【泣きたい夜に抱きしめて】 P7 (啓X拓)
拓海がキスに酔っている間に、啓介は奥まで指を進めた。最奥に辿り着くと、そのままクルリと指を廻す。
その刺激に拓海は目を見開いた。
「んんーっっ…はぁ、……あ、やっ!…」
大きく首を振って拓海は啓介の唇から逃れると、苦しげに息をつく。
はぁはぁと、大きく息を吸うその姿に啓介は少し心配になった。
・・・やべ、ちょい苦しかったか?
アレだけ呼吸を塞いでおいて苦しかったか?もないだろう。
でも、キスの甘さに酔っていたのは何も拓海ばかりではない。啓介だって同じなのだ。2人で交わすキスはいつだって互いにとても甘かった。
「拓海…ダイジョブか?」
声をかけてきた啓介に拓海はコクンと頷いた。まだ息は治まらないので、声は出せない。でも、その姿に啓介はホッと息をつく。
「ゴメン…苦しかったか?勘弁しろよ?」
苦く笑って啓介は拓海に謝ると、埋めていた指を少し引き出す。そして、もう1本その場所の入り口へと寄せた。
「拓海…力、抜いてろよ?」
言われて拓海はまたコクリと頷いた。意識は少し朦朧としているが、何を言われているのかは理解している。
グッっと、今度は一気に2本の指を奥まで突き入れられて、拓海の体はビクリと震えた。
「あ…ああっ!…ん、…啓介さ……」
痛みと快感が交ざわっているこの瞬間は、未だに何と表現すればよいのか拓海には解らない。ほぐされたこの場所が、感じることが出来るなんて拓海は啓介に抱かれるまで知らなかった。
奥まで到達すると、拓海の息が落ち着くまで啓介は指の動きを止めた。
啓介の首に抱きつくようにしている拓海の背を支えるようにもう片方の手を背中に廻してやる。
「啓介さん…もう…いぃ…ん、やぁ…」
馴染ませるのはもういいと言おうとした拓海に、啓介は埋めた指を動かし始めた。突いたり引いたりを繰り返し、その場所を少しでも拡げるように中で蠢かせる。
「ああっ!……やだ、も、いいって……」
拓海はのけ反って悲鳴を上げると、啓介の体を離そうと腕を突っぱねる。
これ以上は限界を超えてしまう。啓介を受け入れる余裕がなくなってしまう。
トロリと溶けてしまいそうな程に熱くて、拓海は啓介の腕の中で大きく仰け反った。
「っ…はぁ…ぁ、あぁ…」
もう声も、言葉にはならなくて……。
拓海はきつく目を瞑って、少しでも熱を散らそうと首を左右に振っている。
涙の滲み出した目元にキスをして、啓介はやっと拓海の中からゆっくり指を引き抜いた。
「……ふぁ…あぁ…っ!」
全てが抜ける瞬間、拓海は切ない声を上げると、またぎゅっと啓介の首にしがみついた。こんな風になった自分を見られるのは恥ずかしすぎて嫌なのだ。
この行為は快感と言えばそうなのだが、息苦しいし、何より恥ずかしくてたまらない。でも、コレ無しで啓介を受け入れることがどんなに苦しいかは拓海だって解っているので、結局強く拒めないのだ。
確かに啓介の言うとおり、早く理性を手放せばいいのだろう…。解っててもそんなマネは出来ないけれど…。
「拓海…俺もそろそろヤバイ。入れっから、そんまま力抜いててくれよ?」
腕の中にある拓海の媚態に、啓介ももう耐えられない。グイッと拓海の両足を抱え上げて、その奥にある蕾へと高ぶっている自身をそっと触れさせた。
先走りでぬめるモノを押しつけて入口に最後の潤いを施すと、啓介は熱く熟れている拓海の中へグッと強く押し入っていく。
「あうっ!……あ、け、啓介さぁ…!」
括れの部分まで受け入れて、拓海は襲い来る感覚に怯えたように叫んだ。シーツを掴んでいた指は、今は救いを求めるように啓介の方に延ばされている。
どんなに準備をしたところで、貪られるようなこの感覚と痛みに慣れることは出来ない。
「拓海…好きだ。俺、お前のコト…すげー好き。」
延ばされた手を捕らえて、啓介は拓海の呼吸の邪魔にならない程度に口付けた。唇の温もりから、ほんの少しでも自分の想いを伝えたかった。
もっとも、今の拓海にはとてもそんな余裕はないだろうけど。
「んっ…うぁっ!け、すけさ…ん…あ、あぁ…!…啓介さんっ…」
指よりもずっと質量のあるモノを受け入れて拓海は苦しそうに眉を寄せている。でも、声は啓介の呼びかけに一生懸命答えてくれていた。
自分の名前が出る度に啓介は拓海の頬や唇にキスを落として、奥へと腰を進める。
ギシギシと、ベッドが軋む音が大きく響いているが、その音も聞こえないほど2人は互いの熱さに翻弄されていた。
「くっ……ッ、拓海。お前ん中、キツッ…!」
拓海の中の焼け付くような熱さとキツイ締め付けに啓介は目眩がしそうだった。つい、そのまま強く突き入れてしまう。
「うああっ!…はぅ……ん、やぁー…」
一気に最奥へと押し入った啓介に、拓海は高い悲鳴を上げて跳ねあがった。
その声にハッとして、啓介は焦って拓海の顔をのぞき見た。
顰められた眉と眦に涙を滲ませているその姿に、啓介は動きを止めて拓海が落ち着くのを待った。
「拓海…平気か?」
拓海は苦しそうに、はぁはぁと大きな息をついている。慰めるように、啓介は回した手で背中をゆっくりとさすってやった。
しばらくそのままでいると、拓海は落ち着いたのかほぅっと大きく息を吐いた。そして、ゆっくりと閉じていた瞼を開けて、ぱちぱちと目を瞬かせた。
繋がったままの体制が恥ずかしいのか、目の横がほんのりと染まっている様子に啓介は微笑した。感じて照れている時の拓海は、また格別である。
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