No.503の記事

積丹ブルーに会いたくて〜北海道旅行記 9日目〜

 北海道旅行も9日目。もう、残すところ2日です。
 今現在の気持ちを表すと……。やはり少々疲れました。
 なんというか。
 バス、汽車の時間を自分で調査したり、昼食の場所を考えたり。スケジューリングというやつでしょうか。
 8日間も知らない土地で過ごせば疲れてきますって。
 そこで本日は趣向を変えてみることにしました。

 バス会社の定期観光バスの利用です。

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 絶景。積丹岬ツアー。

 もともと積丹ブルーと言われるほどの青い海が見れる、積丹半島に行ってみたいと思っていたのですが、バス料金、バスの時間などなど考えると、かえって不自由になりそうなので、こちらをチョイスしたのです。参加者はほとんどが中年から年配のご夫婦。また年配の友達同士という感じでした。
 若い女性も二人ほどいましたよ。それも友達というわけではないようです。
 で、私ぐらいの男は私一人だけでした。中年のシングルの方はいましたが。
 よくわかりませんが、一人だと気恥ずかしくなりますね。まぁ若い男だったら自分の車で行くんでしょう……。

 さてさて、始まりましたバスの旅。それもガイドの話を聞きながら進むバスの旅。私はこういうのがなんとなく嫌いでした。

 ……なんというか。

 すぐに修学旅行とか、社員旅行とかを思い出すんですよね。
 旅行しているんじゃなく、旅行させられてるという感じで。でもなんでしょう。実際自分で手配して、興味のある場所に向かうのであれば、むしろガイドの話も心地よい。

 悪くないなぁと思いつつ小樽の海岸沿いを走ります。
 いやはや。
 景色がいいのも慣れてきてしまっていますが、やはりいい。
 私は山派だと思っていましたが、北海道の旅で理解しました。海岸沿いが好きらしい。

 しばらく走って最初の休憩場所である、「スペース・アップルよいち」に到着。

 ここは余市町の「道の駅(サービスエリアみたいなものを北海道ではこういうらしい)」です。
 なんで「スペース・アップル」かというと、アップルはそのまんま。余市の名産品がリンゴだからです。
 で、スペース(宇宙)なんですが、余市町があの宇宙飛行士の毛利衛氏の出身地だからなんです。
 最初は「毛利衛記念館」となる予定だったのですが、毛利氏が断ったとのこと。奥ゆかしいですね。
 で、ここで面白いのが、宇宙食が購入できること。洒落で買おうかどうか迷いましたが、なんとなく気が乗らなかったのでスルーしました。
 というのも。
 なんか「おもしろい」トイレなる触れ込みがあったので、使用してみたところ、なんか微妙な「宇宙っぽい」演出しか仕掛けがなかったので、テンションが下がったのが原因です。

 そんなこんなで余市を後にして、バスは積丹岬へ向かいます。海岸沿いというよりもトンネルをいくつも抜けてたどり着きました積丹岬。

 ここでの休憩時間は15分と短いです。展望台から見る景色も良かったのですが、展望台の下り階段から海岸沿いに行けるらしいんです。
 ガイドさんは行って戻ってくるのは厳しいかもと言っていましたが、ここでやらなきゃ美奈神じゃありません。

「無茶をするのがサイクロプスだ!」

 急いで駆け下りると待っていたのは息を飲む透明度の海。


「かまわん!突撃する!」

 と、海に飛び込んだりはしませんでしたが、写真を数枚撮ったあと、全力で駆け上がりでなければ間に合わない事態となってしまい、バス到着時には汗だくでした。
 しかも息も絶え絶え。
 北海道に来て何回目かの不審者化です。
 でね。そのすぐ後で食事だったんですよ。食事はコースの中に含まれていたのですが、ワタリガニなんかも入っていてちょっと豪華でした。
 食事をした料亭の向かいには乾物屋があり、そこは延々とソーラン節が流れていました。
 そういえば、ソーラン節って積丹が発祥でしたね。
 ところで、食事休憩が50分。
 ……せめてあと5分積丹岬に回してもらえれば……と思わずにはいられません。
 というか汗だくだったので、急いで食事を済ませ、外で食休みをとることにしました。

「あの……」

 そんなことを思いながら過ごしていると、声をかけられます。
 振り返ると、一人で来ていた女性が立っていました。

「さっき、下まで降りていきましたよね? どうでした?」

 …………!

 なるほど、さっきの行動がこういう出会いに繋がるわけですか。

「ええ。すごくキレイでしたよ」

「私も行きたかったんですけど、時間内に戻る時間がなくて……。
 あの、まだお若いですよね?」

「若いといっても2×歳ですよ」

 そんな感じで弾んでいく会話。撮った写真をデジカメの小さい液晶から見せると、すごくキレイだと喜んでました。
 会話は続いて旅行の話に。やはり「9泊10日」というのは相当インパクトがあるらしく、知床、網走、稚内、美瑛に行った話しは随分興味深く聞いてくれました。
 彼女は横浜の方に住んでいるようで、2泊3日の旅行でこちらに来て、今日帰るとのこと。
 私の行ってみたかった「支笏湖」に行ったりしていたので、こちらも興味津々です。
 話題はお互いの撮った写真を見てみたいということに。で、アレです。メッセンジャーとかでやりとりしようという展開に。。。

 ……んなわきゃない。

 そろそろ書くほうも飽きてきた(虚しくなってきた)いつものウソ出会いです。
 食後はほんとにぼやーっとしてただけです。
 で、食事休憩も終わり、バスが再び走り出します。目指すは神威岬です。
 というか。
 なんか雲が出始めたんですが……。
 一抹の不安を覚えながらも着きましたよ神威岬。
 ……なんというか……。
 雲ゾーンと晴れゾーンが分かれた不思議な天気になっておりました。
 それでもスゲー景色でしたよ。

 結構険しい遊歩道を歩いて岬の端まで向かうのですが、どちらを向いても絶景かな絶景かな。
 特に晴れゾーンの海の色と言ったら!

 もう、何枚写真とったかわかりません。積丹ブルー万歳!
 積丹ブルーソフトも万歳!


 ……つーか、なんでこんなの売っているんだか(笑)。
 青いだけの普通のミント味のソフトクリームでしたが、まぁなんというか、積丹ブルーを見た後なら食べたくなってしまう魔力があったのは間違いない。
 たとえ青色一号(発がん性物質)が使われていたとしても。

 いや、そんなことはどうでもいいんです。

 北海道に着いて色々驚くことはありましたが……、今までで一番驚いたかもしれません。

 あのですね。
 ソフトクリームが売られていたお土産も売っている売店なんですが。BGMの選曲がおかしいんですよ。


 月、火、水、木、キン肉マ〜ン♪
 金、土、日は遊びたい。ヤッホ〜♪



 最初は自分のMP3プレイヤーから流れているのかと疑いましたが、間違いなく店が流してました。

 キン肉マン王位争奪編のエンディングテーマです。
 店の人になぜこの曲をチョイスしたのか問い詰めたくなりましたが、さすがにそんなことはできませんでした。
 さまざまな神秘的なお話がある神威岬ですが、一番の謎は「キン肉マンのED」を流していたことだよなぁ……と思いつつバスは復路を進みます。復路は往路と同じ、余市、小樽を経由して札幌です。
 なんというか。もうここでテンションを使い果たしたのか、休憩所に行くまで爆睡しておりました。
 バスガイドさんの声がこもり歌。そんな、ほぼ意識喪失に近い時間が流れ次に辿りついたのは、余市ニッカウイスキー工場。
 ここではウィスキーの試飲ができるようです。この疲労状態でウィンスキーはデンジャラスだと思いましたが、無料なら飲むしかないじゃないかと試飲会場へ。
 試飲会場は十数種類の中から三つ選んで飲むようで、しかも微量ですのでこれぐらいなら問題なさそうです。
 さらにウィスキーだけでなく色々選べるみたいです。なので、ウィスキーとアップルワイン、ウーロン茶をチョイス。ウィスキーの銘柄は忘れちゃいました。
 アップルワインは始めて飲んだのですが、口当たりがよく、ぶどうワインよりも好みかもしれません。
 試飲をしてもまだ時間があるようなので売店へ。そこにウィスキー最中アイスなるものがあったので購入。
 味は……ウィスキー風味のアイスといったところですね。可も不可もなくと言ったところでしょうか。

 そんな感じで再びバスへ。今度は小樽へと向かいます。小樽の停車時間も20分と短く、散策できるほどの時間はありませんでしたが、とりあえずそこらへんをフラフラして町並みを楽しむことに。
 実は小樽には、冬に社員旅行で一度だけ来たことがあるのですが、やはり雪が積もっているのと積もっていないとでは全然印象が変わってきますね。
 港に行きたかったのですが、どうにも時間が足りずに消化不良のままバスへ。
 もうあとは札幌へ帰るだけとなりました。
 試しに参加してみたバスツアー。時間配分がきっちり決められており、滞在時間が短いことを覗けばやや満足いくものだったのではないかいかと。
 ツアーが終了すれば予定はなし。まだ時間は18時と早かったので、札幌周辺をフラフラしてみましたが、景色が変わるはずもなく。おみやげ物の目星だけつけて、本日は早めにビジネスホテルへ戻ることにしました。
 夕飯はスーパーで買ったうなぎ弁当。
 ……なぜうなぎ弁当なのかといえば、ラッキーアイテムにだったからとしかいいようがなく。
 ……北海道で愛知名産を頂くのも悪くないじゃないか!
 カニもウニもいくらも食べ尽くした感があったというのも理由です。ある意味かなり贅沢なチョイスじゃないですか?
 そしてその夜も贅沢に過ごしました。
 ルームシアターチケットを買い、三時過ぎまで邦画を見るという北海道に来ているとは思えない行動。
 いや、翌日は天気も悪いというので、ギリギリまでこのビジネスホテルで過ごそうかと思ったんですよっ!
 で、チョイスしたのは、「AKIBA」という、AKIBAというタイトルである必要がいっさい無い邦画と、「DEATH NOTE」の二部作。
 「DEATH NOTE」は、原作とは違う結末であり、さらにこっちの方が終わり方が好みだったため、なかなか楽しめました。
 ……本当何やってるんだろう……。
 と思いつつ、旅行9日目も終わるのでした。