【終わらない夜】 P6 (啓X拓) …裏に移動してまいりました(爆)
流石に1日何度もでは…と、拓海の躯を気遣って、己を引き抜こうとした啓介だったが、思いの外強く締められて上手くいかない。ましてや、いつもと違い、今の体制は拓海が上、自分が下なので重力という大きな敵がいるのだ。
「くッ!・・・んな、締めんな…って……つぅッ!」
燃えそうに熱い拓海の内部に限界まで締め付けられて、低い喘ぎとともに一瞬体を硬直させると、啓介は拓海の中に欲望の証を迸らせていた。
「あうっ!……んんっ…」
啓介の髪に指を絡ませながらギュッとその頭を抱きしめて、拓海は身の内を熱く濡らされる感触にブルリと躯を震わせた。
程なくして、ぐったりと全身の力が抜けてしまった拓海はバランスを崩して後ろに倒れそうになり、啓介の強い腕がそれを支えた。
そのまま自分の方に引き寄せて、啓介は荒い息も収まらないまま、拓海に深く口づける。「拓海…」
唇を奪いながら深い声で啓介は拓海の名を囁いた。その声は甘く低く拓海の脳裏に響き、それを最後に拓海は再び意識を飛ばしてしまった。
★☆★☆★
トクンッ…トクンッ…
(・・・ん?心臓の・・・音?・・・)
力強く脈打つ音に誘われるように、拓海は瞳をうっすらと開けた。でも、今回、目覚めを誘ったのは自分の鼓動ではなく、覆うように自分を抱きしめている相手のそれ。
眼前に広がる広い胸から聞こえてくる、力強い音だった。
(やっぱり…変なの。さっきまであんなうるさかったのに。)
それとも、うるさかったのは自分の心臓の音だったのだろうか?とそんなことをぼうっと考えながら、拓海はもぞもぞと身動いた。
「起きたか?拓海?」
腕の中の体が動いたことに気づいて、啓介は拓海の顔を覗き込んだ。
ピクリとも動かない体は、…ヤバイ、無理させたかな?と思ってしまうには十分で、啓介はほうっと安心したような吐息をついた。
「悪ぃ・・・怒ってる・・・よな?」
とりあえず、怒られる覚悟は出来ている啓介である。どんな報復も甘んじて受けようと思いつつ、伺うように拓海の顔を覗き込んだ。
そんな啓介を、拓海は透明な瞳でただじっと見つめていた。
それは何だか、いっそ恐ろしいほど静かな反応で、啓介は面食らった。
「お、おいっ…拓海?拓海?」
絶対、有無を言わせずグーで殴られるか、思いっきり罵声を浴びせられ、しばらく口もきいてもらえないだろうと思っていただけに、拓海のこの反応が啓介には理解出来ない。
ワタワタと啓介が慌てていると、拓海はふいっと顔を伏せてしまった。
(・・・も、もしかしてまだ、寝てるとか…?いや、目、開いてたよなぁ?一応…)
寝ぼける拓海は何度も目にしているので、まだ、ちゃんと目覚めていないのだろうか?と思った啓介だったが、不意に目の前の栗色の髪が小さく震えていることに気づいた。
「え・・・?」
「……っ…」
声にもならない音を洩らしながら小さく肩を震わせる拓海の姿に、啓介は目を瞠って硬直した。一瞬心臓すら止まったと思ってしまうほど驚いた。
それも当然である。啓介はしこたま怒られるだろうとは思っていたが、まさか拓海が泣くなんてこれっぽっちも思わなかった。
超がつくほど意地っ張りで頑固者な拓海が、こんな涙を見せるなんて・・・。
なっ…なんで?どーして……い、いや、そんなコトより、俺は一体どーすりゃいいんだぁ!と頭の中でぐるぐる考えてみても、いい案など浮かばない。ダラダラ…と事故りかけた時ですら流さないほどの冷汗を流しながら、啓介は拓海の様子を眺めていた。
「たっ…たっ…拓海?!」
絞り出すように名を呼んで、とにかく何とか宥めなければ…と思う啓介に抗うように、拓海はグッと両手を啓介の胸に突っぱって、逃げるように顔を背けた。
パラリッと一瞬涙の粒が散るのを目にして、ズキッと音を立てて啓介の胸が痛んだ。
「拓海っ……ご、ゴメンっ!…お、俺…俺…ほ、ホントにゴメンッ!!」
・・・強引にコトを運んでしまった自分が悪いのだとわかるだけに、啓介にはゴメン以外何を言えばいいのか分からなかった。
情けないほど眉を下げて、突っぱねられてる拓海の腕にそっと手を添える。
力尽くでこの腕をどかして抱きしめたいところだが、そんなコトしてこれ以上拒まれたら、さすがにメゲナイ啓介でも立ち直れないかもしれない。
強引グマイウェイで人生渡っている啓介だが、拓海にはとことん弱い。
性格上ケンカの多い2人だが、先に降参して謝る確率は断然啓介の方が高いのである。
「・・・ホントにゴメン!・・・反省・・・してる」
こんな言葉で許してもらえるとはとても思えないのだが、他に言葉が見つからない。
バカの一つ覚えのようにゴメンと何度も繰り返す啓介の姿は、さながら叱られて耳と尻尾をシュンと下げた大型犬のようであった。
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