アスベストについて考える犬スモールアスベストについて考えるホームページ~2013年8月15日 全面改修のためテスト運用中です。

「アスベスト禁止措置に関する質問主意書」の答弁に係る閣議後記者会見

(2002年6月28日)における厚生労働大臣発言要旨

1. 本日は、中村敦夫議員から提出された「アスベスト禁止措置に関する質問主意書」への答弁について、閣議に付議し決定されたところである。

2 質問主意書の対象とされた職域において取り扱われる石綿(アスベスト)は、平成7年に発がん性が特に高く代替化が進んだ青石綿及び茶石綿について、その製造、輸入、使用等を禁止したところである。

また、白石綿については、発がん性はあるが青石綿、茶石綿と比較すると相対的には低く、優れた耐熱性、耐腐食性等の性能を有し、他の物質への代替が困難であった。このため、これまで使用等の禁止までは行わず、呼吸用保護具の使用等のばく露防止対策等による管理の徹底を図ってきたところである。

3 しかし、近年、白石綿の代替品の開発が進んできていることを踏まえ、白石綿についても、国民の安全、社会経済にとって石綿製品の使用がやむを得ないものを除き、原則として、使用等を禁止する方向で、検討を進めてまいる所存である。



(使用等の禁止を検討する際に、禁止措置から除外されるものは相当な範囲となるのかと問われた場合)
(答)
使用等の禁止を猶予する石綿製品については、白石綿を含有する製品に求められる耐熱性、耐腐食性等の性能、使用状況等をもとに、真に使用がやむを得ない石綿製品に限定する方向で検討を行う所存である。

(今後の日程如何と問われた場合)
(答)
原則として石綿の使用等を禁止するには、関係法令の改正が必要である。
関係法令の改正に向けては、

① 代替化が困難な石綿製品を確定するための作業、
② 代替化が可能となる時期を把握するための作業等が必要であり、
③ また、WTOへの通報等対外的な手続きも必要であることから、
これらを踏まえて、具体的な改正法令の内容、改正・施行時期を確定することとしている。



(参考)石綿について

1 石綿の種類

石綿とは、天然に産出する繊維状の含水珪酸塩鉱物の総称であり、次表の蛇紋石系1種類及び角閃石系5種類に分類される。
わが国ではクロシドライト、アモサイトについては労働安全衛生法及び同法施行令で製造・輸入・譲渡・使用等が禁止されている。アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトは石綿原料として国内で使用されていない。

石綿

角閃石系
クロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)―製造・輸入禁止 アンソフィライト、トレモライト、アクチノライト―日本国内の産業界で使用されていない。
蛇紋石系
クリソタイル(白石綿)―輸入により管理して使用
2 石綿の使用用途(白石綿)

石綿の使用量のうち9割以上が建材製品として使用されており、そのうち約半分が屋根材に使用されている。その他、ブレーキ、クラッチ等の自動車摩擦材製品、化学プラント設備用のシール、断熱材等の工業製品等に使用されている。
(なお、日本の石綿輸入量は1974年の35万トンを最高に、1990年代から年々減少傾向にあり、2001年は7万9千トンとなっている。)