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テオドール・シュトルム
日時: 2003/06/14 01:45
名前: もぐら   <maulwurf@valley.ne.jp>
参照: http://www.valley.ne.jp/~maulwurf/

テオドール・シュトルム Theodor Storm 1817-1888
北ドイツに生まれ、弁護士、判事などを経て、後に故郷の知事になった。抒情詩や短編小説などを多く書いたが、それらの多くが、海に臨む灰色の町、故郷フーズムHusum に根をすえたものである。
代表作としては、初期の『みずうみ』『遅咲きのばら』『大学時代』のように青春の日の故郷、不幸な恋など懐古的に語る、哀愁や悔恨を漂わせたものや、『三色すみれ』『水にしずむ』といった中期から晩年にかけての、もっとテーマ性のあるもの。そして最後の作品となった『白馬の騎士』のように、北ドイツの風土や気質を描いたものまで、様々である。
さて、僕としては、やはり『みずうみ』を押すことになりますね。
ただ、翻訳が問題で、湖の名前が「イムメン湖」となっているけど、原語ではImmensee。確かに他に訳しようがないと言えばそうなんだけど、なんか「おかちめんこ」を連想してしまう。でもしょうがないか。タイトルも Immensee と同じだけど、「みずうみ」と訳してあります。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.10 )
日時: 2003/08/09 00:40
名前: もぐら  <maulwurf@valley.ne.jp>
参照: http://www.valley.ne.jp/~maulwurf/

『蜜蜂の湖』ですか。それは知らなかった。
確かに Immensee の Imme には、古代ドイツ語に発して、今は方言くらいでしか残っていない意味で「蜜蜂」というのがあるのですが、気づきませんでしたねぇ。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.11 )
日時: 2003/08/12 00:03
名前: Katze

もぐらさんの書かれているとおり、Immeには「蜜蜂」という意味がありますが、でも訳者はなんで『蜜蜂湖』としたのですかね。内容に関係なく、エーリヒが養蜂をやっているも、養蜂業者の団体があるとも描かれていません。Immensee というタイトルから翻訳書名をつけてしまったのでしょうか、それとも別に意味するところを含めたのでしょうかね。
そう考えると、シュトルムはどこからImmenseeというタイトルをとったのでしょう。南ドイツ、ケンプテンからさらに南へいくとImmenstadtという町はありますが。まあ、これは話の内容には関係ありませんね。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.12 )
日時: 2003/08/13 00:13
名前: Katze

シュトルムの作品では、『みずうみ』が一番有名ですが、そのほかにも、遅咲きの薔薇』、『日を浴びて』、『広場のほとり』、『海の彼方から』、『聖ユルゲンにて』、『告白』、『沈黙』など魅力ある作品がありますね。そうそう『人形遣いのポーレ』や『静かなる音楽家』なども忘れられない作品です。このどれもが、はかなさと諦観を底流にしていますが、温かい心情を描いています。またメルヒェンの『雨姫さま』は、現代に通じる環境問題を描いているとも読めます。
新しい翻訳で、また以前のように手軽に読めるようになると嬉しいのですが。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.13 )
日時: 2003/08/17 11:05
名前: もぐら  <maulwurf@valley.ne.jp>
参照: http://www.valley.ne.jp/~maulwurf/

シュトルムも、ヘッセやシュティフターと同様に日本人の好まれる作家です。ドイツ国内の評価とは反対に(涙)。大学の卒論でもよく扱われます。旧制高校の時代から高校や大学で好んで教材として使われたので、早くから翻訳が出ていましたが、今の時代になって新たに改訳を、という動きはなかなかありませんね。一応日本にもシュトルム協会というのがありますが、働きかけてみましょうかねぇ?(笑)
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Re: テオドール・シュトルム ( No.14 )
日時: 2003/08/17 23:45
名前: Katze

もぐらさん、はい、ぜひ働きかけてください。会員からこのように申すのもヘンなのですが。非会員からの声があると、嬉しいですからね。実は、今度、シュトルム論集を出します。どうか、読んでみてください。
新訳に関しては、協会で企画を立てたのですが、ウンという出版社がないのです。
シュトルムの作品、僕は初期のものが好きで、Immensee など何度読み返したか。母方の家を舞台にした作品がかなりすきです。それはともかく、シュトルムの作品はどうも安易に解釈されている気味がなくもありません。若いときに読み、それでおしまいとされてしまっているからでしょうか。
『雨姫さま』などは前にも書きましたが、今日の環境問題に通じるテーマを扱っていると考えられます。また新しい目をもって読まれるようにナって欲しいですね。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.15 )
日時: 2003/08/18 00:27
名前: もぐら  <maulwurf@valley.ne.jp>
参照: http://www.valley.ne.jp/~maulwurf/

ほほぉ、会員だったとは...お見それしました(ぺこっ)。
確かに、シュトルムもシュティフターも「軽く見られている」という傾向がありますね。Th.マンやゲーテのような、「いかにもdeutsch」という作品ばかりがもてはやされる、というか...最近は20世紀ものばかりだけど。
ところで、(私信になりますが)もしかして10月に仙台に行かれますか?そしたらお会いできるかも...シュティフターについて、ちょっと発表するので。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.16 )
日時: 2003/08/18 23:58
名前: Katze

もぐらさん、確かにシュトルムやシュティフターは軽く見られているようですね。それほど軽い存在ではないと思うのですが。シュトルムの『白馬の騎者』などは、ゲーテの専門家には叱られるかもしれませんが、『ファウスト』にも似た問題を更に現代的に描いているように考えるのですが。新しい堤防を築きます。しかし、これは古い堤防が残されたため、高波に崩れることになります。ここでハウケは最後に死ななければならなかった、家族も含めてですね。ここに新しさを覚えます。
ところで、ゲーテもTh.マンがもてはやされていますか?僕はどうもゲーテもマンも同じような状況に思えてなりません。いや、一般的には文学そのものが、独文に限らず、読まれなくなってきていると思われてなりません。これは、一つには教える側の責任もあるのではないでしょうか(面白くないですからね)。
本当は、若いときに文学に親しんでおくと、いろいろなテンでよいのですが。
すいません、残念ですが仙台にはいきません。いつかお目にかかれることがあることを祈っております。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.17 )
日時: 2003/08/25 02:26
名前: もぐら  <maulwurf@valley.ne.jp>
参照: http://www.valley.ne.jp/~maulwurf/

若手の人たちは違いますが、やっぱりドイツ人は、いわゆる deutsch なものを好みますね。特に研究者は。
どこの国の文学でもそうですが、専門家(研究者?)が、時代の変わった現在、新たな視点で新たな魅力を伝えていかないといけませんね。その意味で、ヘッセはいいかんじで広まってきていますけど。
再来年はシュティフター生誕200年です。何かやろう、という話が一部で出てきています。
あぁ、本筋から逸れてしまいました。ごめんなさい。
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Re: テオドール・シュトルム ( No.18 )
日時: 2003/08/26 01:29
名前: Katze

そうですね。ドイツ人のなかで、deutsch なものを好むのは研究者やある程度年のいった人達かも知れません。それは、日本でもおなじでしょうか。しかし、若い人達のなかにもまた少しですが、deutschなものに目を向けている人がでているようでもあります。
いや、お書きになられている通り、研究者には新たな視点で読みなおし、作品の魅力を伝えていく義務があるでしょう。ただ、この伝えるときに、妙に客観的に鳴りすぎると、(経験上)案外魅力は伝えられないものだと感じています。
それと、翻訳ですね。先人のものを否定する気はありませんが、でも今読みなおすと、これでは若い人に読めといっても読むのが難しいかと思いますね。なんとしても、今読んで違和感のない翻訳が必要です。
シュティフタ−生誕200年になりますか。なお、この6月には、シュトルム協会20周年記念でシュトルムとシュティフタ−という題の講演がありました。だからといわれると、困るのですが。

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Re: テオドール・シュトルム ( No.19 )
日時: 2003/09/01 00:11
名前: Katze

ちょっと宣伝をさせてください。このたび二本シュトルム協会編『シュトルム文学新論集 協会設立二十周年記念』を出しました。全14論文が収録されています。
もし書店で見かけたら(ない確率の方がたかいですね)、どうかぱらぱらとでも読んでみてください。『インメンゼー』についての論文も入っています。

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