アスベストについて考える犬スモールアスベストについて考えるホームページ~2013年8月15日 全面改修のためテスト運用中です。

~アスベスト問題と企業の責任について考える

アスベスト救済基金負担~特別事業主の要件とは?


選ばれた4つの企業-特別事業主はどのように決められたか-

その2-5つの事業場?

(2006.10.8更新)

(※ここで書かれている内容は、2006.年10月1日までにわかっていることをもとにしています。
今後の情報や回答を受けて、訂正されることがあるのでご注意ください。)

昨日、環境省の特別事業主の決め方について、最初に、厚生労働省の労災件数の公表データから、全国で10の事業場が選定されたことをお伝えしました。

それから、そもそも対象に含まれていなかったという理由で
 横須賀防衛施設事務所が
その後で、たぶん間違ってはいないと思うんですけど、市区町村の中皮腫死亡数が全国平均に満たないという理由で、
 日本エタニットパイプ(株) 大宮工場
が除外されました。

そこで、残ったのは次の8事業場ということになります。

 住友重機械工業(株)横須賀製造所
 (株)クボタ大浜工場神崎分工場
 ニチアス(株)羽島工場
 ニチアス(株)王寺工場
 三井造船(株)玉野事業所
 (株)IHIマリンユナイテッド呉工場-(石川島播磨重工業(株)旧呉第一工場)
 太平洋セメント(株) 秩父工場
 エタニットパイル(株) (旧日本エタニットパイプ高松(四国)工場)

さてここからが問題です。
(今までも問題だったけどさらに、という意味)

今度の回答で、この後、残りのもうひとつの要件、
アスベストの累計使用量が1万トン以上
を満たすかどうかということを判断するに当たって

環境省では、この8つの事業場を、所管する経済産業省と国土交通省にわけ、
それぞれの事業場が、累計使用量1万トン以上という要件を満たすかどうか調べてもらいました。

それはなぜかというと、
これらの事業場は、大気汚染防止法で届出を出す工場などを対象としているので、
この届出の項目に、アスベストの使用量が記載されているのかなという感じを受けるのですが、
実際には、届出項目には、アスベストの実際の使用量というものはありません。

それに、大気汚染防止法の特定粉じん(アスベスト)の届出制度は、1989年にできたので、
それ以前のデータもないのです。

今回の対象事業場は、
大気汚染防止法関連で400、昭和58年の環境省の流通経路調査で300、
経済産業省の調査で200、国土交通省で70、延べ970箇所の事業場を対象に選んでいます。

経済産業省と、国土交通省の調査結果から判断すると、
8つの事業場は、次のように分けられたことになるようです。

経済産業省の所管分
 (株)クボタ大浜工場神崎分工場
 ニチアス(株)羽島工場
 ニチアス(株)王寺工場
 太平洋セメント(株) 秩父工場
 エタニットパイル(株) (旧日本エタニットパイプ高松(四国)工場)

国土交通省の所管分
 住友重機械工業(株)横須賀製造所
 三井造船(株)玉野事業所
 (株)IHIマリンユナイテッド呉工場-(石川島播磨重工業(株)旧呉第一工場)

経済産業省では、これに関連して、
所管する93社の事業主(200事業場)に対して、主要と思われる39社を選び、
事業場ごとの累積使用量の調査をしたと言われています。

「言われている」というのは、いくら頼んでも調査票を見せてくれないので。
でも、39社に調査票を送り、回答をもらって、自己申告を元に
アスベストの累積使用量が1万トン以上あったかどうか、調べているということなのです。

一方、国土交通省は、どのような調査が行われたのか、今の時点ではわからないのですが、
とにかく環境省からいわれた事業場(3箇所)を調査した結果、国土交通省の所管する分の事業場には、
アスベストの累積使用量が1万トン以上の事業場はなかった
という結果だった、のだそうです。

これで、国土交通省の所管分
 住友重機械工業(株)横須賀製造所
 三井造船(株)玉野事業所
 (株)IHIマリンユナイテッド呉工場-(石川島播磨重工業(株)旧呉第一工場)
は、アスベスト使用量1万トンの要件に該当しないことになり、対象からはずされました。

これで、残った事業場は、次の5つの事業場になりました。
 (株)クボタ大浜工場神崎分工場
 ニチアス(株)羽島工場
 ニチアス(株)王寺工場
 太平洋セメント(株) 秩父工場
 エタニットパイル(株) (旧日本エタニットパイプ高松(四国)工場)

5つの事業場、
これがすべて該当しているのかは、経済産業省の調査結果がないのでわかりません。

新聞報道によれば、今の時点で対象になっている特別事業主は4、
この4つの事業主をさしているのかどうかは、今の時点ではまだわかりません。

引き続き問題点について次に。

   (つづく)