日常戦闘記録  2,005年  3月




注 意
この 【日常戦闘記録】 は、本編に沿って書いてはいますが、現在の世情も反映していますので、放映当時には存在しなかったような物も出て来る事があります。 (例 : 携帯電話など)
パラレルワールド】 的に考えて頂けると良いかと思います。
ご了承下さいm(_ _)m

 ピアノ side:豹馬 豹馬の日常戦闘記録
2005年 3月
 ピアノ side:十三 十三の日常戦闘記録
2005年 3月




ピアノ side:豹馬  ◎豹馬の日常戦闘記録

 好きでやってる訳じゃないんだが、最近、ちずるにピアノを習っていたりする。
 別に、音楽に目覚めた訳でも、ちずるの気を引く訳でもねぇ。
 コレも訓練の一環なんだ。

 ちずるの薦めで始めた事なんだが、これは指の訓練。
 知っての通り、俺の腕は以前ガルーダの野郎にやられちまって、生身の腕は切断。 今の腕はサイボーグだ。
 自分の思い通りに動かせるように、色々訓練をしてきた。 それでも拒絶反応が出たりしたけどな。
 最近じゃ、おっちゃんの太鼓判も貰うくらい、人工細胞や神経などが発達し、俺自身の体にもなじんだ事もあって、拒絶反応はない。
 でも、油断は禁物。 普通の筋肉だって、訓練を怠れば落ちていくんだ。 俺の腕は、更に未知の部分のある、人工細胞。
 今のまま、訓練をやらなくなっても大丈夫かどうか分からねぇ。 何せ、前例がねぇからな。 訓練は、やっておくに限る。
 そんな事でピアノを始めた。
 十本の指をそれぞれに動かすから、指の訓練にはもってこい。
 腕全体なら、他にいくらでも訓練方法はあるが、指の訓練ってのは、あまりねぇからな。
 実用的にパソコンのキーボードを使ったら? と言う案もあったんだが、ピアノの方が、指の方にある程度力が必要だ。 キーボードは、それほど強い力は、いらねぇだろ?
 何せ、ピアノの鍵盤は 『押す』 じゃなくて、 『弾く』 だからな … って、コレはちずるの受け売りなんだが(^▽^;

 最初は、恥ずかしかったの何のって//// 特に十三のヤツが、からかいやがってよ。
 まぁ、他の連中が 「指の訓練だ」 って説明してからは、からかわなくなったけどな。
 いつも、ちずるがスラスラ弾いてやがるから、あまり難しく考えてなかったんだが、コレが結構難しい。 右と左と出指が別々に動くなんざ … ピアニストを尊敬しちまったぜ。
 しかも、プロは、練習を一日、七〜八時間もするって?! どの世界でも、プロってのは大変なんだな。

 俺の場合、ピアニストになる訳でも、ピアノで曲が弾けるようになりたい訳でもねぇから、指の訓練用の曲だってのを教わった。
 え〜っと “ハノン” とかってヤツだったかな?
 ひたすら同じ指の動きを繰り返しながら、低い音域から一つずつ音をあげてって、有る程度まで行ったら、同じように音を一つずつ下げて元の位置まで戻ってくるんだ。
 ちずるのヤツ、見本に、それをスラスラとやって見せた。 右手も左手も、そんなに動きは違わないから見た目簡単そうなんだが … やってみると、そうでもねぇんだよな。
 左手は小指から、右手は親指から。 順番に右隣の指を動かして一番左側の指まで行ったら、同じように左隣の指動かして、元の指に戻ってくる。 その繰り返しなんだ。
 有る程度、ピアノをやってたヤツならまだしも、ピアノに触れた事もねぇド素人の俺じゃぁな。 そんな俺に、ちずるは根気よくつきあってくれた。
 ピアノの鍵盤も、確かに 『弾く』 じゃねぇと、音が出ねぇんだよな。 ちょいと触るくらいじゃ、蚊の泣くような音しかしやがらねぇ。
 「ピアニストの腕や指の筋力って、すごいのよ」
 って、ちずるが言ってたが、毎日、七〜八時間もこんなことやってるんなら、確かにな … 。

 ちずるくらいにできるようになるにゃぁ、どれぐらいかかるんだか … (-。-)




* 忍のつぶやき *
 昔、やってたんです、ピアノ。
 もう、10年以上鍵盤にさわってもいない(^▽^; 最近はもっぱらキーボードですね(笑)
 豹馬の腕は肩の下あたりからサイボーグだったかな? 何せ、手術シーンが見えなかったから … 。 運ばれてきたサイボーグ義手を見る限りでは、肩から付け替えたように見えるけど … 実際は、どうなんだろ?。
 ともかく、指も義手の一部。 となれば、腕全体の訓練はもとより、なんと言っても指を訓練しないと。 下手すると、箸も持てないぞ、豹馬!
 ってな訳で、利き手の右手はもとより、左手も平等に訓練できるとなると … そこでピアノを思いついたんですね。 ちずるという先生もいる事だし(笑)



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ピアノ side:十三  ◎十三の日常戦闘記録

 最近、豹馬がちずるにピアノを習とる。
 最初は、何をトチ狂ったんかと思たワ。
 豹馬とピアノやで?! どう考えても、似合わんし、アイツがそないな事するタマかいな。

 「何や〜? 芸術にでも突然目覚めたんかい?! その歳でピアノのお稽古かいな」
 驚きもしたやけど、その姿が可笑しゅうて、色々からかったろ思うた訳なんやけど … 。
 「十三しゃん、いかんばい」
 「そうですよ。 豹馬さんは、至って真剣です。 教えてる、ちずるさんもね」
 「?」
 大作と小介まで豹馬の肩もちよる。 何や、おもろないなぁ。
 「アレも、訓練の一環なんですよ」
 「アレが訓練〜?!」
 小介の言葉に、思わず声がうわずってしもた。 バトルチームのメンバーに、ピアノが何の訓練になるんやぁ? 娯楽にしかならんのと違うか?
 「ピアノで指の訓練しちょるとよ」
 「!」
 ピアノと訓練。 その関連が思いつかず悩んどったら、大作が教えてくれて、やっとワイにも合点がいった。
 「そか … そっちの訓練か … 」

 豹馬の手 … ガルーダに撃ち抜かれて潰された … アレは、ワイも目の前で見てたさかい、苦い記憶や。
 あのまま豹馬が復帰できなんだから、きっとワイは、もっと大きな罪悪感に押しつぶされとったかもしれん。 ああやって、 “人工細胞” つこたサイボーグ義手のおかげで復帰したから、ワイも … 。
 あの腕、使いこなすのに、豹馬は色々訓練しとった。 拒絶反応に、苦しんでた時期もあった。
 けどぉ … 四ッ谷のおっちゃんが、太鼓判を押したにもかかわらず、まだ訓練をしよっちゅうんか?
 「何だかんだ言っても、 “人工細胞” は、研究途中の物ですからね。 あの人工細胞を腐らせてしまう薬品もあったでしょう? 他にも、色々悪影響のある薬品等もあるかも知れませんから、博士達が色々調べてますよ。 それと、あのまま訓練を終わらせてしまった結果、人工細胞の筋肉が衰えて、また拒絶反応が出ないとも限りません。 ですから、訓練は続けた方が良いと、豹馬さんが判断して、自主的にやってるんです」
 ああ、そうやった。 勝田博士がキャンベル星人に協力してる間に、色々改良したらしいけど、地球側にあるデータは、改良前の物。 詳細は、勝田博士しか分からへんしな。
 「で、ピアノかいな」
 「ちずるしゃんが勧めたとよ。 指の訓練になるっちゅうて」
 「ええ、腕全体の訓練は、他にいくらでもやりようがありますけど、指の訓練となると … それで、ね」
 確かに、ピアノは指をバシバシつこて演奏する物やしな。
 「それやったら、パソコンのキーボードとかでもええんやないか? 実用的でもあるで」
 なんだかんだで、ワイらは今、コンピューターと切っても切れん生活しとる。 パソコンは必須や。
 「確かに、ソレは豹馬さんも言ってましたよ。 でも、パソのキーボードとピアノの鍵盤では、抵抗力が段違いなので、訓練ならピアノの方が断然良いんです」
 「?」
 小介の言うてることが、よく分からんかった。 『抵抗力が段違い』 ?
 「さっき、オイ達も、ちょっとやらしてもろうたんじゃけど、ピアノの鍵盤は、キーボードのキーを押すのと同じようにはいかんばい。 ちょっとくらいじゃ、音も出んと」
 「そうよ。 ピアノって 『ひく』 とは言うけど、漢字で書くと 『弾く』 だし、昔は、あの鍵盤を指で 『叩く』 と表現されたくらいなのよ。 音を出すには、それだけ力がいるの。 チョット押した位じゃ駄目。 実際にやってみれば分かるわよ」
 豹馬のレッスンを一通り見て、自主練習時間になったらしいちずるが、ピアノを離れてワイらの話に入って来よった。
 「ホンマかいな?」
 「ホントよ。 豹馬が終わったら、やってみなさいよ。 参考までに、最初、豹馬は張り切ってやりすぎて、筋肉痛になったって事を教えておくわ」
 「なんやてぇっ?!」
 ピ、ピアノで筋肉痛 … ソレも、あの豹馬が … 信じられへんかった。

 その後、豹馬のレッスン終了後、実際にやらしてもろたけど … ホンマや … 。
 豹馬が、 「ピアニストを尊敬した」 て言うてたけど、納得や。

 世のピアノを弾く方々、お見それしました … 。




* 忍のつぶやき *
 いや、ピアノで筋肉痛になるかどうかは分かりません(^▽^;
 実際、経験無いんで … 。 要するに、私は、それだけ真剣に練習してなかったって事ですね(爆) まぁ、筋肉痛になるほどはやらなかったけど、徐々に筋肉が発達してはいたかも。
 でも、素人の人が、いきなり張り切ってやりすぎたら筋肉痛になりそうな気がしてね … 。
 全然、例えが違うかも知れないけど、“ラジオ体操” って有るじゃないですか? アレは普段筋肉痛になるような体操じゃないですよね?
 だけど、真剣に … ホントに真剣に、曲げる所をしっかり曲げ、のばす所をしっかりのばして、そんな風にあの体操を10回ばかりやると、翌日筋肉痛になりますよ。 ホント。 コレは経験あり(^▽^;



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