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テオドール・シュトルム
日時: 2003/06/14 01:45
名前: もぐら   <maulwurf@valley.ne.jp>
参照: http://www.valley.ne.jp/~maulwurf/

テオドール・シュトルム Theodor Storm 1817-1888
北ドイツに生まれ、弁護士、判事などを経て、後に故郷の知事になった。抒情詩や短編小説などを多く書いたが、それらの多くが、海に臨む灰色の町、故郷フーズムHusum に根をすえたものである。
代表作としては、初期の『みずうみ』『遅咲きのばら』『大学時代』のように青春の日の故郷、不幸な恋など懐古的に語る、哀愁や悔恨を漂わせたものや、『三色すみれ』『水にしずむ』といった中期から晩年にかけての、もっとテーマ性のあるもの。そして最後の作品となった『白馬の騎士』のように、北ドイツの風土や気質を描いたものまで、様々である。
さて、僕としては、やはり『みずうみ』を押すことになりますね。
ただ、翻訳が問題で、湖の名前が「イムメン湖」となっているけど、原語ではImmensee。確かに他に訳しようがないと言えばそうなんだけど、なんか「おかちめんこ」を連想してしまう。でもしょうがないか。タイトルも Immensee と同じだけど、「みずうみ」と訳してあります。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.20 )
日時: 2003/09/16 00:10
名前: Katze

モグラさんがシュトルムの代表作といえば『みずうみ』だと推薦されています。そう申して間違いはないと思いますが、どうも日本(だけではないようですが)では、抒情的でもあり、比較的初期の作品が好まれているようです。ここで一つ、中後期の作品も取り上げていただけたら、少しは新しいシュトルム像が見えるかなと思います。それで、『告白(Ein Bekenntnis)』,『沈黙
(Schweigen)』、『影法師 (Ein Doppelgaenger)』なども読んで見ていただけたらと思います。『告白』というのも、ざっと読む限りではともかく、ジックリ読みますと不思議なノヴェレです。優秀な医師が、夢のなかでであった少女と現実に出会い、結婚します。しかし、妻はガンにおかされていて、到底助けようのない病状。そこで苦しみを見るに見かねて安楽死させてしまう。ところが、忙しさにかまけて読むことのなかった学会誌に、手術の方法がのっていたころを後にしります。そして、医師は自責の念からアフリカに渡り医療に従事し命をおとします。どこまでが現実で、どこからが夢想なのか分らない書き方をしています。
『影法師』も罪を犯し、刑を終えて出所してきたものの、世間の目は冷たいものである。という今日なお、この社会が抱えている問題を描いています。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.21 )
日時: 2003/10/06 00:14
名前: Katze  <hikobatake@aol.com>

宣伝でもよろしいでしょうか。日本シュトルム協会では、11月1日〈土)15時〜18時、京都府立大学、2号館1階会議室で研究発表会を行います。内容は「塔と水ー"Im Schloss"に関するいくつかの知見ー」と「『告白』における夢幻モティーフについて」です。
日本でも読まれることが少なくなってきている、シュトルムですが、毎年2回春と秋に研究会を行っております。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.22 )
日時: 2003/10/29 00:56
名前: Katze  <hikobatake@aol.com>

前回の論文集に続き、またまた宣伝させてください。
このたび、日本シュトルム協会のホームページができました。まだ完成とは行きませんが、ひとつ覗いてみてください。
アドレスは

http//homepage3.nifty.com/storm-japan

です。よろしくお願いいたします。

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Re: テオドール・シュトルム ( No.23 )
日時: 2003/11/02 02:39
名前: もぐら

http://homepage3.nifty.com/storm-japan
こちらが正しいようですね。
『シュトルム文学新論集』本屋で拝見しました。力の入った論集ですね。
こちら、そろそろ「シュティフター友の会を」なんて話が、ほんの一部で出てきているような気配があります。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.24 )
日時: 2003/11/13 23:52
名前: Katze

モグラさん、アドレスのDoppelpunkt いれ忘れました。ありがとうございます。『シュトルム文学新論集』ごらんいただけましたか。この件につきましても、お礼申し上げます。
今日、独文学に限らず、文学方面は大変な状況にあると思います。何の役に立つのかと言われると、言葉に窮してしまいますから。若い世代には分らないかもしれないが、生きていく上で、いやそればかりでなく、人間関係を考えて行く上でも大事だとおもわれるのですが。でも、そのような目に見えない事柄には、この時代なかなか理解されないのが、辛いです。
「シュティフター友の会」ですか。うまく行くとよろしいですね。シュティフターに関しては、春に、「1860年代の文学事情ー主ティフターとシュトルムの場合ー」として、大阪市大の松村先生に講演していただきました。同じ時代とはいえ、シュトルムとはずいぶん違っていますね。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.25 )
日時: 2005/09/16 11:27
名前: チワワ

何度読み返したかわからないほど好きなのが短編の「広間にて」。読んでいて涙が出てくる時もある。確かにこの作家は知らなくても生きていくにはぜんぜん困らないだろうなあ。でも、この小説がなかったら、今ここにいる自分にの中の何かが欠けていて、ずいぶん彩りのない人生になってたと思う。私は自分のお棺にはこの小説の入ってる岩波文庫とワインを入れて欲しい。時間はたっぷりあるだろうから地獄の鬼にワインを勧めながら読んで聞かせてやりたい。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.26 )
日時: 2005/10/26 18:32
名前: yw

初めて書き込みさせて頂きます。昨年4月フーズムを訪れ、シュトルム博物館を見学してきました。その際、同行の友人の手配で、当時館長で居られたLaage教授に全館細かく説明して頂きまして、愛用のピアノ、三色すみれを書いた机、白馬の騎士を書いた別の机などなど、、、、を見てきました。その後、Deich, Wattenmeerなど正に”白馬の騎士”の現場(?)を見て、楽しんで来ました。只だし、天気が良くて、”灰色の町”ではなく、”明るい青空の町”でした。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.27 )
日時: 2006/01/11 22:03
名前: チョコちょこ

シュトルムの作品の中には、いつまでも忘れられないものがありますね。その一つが『美しき誘い』(Psyche)でした。普段の生活の中で、ふっとこの物語の《雰囲気》に心が包まれる瞬間を、何度か経験した気がします。
そう言えば、シュトルム全集の続刊はどうなったんでしょうか。2005年の末だったと思うのですが・・・
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Re: テオドール・シュトルム ( No.28 )
日時: 2008/10/23 22:38
名前:

Prof. K. E. Laageの著書の”Unterwegs mit Theodor Storm"(Verlag Boyens & Co.)と言う本をHolsteinの友人から入手しました。詩人の生活/仕事の場、旅、友人たちとの出会い、などなかなか興味深く読める本です。Laage教授の最新著書で”Theodor Storms oefentliches Wirken&szlig;Eine politische Biographie"に関する現地の新聞記事を手に入れました。教授の大きな写真付きです。Stormの政治的立場とか政治感など考えたことはありません。教授はまだまだお元気のようですね。
貴協会の会員ではありませんが、投稿させて頂きました。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.29 )
日時: 2009/11/17 12:55
名前: wy1

Husumの町の海辺のDeichから街を望む風景は素晴らしいですね。5年半前の4月後半に行きましたが、好い天気で”灰色の、、、”ではありませんでした。Storm博物館を当時の館長さんProf. Lageに案内して頂感激の至りでした。
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