今の世の中、コンピュータは必須やな。
データ管理は、コンピュータのお仕事っちゅうことになっとる。 ま、紙で取っとくより、ディスクとかに入れといた方が、確かにかさばらんわな。
けど、その為には、こっちがコンピュータ使えんとあかんやろ? ワイらも、コネクションに来てから、随分憶えさせられたんや。
バトルマシンの操縦は、専用ヘルメットがあるさかい、何とかなると思うやろ?
普段ならその通りなんやけど、ヘルメットと繋がっとるコンピューターに何かあったらどないする? 自力で何とかせなあかんわな。
となると、自力で操縦できるようにならんとあかんから、ちゃ〜んと、操縦技術をなろうたんやで。 その課程の中で、コンピュータの扱いもなろうた。
と言う訳で、一応、ヘルメットからの指示がのうても、ちゃんと操縦できるんやからな! 間違えんといてや。
カチャカチャ …
キーボードを自在に操るのは、小介。 やっぱり、この手のモンは、アイツにはかなわんワ。 慣れもあるんやろうけど、キーボードを見ぃへんでカチャカチャでるんは、凄いワ。
ちずるも小介と同等。 ちずるは小さい頃から、この手のモンに囲まれて育ったクチやし、何と言ってもあの南原博士の孫やからな。 ピアノをやっとる事もあって、指の動きは早い。
で、ワイと豹馬と大作が、コネクションに来るまで、こないなモンに縁の無い生活しとったからな、同率ドベやったんやけど … 最近、その近郊が崩れつつあるんや … 。
「豹馬さん。 最近、キーボードの扱いが巧くなりましたよね」
「//// … そ、そうか?(^ ^)」
そう、豹馬。 豹馬が最近、妙にキーボード打つのが巧くなりよったんや。
案外起用やさかい、上達はする物の、指が太いせいで打ち間違いの多い大作。 打ち間違いは少ないが、速度が大作ほど無いワイと豹馬。
そんな感じで、プラスマイナス・ゼロ状態やったのに、豹馬だけ一歩抜きん出てきた。 同じくらいしか練習しとらんのに、何でやろ?
講師役の小介やちずるに褒められて照れとる豹馬横目に、自分の課題戻る。 オモロないな。
「豹馬のヤツ、秘密特訓でもしとるんやろか? なぁ、どない思う、大作?」
隣で黙々と自分の課題をこなす大作に話しかける。
「う〜ん、どうじゃろ? そげな素振りは、見えんばい。 自由時間も、オイ達と一緒かバイクで遊びに出ちょるし … 」
「同じ練習時間で、今までドングリの背比べやったアイツが、いきなり巧なるのはおかしいワ。 納得いかん」
二人で悩み始めると、小介が寄ってきた。
「何してらっしゃるんですか、お二人とも? 課題、済んだんですか?」
ヤバ。
「い、いやぁ。 今日の課題は難しいなぁ(^▽^;」
愛想笑いで誤魔化すが、誤魔化せる訳無いな。
「口よりも、指を動かして下さい。 ますます、豹馬さんに置いて行かれますよ」
「そ、ソレや、ソレ! ソレで悩んどったんや。 な、小介はどない思う?」
小介に疑問をぶつけてみる。 すると、小介はあっさり答えよった。
「そりゃぁ、ね。 最近、豹馬さんはピアノやってるじゃないですか。 訓練の一環で。 アレのせいだと思いますよ」
「あ!」
そや。 指の訓練の一環で、ピアノやっとるんやった。 そか〜、ピアノ訓練の成果で指の扱いが巧なって、キーボード打つのも早なったちゅう事か。
こないなトコで、あの訓練が役にたっとるとは … 豹馬にとっては嬉しい誤算やろか? ワイにとっては、誤算も誤算や。
いや、冷静に考えれば、可能性はあったんやな。 ピアノもキーボードも同じように指を使うものや。 指の訓練にキーボードも使えるっちゅう事を前に自分でも意見したしなぁ。
こないな事なら、ワイもピアノなろうとくんやったかな?
* 忍のつぶやき *
私の場合も、昔やっていたピアノがキーボードを使う際に役立っていると思います。
まぁ、ほぼ横並びの鍵盤とキーが縦横にあるキーボードでは、違いは大分あるかも知れませんけど、指を使う事に関しては、似たり寄ったりだしね。