すみ=「すみ」です。 にえ =「にえ」です。
ロザムンド・ピルチャー 
1924年9月22日イギリス、コーンウォール州で生まれる。第二次世界大戦中は、海軍婦人部隊勤務。 同時に、雑誌で短編も発表しはじめた。1946年、グレアム・ホープ・ピルチャーと結婚。 「シェル・シーカーズ」が世界中で爆発的に売れ、人気作家の地位を確立した。ロザムンドおばさんシリーズもあり。
にえ この作家さんはねえ、とにかく、とにかく、「シェル・シーカーズ」だけは絶対読んでほしい。不朽の名作です。
すみ 「シェル・シーカーズ」は感動したよね。 女の一生を描いた小説なんて腐るほどあるけど、この本の主人公ペネラピは、まったく新しいタイプの女 だった。
にえ 特別、なにを成し遂げたわけでもないの よね、この人。でも、ものすごく強く生きてるし、その強さが時として、冷たく見えたりもする。
すみ 自分の生んだ子供たちにたいしても、 客観的だし、自分の生き方を選択するときも、とてもシビアだよね。感情に流されてない。
にえ 母親っていうと思い描く単純なイメージ を叩き壊してくれるようなキャラだったよね。
すみ 他の作品は、ガラッと変わって、ロマンティックで、フンワリ柔らかい感じだよね。
にえ ちょっと少女趣味かなってきもしなくもないけど、ただ構成とか、文章はさすがに上手い。
すみ 楽〜に、いい気持ちで読めるよね。
にえ とにかく、「シェル・シーカーズ」だけは絶対読んでほしいな。女性だったら、読まないと損。
  
「シェル・シーカーズ」 上・下巻  <朔北社 単行本>

自分の息が近いことを悟った、高名な画家の娘ペネラピ・キーリングは、人生をふり返りつつ、 自分の死後のための準備を始める。愛のあふれる芸術家の家庭、相手選びを失敗してしまった結婚、 魂を通じ合わせることのできた愛する人との出会い、子供たちに対する期待と失望。戦前、戦中、 そして戦後と、前だけを向いて強く生きようとしたペネラピの姿勢に胸を打たれます。
「九月に」 上・下巻  <朔北社 単行本>

スコットランド高地地方に暮らす落魄した大地主バルメリノー家とその古くからの隣人エアド家 の人々が、一人の女の帰省で大きく揺れ動く。「シェル・シーカーズ」では冴えない役回りだったペネ ラピの息子が再登場。
「もうひとつの景色」 1冊  <青山出版社 単行本>

海辺のアトリエでひとり暮らす少女、エマに訪れる出会いと別れ。エマは真実の愛を見つけられるのか。 ふんわりとやわらかな青春の1ページです。
「双子座の星のもとに」 1冊  <日向房 単行本>

22歳のフローラは、故郷コーンワルの父のもとを離れて再びもどったロンドンで新しい生活を始めよう とした矢先、偶然にも自分に双子の姉妹ローズがいることを知る。ローズに頼まれ、フローラは、ローズ と素性を偽り、スコットランドで病の床につく老婦人のもとを訪れることになる。物語性の強い作品です。
「スコットランドの早春」 1冊 <日向房 単行本>

結婚式を目前にひかえたキャロラインは、幼い弟の願いをかなえるために、長いこと音信が途絶えていた兄 のいるスコットランドへと旅立つ。吹雪の中での遭難、旅先での病い、見ず知らずの人々の手厚い看護。 早春のスコットランドと家族の絆が美しい作品です。
「コ−ンワルの夏」 1冊 <日向房 単行本>

幼くして両親を失くしたローラは、夫アレクとの新婚生活の幸せのさ中にありながら、妻として自信の持て ない自分をもどかしく感じていた。季節は夏。病後の療養に出かけた先はアレクの叔父の住むコーンワルの 果てのトレーメンヒア荘。ローラを迎えたのは風変わりな人々の暮らす地上の楽園であった。 ピルチャーの作品は、どれもイギリスの自然の美しさがたっぷり描かれています。そういう一面に惹かれる 方も多いのでは。
「帰郷」 上・中・下 3冊 <日向房 単行本>

ジュディスは父親の仕事のため、10才までをインドのカルカッタで過ごしていた。しかし、母が二人めの子供を妊娠したため、いったんは故国イギリスに戻り、父親の姉ルイーズ伯母の家の近く、コーンワルの借家で暮らすこととなった。母親は内向的な性格で、あまり華やかな社交はなかったが、生まれた妹のジェスはかわいらしく、お手伝いのフィリスとも気が合い、ヘザーという親友もできて、幸せな日々だった。しかしジュディスが14才になると、母はジェスを連れてカルカッタに戻ることとなった。ジュディスはたった一人でイギリスに残り、寄宿学校に入学した。 1936年、大きな戦争がまた起こりそうな気配のする頃だった。

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