【『切ない』ということ】 P13 (涼X拓)

 涼介の長い指が、拓海の最奥に辿り着く。そこで1度、指の動きを止めて、ほっと2人で息をついた。
「ん・・・涼介さん・・・」
 吐息混じりに、拓海が涼介の名を呼ぶと、涼介は微笑んで拓海に口づけた。
しっとりと舌を絡ませてディープキス。離れる瞬間、こぼれる唾液すら吸い取って。

 涼介は再びゆっくりと指を動かした。今度は拓海のイイ場所を探すために。
「ん・・・ぁ・・・」
 もう拓海にも痛みはない。馴染んだ指が体の奥をまさぐるのを、全身で感じ取って時折小さな声を漏らした。
「・・・ぁ・・あ・・ああっ」
 しばらくソレを続けていると、ある場所に触れた途端に拓海が大きな声を上げて、その身体を跳ね上げた。
───見つけた
涼介は瞬間に閃いた。思わず、その顔に笑みが浮かぶ。少し、獣じみた笑みだった。

 拓海は、何て声出しちゃったんだろうと今更ながらに真っ赤になった。
でもそんな余裕は与えられなくて、
「あ・・・や・・涼介さんっ、やだっ・・」
 激しく同じ場所を攻め立て始めた涼介に、拓海は声を上げて抗議する。
が、もちろん止めてはもらえない。含まれる指もいつの間にか2本に増えていた。
 低く拓海の名を囁きながら、涼介は愛撫を続けた。拓海が自分の声に弱い事をこの男は知っているので、何度も耳元で囁いて拓海の動きを封じてしまう。

 拓海はぐっと唇を噛みしめて声を堪えた。信じられないほど恥ずかしくて、穴があったら入りたい心境だった。
ペロリと涼介は拓海の唇を嘗めた。
「ダメだよ・・・拓海。声、殺さないで・・・ちゃんと聴かせてくれ。感じてるって俺に教えて。・・・俺だって、もうこんなだ。」
低く優しく、誘うようにそう言って、涼介は自分のモノを拓海に押しつけた。それはすっかり形を変えて拓海の存在を激しく求めている。
「拓海が欲しくて欲しくて・・・もう堪らない。」
 涼介の指が、再び激しく拓海の中を攻め始めた。今度は、中をほぐして開かせるように動かしている。
「・・あっ・・んん・・りょ・・りょすけさぁ・・んっ」
 拓海ももう声を抑えない。流されるように涼介の愛撫に全身を委ねていた。
「あ・・・や・・もう、オレ・・・やだ」
 頭の中が真っ白になってくる。恐怖にも似たそのカンジに、拓海は思わず手を伸ばした。その手を涼介は掴み取り、手の平に口づけた。
 拓海の限界が近い。そして自分の方も、もう限界だった。

 涼介は、埋めていた指を一気に引き抜くと、拓海の秘所に自身をあてがあった。
拓海はまだ朦朧と意識を彷徨わせている。そこに、ぐっと涼介のモノが押し入った。
 指とは比べモノにならない激痛に、拓海の目の前が真っ赤に染まった。
「ひ・・・ああっ!」
鋭い叫びを上げて、拓海の身体が逃げを打つ。
「た・・たく・み・・・力、抜いて・・・」
 激しい締め付けに、涼介も痛みを感じていた。といっても、拓海のものとは比べモノにもならない程度だろう。
 息を詰まらせて、涼介は拓海を見つめた。むせび泣くその姿に、涼介の胸も痛む。
可哀想だと思ったが、ココで引き返してやる事も出来ない。

 涼介は拓海自身をキツク扱き上げて、痛みをごまかしてやる。前で感じる快感と後ろから与えられる痛みとで拓海はすっかりパニクッていた。
もう、ココは何処だかも、上も下もわからない。
ただ、焼け付くような痛みと熱さと・・・こみ上げる不思議な感情に翻弄されていた。
「あ・・・ああっ・・りょう・・すけさっ・・やぁっ」
 拓海は必死で涼介の名を呼んだ。意識が飛ばされそうなカンジが怖かった。
涼介も答えるように何度も拓海の名を呼んだ。その声が、拓海の意識をつなぎ止める。

 互いの声が熱かった。触れ合う身体も、繋がった場所も、吐息すら熱くて、徐々に2人とも登り詰めていく。
も・・・ダメ・・・
 拓海が真っ白になった意識の中でそう思うと、耳元で涼介の声が聞こえた。
「拓海・・・ごめん。」
そう謝ると、涼介は一気に拓海の身体を貫いた。
「あ・・・あああぁ───!」
拓海は鋭い悲鳴を上げて、達してしまった。
 気持ちいいとか悪いとか、そんな事は考えられない。ただ、熱さだけが拓海の全身を支配していた。

 拓海のキツイ締め付けに、涼介も堪えられない。
「・・・くっ・・ぁ」
涼介は短い喘ぎ声を上げると、拓海の最奥で自身を弾けさせた。
 ドクドクッと、涼介の放ったモノが拓海の中に注ぎ込まれる。
それを何処かで感じながら、拓海はついにその意識を失った。

 意識を失った拓海の身体から、涼介はそっと自身を抜き取った。
トロリと自分の放ったモノが流れ落ちるのを目にして、涼介は苦笑した。
 意識を失った拓海の身体はまるで人形のように動かない。くにゃりと身体の力を失っているその様子にホントに壊してしまったか?と涼介が焦る程だ。
 涙の跡を残す拓海の目尻に、涼介は舌を這わせてその跡を拭い去った。
そして、微笑みながら、瞼に、頬に、唇に、睫毛に・・・拓海の顔のあらゆる場所に小さなキスの雨を降らせると、拓海の身体をゆっくりと横たわらせた。
もう、休ませなければならないだろう。
 最後に前髪を指で掻き上げた。涼介お気に入りの髪だ。今は汗に濡れて、しっとりしている。
涼介は、口元に笑みを讃えながら
「おやすみ・・・・拓海。」
あいさつの言葉を囁いて、拓海の額にキスを落とした。

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