【終わらない夜】 P7 (啓X拓) …裏に移動してまいりました(爆)
「た、拓海……俺…お前が泣くほど嫌がるなんて思わなかったんだ……。ホントに悪かった。ゴメン…何回でも謝る。もう絶対しないって誓うから勘弁してくれ。……な?」
困り果てて啓介はそうっと拓海の頭に撫でた。万国共通、泣く子を宥める1番の方法はコレである。但し、意地っ張りなコトこの上ない拓海の場合、逆効果というリスクも十分に考えられる。啓介はそうなったらどうしようと内心ビクビクしながらも、その手を伸ばさずに居られなかった。
快感に震えて零される涙なら大歓迎だが、悲しみで流される涙なんて心臓に悪いことこの上ない。それくらいなら拓海必殺グーパンチでもくらうほうが100倍マシってものである。
「…………」
「たくみぃ…頼む。頼むよぉ…」
何も言ってくれない拓海に困り果てて、啓介は情けない声を洩らした。頭に置いた手に小さな震えが伝わって、焦りはもう再頂点にあった。どうすればいいのか、全く分からない。もしかしてこのまま嫌われたりしたらどうしよう…と、もう生きた心地がしなかった。「後悔先に立たず」という言葉がさっきから啓介の頭の中をぐるぐる廻り続けている。
「…ぷっ………」
それは聞き逃してしまいそうな小さな声だったが、全身をアンテナにして拓海の様子を伺っていた啓介の耳には届いた。
「・・・?」
泣き声にしてはちょっと妙な気がして、啓介は首を傾げた。又、拓海の泣き顔を見てしまったらメガトン級のダメージだと思いつつ、啓介は恐る恐る俯いている拓海の顔を覗き込んでみる。
「・・・・・おい、お前・・・」
一体いつから…と言葉を続ける気力もなく、啓介はガクリとうなだれた。
「・・・ぷっ…!はははッ…」
堪えきれずに響いた拓海の声は・・・・・・何故か爆笑であった。
一体いつからかは分からないが、いつの間にか拓海は泣いていたのではなく笑いを堪えていたらしい。
「・・・ったく、…脅かすなよぉ!命が縮んじまったぞ、俺は!」
啓介は大きな溜息とともにそう言うと、今度は容赦なく拓海の腕を取り力任せに引っ張ってギュッとその躯を抱きしめた。
「…だ、だって啓介さん……なっさけねー声〜!……あははッ……」
「まだ笑うかっ!この!…まさかさっきのは泣き真似じゃねーだろうなぁ?」
その言葉に、拓海は啓介の腕から少し身を起こすと、唇だけで小さく笑った。
「…それはナイショです。」
「・・・お前…」
啓介はガクッと大げさに頭を降ろした。結局、啓介には本気だったのか真似だったのだか分からない。でも、やっぱり一瞬見てしまった涙は偽物とは思えないから、本気の部分もあったのだろう。やはり反省はすべきかもしれない。
啓介が内心でいろいろ考えている間に、拓海はフワリと両手を啓介の首に廻して抱きついてきた。
「・・・でも、悲しかったのはホントだから・・・。啓介さん、俺の話なんて全然無視だったし。」
その小さな声は、台詞だけ聞いてると責めてるようだが、声音は柔らかく怒りは感じない。
こんな風に甘えてくる拓海は珍しくて、啓介はまたワタワタと取り乱すコトになった。
熱く肌を重ねるのに比べれば何てコトのない触れあいなのに、啓介はたまにあるこの不意打ちには弱かった。どんなに怒っていても困らされていても、コレで全て許せてしまうのは啓介自身でも不思議なくらいだ。
「…拓海…」
抱きついてくる拓海の躯を柔らかく抱き返して、啓介はその温もりを確かめる。
それだけでは飽きたらず、すりすりと頬ずりする。
「うああぁ〜!…よかったぁ…。もう俺、嫌われたかと思ってヒヤヒヤしたんだぞぉ〜」
「……済んだ事はもういいけど……今度やったら絶対許さねーっすよ?」
安堵の溜息をつく啓介に、拓海はズバリと警告をかました。
「・・・うっ!…そ、それは…」
「…何?」
オクターブ下がった拓海の声にビクリと肩を跳ね上げて、啓介はハァと大きな溜息をついた。
(・・・結局、俺、コイツに勝てねぇんだよなぁ〜……くそぅ!)
内心ではそう思いつつも
「…分かった。」
神妙に返事をする啓介であった。
「よぉし!…じゃあ、今日は勘弁してあげます。」
(よぉし!…ってお前……)
と思っていても、引け目がある以上、今夜の啓介は拓海に口答えはできなかった。
(・・・何か俺、めっちゃケツにしかれてるんじゃ・・・?)
十人に聞けば十人ともが『そうだ!』と答えそうな疑問が一瞬脳裏に浮かび、啓介はブルブルと頭を振った。
(・・・ま、いっかー、何でも。コイツが傍にいりゃあ、イイもんなぁ、俺って。)
自分にピタリとくっつきながら、ウトウトと眠りの世界に誘われている拓海の顔を見て、幸せを感じてしまう自分に納得する啓介であった。
End.
・・・やっぱり拓海が最強?(爆)
いやぁ、ウチの啓たんは拓海にはめっぽう弱いらしいデス。(笑)
少しは兄に学びたまえよ、君。(嘘!ソレだけは勘弁してくれ〜)
ようやっと終わりましたぁ。(嬉)…と言いつつ、次回の裏も多分啓X拓です(爆)
ホントは冬に書くつもりだったんだけど、春が来てしまったぁ(涙)
・・・来年の冬にしようかなぁ←アカンやろ、それ…
REIRAさま、リクエスト有り難うございました。
(きっとリクと違うモノが仕上がったことと思いますけど…(涙))
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