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第十回 〜建国記念と花子さん〜

 

ゆうこ 「ゆうこです。きょうも宜しくお願いします」
ヒカル 「十度目まして、ヒカル十五歳、 理想のタイプは身寄りがなくて明日をも知れない病を患っている資産家のリッチな紳士です」
ゆうこ 「相変わらず最悪な挨拶だね…」
ヒカル 「そんなことより、とうとうこれも十回目に突入でありますサンダース軍曹」
ゆうこ 「誰が軍曹よ! でもアタシもこんなに長くやるとは思わなかったよ」
ヒカル 「本当は北朝鮮を茶化した一回目で終了の予定だったのでありますが」
ゆうこ 「そうだね。もっとやってくれって激励のメールを頂かなかったらやってなかったかも」
ヒカル 「これもひとえに私の日頃の努力と人徳が奏でるハーモニー」
ゆうこ 「アンタが何をしたのよ!」
ヒカル 「というわけで記念すべき今回はそれにふさわしい内容にしなければなりませんことよ」
ゆうこ 「口調は変だけどきょうはちゃんと前フリをするんだ」
ヒカル 「もう北朝鮮とかノドンが飛んできたらどうしようなんて物騒な話題は避けましょう」
ゆうこ 「いや、いつもアンタが率先して喋ってることだから! それにノドンについてはまだ触れてないから!」
ヒカル 「やはり十回目にちなんだ話題を論じなければ私達の存在意義が問われます」
ゆうこ 「随分今回は勿体ぶるんだね」
ヒカル 「だがこのあと、予想だにしない展開が」
ゆうこ 「ガチンコっぽく引き延ばすな!」
ヒカル 「はいはい分かりましたよ。言えばいいんでしょ言えば。 今回は『なぜ広島と長崎に原爆が落とされたのか』を論じま〜す」
ゆうこ 「そんなふざけた口調でそういう真面目な問題を口にするな!」
ヒカル 「まあまあ、落ち着いてよく考えてみて。 いい、この問題、 ううん、この問題だけでなくて戦中戦後の日本に関してはある種のタブーになってると思うの」
ゆうこ 「…たしかにね。そういったことはあるかも知れない」
ヒカル 「でも本当にそれでいいの?  ううん、絶対ダメなの。 なぜなら過去のない現在、そして未来は存在しないからよ」
ゆうこ 「……」
ヒカル 「原爆を落とされた広島と長崎の人々や 大本営の大馬鹿野郎共のせいで沖縄に散った人々、 それだけでなく大戦中に亡くなった大勢の人々のためにも 戦中戦後の日本の検証を絶対にタブーになんかにしちゃいけないの。 そこから学ばなければならないのよ」
ゆうこ 「…………」
ヒカル 「分かってくれたわよね。貴女はやれば出来る子ですもの」
ゆうこ 「…分かった。 いつもふざけ半分のアンタが今回は真面目にやろうとしていることが分かったわ」
ヒカル 「ありがとう、ゆうこ」
ゆうこ 「いいのよ、ヒカル。アタシ達親友じゃない。それでどこから検証するの?  鈴木貫太郎がポツダム宣言を『黙殺する…』としたところから?」
ヒカル 「誰それ? 鈴木なん太郎って?」
ゆうこ 「貫太郎よ、か・ん・たろう! アンタそんなことも知らないで偉そうに論じようなんて言ってたわけ!」
ヒカル 「えぇ、私が知ってるのは原爆を落としたのがルーズヴェルトだってことくらいです先生」
ゆうこ 「アンタそれ思いっきり間違えてるから。 そのときにはルーズヴェルトはもう死んでてアメリカの大統領はトルーマンよ」
ヒカル 「マジで!? まじででじままじでじま?」
ゆうこ 「もう最悪、ホント信じられない! もういいよ、これ以上アンタと喋っても時間のムダ!」
ヒカル 「そんなこと言わないで、じゃあほら日本の軍人の中で誰が一番の名将かを語ろうよ。 私は山本五十六元帥か山下奉文大将だと思うな」
ゆうこ 「最初の趣旨と完全に違うでしょ!」
ヒカル 「でもさ、やっぱりこういう大事な問題はこんなふざけた場所で取り上げちゃダメなんだよ」
ゆうこ 「アンタが最初に言い出したんでしょ!」
ヒカル 「いくらマンハッタン計画の最高責任者レスリー・グローブズが 原爆の開発に当時の金額で20億ドルもかけたにもかかわらず原爆なんて無くても勝てたじゃないか という議会の責任追及から逃れるためにわざわざ投下したんだろなんて邪推をしちゃいけないのよ」
ゆうこ 「あのさ…、どうしてそんなことは知ってるくせになんでトルーマンのことを知らないの?」
ヒカル 「ちなみに20億ドルを現在のドル価値に換算すると大体140億ドルくらいね」
ゆうこ 「だからなんでそんな脇の知識はあるのに大事なことは覚えてないのよ!」
ヒカル 「だってアメリカ人の顔なんてみんな一緒だし、 名前だってみんなジョージとかマイケルとかスミスだし、 UAとMISIAの違いに気付いたのは最近だし」
ゆうこ 「UAとMISIAは全然関係ないでしょ!  それにアメリカ人から言わせれば日本人だって似たようなもんでしょ!」
ヒカル 「それにもうね、モーニング娘。なんてみんな一緒ね。 とりあえず一番可愛いのは高橋愛ってことしか分からんよ」
ゆうこ 「アンタの好みなんてどうでもいいよ!」

 


 

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