=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
「指輪物語 旅の仲間」 J・R・R・トールキン (イギリス)
<評論社 文庫本> 【Amazon】 (1) (2) (3) (4) 全9巻セット 中つ国には、ホビット族というとても古く、そしてとても小柄な人間に近い種族がいた。彼らはホビット庄で 暮らしており、中つ国でもあまり存在は知られていなかったが、よく笑い、よく話し、よく食べる、とても陽気な 者たちだった。ホビット庄の袋小路屋敷に住むビルボは、かつて他に例を見ないような大冒険をして戻ってきた。 彼には旅から持ち帰った隠し財産の噂が絶えなかったが、そのなかでも、彼の持つ指輪には謎が多かった。111歳の誕生日を 迎えたビルボは、指輪を含めた多くを養子であるフロドに残し、最後の旅に出掛けることにした。残された フロドは、袋小路屋敷で平和に暮らすはずだったが、ビルボの友人である魔法使ガンダルフが訪ねてきて、 指輪にまつわるとんでもない秘密を告げた。指輪のためにホビット庄にもわざわいがもたらされるかもしれない ことを知ったフロドは、指輪を火の山オロドルインの火口へ捨てに行くため、仲間とともに旅立った。 | |
「指輪物語」の第一部「旅の仲間」のご紹介です。 | |
「指輪物語」は第一部「旅の仲間」、第二部「二つの塔」、第三部「王の帰還」 の三部に分かれてるのよね。 | |
舞台は「中つ国」という架空の国で、人間の他に、ドワーフとかエルフとか オークとか、テレビゲームなどではおなじみの、ケルト神話にもとづいた種族がたくさん出てくるの。 | |
まあ、ケルト神話を知らなくても、ゲームをやらない人でも、犬にも 見かけの違ういろんな種類があるように、人間系にもいろんな種類があるってことなのね〜ぐらいで読んでいけば、 各種類の特徴は読んでるうちにだんだんわかってくるんじゃないかな。 | |
で、第一部の「旅の仲間」は、ず〜っと旅の話。上下巻に分かれてる んだけど、上巻では4人のホビットがエルロンドの館ってところまで旅をして、下巻では、仲間が増えて 9人になって、また旅をするの。 | |
もちろん、旅のあいだにはいろんな出来事や、いろんな出会いがある のよね。 | |
危険もいっぱい。黒い乗手っていう、フロドの指輪を狙う闇の大王サ ウロンの手下たちがフロドたちを追ってくるんだけど、かなり怖ろしげな奴らだし。 | |
中つ国は山あり、谷ありで、決して楽な旅じゃないしね。 | |
でもさあ、ぶっちゃけ最後の方になるまでは、普通の子供用の絵本な ら20ページぐらいで終る話じゃないの〜とか思わなかった? | |
というか、ようするにホビットが冒険をする話でしょ、なんでこんな に話をややこしくする必要があるのかなあと、それを疑問に思いながら読んでた。 | |
うん、旅をしているところはまだ危なっかしくも楽しい旅の話で、 すらすら読めるんだけど、上巻の冒頭「ホビットの冒険」の要約と、下巻の冒頭「エルロンドの会議」の章、 話しややこしすぎて一読では理解できない。 | |
ただ、「ホビットの冒険」の要約は、読み流しちゃっても大丈夫と聞いて たから、指輪はもともとサウロン大王っていう邪悪なやつのもので、それがイシルドゥアって人に渡り、 ゴクリって化け物の手に渡り、それをビルボってホビットが奪い取ったんだなと、それだけ把握して、あと はざっと読み流したけど、ぜんぜん問題なかったよね。 | |
そうなの。軽く読み流して、とりあえず「旅の仲間」を読み終えて から、もう一度読んでみたら、なるほどねってやっとわかった。知らなかったら、最初の30ページぐらい で、もう行き詰まるところだった(笑) | |
下巻の冒頭「エルロンドの会議」の章は、いきなり、どこそこの家系は 誰から誰に継承され、どうしてこうしてと、表にしてほしいような話を一気にされたから、どうしましょう って感じだったよね。 | |
私はとりあえずこれも軽く読み流しちゃえって先に進んで、あとで似た ような話が出たときにチラチラ見返すようにしたんだけど、それで問題なかった。 | |
私はあれを理解しないと先に進めないのかと思って、必死で何度も読ん じゃったよ〜。何回読んでも辻褄が合わなくて、これは書き間違いじゃないのと疑うところまでいったんだけ ど、なんのことはない、エレンディルとエアレンディルを同じ人だと思ってたからだった(笑) | |
あ、その二人の名前はまぎらわしいよね。エレンディルはイシルドゥア の母親で、エアレンディルはエルロンドの父親なんだよね。でも、それがわからなかったら、先のストーリーが わからないってことはなかったでしょ。 | |
そうなの。その先はまた危険に満ちた冒険の物語だから、べつに家系 図をかんぜんに把握してなくても、ぜんぜん問題なかったの。くく〜っ。 | |
結局さあ、一度めはざっと読んで、大筋のストーリーのおもしろさを 楽しんで、二度めでもうちょっと深く読んで、家系とか、過去の出来事とか把握して、三度め、四度め にはさらに細かいアイテムの謂われとかを見つけて、そうやって楽しめばいいんじゃないのかな。何度読ん でも新たな楽しみがあるってことに「指輪物語」の魅力があるのかな〜なんて、読んでて思ったけど。 | |
でもやっぱり、人の名前にしても、地名にしても、エルフ語ではこう いう名で、ドワーフ語ではこういう名で、とカタカナ名があふれんばかりに登場するから、メモするなり、 辞書的なものを用意するなりしないと、ちょっと頭に入りきれないかも。あとから再登場したときに、 なんだったっけ〜ってなっちゃう。 | |
まあ、辞典やら単行本では追補編やらありますけど、とりあえず、こ れさえ押さえとけば何とかなるだろうというのを私たちなりに、付録の「登場一覧」にまとめてますので、 よかったらご参照ください。 | |
なんかビビらせるようなことばかり言ってしまったけど、そのへんを 気楽に構えちゃえば、物語は進むにつれてどんどんおもしろくなっていくのよね。 | |
私的には、とりあえず無限に続く旅ではなくて、第二部の「二つの塔」 までいけば急展開があるって知ってからは、余裕をもって「旅の仲間」を楽しめた。文庫で全9巻がぜんぶ 旅してるだけだったら、ちょっとキツイもの(笑) | |
なんといってもホビットが良いのよね。知りたがりで、おしゃべりで、 しかもなかなか勇敢で、読んでるとだんだん愛着がわいてくるの。 | |
でもさあ、ホビットたちが集まって暮らすホビット庄はなかなか大変 だよね。好奇心が強くて詮索好きで、噂好きのホビットたちが、みんな親戚みたいな状態で暮らしてるから、 プライバシーもなにもあったもんじゃない(笑) | |
そういう暮らしが、なんか妙に懐かしいような、うらやましいような気も したけどね。いつもワイワイ、ガヤガヤ、食べてはしゃべり、食べてはしゃべりって感じで。 | |
旅の誘導者、魔法使ガンダルフがまたおもしろいよね。そうとう 偉い魔法使なんだけど、自信満々で偉そうにしゃべるから、逆に偉そうに感じなかったりして。わかってると 言うわりには迷ったりするし。 | |
旅の途中でも、おもしろい方たちに出会うよね。私はトム・ボン バディルがお気に入り。派手なかっこうをして、変な歌をうたいながらご陽気に現れるんだけど、なかなか 頼りになるの。 | |
私はエルフ族の妃、ガラドリエルの魅力にハマッタわ。望むものを映 しだす水鏡とか、白鳥の船とか、出すものがみんなこじゃれてて、気がきいてて、なかなかカッコイイ女性なの。 | |
エルフ族の姫君の話とか、うっとりするほどキレイな話もたくさん出てきたよね。 中つ国の人たちは、いにしえの出来事などを織り込んだ叙事詩を作るのが好きみたいで、本文中にたくさん出てくるの。 これがまた、意味深で良いのよ。 | |
あとさあ、さすがにきっちり書き込まれてて、空想世界の話でも、 情景が頭に浮かびやすくていいよね。その場にいるみたいな気になってくる。 | |
うん、光りとか風とか景色の美しさとか、匂いとか味とか、読んでるうちにい ろいろ体感できた。 | |
食べてみたくなるような美味しそうなものとか、欲しくなるような美 しいものとか、たくさん出てくるからワクワクするしね。 | |
とにかく、上巻の冒頭と、下巻の冒頭に悩まされすぎずに、気楽に読み進んじ ゃってください。そうすれば、次々と起こる出来事や、このあとはどうなるのって期待に、夢中になって読めるはず。 この先、どんどんおもしろくなっていくよ〜。 | |
完璧なヒーローはいないの。主人公のフロドにしても、導き手のガン ダルフにしても、他の仲間たちにしても、みんなちょっと欠けたところがあり、悩んだり、失敗したり、 後悔したりして進んでいきます。その辺が共感できるし、読んでてドキドキしちゃうんじゃないかな。お試しあれ。 | |