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自分だけのモノにならないなら、いっそ・・・・
X −バツ− 「俺、七原が好きなんだけど。」
公園の前。 部活が終って。 三村に会って。 送ってやる、言われて。 それで、二人、他愛のない話をして。
「――――は?」 「だから、七原が好きなんだ。」 いつもとは違い、まじめな表情で三村が言った。 「ふぅん・・・・」 俺はわざとそっけない返事を返してみた。 だって知っていた。 三村が俺のこと、特別な目で見てるって。 そして、自分が三村に惹かれてることも。
「ふぅんって・・・お前なぁ、人が告白してんだぞ?」
ちょっと呆れたように、肩をすくめてる。 でも、笑ってる。 ・・・・・うん。 俺も三村のこと、好きだよ。 きっとこの台詞は、発せられることはないだろうけど。
「三村、冗談もほどほどにして帰れば?俺、男だから一人で平気なんだし。」 「からかってるわけじゃねぇよ。」
間髪入れず、返答。 ・・・何だよ・・・。
「からかってないなら、何なんだよ?」 やば。 ちょっと興奮してる。 声、低くなった。
「本気で、七原が、好きだ。」
三村が、言葉をわざと切って言った。 俺、凄く嬉しいよ。 でも。 素直に、受け取れないんだ。 だって俺は汚い人間だから。 言葉だけじゃ、信じられない。 「・・・・じゃあ、俺のために何してくれる?」
何かの本で、読んだ。 違うか。 安野先生が読んで聞かせてくれたんだったかな。 どこかの国の、お姫様が、王子になるべく人の気持ちを調べるのに。 質問する。
「七原が望むことなら、何でも」 「・・・・そっかぁ・・・」 「七原は、何して欲しいわけ?言ってみな」
「なぁ、何して欲しいんだ?」
そう。 言って良いんだ。 俺、三村との“友情”、友達関係は崩したくなったんだけどな・・ 「三村のココロが欲しい。」
じっと三村の目を見据えて。 三村、ウレシそうな顔してる。 でも、違うんだよ?
「いっくらでもあげるぜ?そんなモン―――」
「じゃあ、心臓ごと、俺に頂戴?」
「今すぐ、取り出して。俺に。」
「七原・・・・」
ホラ。 出来ないんじゃん。 俺、中途半端なものは要らないんだよ。 俺の両親のように。 “死”という事で、“親”の立場を途中放棄するなんて。 恨んではいないけれど。 多分。 ああ、でもやっぱり、少しは恨んでいるのかもしれない。
「出来ないだろ?ホラ、適当なこと言うなよ。」
「・・・いいぜ。欲しいならやるよ。お前が死ねっていうなら、死んでやる。」
―――――――――――死ぬ? 三村が? 何言ってるんだよ。 また冗談ばっかり。 三村、お笑いのセンスないってば。
「俺、七原に嫌われてると思ってなかった。」
嫌いじゃない。 好きだよ。
「馬鹿だよな。もしかしたら俺と同じ気持ちかも――なんて自惚れてたわ。」
ああ、そうか。 やっぱりばれてたのか。 俺、隠し事苦手なんだ。、 慶時にも直ぐばれるんだよ。 三村にばれてないわけ、なかったよな・・・
「悪かった。さっき言ったこと、忘れてくれ。」
これで良いんだよ。 三村が俺だけのモノにならないなら。 突き放してしまえば。 そうすれば。 どうせ、後一年で卒業だし。 なんてコト、ない―――――
「・・・・・七原?」
三村が、驚いた顔で俺を見てる。
「何、泣いてんだよ。悪かったって。もうあんなこといわねぇから・・・」
違う。 違うんだ。 俺、ホントはお前が――――――
「みむら・・・・・・・」
でも、どうも出来ない。
end
ごめんなさい!!! |