自分だけのモノにならないなら、いっそ・・・・


X −バツ−


「俺、七原が好きなんだけど。」


公園の前。

部活が終って。

三村に会って。

送ってやる、言われて。

それで、二人、他愛のない話をして。


「――――は?」

「だから、七原が好きなんだ。」

いつもとは違い、まじめな表情で三村が言った。

しっかりと、俺の目を見て。

「ふぅん・・・・」

俺はわざとそっけない返事を返してみた。

だって知っていた。

三村が俺のこと、特別な目で見てるって。

そして、自分が三村に惹かれてることも。


「ふぅんって・・・お前なぁ、人が告白してんだぞ?」


ちょっと呆れたように、肩をすくめてる。

でも、笑ってる。

・・・・・うん。

俺も三村のこと、好きだよ。

きっとこの台詞は、発せられることはないだろうけど。

そう言えたなら、幸せなのに。


「三村、冗談もほどほどにして帰れば?俺、男だから一人で平気なんだし。」

「からかってるわけじゃねぇよ。」


間髪入れず、返答。

・・・何だよ・・・。


「からかってないなら、何なんだよ?」

やば。

ちょっと興奮してる。

声、低くなった。


「本気で、七原が、好きだ。」



三村が、言葉をわざと切って言った。

まるで、小さな子供にわからせるように。

三村・・・・

俺、凄く嬉しいよ。

でも。

ごめん。

素直に、受け取れないんだ。

だって俺は汚い人間だから。

言葉だけじゃ、信じられない。

いや、そんなのただの言い訳にすぎなくて、ホントは。


「・・・・じゃあ、俺のために何してくれる?」


何かの本で、読んだ。

違うか。

安野先生が読んで聞かせてくれたんだったかな。

どこかの国の、お姫様が、王子になるべく人の気持ちを調べるのに。

質問する。

別に三村のキモチを調べたいわけじゃない。

どうあったとしても、俺と三村が。

違う、俺が三村を幸せになんて出来ないから。


「七原が望むことなら、何でも」

「・・・・そっかぁ・・・」

「七原は、何して欲しいわけ?言ってみな」



諦めてほしくて。

諦めたくて。

望みを捨てたくて。


「なぁ、何して欲しいんだ?」



そう。

言って良いんだ。

俺、三村との“友情”、友達関係は崩したくなったんだけどな・・







「三村のココロが欲しい。」




じっと三村の目を見据えて。

言った。

自分でも、良く言ったと思う。

どうにもならないこと。

どうしようもないこと。



三村、ウレシそうな顔してる。

でも、違うんだよ?


「いっくらでもあげるぜ?そんなモン―――」




きっとそう答えると思ってた。








「じゃあ、心臓ごと、俺に頂戴?」






「今すぐ、取り出して。俺に。」






「七原・・・・」


ホラ。

出来ないんじゃん。

俺、中途半端なものは要らないんだよ。

俺の両親のように。

“死”という事で、“親”の立場を途中放棄するなんて。

恨んではいないけれど。

多分。

ああ、でもやっぱり、少しは恨んでいるのかもしれない。


「出来ないだろ?ホラ、適当なこと言うなよ。」






「・・・いいぜ。欲しいならやるよ。お前が死ねっていうなら、死んでやる。」







―――――――――――死ぬ?

三村が?

何言ってるんだよ。

また冗談ばっかり。

三村、お笑いのセンスないってば。

まだ豊の方がマシ―――。


「俺、七原に嫌われてると思ってなかった。」


嫌いじゃない。

好きだよ。


「馬鹿だよな。もしかしたら俺と同じ気持ちかも――なんて自惚れてたわ。」


ああ、そうか。

やっぱりばれてたのか。

俺、隠し事苦手なんだ。、

慶時にも直ぐばれるんだよ。

三村にばれてないわけ、なかったよな・・・


「悪かった。さっき言ったこと、忘れてくれ。」



これで良いんだよ。

三村が俺だけのモノにならないなら。

突き放してしまえば。

そうすれば。

どうせ、後一年で卒業だし。

なんてコト、ない―――――



「・・・・・七原?」


三村が、驚いた顔で俺を見てる。



「何、泣いてんだよ。悪かったって。もうあんなこといわねぇから・・・」




違う。

違うんだ。

俺、ホントはお前が――――――






「みむら・・・・・・・」




でも、どうも出来ない。

自分じゃどうしようもない。

矛盾してるのはわかってる。

でも、でも、こればっかりは。




end




ごめんなさい!!!
こんなの秋也じゃない!とかいう皆さんのお叱りはもうごもっともです。
警告にも書きましたが、こっち側は「黒」でございマス。
秋也は三村のことが好きで好きでたまらないんだけど、言葉にする事が出来ない。
一度手に入れたものが、自分から離れていくのを怖がってる。
または手放せなくなるのを恐れている・・・みたいなのを表現したかったんですけど。
・・・どうでしょうか(汗)
いえ、もう私の文章力じゃ表現し切れてないのはわかってるんですが。
書きたかったんですー!(だだっこ)

ちなみにこの後二人は今まで通りの生活に戻ります。
が、三村が秋也の態度に切れる――――みたいな。
機会があれば続き書きたいと思います。
まずは皆さんの反応を見てから・・・・ハハ。
でも多分書きます。
かなり書きたいです・・・エヘ(可愛くない)


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