回のイラクの自由作戦には賛成、支持するんだね?」
ヒカル 「はあ、まったくこれだから素人は困るんですよ。 誰がいつどこでイラクに対する 武 力 行 使 を支持しましたか?」
ゆうこ 「何言ってるのよ! アンタはアメリカに逆らうな、つまりアメリカ支持って考えなんでしょ!」
ヒカル 「そうです。今のアメリカ様に逆らうなど愚の骨頂です」
ゆうこ 「それなら戦争支持派ってことでしょ!」
ヒカル 「分かった、分かった。 読解力のないお前にも理解出来るように分かりやすく、 もしも私が日本の総理大臣だったらこう表明したであろう表現をしてあげます」
ゆうこ 「余計分かりづらくするな!」
ヒカル 「いい、私が総理大臣なら遅くても昨年の年末の時点で、
『イラクに対する武力行使には安保理の新決議が望ましいゆえ 日本政府としてはその決議がまとまるように米・英だけでなく仏・露両国にも働きかけ最善の努力を尽くす。 しかし、もし仮に決議がまとまらず米国が単独で武力行使を実行した場合、 日本政府としては安保理をまとめられなかった責任は米国だけでなく国連にもあるものとして、 それに抗議する意味も込め日米同盟を踏まえた上で米国の武力行使を理解し米国を支持する』
と大体こんな感じで日本の立場を明言していました」
ゆうこ 「何が言いたいのかさっぱり分からないよ!」
ヒカル 「つまりだな、もっと具体的な例を挙げると、 『根本はるみを理解し、根本はるみのおっぱいは支持するが、 必ずしも根本はるみを支持しているわけではない』ということです」
ゆうこ 「なるほどね、アメリカは支持するけど武力行使には支持しないってことをアンタは言いたいわけだ」
ヒカル 「少し違いますが、ニュアンスとしては間違っていないかと」
ゆうこ 「ふざけないで! そんな手前勝手なことが国際社会に通用すると思ってるの!」
ヒカル 「武力を持たない日本にはこれが限度というものです」
ゆうこ 「自衛隊があるでしょ!」
ヒカル 「外交のカードして使えない自衛隊など武力ではありません」
ゆうこ 「じゃあなに、アンタは日本は武力を持つべきだ、核を持つべきだとでも言いたいの?」
ヒカル 「はあ、本当にお前はアホですね。 抑止力としてしか利用出来ない核など日本には必要ありません。 ただ…」
ゆうこ 「ただ…、なに?」
ヒカル 「最初から核を絶対に持たないとするのではなく、例えば私が総理大臣だったら、
『日本には非核三原則があり、今後も日本はこれを自らの意思で放棄することはない。 しかしながら、もし仮に日本に対し直接核の脅威が向けられた際には 日本はいつでも核武装出来る状態にある。原発大国日本舐めんな』
くらいは明言しておきます。これだけで抑止が十分に期待出来ます」
ゆうこ 「過激な発言は控えて!」
ヒカル 「どこが過激でしょうか。この発言の真意は被爆国日本が率先して 『核を持たずに核の抑止を』ということを主張し、 この世界から核兵器の廃絶を求めることにあるのです」
ゆうこ 「そんなことがそんな簡単に出来るはずがないでしょ!」
ヒカル 「それは百も承知です。しかし、 『戦争のための準備をすると戦争になる。平和のための準備をすれば平和になる』などという、 もっともらしいことを言いつつそのじつ何の解決にもなってない空論を信じて、 自己満足の反戦運動をして、自分達だけが平和を願っているような気になっている人間よりは、 私のほうが真摯に世界の平和を心から愛しそして願っていると思います」
ゆうこ 「それはアンタだけじゃなくて世界中の誰だって真剣に願ってるでしょ!」
ヒカル 「もう一度私の言いたい事をまとめると、 例え首都を焼け野原にされ、原爆を落とされ、基地を提供資金も捻出、 さらに国連分担金の約2割を納めているにもかかわらず 未だに国連憲章第53条及び第107条には敵国条項が含められていて、 そして世界中からアメリカの犬と陰口を叩かれ様とも、 アメリカ様に忠誠を誓っていれば平和に暮らせるということを世界の人々に私は教えたい」
ゆうこ 「前回と一緒の結論じゃない! それにそこまで卑屈になるアンタにはプライドってものがないの!」
ヒカル 「プライドなど命あっての物種です。昔の人は言いました、長い物には巻かれろと」
ゆうこ 「もういいよ!」

 


 

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