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運動会・前 ◎小介の日常戦闘記録
ポン、ポポンッ。
青空に花火が上がりました。 花火と言っても煙と音だけの物で、夜空を彩るような物ではないですけどね。
そもそも、色取り取りの花火を昼間上げても、あの色彩は分かるものなんでしょうか？
っと、話がそれました。
今日は、コネクションで運動会です。
コネクションの所員やその家族が参加します。 とはいえ、コネクションを空っぽにする訳にもいきませんので、所員は交代で参加です。
何でも、キャンベル星の攻撃があるまでは、コネクションもただの未来研究所でしたから、空っぽになっても、さほど支障はなかったので、全員が一緒に参加していたそうです。 一応、電話番が交代でいたらしいのですが。
しかし、今は戦争中。 『戦争中に運動会なんて』 という意見もあったらしいですけど、だからこそ娯楽でストレス発散・気分転換をしようという意見も多く、なんだかんだでやる事になりました。
他の所員と同じく、僕たちバトルチームも交代で参加です。
いつキャンベル星人の攻撃があるか分かりませんからね。 待機組がいち早く出撃して時間を稼ぎ、参加組がその間に急いで出撃準備をすると言う訳で。
開催場所もコネクションの真ん前。 コレなら、僕たちだけでなく、他の所員もすぐに戻れますし、所員の家族もコネクション地下のシェルターに避難できますから。
僕達の組み分けは十三さん、大作さん、ちずるさんのチームと豹馬さんと僕のチームに別れました。 豹馬さんと僕は、午前中の競技に参加です。
これは各マシンの特性等を考えての組み分けです。
大作さんのタンクは、ちずるさんのマリンがないと高速移動出来ないので必然的に一緒。 マリンに抱えられてしまうと、３５０ミリ戦車砲が使えないので戦闘能力がガタ落ち。 更に、マリンは戦闘向きではないので “空飛ぶ武器庫” でもある十三さんのクラッシャーが一緒になりました。
しかし豹馬さんと十三さんは、この組み分けを非常に残念がってました。 何故かというと … 。
「ちぇ〜っ。 十三なんか目じゃねぇってトコ、全所員に見せてやろうと思ったのになぁ」
「何ぬかす？ ソレは、コッチの台詞やで！ ワイの格好いい姿拝ましたれないのが、めっちゃ残念やぁ」
「けっ、ぬかしてんのは、どっちだよ？」
「何やとぉ？！」
… とまぁ、そんな感じで┐(￣▽￣；)┌
ライバルのお２人ですから、一緒に競えないのは悔しいでしょうね。
競えないのは残念ですが、ちゃんと分かってらっしゃるので、２人共チーム分けに関して我が儘は言いませんでした。 昔、まだ出会ったばかりの頃ならば、我が儘言っていたかも知れませんけどね（笑）
「小介 … 念のために聞くけどよ … 運動会って … 」
「 … はい、初参加です/////」
「やっぱり … (￣▽￣；」
あはは … 興味有りませんでしたからね、昔は。
あ、でも、今は違いますよ。 皆さんから良い意味での影響を受けましたからね。 とっても楽しみにしていたんですよ。
頑張って参加させて頂きます！
＊ 忍のつぶやき ＊
はいはい、季節ネタ〜。
昔の “体育の日” １０月１０日ですからね。
今だに慣れません、第２月曜日の “体育の日” 。 毎年日付が変わりますからね〜。
あ、でも、来年２，００５年は第２月曜日が１０日に当たるらしいので、久しぶりに１０月１０日が “体育の日” になりますね〜(^o^)
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運動会・中 ◎豹馬の日常戦闘記録
「いっけぇっっっ！」
「頑張れっ、頑張れぇっ！」
「だぁぁぁっ、抜かれたぁっ」
みんな、ノってるノってる♪
いよいよ始まったコネクションの運動会。
運動会なんざ、最後にやったのは小学生の時だったような … その後、グレて族に入ってたからな(＾▽＾；
俺は、用意された席で今やってる競技を眺めていた。 隣に座る小介も、結構興奮してみている。
何たって、運動会初体験だしな。
小介は、ホントに子供らしからぬ生活をしてきたせいか、コネクションに来て初めて体験する事が目白押しだ。 その頭脳のおかげで大人に囲まれた特殊な生活していたからな。 それも、一般的な大人じゃなくて、 “学者” って連中ばかりの中で … 。
今まで興味がなかったって事で参加しなかったり、やらなかった行事をコネクションで体験するようになったのは、俺を含む他のバトルチームの面々や金太と知恵の影響だ。
他のメンバーとも話し合ったが、小介には、せめてコネクションにいる間に子供らしい体験を色々させようという事になっている。
「豹馬さん。 僕、次の競技に出ますので行ってきます」
「おうっ。 頑張れよ！」
「はいっ(*^^*)」
集合場所に走っていく小介を見送りながら、ふと司令室の方を見上げた。
今、待機している連中は、おそらくモニターで競技観戦してるんだろうなぁ。 司令室勤務の連中やバトルチームの面々は、メインスクリーン使えるから、大画面で観戦出来る。 役得だな。
他の部署は一般的な大きさのモニターで見てるはずだからな。
おっと、小介の出番だ。 小学生の “障害物競走” か。 所員の子供達と一緒に出場だ。 いくらバトルチームのメンバーでも、小介はまだ９歳。 普通なら小学生だ。 大人との競争は無理だから、コッチに参加なんだな。
金太と知恵も参加か。 小介と一緒に、こっちに向かって手ぇ振ってる。
『頑張れ』 の意味を込めて、親指立てた右手を突き出してやる。 すると３人も同じように返してきた。 『頑張る！』 の意味だろうな。
「位置について … 用意 … 」
パーンッッ！
“障害物競走” スタート！ 小介が走る、飛ぶ、くぐる、またぐ！
金太と知恵は、この後のグループらしく一緒には走っていなかった。
幾分、同世代より身体的には成長不良気味な小介だが、日々のバトルチームメンバーとしての訓練のおかげか、１着でゴールインしてきた。 満面の笑みでテープを切る。
「やったじゃねぇか、小介！」
席に戻ってきた小介に右拳を差し出す。 小介も同じく右拳を差し出して俺のそれと軽く打ち合わせる。
「はいっ。 運動で一番なんて、僕、初めてです♪」
かなり嬉しいらしく、まだ興奮してやがる。 手には、１着の賞状と記念品。 大した記念品じゃねぇが、小介にとっては大きな記念品であり、宝物にもなった。
「「小介さん、おめでと〜」」
それぞれ走り終えた金太と知恵もやってきた。 ２人もそれぞれ１着をもぎ取ったようだ。 さっきと同じく、みんなで右拳を打ち合わせた。
昼。 コネクション内の食堂で他のメンバーと合流しての昼食は、小介の初運動会の話で盛り上がった。
「凄いわ、小介君。 初参加で１着なんて」
「団体競技で参加しちょった “大玉転がし” でも小介しゃんのチームが１着じゃったとね。 ほんなこつ、おめでとしゃん」
「 “パン食い競争” は、惜しくも２着。 “玉入れ” の方も惜しかったなぁ。 ３個差やったもんな」
「 “玉入れ” は負けちゃいましたけど、楽しかったですよ。 途中、足下の玉が無くなって、一瞬パニくりました(＾▽＾；」
興奮さめやらぬ状態の小介は、いつになく饒舌だ。
昼が終わった後、今度は俺と小介が待機組。 十三、大作、ちずるが競技参加の為に外に出て行った。
え？ 俺の結果？
団体競技は “綱引き” と “男子対抗リレー” 。 個人競技では、 “５０ｍ走” と “１００ｍハードル” に出たんだぜ。
団体競技はともかく、個人競技の結果は、分かり切ってるじゃねぇか。
スピードの天才に、愚問だぜ(^ｰ^)
＊ 忍のつぶやき ＊
はいはい、季節ネタ、その２〜。
今日が本番の “体育の日” ですね。
“体育の日” が第２月曜日になったのは、いつだったか憶えてます？
私も忘れた(＾▽＾； で、調べました。
２，０００年からでしたよ。 区切りの良い事。
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運動会・後 ◎十三の日常戦闘記録
腕が鳴るなぁ。
午前中はスクリーンを見とるだけやったから、つまらんかったワ。
豹馬なんぞに負けてたまるかいっ！ ワイの運動能力の高さ見せつけたる！
コネクションの運動会も、いよいよ午後の部や。
豹馬、小介と交代したワイと大作、ちずるは、用意された席に着いた。
「え〜っと、あたしの出る競技は … 」
ちずるが早速プログラムで自分の出る競技の順番をチェックしとる。
今回、ワイは 団体競技は “棒倒し” と “ムカデ競争” 。 個人競技は “借り物競走” と “５，０００ｍ走” や。
ちなみに大作は、団体は “騎馬戦” と “大玉転がし” 。 個人は “パン食い競争” と “仮装競争” 。 ちずるは、団体が “スプーンリレー” と “綱引き” 。 個人が “障害物競走” と “５０ｍ走” や。
午前と午後で種目がダブっとるけど、これはしゃぁない。 所員は交代での参加やからな。
いや〜、笑た笑た(^▽^)ﾉ
何に笑たかっちゅうと、大作の “仮装競争” や。 スタートは普通の徒競走と同じなんやけど、コースの途中に袋が置いてあんねん。 その中に仮装の衣装が入っとって、最初に手にした袋の衣装を着込んでゴールまで走ってくるっちゅうモンや。
何と、大作が当たったんは “セーラー服” やで(^▽^)ﾉ しかも、サイズが全然合わへん。 何せ大作は、あの体格やからな。
上着は腕が入らへんし、スカートは膝上がやっとや。 四苦八苦したあげく、上着は袖に腕通すのを断念。 首を入れただけの状態で。 スカートも膝上でとまったままで再スタートや。
けど、こんなんでマトモに走れる訳ないやろ？ 見事にコケとった（笑）
序盤、袋の所にたどり着くまではトップ集団におったんやけどなぁ。 あんな衣装が当たったせいで、結果はドンケツや。
「大作君、大丈夫？」
「 … 参加種目を間違ったばい(￣▽￣；」
何とかゴールして戻ってきた大作に、ちずるが心配そうに声かけた返事がコレや。 ホンマ、間違っとるワ。
「十三しゃん。 そろそろ “借り物競走” は集合じゃなかね？」
ワイが必死で声殺して笑てると、大作が声かけてきた。
おっ、そやそや、そろそろ時間や。
ちずると大作に 「ほな、行ってくるワ〜」 と手ぇあげて集合場所に向かった。
競技が進んで、いよいよワイの出番！ 何を借りる事になんのやろ？
スタートダッシュで、いち早く借りる物が書いてあるカードの所へ着くと、適当にカードを取って裏返す。 カードに書かれた借り物は … 。
“美少女”
個人によって、基準バラバラやろ、コレ。
誰も文句言えへん “美少女” は … 身近にいるやん。
「ちずるーっっ！ 一緒に来てぇなっ！！」
猛ダッシュでちずるのいる席へ向かうと、ビックリしとるちずる。
「えっ、あたし？！」
「早うっ！」
手ぇ差し出してちずるの腕つかむと走り出す。 行きなりの事で、ちずるは足がもつれとる。
「だぁぁぁ〜っ、面倒やっ！」
「？！」
有無を言わさず、ちずるを姫抱き （お姫様抱っこ） してダッシュでコースに戻る。 そのままモタつく後続を尻目にゴールインやっ。
いや〜、何か花嫁かっさらってきたみたいで気分エエわぁ(^o^)
ちずるなら皆納得やろ。 １着確定間違い無しや。 役得やったな♪
「くぉら十三ぉっっ！ テメェ何してやがるっ！！」
いきなり響き渡る大音響。 豹馬やぁ。
司令室のメインスクリーンで見とったんやな。 文句言う為にマイクスイッチ入れたんか？ 男の嫉妬は、醜いでぇ。
司令室に向てアッカンベーをしてやる。 自分で告ってへんヤツが、よぉ言うワ。
その後の文句は聞こえへんかったから、司令室の面々がマイクスイッチ切って、豹馬を取り押さえたんやろな。
何でも、後で四ッ谷のおっちゃんに、めっちゃ怒られたらしいワ。 所員だけやのぉて、その家族も来てたからなぁ。 「バトルチームの恥じゃ」 って。
しばらくの間、豹馬はアレをネタに、随分所員達からからかわれたらしぃで。 しょっちゅう真っ赤になって機嫌悪なっとった。
ま、その反面、ちずるは嬉しそうやったけどな。
＊ 忍のつぶやき ＊
はい、季節ネタその３でした。
今回、 「運動会の種目って、どんなのがあったっけ？」 と確認の為に色々探しましたよ。
運動会なんて、参加しなくなって久しいので(＾▽＾；
豹馬とちずるで２人３脚やらしてみたかったね〜。 でも、それ以上に、豹馬に嫉妬させてみたかったんですよ（笑）
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