Micro Vertical Twin Satellite Speaker

With T-Shape Appendix Vent 
2.1chシステム向けサテライトスピーカー編2


Introduction:

昨年Parts Expressでスピーカーを買った時に、余りに送料がかかるのでつい必要ないものまでまとめ買いしてしまったものの一つにAuraSound製のNSW1-205-8A、通称「Cougar」という1インチのユニットがあって、1個10ドルしなかったので勢いで4個買ってあったものをどう料理しようか?と構想を練っていたが一向にいいアイディアが浮かばないまま一年ほどが過ぎてしまった。 頭の片隅で燻っていた課題が一気に解決できそうなプランになって脳裏を横切ったので、忘れないうちにと製作を開始したのだが、小口径のユニットを使いこなすには実は相当数のワザが必要ことを思い知る事になった。

The Concept

このユニット、Xmaxが4.5mmもあるとは言っても、なんせ口径が1インチしかない、1kHzでの能率が78dB/Wのフルレンジユニットであると考えると、燃えちゃいそうな最大パワー20ワットを入れたとしても得られる最大音圧はせいぜい13dB増しの91dBしか得られない計算となる。 最大振幅の9mmストロークしても僅かな量の空気しか動かないからフルレンジ用途では低域の音圧が稼げず実用性を考えるともう少しは余裕がないとダメだろういう点がネックで1年ほど頓挫していた。 f0が220Hzと高い事もあってシステムにまとめ上げるにはダブルバスレフで低域を広げるかマルチウェイ構成にしなきゃまず聴けるものにはならないだろうとの予想もついていた、これとは別の2.1チャンネルのシステムが先に出来たので、方針を変更してサブウーハーと組み合わせて使えるサテライトSPという枠の中でアィディアを練ってみた。
 まず、音圧についてはユニット2個使いで近接してマウントする事で効率を3dB稼ぐ、密閉箱では明らかに中音しか出なくなってしまうのでバスレフにして百数十Hzまでカバーする事ができればサブウーハーと繋がるので群遅延時間が長いダブルバスレフにまではしなくても良さそうに思えた。 
 形状については、想定する利用形態がPCの脇に置くデスクトップスタイルなので、リスニングポイントが自然と上向きになるような斜めのバッフル板を持つスリムなエンクロージャーにしたいので縦一直線に並べたバーチカル・ツインスタイルで行こうと考えた。


The Enclosure Design

流石にこのサイズでフルレンジ的な使い方をするユニットなんて今まで使ってみた事もなかったのでどの位の音が出せるのか皆目見当がつかない、そこでまずは闇雲に箱を作らずにパソコン上で特性をシミュレーションしてみる事にした、使用したソフトはLinearteamのWinISDという20年以上も昔からあるソフト。

データシートからT-Sパラメーターを拾って適当にブチ込んだ

「Vented」(バスレフ)箱で「Num. of Drivers」は2本でシミュレーションを実施、プログラムが出してきた特性がこんな感じ・・・

完全フラットよりも少しだけローエンドの肩が張った特性で、少しでも低域ゲインを稼ぐのと同時に見てくれのサイズ以上に貧相な音にならないよう意図的に太めの音になる路線を狙ってみました。 現実には振動板の振幅が大きくなると低域のレスポンスが減少する事と吸音材を入れるとポートからの音圧が低下してしまう事も多いので、多分このくらいで丁度いいはず・・・・

ちなみに、このとき設定したエンクロージャーのパラメーターは以下のようのかなり小さな箱です。
 

缶コーヒーよりは大きく、ビール缶よりは小さいと例えれば解って貰えると思うが、実容積300ccで2本のユニットを収めるのはかなり窮屈な事は想像に難しくない、さらに難しくしているのがリアエントリーなマウント形態である事、つまりバッフル板の裏側からSPユニットを取り付けなくてならないので裏蓋を取り外せるか何らかの工夫をしないと、組み立てたが最後、壊さない限り何もイジれないという事態になってしまう、そこで今回は敢えてやや大きめのSPターミナルカップを使用する事で裏側からSPユニット交換を可能としている。

コンセプトが決まれば、あとはすぐデザインできるので
一気に描いたスケッチがコレ、バッフル板を水平から12度上向きにしました。
でもってサクッと作ります・・・・


Building Enclosure

(製作中の画像)
丸ノコとトリマーを駆使してガンガン切り出します、SPの穴は自在錐を使用しました。

斜めカットは大変でした・・・、結局現物合わせとなります(笑)


SPのフランジが面一になるまで沈めるためバッフルの裏側を根性と彫刻刀でユニットの形に合わせ彫り込みました。


基本は9mm厚のMDF、フロントバッフルは12mm厚、バッフル板端での回折現象の影響を低減するためにトリマーで45度にカットしました。


接着中


かなり狭いですが、一応ユニットの交換は可能です。


Tuning The Speaker System

The Baffle Step Compensation

とりあえず、出来たところでバスレフの穴を開ける前に密閉箱状態で特性をチェックしてみました。

Total Frequency Response: (Closed Box, Distance25cm)


このグラフを見ただけで絶望的な気持ちになってしまいますが、本来バスレフにするつもりの箱なので密閉箱としては容積が足りないため350Hzから下は出なくなっていますし、500Hz〜600Hz付近の盛り上がりも密閉箱としては容積不足が原因、それらとは別の問題として黄色の水平線を引いたようにf特が階段状になってしまう「バッフルステップ効果」の影響がはっきり出ているなど、好ましくない問題がいくつもある事が確認出来ました。


Non Staffed Total Frequency Response: (Vented, 25cm)

密閉箱での確認ができたので、続いてダクトの穴(高さ9mm x 幅45mm)を開けて再度測定してみました

ローエンドはだいぶフラットに近づきましたが、相変わらず階段状のレベル差は残っていますし、10kHzから上側にはユニット間の干渉によるものと思われる周波数特性の落ち込みが認められます。  全域にエンクロージャーの内部での反射による影響のためか周波数特性が激しく波打っているので吸音材を充填して測定してみると驚くことに・・・・

Staffed Total Frequency Response: (Straight Vented, 25cm)


マイクアンプのゲインを変えてしまったので音圧値が違いますが、実際には殆ど変わっていないので差は無視してください。 細かい周波数特性の波打ちが消えてハッキリと見えてきたのが2.3kHz付近にそびえ立つ「デビルズタワー」状の強烈なピーク! 15dBはあろうかという盛り上がりは聴感上でも顕著で、「何を聞いても同じ音程で何か変に聞こえる」という厄介なものでした。

Non-Equal Speaker Unit Driving Method 

こんな強烈な共鳴音ではとても長い事聴いていられないのですが、ひとまず置いといてまず最初に気になった10kHz以上の干渉による影響の対策から実験してみます。 手法としては2本のユニットの片方の高域をカットする事でユニット間で干渉が起きないようにします。 これにはいくつか方法がありますが、具体的には下の回路図のように2本のユニットを直列接続で鳴らし、片方だけコンデンサ一発による高音域のバイパスで実現する事にしました。 

Electrical Schematic Circuit Diagram


ユニット個別に特性を確認してみると以下のよう状態でした。

Capacitor Attached Unit's  Near Field Frequency Response: (Upper Side, 22.7uF, Vented, 2cm, Staffed)

上側のユニットを至近距離で測定した特性です、直列になるボイスコイルのインダクタンスの影響も加わって5kHz以上は急激にカットされています。

Series Connected Unit's  Near Field Frequency Response: (Lower Side, Vented, 2cm, Staffed)

下側のユニットを至近距離で測定した特性です、上側をバイパスしてきた分が高域が強調されています。

高域をバイパスさせるターンオーバー周波数は別にどこでも構わないのですが、今回はバッフルステップ補正の一部を兼ねて約2kHzから上でバイパス効果が出るように定数を選びました、上のグラフを見ても2kHzから上では傾きが逆になっているのが判ると思います。 こうする事で約2kHzより低い周波数域では2本のユニットが動作するので音圧が約3dB持ち上がり通常6dB必要なバッフルステップ補正量が3dBで済むことになります。 逆に2kHzから上の周波数ではコンデンサーを付けていない側のユニット一本だけから音が出るので干渉による悪影響は出なくなり、ピンポイントな音像定位が得られます。

この「不平等直列ドライブ」の効果を確認してみることにします

Total Frequency Response: (Only the High Frequency Bypass Compensation)


確かに階段の差が縮まっているのが確認できました。
ここで、残った3dB分の補正は電気的に行います。 今回はインダクターと抵抗によるパッシブ回路を直列に入れて補正しました。
 机上の空論ですが、仮に縦に4本SPユニットを搭載して同様に1本だけを全帯域で、残り3本をバッフルステップの影響がある周波数から下だけで駆動すれば、トーンゾイレ型と同様の原理で垂直方向の指向性が絞られ机の天板による反射の影響も低減できますし、補正量も2倍の6db得られるはずなので次に示すような電気的なバッフルステップ補正回路も要らなくなるものと思っています。

 バッフルステップ補正回路を作るに際して、2本のスピーカーの片側にだけ20.2uFのコンデンサーを並列に付けエンクロージャーに入れた状態でのインピーダンス特性を測定しました。
片方のコンデンサーがインピーダンス補正回路の役目を果たしているようで高域でのインピーダンス上昇が抑えられており、補正する周波数帯域では総合的なインピーダンスは10Ω〜8Ω程度にまで下がっています。 一応バスレフなので375Hzと2つ目の山がごく僅かですが102Hz付近に見えています。

Baffle Step Compensation Circuit Schematic

使用した「バッフルステップ補正回路」は以下のようなものです

 
回路が直列に入るぶん効率は低下しますが、見方を変れば 「ローブースト回路」であるとも言えます、さてどの程度の効果があるのか? 
実際の特性を確認しました。


(Bypass + Electrical) Baffle Step Compensated Frequency Response: (25cm)


2.3kHz付近にピークが残っていますが、とりあえず階段状のステップ補正はできたようです。

Driver Phase Alignment

ところで皆さんは縦に並んだ2本のSPユニットでツイター域までカバーする「コンデンサーなし」のユニット方が上側にくるほうが配置的には耳に近くなるし普通で良さそうだと思うかも知れませんが、実際には逆で本機のように斜め上から至近距離で聴く場合にはコンデンサーをパラった方のユニットを上側にした方がより上向きに高音域まで音が聞こえます。 理由は並列に接続されたコンデンサーで高域の位相が進むために、両者からの音波の位相が揃うポイントがやや上側にズレるためです。 その代わりにツイターと机の天板が近くなるためにデスクトップ聴取位置では反射音の割合が多くなるのでマルチパス干渉の影響がどの程度深刻か?セッテイングの際には台で持ち上げるとか吸音性のあるマット(全面マウスパッド)を敷き詰めるなどのちょつと周囲環境を気にする必要がありそうです。

Bass Reflex Port Tuning

続いてバスレフダクトのチューニングにかかります。 耳でもわずかな変化がわかりやすいように帯域制限したノイズでチューニングを行いました

Before & After Tuning of Vent 

100Hz〜300Hzに48dB/octで帯域制限した周期ノイズを使用しました、青色の線がチューニング前でダクトの高さ9mm幅27mm奥行80mm特性、赤色の線がチューニング後で177Hzで3dBほど改善する事ができました。
ここまできて、全帯域でダクトから放射される音だけを測定したところ仰天してしまいました(汗)

Spectrum of Straight Port Radiation: (2cm)


何と!、250Hz付近のヘルムホルツ共振よりも遥かに高いレベルの共振が2kHz近傍で起きているではありませんか、
先ほどの
Staffed Total Frequency Responseのグラフで中央に突っ立ていたデビルズタワーは、実はバスレフポートから放射されていたものでした。

これは下図に示すような管共振(両側が開いたチューブ長が1/2波長になる周波数で共鳴する)現象で、約2kHzの半波長である8.5cmから開口補正を引いた長さが約8cmとちょうどポートの長さと合致します、確かに理屈的にはダクトの断面積を変えてポートを長くしたり短くする事で共振する周波数を多少上下させる事はできますが、ポートを細くすればバスレフ効果は減ってしまうし、太くするとエンクロージャー内部には収まらない長さになってしまいます。
バスレフポートの出口を急激に絞るなどしてメカニカルなローパス効果も試してみましたが、残念ながらポートからのバスレフ効果が低減するのに加え、十分な量の管共鳴音の減衰を得る事ができませんでした。

The Quarter Wave Tube  Comes Again...

「万策尽きたか・・・」と諦めかけて投げ出しそうになっていたときに、ふとある論文のことを思い出しました、バスレフポートよりは少々スケールの大きな話ですが内容は全く同じ原理からなるものです、QWTL(トランスミッションライン)型SPの実験を延々とやってた時の経験が役に立ちました。
まず、高校の物理で習う「気柱の共振」について習った方ならこのような図に見覚えがあるかと思います。

上図で、開口端付近ではVelocityが最大となる=空気か大きく動く状態となり、閉管の底もしくは開菅の中央では、Maximum Pressure=空気は殆ど動かないが圧力が高い圧縮されたような状態となります。音は空気の圧力変動が縦波で伝わっていくものとイメージすれば理解しやすいと思います。
 ちなみにバスレフのSPユニット振動板もポートの共振周波数では後者と同じような底(壁)の位置にあるから高い圧力で制動が効いている訳です。 バスレフポートのチューニング作業中に振動板がほとんど動かないのにポートから盛大に風が吹き出す現象を実際に体験された方も多いと思います。
これらのことを理解した上で、以下の文献を読めば、今回のアイディアは簡単に理解できると思います。

クォーターウェーブチューブで低周波騒音を打ち消す技術がダクトの共鳴音を抑えるのにも使えそう
音響管を用いた発破消音器の開発と現場適用事例 - 土木学会

さらに、これはエンクロージャー内部空間での壁面間の定在波対策やダクト中央部での対策に使えそうな技術で
発破超低周波音制御装置 TBIレゾネータ Type-Fの開発と実用化

さらに調べていくと 実は、これらと全く同じ原理を使った製品がパイオニアにありました。
イケベ楽器 Pioneer RMシリーズ インタビュー記事

つまり、すべてこれらの原理は1/4波長の片側が閉じた管を騒音環境中に置くことで片閉管の管底で反射し位相が180度遅れた音波が戻ってきたときに、この遅れた反射音と次に到着した音が逆相で相殺するので消音するというものです。 今回のバスレフダクトでは、2kHz付近でダクトの入口と出口で振幅が最大(腹)となる共鳴が起きているので、ダクトの中央が圧力最大のポイント(振幅の節)となるはずですから、仮にキャンセラー動作でなくてもこの部分を剛性が低いソフトな状態にすれば出口側での管共鳴音は抑えられるはずです。 具体的には中央部だけを部分的に柔材料にするか、バスレフダクトの中央からT字型に分岐を作って1/4波長管(片閉管)を接続することでトラップが形成されます、共振周波数での閉菅側から観た接続点は圧力が最小(振幅は最大)となるようなプレッシャーに弱いポイントになるので、効果的に共鳴音のエネルギーをロスらせる事が可能なはずです。
この構造を絵にすると下の図のようになります。

このスタイルのポートの名称がないので、私が勝手に名付けて「T型バスレフダクト」と呼ぶことにします。

 私が思うに打ち消しは一点だけで起こり、共鳴菅のQを上げすぎると振動がいつまでも持続してかえって望ましくないリンギングが耳についてしまうような気がしてなりません、パイオニアの特許では1/4波長管では何も吸音処理していませんが、私は1/4波長の共鳴器にアブソーバー材(吸音材)を併せれば効果的な消音器としてよりブロードな特性が得られそうに思えますし、音楽信号は単調な連続サイン波ではない以上、1/4波長管内の共振エネルギーは適度に減衰してしまう方がリンギング音が聞こえてしまう事がなくてベターなように思えます。 

 そうとなれば、居ても立っても居られないいられない性分なので早速実験してみました・・・
幸い、今回のダクトは9mm厚のMDF板で幅45mmあるポートを10mmに絞るチューニングとなっています、つまり幅35奥行80mmの空間を埋めるスペーサー板が入っています、この板の中央付近にT分岐を作り1/4波長管を作り込みます、2kHzの波長は音速÷周波数で計算できますから1/4波長は42mmです。実際には開口補正が入ってこれよりもやや短くなるはずです。 長さの制約から真っ直ぐな構造を取れないので途中からカーブさせてみました。以下に実際に試作した1/4波長トラップの画像を示します。

Prototype Quarter Wave Trap:


画像のようにスペーサーで実効長を変えながら測定しました。
最初は裏返しにして、トラップなしのストレートなポートで管共鳴のスペクトラムを観測したものを示します。

Port Radiating Sound Spectrum (Straight Vent)

赤矢印の下2.7kHz〜3.5kHzのかなり広い範囲にわたってバンドパス的な強い共鳴現象が起きています。


次に、スペーサー板を裏返し片閉管トラップありで、管の長さを変えてバスレフダクトから放射される音のスペクトラムを測定した結果を示します。

こうやって深さを変えたT型トラップ付きスペーサーを差し込み、ポートより放射される音の特性を測定していきます。

Port Radiating Sound Spectrum (with Trap [L=40mm])
赤矢印の1.8kHz付近では25dB近い減衰量が得られています。

Port Radiating Sound Spectrum (with Trap [L=35mm])

2kHz付近では30dB近い減衰量が得られています。

Port Radiating Sound Spectrum (with Trap [L=31mm])


Port Radiating Sound Spectrum (with Trap [L=27mm])

Port Radiating Sound Spectrum (with Trap [L=25mm])


Animated Comparison GIF of Above

Quarter Wave Tube Traps (Final Version)

以上の実験結果から深さ約30mmのトラップが最適と思われたので、スペーサー板にトリマーで以下のような構造をφ9mmのビットを使って作成しました。
名付けて「ザ・盲腸トラップ」!

The Appendix Trap!


以下に、このトラップの有(赤) と無(青)を比較した測定結果を示します。

Port Radiating Sound Spectrum (Red:with 'T' shape Vent, Blue:Straight vent w/o Trap)

赤矢印の付近で広範囲に渡って10dBを超えるピーク抑制効果が得られています、実際の出音もスッキリし強烈な色付けがされる事がなくなリました。

25cmの距離で合成された総合的な周波数特性をチェックしてみました

150Hz以下の空調の暗騒音が多い環境での測定ですので精度は低いのを承知の上ですが、
管共振音に対して完全ではありませんが点線のところで狙った通りの効果が出ているようです。

最終的なバッフルステップ補正回路を含めたサテライトスピーカー全体のインピーダンス特性は以下のようになりました。

通常の定格インピーダンスとしては約12Ωのバスレフ型スピーカーと言ってよさそうです。またインピーダンスカーブから再生可能帯域は約170Hz以上と読めます。


Finishing

MDFそのままだと日本では長期的に不安定で、やがてふやけて段ボール紙のような状態になってしまうので、何でもいいから塗装をします。 今回は通常の有機溶剤系のニスの倍の値段しますが扱いが楽な水性ウレタンニスを塗ってみました。 臭くないので部屋で塗るにはもってこいですね。
工作精度がバレバレだしムラが気になるし、とにかく何か汚ならしいので、やっぱりマットなペイントか突き板で隠してしまおうと思いました・・・(涙)


Side View 

Rear View



Glossy Finish Image Photo


Cosmetic PVC Sheet Wrapped


Schematic Diagram

Measurement Overall Frequency Response (1m, with LS10-44 4th Order BandPass SubWoofer)

2.1ch構成の3Dシステムにして塩沢氏にオフ会でOmniMic測定して頂いたデータを転載します。(LS10-44 10インチ バンドパス・サブウーハー併用, fcross = 150Hz)

フローリング床の音楽室での総合特性の測定結果 (距離:1m、 床面からの距離:約1.5m、サブウーハーは床置き)

無響室でなく、ややライブな環境で硬い床の反射の影響も見られますが、1mでの周波数特性測定結果としては35Hz〜20kHz+α(±5dB以内)といったところです

同環境でウェーブレット解析を行いました。

地下の音楽室なので、近傍からかなり反射が見えますが、2kHz付近の共鳴由来のリンギングはT型ダクトでほぼ抑制されているのが十分に読み取れます。 λ/4閉管部に吸音材を入れると右側の形が変化するのか追試してみたいところです。 サテライトSPがバスレフなので200Hzぐらいから群遅延が低域に向かうに従って徐々に長くなっています、5mS程度の遅れなので、家ではサブウーハーに座って聴くとタイムアライメント的には丁度良さそうです(笑)


Implications

とりあずの完成形に近づいてきた感じだが、やはりλ/4閉管には少し吸音材を入れた方がいいように感じている、まだこの答えとなる決定的な文献がないか探している途中だが 一番近そうな記述をKEF社のホワイトペーパーで見つけた、この文書の17ページの記述にあるようにポートの中央部は定在波の圧力最大ポイントなので、この部分を柔らかい部材にする事で強烈な管共鳴を10dBほど和らげる事ができると実測の周波数特性グラフ付きで載っている、有限要素法で解析したPressureの分布図からもこの効果があるのは間違いなさそうだ、現在私はλ/4閉管にWadding(吸音材を入れる)をして使用しているが、これは前出のパイオニア社の技術者がλ/4閉管の底からの逆相の反射波を利用して打ち消しているという説明とは異なり、どちらかと言えばKEF社の説明に近い動作をしているようだ、そう言えば私の実測結果ではかなり広帯域なピークに対しては大きな効果が出ているという事実を鑑みれば、やはりピンポイントとなる打ち消しよりも、エネルギーを大きくロスさせる事でピークを消すのに大きな効果をあげている吸音管動作が効いているものと思っている、トラップの長さを変えながら測定したデータをGIFアニメ化した画像でもピークが立った周波数では大きくレスピンスが落ちているが、それ以外のピークが出てない周波数ではさして音圧特性に変化がない、もし打ち消し動作がメインなのであればノッチフィールター的に対周波数レスポンス上にピンポイントで鋭いディップ点が存在し、閉管の長さ変化に連動してその周波数が変化するはずなので、本作とは明らかに違うようだ、そうとなればパイオニアの特許には牴触しない可能性が出てきた。 (webに書いちゃってる時点で、誰かがWadded T型ダクトを特許化するかも知れないが・・・、先願主義でないアメリカでは多少意味ありそうなので、その時のために敢えてここで「違う」と主張しておこう10th,Feb.2018)



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