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サンタクロース ◎豹馬の日常戦闘記録
「ジングルベ〜ル♪ ジングルベ〜ル♪」
金太と知恵が、ツリーを飾り付けていく。 今月はクリスマスがある。 キリスト教徒じゃねぇけど、日本人は騒げる祭りごとが好きだよな。 って、俺もその一人だったりするけどよ。 でも、クリスマスは、チョット厳かなモノだって認識もあったんだぜ。 何せ、俺の育った “太陽学園” はミッション系の施設だったからな。 育ての親の園長先生はシスターだぜ。 だから、ミサとかもやったしな。 サンタ宛の手紙も、みんなで書いたもんさ。 サンタから、お返しのクリスマスカードも、貰ったぜ。 あれ、どうしたっけかなぁ … ? 「は? …サンタに手紙て、そんなコトしてたんかいな?」 「サンタからのクリスマスカードっちゅうのは、シスター達が書いたと?」 「違うって。 ホントにサンタから届くのさ。 エアメールで」 「ホントぉ?! ね、ね、豹馬さん。 ホントにホント?」 知恵が瞳をキラキラさせながら、振り返った。 十三、大作、ちずるの3人は、疑いの眼差しだ。 てめーら、おとぎ話のサンタの事しか考えてねぇだろ? 「ホントさ。 サンタはスウェーデンにいるのさ」 「スウェーデン?」 「北欧の国さ。 ダーラナ地方モーラ市にある “トンムテランド(サンタランド)” ってトコに居るんだ。 ソコに手紙を書くとクリスマスカードが返ってくるのさ。 まぁ … 料金必要だったみてぇだけどな」 実際は、代行会社(?)みたいのがあって、ソコに申し込むんだけどよ。 まぁ、個人でも送れねぇ事はないらしいぜ。 詳しいやり方は知らねぇけど。 住所は “ 「年中無休の観光スポットだとよ(笑)」 「なんや、おとぎ話のサンタとは 流石に、それとは違うって。 でも、夢があるだろ? 太陽学園では、サンタの手紙が恒例になっていて、奇特な人達が毎年クリスマスプレゼント代わりに料金出してくれたんだ。 「ホント、夢があるわ。 クリスマスにサンタさんからの手紙やカードが届くなんて … 」 「う〜ん … ?」 何やら小介が首をひねってやがる。 「小介しゃん。 どぎゃんしたと?」 「いえ、僕が聞いた事のある話と、チョット違っていたので … 僕が聞いたサンタはフィンランドのラップランド地方ロヴァニエミ市の “サンタランド(ヨウルマー)” ってトコです」 ああ、それか。 俺も知ってる。 実はいくつかあるらしいんだよな、サンタランドみたいなトコ。 「ノルウェーにもあるようなこと聞いた事有るぜ。 他には、サンタの長老はグリーンランドにいるとかって話も聞いた事あるしな」 「 … 豹馬、そこんトコ、も少し詳しく教えてんか?」 十三のヤツ、何だよ、そんなに真剣な顔しやがって … ? 俺がいぶかしんでると、ちずるがそっと耳打ちしてきた。 「イベント事の知識の鬼(?)としては、知っておきたいんじゃないの?」 … ああ、ナルホド。 今まで、雛祭りだ、子供の日だと知識を披露してきた旅館の一人息子。 これを機にクリスマスの知識も身につけようってか? でもなぁ、俺が知ってる事なんて微々たるモノだぞ。 仕方ないんで、 「太陽学園の園長先生に聞いてみたらどうだ」 とアドバイスしてみた。 早速、明日の自由時間に園長先生に会いに行く算段とりに行きやがった。 ま、いいけどさ。 後日、園長先生から色々聞いて、他にも色々調べたらしい知識を披露してくれた。 そして、その話に更に刺激されたのか、金太と知恵がサンタからのクリスマスカードを欲しがったんで、みんなと一緒に、久しぶりでサンタへの手紙を書いてみた。 今年のプレゼントに、 宇宙全体が仲良くなれる … “平和の魔法” をくれませんか……?
* 忍のつぶやき *
いや〜、色々調べました(^▽^;
私が一番最初に知ったのは、スウェーデンの “トンムテランド” 。 ある漫画に描いてあったんです。 それを元に色々調べたらフィンランドにもあるっていうし、日本にも公認のサンタが居るらしいです。 今回は、以下↓のサイトを参照させて頂きました。 サンタクロースサイト サンタワールド(スウェーデン側) SANTA CLAUS EMBASSY(フィンランド側) まだ、サンタからの手紙、申し込み、間に合いそうですよ。 12月中旬くらいまで大丈夫そうですから。 小さいお子さんの居る所なんか、いかがです? ![]() ![]() |
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クリスマス in 太陽学園 ◎ちずるの日常戦闘記録
「わぁ〜いっ! サンタさんだぁ♪」
みんな大喜び。 つくづく頑張って作った甲斐があったわ(^o^) 今日は、太陽学園のみんなとクリスマス会。 全員で来れると良かったんだけど、敵襲を考えると、どうしても待機要員は必要だから、来れたのは、あたしと豹馬、そして大作君。 太陽学園と言ったら豹馬は外せないでしょ? 大作君は、今回重要な役割を持っていたから。 そしてあたしは、いつも何かある時は大作君とセットだから(^_^; だって … タンクはあたしのマリンがないと高速・長距離移動ができないんだもの。 お爺ちゃんもタンクの飛行能力は考えた事があったみたいなんだけど … やっぱり重量とか搭載機能を考えると駄目だったみたい。 と言う訳で、今回の待機要員は十三君と小介君。 ホントは、小介君を是非連れてきてあげたかったんだけど … コネクションに残るのが十三君だけっていう訳にはいかないから。 最初は、豹馬・大作君・小介君でって話にもなったんだけど、戦闘能力を考えると、マリンよりクラフトなのよね。 探索機能もある機体だから、敵の弱点を探り当てて、クラッシャーで攻撃って言う効果的な事も出来るもの。 と言う事で、小介君は、夜からやるコネクションでのクリスマス会だけで良いからと言ってくれた事もあって、太陽学園のクリスマス会は不参加になっちゃったのよね。 年の近い子達が居るから、こっちのクリスマス会を体験させてあげたかったわ。 それもこれも戦争が … ブツブツ。 まぁ、今回は仕方ないとして、太陽学園の子達を楽しませる事を考えましょ。 今回、結構あたし頑張ったのよ。 何をって? 衣装作りをね♪ 「ホッホ〜。 さぁ、みんなにプレゼントたい♪」 熊本弁のサンタクロース(笑)が、みんなにプレゼントを配ってる。 聞いて分かる通り、実は大作君のコスプレ。 そう、今回頑張って作った衣装は、大作君が来ているサンタクロースの衣装。 付け髭とかも手作りなのよ。 私だけじゃなくて、百江おばさんや、他女性所員が手伝ってくれたんだけどね。 大作君の今回の重要な役割ってコレなのよ。 サンタ役。 体型がちょうど良いんだもの(笑) 年齢から言うと、四ッ谷博士の方が適役なんだけど、酒臭いサンタじゃぁねぇ(苦笑) 教育上良くないし。 大作君の方が子供受けや面倒見も良いしね。 「ホント、助かったわ。 いつもやって下さるボランティアの方が、都合がつかなくなってしまって … 」 園長先生が、申し訳なさそうに声をかけてきた。 豹馬からも聞いたけど、いつもはボランティアの人がサンタ役をやってくれるらしい。 やっぱり、体型の良い人みたい。 でも、今年は何か都合が悪かったみたい。 「俺でも良かったんだけどよ。 適任なのが身近にいたしな(笑) 息抜きにもなるし」 元々、クリスマスに太陽学園に顔を出すつもりだった豹馬が、園長先生にその旨連絡をした時に、ボランティアの都合が悪くなった話を聞いたのよ。 毎年の事だから、豹馬もボランティアサンタの事は知っていて。 「じゃぁ、自分がやる」 って申し出たらしいんだけど、後であたし達と談話をしている時に、その話題が出て … 小介君にも体験させてあげたいねって話になって、更には大作君の体型がサンタに近いなって話になって … 。 なんだかんだと話した結果、こうなったのよね。 「子供達とのふれあいで、少しでもあなた達の心が癒されたら嬉しいわ。 これからも神のご加護があります様に … 」 園長先生が胸元で十字を切って、神に祈りを捧げる為に手を組む。 激しい戦いの中で、こんな時間取れるなんて、幸運よね。 国防軍の人達は、どうなのかしら? 大作サンタは、相変わらず、子供達にじゃれつかれてる。 弟や妹の居る大作君だから、小さい子の扱いは慣れてるみたいだし、楽しそうだわ。 「おいおい、みんな〜。 いい加減にしてやれよ、大作サンタがグチャグチャだぜ(笑)」 ホント、衣装は着崩れ放題だし、アゴ髭はずれてるし、鼻の下の髭なんて、とっくに取れてしまって、何処に行ったのか。 たぶん、みんなに踏みつぶされてるんでしょうね。 シスター達と子供達とが一緒に用意してくれたお茶やお菓子を頂きながら、ゲームをしたり子供達のクリスマス演劇や歌を聴いたり、楽しいひとときを過ごさせて貰っちゃった。 こんな情勢の中でも、元気にたくましく、明るく生きている子供達を見て、1日も早く平和を取り戻したいと思ったわ。 夕方近くになって、クリスマス会はお開き。 あたし達もコネクションに帰る時間。 この後は、コネクションでのクリスマス会。 子供達のお礼の声を微笑ましく聞きながら、太陽学園を後にした。 「 ……… 」 「 …? どうしたの、豹馬?」 車を運転しながら、豹馬が何となくボンヤリしてるみたいだから聞いてみた。 「んー … うん …」 何か話しにくそう。 「豹馬しゃんらしくなか。 どぎゃんしたと? 何かあったんじゃったら、オイ達に相談してくんしゃい」 そぉよ! あたし達、仲間なんだし。 「ん …… 実は、さぁ …… いつもサンタやってくれるボランティアの人、疎開したらしいんだ」 「! … 地方に?」 「ああ … 。 都心やコネクション近くよりは、攻撃対象になる事が少ないからな。 その人の奥さんが、強く希望したらしい」 ボランティアサンタの裏側に、そんな事情があったなんて … 。 「 … 仕方なかね。 その人の家族の安全ば考えると … 今の情勢じゃぁ、ボランティアばかりやっちょられんばい」 「だよな … 」 悲しい現実 … 。 そうよね、他人の事ばかり構ってられないわ。 自分の家族が居るんだもの。 「早く、平和を取り戻したいわね … 」 「ああ … 」 楽しかったクリスマス会だけど、その裏側にあった苦い現実。 戦争の苦痛を改めて感じた気がしたわ。
* 忍のつぶやき *
一番最初は、楽しく終わるはずだったんだけど … ふと思いついたんです。
「やっぱり、昔の世界大戦の時の様に疎開した人いるだろうなぁ」 って。 今、サマワに派遣されている自衛隊の事もテレビで見たりしたので、その辺の影響もあります。 世界平和は、遠いですねぇ … (-。-) ![]() ![]() |
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クリスマス in コネクション ◎小介の日常戦闘記録
金太君と知恵ちゃんの飾り付けたクリスマスツリーが、綺麗な輝きを放っています。
良いですね。 海外の宗教関連の行事を単なるお祭りとして捉えている日本の事を海外では、どう見ているでしょうね? 僕は、アメリカに留学していましたが、勉強と研究の日々でしたし … その、興味がなかったので((((^_^; コネクションに来て、皆さんに出逢って、色々あって、僕も大分人間らしくなってきた様に思います。 今の年齢で、人間味がないって言うのも … ホント、今考えると恐ろしいですね。 今では、凄く反省しています。 「豹馬さん達、もうすぐ帰ってくるね」 「太陽学園でのパーティ、大作さんのサンタはどれくらい活躍したのかな?」 「そやな〜。 大作は面倒見エエし、弟や妹もおるから子供の面倒見るのも慣れとるやろから、大人気やないか?」 今回太陽学園のクリスマスパーティに豹馬さん、ちずるさん、大作さんの三人が行きました。 いつもボランティアでサンタ役をやって下さってた方が、出来なくなったという事で、最初、豹馬さんがサンタ役を買って出たのです。 ですが、ふとした折りに、豹馬さんが僕にも 「パーティに参加しないかと」 言って下さったんです。 その時に、豹馬サンタの話が出たのですが、サンタ役なら大作さんが一番似合いそうだと言う話になったんです。 大作さんも結構ノリノリで、 「やっても良い」 と言ったんです。 でも、そうなると問題が … 全員で行く訳にはいかないので、行くのは二人、もしくは三人になります。 太陽学園関係になると豹馬さんははずせませんし、大作さんがサンタ役をやるとなると僕が行く訳にはいかなくなります。 コレは、各機体の戦闘能力等の関係から決まる事。 残念ですが、太陽学園の方は遠慮させて頂きました。 コネクションでも夕方から、ささやかながらパーティをしますし。 今の情勢では … ね。 と言う訳で、コネクションに十三さんとともに残った僕は、夕方からのパーティ準備の手伝いに精を出していました。 「「「「「「「メリークリスマ〜スッ!」」」」」」」 バトルチームの面々の他に金太君、知恵ちゃん、四ッ谷博士にロペットがリビングルームで木兵衛さんと百江さんの料理を囲んで談笑を始めました。 やっぱり話題になるのは、今日の昼間に行われた太陽学園のクリスマスパーティの話題。 「じゃ、やっぱり大人気だったんだね。 大作サンタは(^o^)」 「ああ、最終的には、もみくちゃにされちまうくらい、子供達から人気でよ」 「サンタ役やって、ほんなこつ良かったと思ったばい♪」 随分楽しいパーティだったようです。 子供達が一生懸命したであろうツリーや部屋全体の飾り付け。 その中での合唱、劇、お喋り。 贅沢なご馳走がある訳ではないけれど、心が満たされる。 そんな雰囲気だったと、太陽学園から帰った三人は話してくれました。 参加出来なかったのが、本当に残念ですね。 来年は、是非参加したいです。 そのためには、キャンベル星人を来年のクリスマスまでに、何とかしないといけないですけどね。 お喋りの他にゲームなどもしながら、楽しく過ごしていましたが、そろそろ金太君と知恵ちゃんが休む時間が近づいてきたので、二人はパーティ戦線を離脱して行きました。 とっても残念そうに(苦笑) 「「おやすみなさ〜い(ToT)」」 「「「「「「「おやすみ」」」」なさい」」ナサイ」 一木兄妹を見送った後は、チョット静かに大人の時間(?(笑)) その時に、ふと僕が言ってしまった言葉がキッカケでした。 「ボランティアの方の都合が悪くなった事で、思いがけず楽しい時間が手に入っちゃいましたよね。 来年は、是非僕も参加したいです」 「「「!」」」 豹馬さん、大作さん、ちずるさんの不自然に固まりました。 このとき、何の事情も知らなかった僕は、自分の失言に気付いてませんでした。 「どないしてん? 固まってもうて」 「どうしたんじゃ? 楽しい時間を過ごしてきたんじゃなかったのか?」 四ッ谷博士も不可解な表情を見せます。 「うん … 実は … さ」 顔を見合わせた豹馬さん、大作さん、ちずるさんは、三人で帰りに話した内容を聞かせてくれました。 実は、毎年サンタ役をやって下さった方が、家族で疎開したという事を … 。 その結果、サンタ役を出来なくなったと言う事だったんです。 世界中の何処にいても、安全だという保証はありませんけれど、一番攻撃対象になりやすいコネクション近くや都心にいるよりは、地方にいた方が確かに安全です。 自分の家族の事を考えれば、疎開は仕方ない、というか当然の事と思われます。 ボランティアどころではないでしょう。 誰も、その方を責める事は出来ません。 怒られてしまう様な言い方かも知れませんが、ボランティアというのは、何不自由ない立場にある時に出来るものです。 今はボランティアを出来る立場でも、明日には逆にボランティアの助けを必要とする立場へとなってしまうかも知れないのが、今の地球の状況です。 「そうか … 」 四ッ谷博士も、話を聞いて、一気に酔いが醒めてしまったようです。 複雑な表情をしたまま、ウィスキーの瓶を一気にあおりました。 しばらく、場は静まりかえってしまいました。 ふと、僕は自分の言葉がキッカケだったのに気付き、謝りました。 せっかく、楽しく過ごしていたのに … 。 「小介のせいじゃないぜ。 知らなかったんだしよ」 「そうじゃ。 タイミングば見て話そうと思っちょっとった事じゃけん」 「気にする事無いわ」 皆さん慰めてくれましたが、責任感じてしまいます((((-_-; 「ま、ワイ等が踏ん張って何とかせんとアカンっちゅう事やな」 十三さんの言葉に皆が深く頷きました。 そうです。 平和な地球を一日も早く … 誓いを新たにしました。 来年のクリスマスには、疎開している人がいなくなっていると良いなと思いました。
* 忍のつぶやき *
ああ … 続けて暗くなりました。
でも、前の話の続きみたいなものですし、“疎開” の事に関しては、十三、小介、四ッ谷博士にも知っておいて貰うべきと思いますしね。 いや、元々疎開している人達がいるって事は、皆知っているんですが、身近になかった話なので、 『漠然と知っている』 という感じだったんですよ。 皆さんも、そんな事柄って有りません? ![]() ![]() |