戦場の××   ステージ3




民家から離れ。

秋也と三村は、深い茂みの奥にいた。

三村が軽く罠を貼ったので、――――万全とはとてもじゃないが言い切れないが。――――

それでも、とりあえず安心でいられる場所だった。


「どうしよう、これから・・・・」

「俺に考えがある。七原は自分のことだけ心配してろよ、な。」

三村は、パソコンを小突きながら、微笑んだ。

秋也が微笑み返そうとした瞬間。

どこからともなく、『みんなー、聞いて―』と言う声が。

その耳に飛び込んできた。

「三村!あの声・・・!」

「落ち着け、七原。」

それはどうやら、日下友美子と、北野雪子のもので――。

「三村、行こうよ。向こうも仲間を探してるんだ、俺達と一緒だ!」

仲間を探してるのは、お前だけだよ、七原。

そんな風に思ったが、もちろん、口にはしなかった。

「いや。今出て行くのは危険だ。」

言ったと同時。

マシンガンの音と、女の子の悲鳴が響き渡った―――。

二人が声の方に視線を向けると。

黒い学生服がちらりと目に入った。

「豊だ・・・・」

「瀬戸・・・?三村!行こう!」

秋也は、今にも泣き出しそうな声を発した。

そう、せめて瀬戸豊だけでも仲間に。

「・・・・ああ。」








数十メートル走ったところで、瀬戸豊とぶつかった。

かなり動揺しているようだったが、三村と秋也の姿を確認して。

すぐに安堵の表情を浮かべた。

―――――のも、束の間だった。


シンジの様子が、違う。

直感でそう感じた。

七原秋也は、多少のやつれが伺えたものの。

あの、城岩町の教室の時と、なんら変化は無かった。

でも。



豊は、その場からだっと走り去った。

「瀬戸!」

後ろから、秋也の声がかすかに聞えた。


「七原。俺、豊を連れてくる。あのままじゃ、――――殺される」

「俺もい―――」

「さっきの場所にいろ。いいな。銃を渡しておくから―――いざとなったら、撃て。すぐ戻る。」

三村はそれだけ言うと、茂みの中に消えていった・・・









「豊!」

すぐに捕まった。

豊が、走るのが早くないこと。

それは周知の事実だった。

「シンジ・・・来るな!」

二人の間に、3メートルほどの距離が出来ていた。

三村は歩みを止め、その場で腰に手をやる。

「何で逃げるんだよ。向こうで七原が待ってる。行こうぜ。」

「嫌だ。」

はっきりと答え。

豊はフォークを胸元で、握りなおした。

「シンジと何年友達やってると思うの。――――シンジの変化は、すぐわかるんだよ。」

豊は三村をにらみつけた。

そして、

一息置き、続けた。



「シンジ・・・シューヤ殺す気・・?」

声こそ震えていたが、その目は真剣だった。

「まさか。何言ってんだ、豊。落ち着けよ?」

三村は、一歩豊に近づいた。

「・・・・・それじゃあ、他の皆は殺すの。」

豊がそう言い。

三村の表情が変わった。

さっきまで作られていた。

笑顔が。

冷めた。

――――冷たいまなざしに、変わった。

「シンジ!他のみんなは殺す気なの!!」

もう一度、フォークを握りなおした。

口元に、かすかに笑みを浮べ。

三村が呟いた。

「・・・・だったら?」

そして、一歩、また一歩と豊に近づく。


ごくり。

唾を飲み込んだ。

嫌な汗が。

体中にまとわり付いていた。

大丈夫。

シンジ、武器は持っていない。

「・・・僕のことも、殺すの。」


「最初、会った時点で、お前が仲間になっていたら。」

もう、二人の距離はほんの1メートルに迫っていた。

「しばらくは、生かしておくつもりだった。」


「でも、ゲェム・オーバーだぜ、豊。」


言い終わるなり。

三村は豊の、フォークを持っている腕を掴みに掛かった。

「ヒっ・・!」

短い声が発せられたかと思うと、

三村の右手によって。

口を封じられる。

豊は必死で逃げようとした。

この、ほんの数時間前までは、親友だった男から。


ブチ


鈍い音がし。

首―――右の方。

のどの辺り。

熱くなった。


三村の神経に。

皮膚が破られたような感覚が走った。

豊の喉辺りに、銀色のフォークが突き刺さっていた。

「んー!!んんーんーーー!!!」

三村はぐっと左手に力を込め、

そのフォークをねじった。

紅い液体が、少し、あふれ出。

もう、豊はぴくりとも動かなかった。














自分の顔に掛かった、小量の血液を拭い。

豊のデイパックから、水と食糧を取り出した。

そして、もう一つの旅行鞄を漁った。

少しでも、何か役に立つもの―――。


手帳が出てきた。

日記兼、ネタ帳らしかった。



5月18日。

もうすぐ修学旅行だ。

きっとシンジは旅行中、シューヤに何かするんだと思う。

女好きかと思ってたから、意外だった。

でも、本気でシューヤを好きならそれでいいんじゃないかと思う。

頑張れシンジ!

僕はシンジの味方だよ!



三村は手帳を投げ捨て、元来た道を戻り始めた。









「幼なじみってのも、結構良いもんだよナァ。豊?」









never end 






ヤバイよ!!シンジさん!!
こわ〜。
書いててこんなに怖いと思ったことはありません。
でも三村好きv
あわわ。
戦場〜での見せ場(!!)その@が今回の話でした。
豊すっごい良い奴。
個人でなら好きなだけあります。
最後の台詞悩みました。
豊の日記とか見つけるつもりじゃなかったんです。
だから「幼なじみってのも、結構面倒だよナァ。」
だったんですね、当初は。
でも、「良いモンだよなぁ」の方が、三村のダァクぶりっつか狂いが映えたかと。
こっちにして良かったと思ってるんですが。。どうでしょう。
(どうでもいいか)

今回は豊くんの懺悔です。
ごめんなさい。

ちょっくら、この後エンディングにどうつなげるか決まってません。
だってエンドするには、ターゲット決めなきゃならないから・・・!!
アイタタタ。




next