2・WSの第一印象 |
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■ワークショップに集う人たち(自分含む)
98年7月某日、ワークショップ初日。半年前に見学したワークショップ、今年は参加者としてリリックホールにやってきた。どんな人が参加してるのかな…と、期待に胸ふくらませつつ、受講料2万円を支払い、第一スタジオへ。ちょっと緊張。
スタジオの中を見渡すと、いるいる、全部で20人弱?男女比は7:3ぐらいで女の子が多いみたい。今年初めて参加した人と、常連さん(?)の見分けがすぐにつく。私みたいに所在なさげにしている人と、談笑などして、リラックスしている人。見渡す限り、初参加の人の方が少ないみたい。
年齢層は、去年より平均があがってるかな?高校生らしき年代が少なくなってる気がする。このことについては、後々考えて納得。このワークショップは7月から始まり、発表会の行われる99年1月まで、夏冬2回の合宿+月1回の割合で日曜日に開講されたのだった。これって、私とか働いている人にはとってもありがたいことだけど、他にもいろいろやりたいぜ!という若者には辛い日程だろう、と思う。短期集中型の方が高校生向きだよね。さて、本題に戻って。この日のワークショップは参加者の自己紹介から始まった。下は17歳の高校生から、上は30代後半まで。聞くと、学生やっているという人はたった3人。メンバーのほとんどが20代〜30代の社会人。職業もさまざま。公務員だっているし、なかにははるばる上越市から参加の主婦も。
いや、はるばるといえば、新潟市から長岡市まで片道60キロを通った私もそのうちの一人であろう。それどころか、新潟市をはじめ、柏崎市、大和町、与板町…と、長岡市外から参加、という人の方が多いくらい。長岡市民、一体どうした。と思う反面、市外からの参加が多いということはこのWSが開講3年目で、その評判・知名度が少しずつ広まっていると言うことじゃないかな、とも思った。
なにより、「お芝居やりたい!」と思い立っても、ここ新潟ではその場さえも少ないのだから。いやいや、新潟の名誉のために付け加えるけど、演劇が盛んでない、と言っているわけではないよ。新潟市なんかは数多くのアマチュア劇団(演劇サークル)が活動しているし、このWSの参加者にもアマチュア劇団員という人は多いし。しかし、劇団に入らなくても演劇ができる場っていうと、ごくわずか。
■演劇をお気軽に
これは私見だが、社会人になってしまうと、劇団に入って演劇をする、というのはなかなか気合いのいることなのだ。
なぜか。アマチュアは基本的にスタッフと役者を兼業して行かなくては成り立たないところが多いのが現実で、職業によっては仕事も劇団も、は物理的に不可能に近い人もいるに違いない。少なくても私はそうだ。
ってゆうか、二つのことに全力投球するのは性格的に無理。どっちも中途半端になってしまうタイプなので…。
要するに、「またお芝居をやりたいけど劇団に入るのはちょっと…」というのが私のスタンス。ゆえに、劇団に入らなくても演劇をすることができるワークショップはたいそう魅力的だったのだ。しかし、安田さんにはこのことをしっかりつっこまれた。
「新潟市には劇団がたくさんあるのに、なんでまたここへ?」
…ええ、楽してお芝居したかったんです。WSは休日だけでできるから…。なはは。
とまあ、私個人の参加の動機はともかくとして、演劇未経験だけど、ちょっとかじってみたい、という人だってたくさんいる。未経験者にいきなり劇団に入れと言うのは、ちょっと強引だし。(それもありだと思うけど、決して初心者にはやさしくない)
例えば、このワークショップを訪れた演劇未経験者の中には、
「子供対象の絵本読み聞かせサークルに入っているので、この場で発声法を学んでみたい」という主婦、菊池さん。
「職場で、おまえ表情が少ないな、といわれるので、お芝居をしたらいいかと思って」という市役所職員、田中さん。
…などなど、なかなか面白い動機の方もたくさんいました。実は、こういう人が気軽に参加できる場が一番必要なんじゃないかなあと思うわけです。とりあえずかじってみて、面白い!と思わせる。もっと演劇をしてみたい!と感じてもらう。そうしたら、自然と劇団に入ってやってみようとか考えるかもしれないしね。
一方、ほとんどが芝居経験者、アマチュア劇団員のワークショップ2年生、3年生。自分の技術を高めたい、いろいろな演劇手法を経験したい、というのがワークショップ参加の理由だろう。
コレも大事なこと。経験者はどんどん自分を高めていけばいい。また、未経験者にとっても、経験者の演技や考え方を見聞きすることは刺激的だし、勉強になることも多い。逆もありけり。初心者がどんどん上達していくのを見るのは、きっと経験者にとっても刺激になる。全員初心者だとしたら、どうしていいかわからないことだらけだし、講師だって気を使って大変だ。ううむ。
というわけで、初心者から経験者が混在した安田雅弘ワークショップが開講したのだった。私にとっては、いろいろなスタンスの人がいる方が面白そうだ、と感じる。 7月下旬の合宿が楽しみになってきた。