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ポール・ギャリコ
日時: 2003/05/28 00:56
名前: グラニット   <wheelie@gf7.so-net.ne.jp>

 ポール・ギャリコ(1898-1976)はニューヨーク生まれ。<ニューヨーク・デイリー・ニューズ>誌の名物スポーツ・ライターとして名声を得た後、40歳を過ぎてから本格的に作家活動に転じる。ファンタジー、ユーモア、アクション、恋愛など様々なジャンルの作品を上梓。映画との関係も深く、『打撃王』の原案、『ポセイドン・アドベンチャー』の原作なども手がけている。

 ギャリコ作品に通底するのは、職人作家らしい巧みなストーリーテリングと、一貫した暖かな視線だろう。代表作は、オー・ヘンリ賞を受賞した出世作『白雁(スノーグース)』、女の一生を舞い落ちる雪に例えた『雪のひとひら』、恋愛小説『ザ・ロンリー』『愛のサーカス』、猫になった少年の話『ジェニィ』、家政婦がドレスを買いに出かける『ハリスおばさんに花束を』、本格ファンタジー・ミステリ(?)『幽霊が多すぎる』など多数。

 もともと日本での知名度はあまり高くないギャリコだが、近年創元推理文庫から『マチルダ』『われらが英雄スクラッフィ』が出て、再評価の気運が高まっている(と信じたい)。それぞれカンガルーとサルの話であることからもわかるように、ギャリコは大変な動物好きで有名。推薦は『雪のひとひら』辺りが適切だと思うが、同じ猫好き(彼は24匹飼ってたらしい・・・)の私のお気に入りは、「猫が猫のために書いた本」という、何とも愉快な設定の『猫語の教科書』。
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Re: ポール・ギャリコ ( No.2 )
日時: 2003/05/26 04:12
名前: すみ&にえ
参照: http://www.aw.wakwak.com/~w22/

私たちは1冊も読んでなくて、ギャリコって最近の若手作家なのかとばかり思ってました。なんだかよく新刊が出ているような印象があったので。驚きました〜。
去年出版された「われらが英雄スクラッフィ」なんて、おもしろそうだなと思ってたんですが、どうかしら。初めて読む人向きではないのかな。
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Re: ポール・ギャリコ ( No.3 )
日時: 2003/05/26 14:16
名前: 海ねこ

わたしのお勧めは「まぼろしのトマシーナ」。矢川澄子さんの訳です。「七つの人形の物語」も好きですけど、やはり猫族としては猫物を挙げなくちゃね♪
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Re: ポール・ギャリコ ( No.4 )
日時: 2003/05/26 21:53
名前: グラニット  <wheelie@gf7.so-net.ne.jp>

坤さんの仰るように、ギャリコの作風はモダンで、19世紀生まれとは信じられないくらいですね。
私も調べてちょっとびっくりしました。

エンターテイメント系の作家なので、各作品きっちりと面白がらせてくれますから、どれから読んでもOKでしょう。雰囲気としては、古き良きアメリカ映画って感じでしょうか。
『われらが英雄スクラッフィ』はサルが本当にかわいくなくてお勧めです。
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Re: ポール・ギャリコ ( No.5 )
日時: 2003/05/27 21:17
名前: Hiro

そうそう、名前が思い出せなかったんです。『七つの人形の物語』だ。これは読みました。
そういえば、これもミュージカル映画になってませんでしたか?古き良きアメリカ映画に。
私は猫にはあまり興味がないのですが、見かけるのはそちら系ばかりです。
やはり猫文学が多いんでしょうか?
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Re: ポール・ギャリコ ( No.6 )
日時: 2003/05/27 22:24
名前: H2
参照: http://www2.ocn.ne.jp/~h2tea/

ギャリコは1800年代生まれだったんですか。意外〜。
『スノーグース』『雪のひとひら』『ポセイドン・アドベンチャー』が有名だけど、私は『さすらいのジェニィ』が好きです。『まぼろしのトマシーナ』はまだ読んでないです...。
ところで『ハイラム氏の冒険』を、創元あたりで復刊してくれないかなあ。
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Re: ポール・ギャリコ ( No.7 )
日時: 2003/05/27 22:56
名前: グラニット  <wheelie@gf7.so-net.ne.jp>

>>HIROさん
作者は幅広い分野で多数の作品を書いており、未訳作品も数多いのです。
ギャリコが猫好きだったのは疑いの余地がありませんが、『ジェニィ』の評判から、猫系の作品に需要が出来て、重点的に訳された可能性もあると思います。

実際、最近になって出た『われらが英雄スクラッフィ』は、故・矢川澄子氏(作家、翻訳家)のエッセイから、サルの話らしいということしか知られてなかったそうです。
こういう例からすると、埋もれた作品から、作者の猫作家以外の一面が出てくることも十分考えられます。
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Re: ポール・ギャリコ ( No.8 )
日時: 2003/05/29 20:44
名前: Hiro

グラニットさん、ありがとうございました。
猫が嫌いというわけではないのですが、『猫語の教科書』などは、見たところ愛猫家御用達という感じなので、気後れしていました。
でも、猫文学ばかりというわけではないのですね。サルもあり?(笑)今後に期待かな♪

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Re: ポール・ギャリコ ( No.10 )
日時: 2003/06/22 03:10
名前: すみ&にえ
参照: http://www.aw.wakwak.com/~w22/

ようやく、『われらが英雄スクラッフィ』を読みました。期待に違わずおもしろかったです! 1冊だけでも、この人はうまい作家だなとわかりました。
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Re: ポール・ギャリコ ( No.11 )
日時: 2003/06/25 18:45
名前: グラニット  <wheelie@gf7.so-net.ne.jp>

改めて、推薦作は『愛のサーカス』とします。
これが絶版になっていてはいかん。
「どうでもいい作品が残り、名作が埋もれていく現状を憂う」という意味では、まさに100選の主旨と一致するでしょう。
むろん他の作品がどうでもいいわけではないのですが。
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Re: ポール・ギャリコ ( No.12 )
日時: 2003/08/19 01:45
名前: きゅー
参照: http://www.geocities.jp/s_kanesh/main.html

どうやら猫関係と『雪のひとひら』がよく知られているようですが、私はだんぜん『ザ・ロンリー』を推す!!
これくらい真摯な恋愛物語を今のところ私は読んだことがないです。
人によっては煮え切らない主人公ジェリーを気に入らないかもしれませんが、最後の十数ページは何度繰り返し読んでも震えがくる。
そうか! これが人を愛することなんだな、とその思いは今でも自分の中で活きていると思います。

新潮文庫版の『ザ・ロンリー』の訳者矢川澄子さんの訳も素晴らしい。翻訳とは外国語が出来るのはもちろんのこと、それ以上に日本語に精通しなければならないのだと感嘆させられる。
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