カピターノ似の誰か@フィレンツェ

■イタリア縦断1日目

レッジョを目指して、イタリア縦断小旅行開始。予定日程は4泊5日。まずは中継地フィレンツェへ。

ミラノからフィレンツェはICで3時間。のはずがちょっと遅れて3時間半くらいかかった。まぁこれくらいの遅れは遅れのウチに数えない。無事到着。

この街でとにかく目に付くのが土産物屋とアメリカ人観光客。わらわらいる。さすが観光地。それからこの街(正確に言えばメディチ家)のシンボルマークである白百合の紋章、フィオレンティーナのマークにもなってるアレが壁やマンホール、標識など、そこかしこに刻まれている。

フィレンツェは日本で言うならば鎌倉に匹敵する都市。なぜ鎌倉かと言うと見所が駅から近い場所に集中していて、まる一日かければ美術館以外はだいたい見終えることが出来るからだ。ここでは江ノ電ではなくバスを使う。バスは24時間使える1日券が4ユーロ。安い。でもほとんどの名所は徒歩で回ることが可能な範囲に存在するので、特に目的が無く体力が有る人ならバス券さえ不要かも知れない。私達は一応1つだけ目的らしい目的があったので、1日バス券を購入した。

どーも、ドゥオモです(寒)一番有名な見所のドゥオモまでも駅からダラダラ徒歩で10分ほど。豪華絢爛な建物だが、色遣いに可愛さと遊び心がある感じ。この付近に世界一有名なモロ出し男(すんません)、ダビデ像君のコピーも居るので観賞。ホンモノは美術館に住んでいるらしいが美術館に入るほど時間の余裕とアートの心がまるで無いのでパス。観光客らしく一通りキョロキョロした後、宿を探すことにした。コピーでも修復中のダビデ君

何てったって日本を発つ数日前に突然レッジョ行きを決めた無計画な奴等。まぁどこかでフィレンツェには行くつもりだったが、あまりに日程が早まったので事前調査は特に無し。定番の「地球の歩き方イタリア編」はNさんが持っていたものの、それにしたって目を通したのはこの日の朝の電車の中だ。夏休みの宿題を9月に開始するタイプ(ついでに私はまず出さない)が2人揃うとこうなるらしい。

それでも通常なら有り余るほどホテルがある超定番観光地であるため、宿については割と楽観していたのだった。しかし。この日はフィレンツェで見本市があったらしい。欧州旅行の際「見本市」は最強の曲者だ。宿は混むし値段も下手すると通常の3倍くらいに跳ね上がる。別に見本市は見ないんだから安くしてくれよ!と叫んでも無駄無駄無駄。何軒も聞きまわってみたものの、空き部屋なし。しかも探し回っているうちにイタリアでは猫も杓子も仕事を休む、魔の昼休み時間帯に突入。ガイドブックに載っていたYHなどはフロントさえクローズしている始末。やる気ねー。

焦りを感じつつ、ドゥオモからちょっと離れた通りまで歩き、「ABC」とかいう安易な名前のホテルの呼び鈴を鳴らして突入。ここはビルの4階部分にフロントがあるというビックリ&大変なホテルであった。当然エレベーターなんてものは無い。部屋はあるかと尋ねるとフロントの目の前のダブルルームの部屋を指差されて70ユーロだと言われる。1つ星で70ユーロはちょっと高いが、今日は見本市なので仕方ない。むしろ部屋があっただけありがたい。ついでに水周り(トイレとシャワー)は新しくて清潔だったのでここに決めた。ポイントはトイレの水が流れることとお湯が出ること。基本的にこの小旅行でのホテルは寝るだけの場所なのでそれ以外のサービスにはこだわらない。

安心したらお腹がすいた、というわけでホテル近くのピザ屋に入ってみる。メニューに「フィオレンティーナ」という名前のピザがあったので頼んでみた。それに水とカプチーノ。ピザはピリ辛のトマトソースにオリーブとサラミが沢山載っている薄焼きピザ。文句なしに美味だった。本当にこの国の食事は軽食であっても美味い。

■タイムアタック!〜フィレンツェ日没編〜

食事の後は残りの無料で巡れる名所らしい名所を巡り、夕刻が近づいたのを確認して「フェーゾレの丘」行きのバスに乗った。1日バス券はこのために買ったのだ。ここは特別有名な名所という訳ではないが、フィレンツェの町が一望できる場所らしい。何でもフィオレンティーナ時代のルイコスタ曰く「夕日が一番綺麗な場所」なんだそう。あの詩人ルイコスタが言うのだから間違い無いだろう。

しかし、バスの終点フェーゾレで降ろされた場所は特にロータリーでも無い普通の道路際。降りる人も地元民ばかり。・・・どこへ行けば展望台があるのかわからない。目的は前述の通り日没の風景である。時計に目をやると針は6時10分すぎを指している。この時期のイタリアの日没は6時半前後だ。ウロウロオロオロしている間に刻々と時は迫り、辺りが暗くなりかけてきた。ヤバい、時間がない。ザ・ワールド!時よ止まれー!!もしくは太陽が止まってー!なんつって遊んでる場合じゃなく。急がなくては。しかし目の前に道はいくつもあった・・・。ここで闇雲に動いても辿り着けるとも思えない。迷子になるだけだ。為す術もなく、焦りだけが募る。

・・・と、アメリカ人らしき数人が道路向かいの脇の小道から出てきたのを見つけた。もしや彼らはあそこから展望台に登ったのでは?賭けるような気持ちで無茶苦茶急な坂道を駆け上がる。BINGOooo!そこがまさに展望台だった。サンキュー観光アメリカ人。太陽は大分朱色になっていたが、まだ沈んではいなかった。どうやらぎりぎりのタイミングで間に合ったらしい。展望台の縁に腰掛け(落ちたら死ぬ高さだが、柵とか注意書きとか野暮なモンは無い)、眼下に広がるフィレンツェの街と、その向こうに広がる山々を見渡す。

以下、言葉に出来ない風景の数々。

夕焼けとーおきー

小焼けやーまにー

日没ひーはおーちてー。

・・・沈みました。サヨナラ夕陽。

デジカメで夕陽は撮れるのか?初めて撮ったけど割と撮れたっぽい。

アルテミオフランキ色々撮影していたら、アルテミオフランキ(フィオレンティーナのホームスタジオ)も発見!
 
F I O R E N T I N A勿論肉眼では見えないが、客席の”FIORENTINA”の文字もデジカメの画像にはしっかり写っていた。


教会姉さん丘の上の教会らしき建物。

扉の前の階段に女の子が一人座り込んで一心不乱に携帯メールを打っていた。窓にはPACEの旗。

サッカー禁この丘で見つけた「サッカー禁止!」の看板。

何故サッカー禁止?もしやここでサッカーして、過去に誰か怒られたのか?こんな坂道&石畳でサッカーしようなんて普通考えないけどね。普通じゃないと言ったら、やっぱりリスボン育ちで元フィオレンティーナでこの近所に住んでたとかって噂の某ルイさん?怒られたんか!?

太陽が沈むまでその場の景色を堪能した私たちは、再びバスでフィレンツェ市街へと戻った。明日用の水をホテル付近のパン屋で調達。夕食時にはレストランを探し歩くのも面倒で、ホテルの隣の中華料理屋で軽く済ませた。フィレンツェで中華ってのもどうなのかねーと思いつつ、1週間ぶりの米は美味かった。パスタもパニーニも好きだが米もやっぱり好きだ。

明日はローマへ向かう。


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