5.歯は命〜 |
<ハムスターの歯> |
ハムスターの歯は、前歯と奥歯があります。奥歯はふつう見ることができません。 前歯で大雑把に噛み砕いた後、奥歯で細かく噛み砕きます。 前歯は一生伸び続けます。よぼよぼの老ハムでも歯は伸びます。奥歯は伸びません。 健康な歯は、やや透明感のある濃い黄色。たまにどうかすると白くなることもあるようです。しかも1本だけとか(-"-;) 病気をして歯に栄養が行き渡らなくなると、歯の色は透明感のない白に変わります。 |
<歯のトラブル> |
一生伸び続ける前歯には、ちょっとしたことでトラブルが発生しやすいです。 ●歯が折れる、抜ける かなり根元に近い位置で折れてしまった場合、まるで歯が抜けてしまったかのように見える場合があります。
でも、わりと歯の根っこが生きていて、2週間程度で歯が生えてくることが多いです。 また、もし歯が抜けるとか歯の根っこがダメになってしまい、生えてこなくなっても、それが1〜2本ならば 自然に噛み合わせが調整されて、その後の生活にまったく支障をきたさない個体も少なくないです。 ●噛み合わせが悪くなる(=不正咬合) 素人がぱっと見ただけでは、噛み合わせが悪くなっているように見えない場合もしばしば(とくにドワーフ)。
●伸びすぎる(=過長歯)・・・画像見る?(・・;) 伸びに伸びて行き場がなくなり、歯の向きが曲がったり、丸まってきたり・・・。
伸びすぎた歯が上あごや歯茎を傷つけてしまい、出血することも。 巣材などに血がついているのに、体のどこからも出血が認められない場合、口の中での出血を疑ってみましょう。 重症の場合、大量の鼻血を出すこともあります。 ※上下の歯の正常な長さには個体差があります。他のコに比べて長いとか短いというだけでは判断できません。 日頃からそれぞれのベストな長さ、許容範囲を知っておくことが大切です。 ・歯が何らかの理由で折れて1本欠けてしまう→歯の長さが一時的に不揃いになる→ →不揃いな状態でバランスを整えようと、歯の長さのバランスや歯並びが変わる(1本欠けた状態で上手くやっていこうとする) →しばらく経ってから欠けていた歯が伸びてくる→その歯の居場所がなくなっている→歯のバランスがまた崩れてぐちゃぐちゃに・・・ ・歯が伸びすぎる→おさまりがつくように歯が曲がったり、折れたり、噛み合わせがずれたり・・・ ・歯のトラブルで口の中に傷ができる→ばい菌が入って化膿する→全身に膿がまわって敗血症で死亡 ・・・そんな具合に、歯のトラブルは波及します。早めに対処しないと、取り返しのつかないことになるかもしれません。 ★歯にトラブルが起きた時に出やすい症状 ・柔らかいものしか食べない。もしくは何も食べない。 ・巣材などに出所不明の血痕が見つかる。 ・お腹がよだれでびしょびしょ。(←これはかなりの重症) <トラブルの原因とその予防> ●原因となりうるもの ・ケージの網などの固すぎるものを齧り続ける。 ・ケージを齧っている最中に驚いたりして、歯をケージに引っ掛けて追ってしまう。 ・高いところから落下して、顔面を打つ。 ・適度な固さのない食べ物ばかりを与えられる、もしくは体調不良で柔らかいものしか食べられない状態が続く。 ●予防法 ・ケージで飼育するのをやめ、水槽や衣装ケースなどで飼育する。 (※ケージをよく齧るコでも歯にまったく影響ないコも多いです。ようは齧り方の問題なんだと思います。水槽や衣装ケースで飼育していても、フタに金網などを使ってそこに口が届けばやはり齧って歯のトラブルを起こすことも充分考えられます。) ・散歩中に高いところに登ってしまわないような対策を講じる。 ・飼い主がハムスターを持つときは、なるべく立ち上がらず、低い位置で(とくに跳びハムの場合)。 ・適度な固さのあるものを主食にする。 (※わざわざかじり木のようなものを用意しなくても、普通にペレットを食べさせていればまず大丈夫) ・体調不良で柔らかいものしか食べられないときは、歯のチェックを欠かさない。 |
<自宅で歯のチェック>・・・というか口の開け方 |
ゴールデンの場合は簡単でしょう。首の後ろのお肉を後ろからきゅっと軽ーく引けば自然とパカッと口が開きます。 お肉を掴むのがポイント。皮だけしか掴んでいないとハムスターの皮はよく伸びるので暴れます。 ドワーフの場合は困難な個体が多いかもしれません。 攻撃的な個体の場合、素手で首の後ろを持つと咬まれます。咬まれても平気な飼い主さんならそれでもいいですが、咬まれた拍子に放り投げてしまうような飼い主さんの場合、タオル越しに持つことをオススメします。 そのときに絶対にやってはいけないのは、ハムの体全体を握ってしまうこと。これはとても危険です。 首の後ろや背中の皮だけをつかむようにします、 長時間掴まれると、当然ハムは苦しいです。うっ血して舌の色が紫色になってしまいます。いやがってうんこやオシッコをちびるコもいます。 なるべく短時間でさくっと終わらせましょう。 飼い主さんが不慣れでモタモタすればするほどハムにもストレスがかかってしまいます。 余計なストレスをかけたくなければ、無理につかんで口を開けさせるのではなく、綿棒などを咬ませて軽く口を開かせ、さくっと歯の状態をチェックする程度にとどめておきましょう。 |
<自宅で歯をカット> |
ハムの歯にトラブルが発生した際は、まずは病院で診てもらましょう。 一度の治療で完治すれば良いのですが、歯は一生伸び続けるものなので、一生定期的に通院することになるかもしれません。 一生通院するとなると、お金も時間もハムも大変。 歯をカットするだけなら、飼い主さんでもできます。 わが家では、小型のニッパーを使って、バランスの悪くなった歯をカットしています。 ドワーフの歯は細くて脆いので、爪切りでカットすることもできますが、ゴールデンの歯は太く固いので、爪切りでカットすると、ハムの全身にパチン!という衝撃が伝わってしまいます。 歯根を傷めることもあるので、爪切りよりもよく切れるニッパーを使った方がよいかもしれません。 そもそもカットすること自体が歯根にあまり良くないようで、歯を切らずに削る病院もあるようです。 |
<歯のないときの食事> |
前歯が2本以上折れてしまうと、食事が困難になる場合が多いです。 エサを目の前に食べられないのはとてもかわいそう。。。 ●基本的な考え方 歯だけの問題で食事ができない場合、食欲はふつうにあるので、とくにおいしいもの、栄養価の高いものを与える必要はありません。いつもあげているメニューを食べやすくしてあげさえすればよいのです。 (ただし、歯を失った直後は痛み・ショックで一時的に食欲が落ちている場合もあるので要観察) また、前歯が機能しなくても、奥歯である程度噛むことはできます。 そのため“流動食”を用意する必要はありません。 前歯を使わずに口に入れられるもの=一口大のエサを用意すればOK。 ●加工 <ペレットなど> 1.ペレットを粉にする。 コーヒーミルを使うと労力がかからなくて楽ちん♪ すりこぎとすり鉢、金属製のおろし金も使えます。
水を適量ふりかけて軽く混ぜ、水分を少し含ませると食べやすくなるようです。 2.ペレットをふやかしてから潰して一口大にする。 嗜好性を高める必要がある場合、これにハムスター用のお菓子(まんまとか)を粉にしたもの、きなこ、米ぬかなどを
ふりかけてあげるといいかも(^-^) <野菜など> 野菜はすりおろす。 豆腐はそのままでも食べられます。 |