2月22日にゃんこの日、お祝い参加vv
荒磯ニャンコ騒動 〜中編〜
「くっそぉっ、なんでこんなコトになってんだよ…っ」
俺様がネコになった日…、じゃなくてっ、耳としっぽが生えちまった日。
さすがに外出すんのはマズイと思って、おとなしく部屋にいるコトにした。
しっぽはかくせる気ぃすっけど、耳は帽子とかかぶらなきゃムリだし、ずっと帽子をかぶったまんまでいたら脱げって言われるに決まってるっ。だから、俺は学校を休むことにして久保ちゃんに一人で学校に行けって言おうとした。
でも、久保ちゃんはさっきからめずらしくマジなカオして、床に座ってタバコをふかしながら何かしてるっ。そんな久保ちゃんの姿を見てると、またすっげぇイヤーな予感がしてきた。
ま、まさか…、ホンキで俺様を飼おうとしてて手製の首輪を作ってるとかって…、そんなのあるワケねぇかぁ…。だいいち手製の首輪ってなんだよっ!手製ってっ!!!
久保ちゃんはヘンタイかってのっっっっ!!!
なーんて…、
自分で言っときながら否定できねぇぇぇっ!!!
俺に耳としっぽが生えてんのが発覚してから久保ちゃんが妙に優しくて…、それはべつにう、うれしいからいんだけど…っ。なんとなく、頭を撫でたりとか触ってくる手が妙にゆっくりつーか、かなりエッチくさいっ!!!
特にしっぽを触んのが気に入ったみたいで、俺が嫌がってんのに触ってくるっ。
「ううう…、久保ちゃんのエロ親父っっ」
俺はココロの中でそう言うと、何かしてる久保ちゃんに近づこうとする。けど、そうする前に久保ちゃんが微笑みながら、くる〜りとホラーなテンポで俺の方を振り返った…。
「今、何か言った?」
「・・・・・・・っ!!!!」
「なんか今、エロ親父とかって聞こえたんだけど?」
「な、な、なんで俺様のココロの声が、久保ちゃんに聞こえてんだよっ!!!」
「それは、俺とお前が身もココロも繋がってるからじゃないの?」
「じゃ、じゃあヘンタイとかってのも…、き、聞こえて…っっ」
「…と、言いたいトコだけど、お前が無意識に思ってるコトしゃべってたのが聞こえてたってダケ」
「げっっ、マジで?」
「うん、でもヘンタイってのは初めて聞いたなぁ…」
「うう…っ」
「ふーん…、俺のコトそんな風に思ってたんだ…。へぇー…」
「く、久保ちゃん??」
「・・・・・・だったら、もう遠慮しなくていいよね?」
「えっ?」
「ムチとロウソクどっちがいい?」
「うわぁぁぁっ!! 久保ちゃんが壊れたぁぁぁっっ!!!」
いきなり俺を床に押し倒した久保ちゃんはアヤシイ微笑みを浮かべてて、俺はマジで思いっきりジタバタと暴れるっ。けど、久保ちゃんの方が力が強くて、いくら暴れても逃げらんねぇっっ!!
そして、そんな俺にのしかかってきた久保ちゃんは前じゃなくて逆の方向に馬乗りになって、俺のズボンをヘンな歌を歌いながら脱がし始めやがったっ!!!
「カワイイ〜、カワイイ子猫ちゃん〜♪ アナタのいいトコどこデスカ♪」
「ぎゃあぁぁぁっ、久保ちゃんのエッチっ!! ヘンタイっ!!!」
「あ、今日のトランクスはネコのプリント柄〜」
「うわっ、脱がすなっっ!!! バカッ!!!」
「今さら恥ずかしがらなくてもいいのに、ねぇ?」
「い、今さらとか言うなぁぁぁっっ!!!!」
くうううっ、もう絶対に一緒に寝てやんないしっ! ちゅ、チューとか他のコトもぜっったいにしてやんねぇかんなっ!!覚えてやがれっっ!!!!!
俺はトランクスを脱がされて下半身がスースーすんのをカンジながら、そうココロん中で絶叫したっ。けど、スースーしたのはちょっとだけで、なぜかすぐにまたトランクスを履かされる。
予想外の展開に俺が動けないでいると、脱がされたはずのズボンも履かされた。
ヘンな歌まで歌ったりすっから、マジでこのまま犯されちまうのかと思ってたけど、久保ちゃんはズボンを履かせ終わると俺の上から降りて…、
それから、生えてる長いしっぽを優しく軽く引っ張った…。
「着替えたから、これでもうモゾモゾしないデショ?」
「・・・・・・」
「ん?」
「あのさ、もしかしてさっきからしてたのってコレ?」
「歩くたびにくすぐったそうにしてたから気になってたし、この方がちゃんとしっぽが見えてカワイイしね?」
「か、カワイイだけ余計だけどっっ、サンキューな…」
「うん」
「耳とかしっぽとか生えてビックリして…、でも久保ちゃんが一緒で良かった…」
「・・・・・うん」
久保ちゃんがしてたのは首輪じゃなくて、俺のトランクスとズボンにしっぽ用の穴を作るコトだった…。穴が空いてたら治った時にどうすんだよ…っとか、ちょっち思ったりもすっけど、いつ治んのかもわかんねぇし…、
なによりも、久保ちゃんが俺のコト考えてしてくれたのがうれしい…。
朝起きてからしっぽや耳が生えてて悪いコトばっかで、いいコトないってカンジで…、
でも久保ちゃんのおかげでいいコトあったかもって…、そんな気がした…。
俺は休みで久保ちゃんはこれから学校だけど、もう少しだけ二人でいたい気がしてくる。けど、俺のせいで久保ちゃんが休みになんのはイヤだから、今度こそ久保ちゃんに笑顔で元気に行って来いって言おうとした。
けど、そんな俺の腕をぐいっと引っ張って起こして、あっという間に着てたTシャツを脱がしてパーカーと学ラン着せると久保ちゃんは二人分のカバンを持つ。そして、今度は俺の腕じゃなくて手を引っ張ったっ。
「じゃ、行こっか」
「はぁ? 行くってドコへ?」
「学校」
「…って、耳としっぽがついてんのに行けるワケねぇだろっ!!!」
「そんなに気にしなくても、堂々としてれば大丈夫だって」
「だ、大丈夫じゃねぇっつーのっ!!!」
「そう?」
「くーぼーちゃんっっ」
「ガスの元栓は閉めたし、電気も消したし…、タバコも持ったし準備オッケーっと…」
「俺を無視して行く準備すんなっっ!!!!」
「そんじゃ、イッテキマース」
「・・・・行きたきゃ一人で勝手に行け」
「イヤ」
「うわぁぁぁぁっ、人さらいぃぃぃっっ!!」
「…って、今は耳もしっぽもあるしネコでしょ?」
「うっせぇっ!!!」
ネコの耳としっぽがついてて、しかもぜんっぜんっ隠してなくてっ、そんなのでヘーキなワケがないっ。当たり前にすぐに気づくし、学校なんかに行っちまったら大騒ぎになんのに決まってるっっ。でも、不思議なコトに行く時は道を歩いてんのも朝で急いでるヤツが多いからなのか、べつに何事もなくて済んだ・・・。
けど、学校で何事もないなんてあり得ねぇっ!!
なのに、久保ちゃんは俺を引きずったまま立ち止まらずに学校に向かった。
マジで俺様っ、絶対絶命っ!!!!
来たのはいいけど…、無事にウチに帰れるかどうかは謎?
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