H12年度 屋久島山行記録 その3
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4月30日(日) 天候 曇り 後 小雨 |
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| 日 程 |
4:40起床 →
6:10新高塚小屋出発 → 7:00高塚小屋 → 7:20縄文杉 →
7:55夫婦杉 → 8:05大王杉 → 8:45ウィルソン株 → 9:25大株歩道入口 〜トロッコ道 → 10:45三代杉 → 10:55楠川分れ → 12:05荒川口 → 12:45タクシー着、淀川口へ → 淀川口 → 尾間温泉 → ぽんたん館 → 屋久酔館 → 民宿(泊) |
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| 記 録 |
4:40、やはり他の宿泊者のたてる物音で目が覚める。簡単に朝食を済ませ、景気付けにブランデー入り紅茶を飲んで6:10に新高塚小屋を出発する。心配していた天気は曇りで空はまだ明るい。まだ雨は降らなそうだ。
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登山道は昨日歩いた森よりも濃密さを増し、足元は木の根が複雑に絡まる場所も増えてくる。50分ほど下ると高塚小屋に到着。こちらは鞍部に立つ小さなブロック作りの小屋だ。収容人数は20人らしいが、中を覗くと20人が寝れるとは思えない。周囲は杉やヒメシャラの巨木が立ち、場所としてはいい雰囲気だ。地図上では水場があるが、水は出ていないようだった。ここで休憩していると、ついにパラパラと小雨が降って来る。仕方なく全員雨具を着込む。 |
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高塚小屋から先へ進むと、程なく木道が現れる。15分ほど行くとやけに立派な木のデッキが現れる。そしてそこには一際大きい杉が、森の主であるかのように堂々と立っていた。 縄文杉である。 巨大悠久の時を生きてきた巨木を前に思わず見とれる。私たち人間がいかに小さく、短い生涯をセコセコと生きているか、そして太古から変わらぬ営みを続ける森の普遍性を思い知ったような気がした。 |
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この先は木道を歩くことが多くなる。世界遺産に指定され、縄文杉までの道はかなり整備されている。 しかし森もさらに深さを増し、これまで以上に巨木が次から次へと現れる。縄文杉を皮切りにまずは縄文杉から30分ほどで夫婦杉が現れる。そしてすぐに大王杉。大王杉は縄文杉が発見されるまでは屋久島で一番大きい屋久杉だとされていた木で、こちらも風格たっぷりの容貌で深い森の中にたたずんでいた。他にも名前のついていない屋久杉が多数。この大株歩道はやはり屋久島の一番の見所だろう。巨木の森を存分に楽しめる。
雨は止んでいたので夫婦杉の場所で雨具を脱ぐ。整備された木道を歩きながらふと足元を見ると、新しい木道の脇に白い泡のようなものが目に入った。よく見るとそれは木道を通す際に傷つけられた根から出る樹液だった。登山者の踏み付けから根や土壌を守るはずの木道を作るのに、逆に木の根を傷付けているとは、なんとも本末転倒な話である。 |
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| 下っていくにつれ水の涌く場所が増え、改めて屋久島が水の島だと実感する。途中美味しい湧き水を飲みつつウィルソン株を目指す。そしてたくさんの人の声が聞こえ始めるとウィルソン株が姿を現した。苔むした巨大な切り株が若い木々に囲まれ鎮座していた。その大きさは縄文杉に匹敵する、いや、それ以上かもしれない。 | ウィルソン株は1586年に豊臣秀吉の命令による京都方広寺の大仏殿建立にあたり島津藩が切り倒したと言われ、大正3年にアメリカの植物学者ウィルソンが世界に紹介したそうだ。400年以上前の切り株がこうして残っていることに驚きを覚える。湧水が流れる内部は畳10畳ほどの広さがあり、木魂神社が祭られている。 | |
| ウィルソン株を後にし、一気に高度を下げ30分足らずでトロッコ道に出る。このトロッコ道も雑誌ではよく目にする場所だ。森の中を走る線路、なかなかいい雰囲気である。 | トロッコ道に出たところで少し休憩していると、脇の木にピンクの花を見つけた。サクラツツジだ。その名前のとおり、桜色の淡い色の花が繊細な美しさを見せている。 | |
| ここで再度雨が降ってきた。雨具を着込みトロッコ道へと踏み出す。新緑が美しく、トロッコ道の景色と不思議な調和を見せる。しかしこのトロッコ道、とにかく長い。雨の中ひたすらトロッコ道を歩く。1時間ほど歩いただろうか、三代杉の場所まできて休憩する。三代杉は倒木更新の杉の切り株の上にさらに新しい杉が発芽し大きくなったもので、屋久島の倒木更新、切り株更新を代表するものだ。 | 雨はあまり強くはないが止みそうにない。まだまだ続くトロッコ道をとぼとぼと進む。途中木々の間から見える、昨日歩いたやまなみや下の渓流を眺め自分を元気付けながら歩くが、疲れは増す一方。枕木の間隔が歩幅に合わず、さらにでこぼこしているのも疲れをさらに早くする。11時過ぎに小杉谷集落跡にある学校のグラウンド前を通過し、安房川にかかる橋を渡る。橋げたのないトロッコの橋は結構怖いが、そこから見える山々や沢の景色は本当に美しい。 | |
| トロッコ道はまだまだ続く。いいかげんうんざり、疲れもピークに達してきた。荒川口はまだか・・・。重い足を引きずるようにして黙々と歩く。トロッコの格納小屋が現れ、自動的に明かりのつくトンネルに差し掛かる。いよいよ登山口が近そうだ。そして12時過ぎ、再度橋を渡りついに!荒川の登山口に到着した。長い道のりほんとにお疲れさまでしたと4人で無事下山を喜び合う。その後、民宿の情報では携帯電話が使えるとのことだったのでタクシーを呼ぼうとするが圏外。どうしようかと悩んでいたが、ちょうどツアー客を乗せてきたバスが登山口で待機していたので佐藤さんが交渉、バスの無線が通じるところまで出て連絡を取ってくれるとのこと。わたしがバスに乗り込み無線の通じるところまで行き、無事タクシーを呼ぶことが出来た。バスの運転手さんありがとうございました!登山口に戻ってトロッコの止っている屋根の下で雨宿り。熱い紅茶とあまりもののお菓子や行動食で温まる。待つこと30分ほど、タクシーが一人客を乗せて到着した。なかなか客が降りないので自分たちの呼んだタクシーと違うのかとおもったが、乗れるようだ。タクシーに乗り込み車の停めてある淀川口へ。そこからまずは温泉!と言うことで尾の間の温泉へ行き熱い湯で汗を流しさっぱりする。その後ぽんたん館という名前の建物により、タンカン(南国で取れる柑橘)を購入しタンカンのシャーベットを食す。さらに屋久酔館という、焼酎作りの蔵を見せてくれる施設で焼酎作りの話を聞きみんなアルコール37°の焼酎「原酒屋久杉」を買う(生産量が少なく東京と福岡にしか卸していない貴重な焼酎らしい)。そんなこんなでようやく5時半、宮之浦の民宿「やくすぎ荘」に到着。夕食では生ビールを飲みながら鹿刺しやトビウオの一夜干しなどに舌鼓を打つ。この日は疲れも有り、10時半にはみんな寝床についた。 | ||