(注:この提案文書は、次のサイトから入手できます。)
http://www.open.gov.uk/hse/condocs/cd140.htm
我が国のアスベスト(クリソタイル)の使用量は、年間約18万トン程度であ る。(1997年で、年間17万6千トン程度の輸入量。国内ではほとんど生
産されていないので、使用量は輸入量にほぼ等しい。)
イギリスの現時点での使用量は、1997年で4820トン。イギリスのアスベストによる死者は年間3000人程度で、現在も増加中とい う。
アスベストによって引き起こされる病気は、アスベスト肺と、肺がん、悪性中 皮腫が知られているが、そのうち、悪性中皮腫によるイギリスでの死者数は次
のようになっている。(悪性中皮腫の原因は、ほとんどがアスベストであると言われている。)
(「安全センター情報」1998年6月号より引用)---------
[中皮腫による早期死亡に関するイギリスの公式統計]
45-54歳人口中死亡診断書に中皮腫とのみ記載されたもの(イギリス)
年 男性 女性
1972-74 101 20
1975-77 146 17
1978-80 168 22
1981-83 166 26
1984-86 204 18
1987-89 273 29
1990-92 323* 44*
1993-95 352* 52* (*暫定)
(出典:HSC安全衛生統計 1996/97,P.194)
0-44歳歳人口中死亡診断書に中皮腫とのみ記載されたもの(イギリス)
年 男性 女性
1972-74 24 7
1975-77 40 13
1978-80 42 17
1981-83 58 16
1984-86 55 18
1987-89 74 10
1990-92 66* 16
1993-95 42* 12 (*暫定)
(出典:HSC安全衛生統計 1996/97,P.194)
-------------------------(引用終わり)
11月6日に東京で開かれる「アスベストを巡る国際交流集会」で講演する予 定の、ロンドンハザーズセンターのミック・ホルダー氏からのメールが「安全
センター情報」4月号で紹介されている。そこには、アスベストについて次の ように書かれている。
「重大な労働現場の安全衛生に関するスキャンダルがいまなお繰り広げられて いる-アスベスト暴露による産業虐殺(industrial
genocide)である。政府 の統計でも、今後20年間におけるアスベスト関連疾患による労働者の、とく
に建設労働者の死亡者数は急上昇し、アスベストは最大の産業殺人者 (industrial
killer)になるだろうとしている。これらの予測される死亡者 たちはすでに致死量を暴露しており、現在のところその死を予防する方法はな い。」
(「安全センター情報」4月号-全国安全衛生センター連絡会議発行36頁)