【Sweet Sweet Pain】 P7 (涼X拓) …何となくでたらめな英文字←アホか
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キィっと小さな音を立てて、涼介は厚い扉を開いた。
「どうぞ・・・入って。」
まだ少し戸惑っている拓海に、声でも促す。
「は…はいっ。…えっと、じゃあ、お邪魔します。」
ペコリと頭を下げて、おずおずと扉を潜った拓海に涼介は苦笑した。
「おいおい…何を緊張してるんだ?せっかく…」
ここで言葉を止めて、涼介は2歩ほど先を行く拓海の腕を取り、その体を引き寄せた。「・・・2人っきりなのに。」
ポスリと胸元に収まった拓海を後ろから包むように抱き込んで、柔らかな茶色の髪に顔を埋めながら小さく囁く。
「・・・あのっ・・・」
案の定、拓海はかぁっと頬を染めた。もぞもぞと腕の中で動く体を涼介はスグに解放してやる。
「何?」
クスクスと笑う涼介に、拓海はむぅっと唇を尖らせた。
「涼介さん・・・何か今日、ちょっと…変っ。」
いつもより気障とは流石に言えなくて、拓海は拗ねたようにそう言った。
「『変』はヒドイな。・・・ムード出そうと思ってるのに。」
尚もクスクスと微笑いながら、涼介は拓海の背を押して奥の部屋へと誘っていった。
「はぁ……ムード・・・ですか・・・」
拓海は赤く染めた頬をポリポリと掻いて呟いた。
メインルームにに入った途端、拓海は目を見張った。
Welcomeのカードと共に、大きな赤いバラの花束が置かれた広いテーブル。
天井がやけに高い、ゆったりとした空間を持つ広い部屋。
一目で、かなり高価な部屋だと解る。戸惑う拓海に涼介は笑った。
タダなんだから、気にするなと。
そして素早く室内のTELを取り、食事の手配をしてしまった。
「タダって……でも、何か悪いです・・・。」
尚も言い募ろうとする拓海に、涼介はしょうがないヤツだと小さく笑んだ。ちょうどその時、部屋のベルが室内に響いた。
「どうやら、料理が届いたみたいだな。藤原が食べてくれないと、俺は困るんだけどな?」
拓海の顔を覗き込みながら、涼介はそう言った。その時、ぐぅ〜と拓海の腹の虫が鳴く。なかなかグッドタイミングだ。(…この話、ギャグ?(笑))
涼介は一瞬キョトンとし、拓海は声もなく、耳まで真っ赤になった。
「・・・あの、オレっ……す、すいませんっ」
その時、催促するように、また部屋のベルが鳴る。
「おっと・・・開けにいかなきゃな。」
クククッと涼介は小さく吹き出して、恥ずかしそうにしている拓海の頭をポンポンと叩くとドアの方へと向かった。程なくして、2人分の料理が載った大きなワゴンを運んで来る。
「折角の時間を邪魔されるのはイヤだから、給仕は断ったよ。だから、ほら、手伝えよ、藤原。お腹空いてるんだろう?」
「あ…は、はい。」
慌てたように、拓海はクルリとテーブルに向かい、ドンと置かれた花束を手に取った。
「・・・何でこれ、花瓶に入ってないんだろう?」
室内を飾るなら、活けられてるのが普通なのに…と、至極当然の疑問を持った拓海はコトリを首を傾げた。その拓海の腕から、涼介が花束を取る。
「あ…」
持ち上がる花束と共に、拓海も目線を上げる。
「それは、コレがお前へのプレゼントだからだ。」
そう言って、涼介はもう1度、改めて拓海にその花束を渡した。フワリと微笑しながら、まるで映画のワンシーンのように。こんな真似がココまでサマになるのもこの男だからだろう。
「プレゼント・・・って、ええっ?!お、俺に…ですか?」
俺も何も、お前しかいないだろ…と笑いながら、涼介は次々と皿を並べていく。
拓海も薔薇を椅子の上に置いて、慌てて涼介を手伝った。あっと言う間に本日の夕食準備は出来上がりだ。先ほどまでは花の香りでいっぱいだった場所から、今は美味しそうな匂いが漂ってくる。
「さてっと、出来上がりだな。さ、冷めないウチに食べよう。」
微笑しながら涼介に促されて、拓海は惚けたような顔のまま席に着いた。わざわざバラの花束を膝に載せて。
「…藤原、ソレはこっちの椅子に載せて。それじゃ、食べれないぞ?・・・大事にして貰えるのは、嬉しいけどな。」
クスクス笑われて、拓海はワタワタしながら隣の椅子に薔薇の花束を置いた。
「水につけなくて、平気かな?…えっと、あの、コレ、有り難うございます。」
ニコッと拓海は笑顔を見せた。恥ずかしそうにはにかんで、でも嬉しさは隠さない。
「そんな顔を見せて貰えるなら、贈った甲斐があるな。じゃあ、次はこっちだ。」
料理を指さしてそう言う涼介に、拓海は頷いた。
「頂きます。…旨そうっす。ホントは、やっぱ腹減ってるから、俺。」
こちらにも嬉しそうに笑った拓海に、涼介はワインの瓶を傾けた。
「え?…あの?」
「そこのグラス取って。乾杯しよう。」
「は、はい。有り難うございます。」
拓海は小さなワイングラスに注がれる、赤いワインを見つめた。
涼介のグラスが寄せられて、拓海もそれに倣う。カチンと小さな音の後、2人はグラスを傾けた。
「…うっ…」
口にした途端、拓海は渋いという顔でグラスを離す。澄んだキレイな赤からちょっと想像出来ない味だった。
「藤原はワインは苦手か?」
「はぁ。初めてですけど・・・あんまし好きでナイかも。すいません。」
むうっと唇を尖らせて、拓海はその赤い液体を見つめた。こんなにキレイなのに…と言いたげなその顔に涼介は微笑う。
「気にするな。後で又、口に合いそうなモノ飲ませてやるから、先に料理を片づけよう。」
「はい。・・・じゃ、頂きます。」
もう1度きちんと挨拶をして、拓海と涼介は並んだ料理に取りかかった。
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