■ 「BOYS OF SUMMER」 |
■ 第1章 |
2003年の7月にアメリカを西から東へ横断しました。その熱い夏を旅日記「THE BOYS OF SUMMER 〜 (原(邦)題)25年目の少年の夏」としておおくりいたします。 今回は、何と7泊9日で七つのLIVE SHOWにふたつのMAJOR LEAGUE GAMEと盛りだくさんの内容、カリフォルニアからスタートした旅がニューヨークで終わるまで、アメリカのエンターテイメントを満喫してまいりました。 |
■ 「 BOYS OF SUMMER 」 PART 1 |
1978年の7月に初めてアメリカへと渡った。それからもう早25年が過ぎている。 |
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ロックンロールの殿堂入りの資格も得られるデビュー25年を長い年月に感じることもできるが、当時聴いていたミュージシャンが今もなお現役でライヴ活動を続けている。 だからどうだといったことじゃないが、今も愛する彼らがこの夏もツアーを続けており、オイラもムリをして夏休みと称して彼らの歌声を聴きにいくことにした。効率は悪いものの西から東へと横断してネ。あの少年の夏の日々を思い出しながら・・・ |
一見リッチに取られがちであるが、内容は学生旅行まがいのバジェット・トラペラー。 |
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今回も手持ちのマイレッジを駆使しての旅となる。でもって1ストップ・オーバーしかできないタダ券の特性によりLA1ストップのNY行き。 それ故、LAとSan Diego間はアムトラックの25%OFFの割引料金$42での陸路往復である。 昼過ぎにユニオン・ステーションに着くも次のSan Diego行きまでは1時間半程あり、すぐそばのメキシコ風のオルベラ街を散策昼食を取る。でもって2時に電車は走り出した。 |
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コースト・サイドを走る電車はサーフィンする人々の姿なども映し出し旅情をかもし出す。片道3時間弱の鉄道旅行の末、San Diegoへは午後5時少し前に到着した。 |
ここでトロリーに乗り換えたのはいいが、2駅走ったら前の車両から白煙が上がる。故障らしく皆が降ろされ、次の車両が来るまでしばらく待たされる羽目に。マイッタなこりゃ。 てなことでOld Townから10分弱歩いたGood Nite Innへチェック・インしたのは午後6時を回っていた。しかし本日のライヴはここから歩いて10分弱のSports Arenaということで、焦ることなく一汗流して宿を出る。会場で本日のチケットを引き換え、まだ少し時間があるのですぐ近くのTower RecordでCDのチェックと相成る。今日は買う気は無いけれど、価格は日本とそうは変わらないので組物やDVDなどじゃないと旨みはなさそうな感じ。ただし日本じゃ手に入りにくいものは安くなくても買っとくべきかななんて気もする。しかしながらこれからLA、NYと渡るのでここはチェックに止めることにしよう。 |
てことで一発目のライヴはFleetwood Mac。何度か来日しているが、今だ未見のバンドである。今やアメリカでのビッグネームのチケットはとっても高価。Macも額面最高額は$125だ。日本でチケット・マスターで買ったら2割3割増しはあたりまえ。でもダフ屋から買うことを考えれば保障もあり、ありがたいシステムではある。 |
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ここは思い切って最安値(額面$46.50)のチケットを購入しておいた(何を思い切ったのかは「?」)。 ステージは遠くても運良く正面なんだよなこれが。ビールや食べ物で待つこと数十分、Macのステージは"The Chain"で8時20分に始まった。 |
■ 「 BOYS OF SUMMER 」 PART 2 |
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ただやはりStevieの動きは昔から比べずっと振りが小さく、妖精度は落ちているのは否めない。"Gypsy"の時に昔のプロモが流れたので特にそう感じたのかもしれないネ。新曲と過去のヒット曲を随所に織り交ぜたステージはまったくもってそつが無い。Dixie Chicksもカバーヒットさせている"Landslide"を歌う前には、Stevieの口から「70年代にここでLeon Russellのオープニングをやったのよね」なんて発言も。そんなMacの前座を日本のCreationがやったこともあったななんて思い出しちゃいました。 |
お得意のスパニッシュ風ギターをフィーチャーした"Big Love"や"Say Goodbye"もよかったが、Lindseyの大爆発は本編最後のの"Go Your Own Way"で来た。ギターの弦を両手で叩くは、背中で弾くはで大盛り上がり。さすがのオジサン、オバサン連中も総立ちで拍手でした。 |
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オリジナル・メンバーのJohn McVieとMick Fleetwoodのリズム隊も地味にサポートに徹していたけれど、アンコールでMickがやってくれました。 ベストに仕込んだドラム・シンセを叩いて踊るはでこれも大盛り上がりの二次会となる。 これって前のツアーでも評判だったらしいのですが、オイラは知らなくってビックリしました。 |
最初のアンコールで3割程度の人が帰ってしまった後、再度出てきて"Goodbye
Baby"をもう1曲。客年齢が高い為か、駐車場が込むのが嫌なのか皆さん帰りの足が早いようでもったいないこと。アンコールでStevieとLindseyは仲良く手をつないで出てきたな。 しっかしベテラン連中が2部構成で行うことが多い中、一部構成でアンコールを含め2時間半はとっても見事でした。 車が渋滞を続ける中、ヘッドライトをスポットライト代わりに背中に受けゆったりと宿へと足を進める。歩きながらもだんだんとまぶたが重たくなるのを感じていた。 |
■ 「 BOYS OF SUMMER 」 PART 3 |
日曜でもあり、ゆっくりと目を覚まし9時過ぎに動き出す。せっかくだからOld
Townへ行ってみる。 観光地だけに日曜でも朝から店は開いており、カフェでゴルフの全英オープンの中継を見ながら朝食をとる。その後、みやげ物屋を冷やかしながら暫し時を過ごし、今日明日用にと2day Passを買いトロリーにてダウンタウンへ。 街のBus Depotにコイン・ロッカーがあるのを確認し、再度トロリーにてMission Valleyのショッピングセンターへと行ってみる。 |
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ここはOUTLETもあり、インポート物の蝋燭立を一つ買う。「悪くない、今日は良い日だ」。もちっと何か買いたい気もしてますが、今日は夜中まで宿には帰れそうにないからムリってもの。 |
1時になったので予定していたカルコム・スタヂアムを目指し、再びトロリーへと乗り込む。 かってはジャック・マーフィー・スタヂアムと名乗っていたパドレスの本拠地だが、今は御多分にもれず名称をスポンサーに売っている。 来年はダウンタウンへと本拠地を移すことになっており最初で最後の訪問となろう。個人的には多くのスタヂアム、アリーナが名称を変えていくことが残念でならない。伝統よりも実利なのだろうが以前の名前に愛着のある者にとって寂しさは隠せない。 |
グリーンスタヂアム神戸もYahoo BBスタヂアムになっちゃったんだよな〜。 最後まで見れない事はわかっていたが、$27払って一塁側の外野よりフィールド・シートを購入。前から3列目でグラウンドはすぐそばだ。 相手のダイヤモンドバックスが練習する中、おもむろにRandy Johnsonがブルペン目指して歩いてくる。 前を横切るとき「Randy!」と声をかけるも、さすがRandy Johnsonにこりともしない。 今日はRandyが先発とはついてます。 試合はRandyがホームランと失策による2失点、パドレスが2-1とリードした七回裏にRandyが降板したところで席を立つ。 "Take Me Out To The Ballgame"も歌ったし時間もいところだしね。 |
てなことで今日4回目のトロリーに乗る。別に今日1日で2Day Passのもとを取るつもりじゃないんだけれどね。 Old Townでバスを待つ。 |
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今日のライヴ会場のHumphrey'sはバス停から15分位だから充分オイラにとってはWalking
Distanceさ。 ただ日曜でもあり帰りのバスはそう本数がないので、終演後はもたもたできない。 ヨット・ハーバーに隣接した会場はこじんまりとしていて見やすく気持ちよい場所である。 |
会場にて初対面のオイラも参加しているウェストコーストのメーリングリストのメンバーである浜松の田中氏に会い暫し言葉を交わす。現地のPOCOのメーリングリストのメンバーにお世話になっていて、LA2日間と今日見るとのこと。Richieの声は出ているとのことで期待が膨らむ。 |
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ただし終演後はバスの時間もあり挨拶もせずに立ち去ってしまい申し訳ないことをいたしました。 田中氏に聞くとLAにはツアーTシャツもあったような話でしたが、オイラが見た限りツアーTではない例の馬のTがひっそりとあっただけでしてそんな訳でゲットできませんでした、まめお様メンゴです。そんな中でも相変わらずビールを離さないオイラです。 3バンド出演という事で10分押しの6時10分、まだ日も高いうちにステージは始まった。 |
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■ 「 BOYS OF SUMMER 」 PART 4 |
最初の登場はChris Hillman。Desert Rose Band時代の盟友であるHerb PedersenとBill Brysonがアコギとウッド・ベースでバックアップする。 トラッドの"Bury Me Beneath The Willow"でスタートしたが、Chrisは終始フラマンを奏で歌う。考えてみればChrisはブルーグラスとロックのフィールドをいつも行き来しながらここまで来たんだもんナ。 最近でもRice兄弟やHerbとグラスよりのものが多い。そんんな具合で自己の長いキャリアを振り返るようにステージは続いた。ソロやDRBに混じりByrdsの"You Ain't Going Nowhere"、"Turn!Turn!Turn!"や"Mr.Tumbourine Man"春巻兄弟の"Wheels"、"Sin City"などが歌われオイラもすっかり楽しくなってしまったね。 |
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そしてHerbにもLaurel Canyon Ramblers(Billもメンバー!)の"Wait
A Minute"で1曲リード・ボーカルを取らせる配慮も。悪童ChrisなれどHerbには一目も二目も置いているのは感じました。 Herbのギターとハーモニーがあるのでこちらも安心です?Herbのバックアップはもう最高!そしてChrisは最後の曲で初めてギターを持った。うお〜、Manassasの"It Doesn't Matter"じゃないですか。この曲大好きなんだよな〜。うれしいな〜。 |
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てなことで本編終了。アンコールでは"Eight
Miles High"が登場。実は会場前にリハやってるのが聴こえてたのでした。Sam
Bushなどを聴いても感じるが、フラットマンドリンって使い方によって非常に奥行きの深い楽器ですよね。8マイルのスペーシーさは生かされてたもんな。あ〜、いいライヴだった。さあビールでも飲むか。 気がつけば日もとっぷりと暮れ、あたりは夕闇に包まれている。 |
15分程度の休憩後、MCの紹介に導かれRichie
Furayが現れる。この日の一番のお目当てである。 風貌は益々普通の人になってしまっているが、まさしくRichieだ!ギタリストのScott Sellenを引きつれての第一声は"Sad Memory"、一発でやられました。 |
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Buffalo Springfieldじゃないか!もう泣けますよ。 POCOの曲は当然あるとは思ったけれどこんなのもやってるのね。 3曲目にはSHF時代の"Believe Me"も。 「もう・・・、もう止めて、というかもっとやって・・・」の状態です。 早々にPOCOの"You Better Think Twice"が出たと思ったら、途中からGeorge Granthamが出て来てコーラスつけるし、次の"Go And Say Goodbye"(またもBuffaloだ!)ではRusty YoungとPaul Cottonもコーラスに加わるといったふうで、KO寸前です。 このハーモニーがまた最高なんだよな〜。 人を脅かしといて彼らは、「じゃあまた後で」とひっこんで行きました。 ひとしきり盛り上がった後だけに"Island Love"は染みた。 Asylum時代の「夢は終わりぬ」からの曲。 こういった小品に彼のハイトーン・ボーカルはとっても相性いいとオイラは思ってるからね。 |
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と、ひたっていたらフラマン持ってChris登場。"Bye Bye Love"と"Wake Up My Soul"の2曲を一緒にプレイ。もちっと違う曲あったんじゃないのかな。SHFのバンドメイトなんだし、70年代中期のAsylumの感じが聴けたら楽しかったんだけど...まあ、競演はうれしかったけれどね。 |
そして終盤にPOCO本隊は帰って来た。POCO featuring
Richie Furayといった趣で初期POCO炸裂だ。"Pickin
Up The Pieces"から始まり"A Child's
Claim To Fame"、"Kind Woman"とまたまた出ましたBuffalo2連発。でも後者はオイラは「Deliverin'」で親しんでたからPOCOの曲のような感じがしているのさ。そして白眉はRustyのラップ・スティールが素晴らしかった"Let's
Dance Tonight"。 恥ずかしながらこの曲"C'mon"と勘違いしてました。POCOマニアでないの、バレバレですよね。ホンマええ感じと言ったことなんでしょうか、最後は"A Good Feelin' To Know"で大団円。 素晴らしかったです。このメンツでぜひ日本にも来て欲しいですね。感動ひとしおで、この余韻に浸りながら帰るのもよいけれど、まだPOCOのステージは残っているんだ。20分も休憩はいらないぜ。 |
■ 「 BOYS OF SUMMER 」 PART 5 |
おもむろに出て来てチューニングを始め、なにくわぬ顔でPOCOの連中は"Legend"を弾き始めた。 POCOは何度か来日公演を見ているので目新しさはない。しっかしRustyがあんまりスティールを弾かないないのにはがっかりです。"Rose Of Cimarron"で何でペダル弾かないのかしら? そんなもんで、白井さん率いるCrazy Eyesの方がずっとPOCOらしく感じてしまいましたもの。シマロンを除いてはすべてが「Legend」以降の後期POCOの曲。その中でアメリカン・ハードっぽい"Days Gone By"はオイラは好きな曲ですが、こういうのってホントはPOCOらしくないんでしょうね。 |
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ニュー・アルバムからは3曲。"Never Get
Enough"はベースのJack Sundrudがボーカルを取る曲ですが、彼の声がEaglesのDon
Henleyにクリソツでビックリ。 そういって聴くと曲調もなんかDonのソロっぽかったりして。ニュー・アルバムは相変わらず未購入ですが結構ライヴ栄えする気がしたね。 今日はこの3曲をビデオ取りしているとRustyは言ってたな。いつか見られる日がくるのだろうか? |
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タイトルソングの"Running Horse"でやっとこさRustyはスティール弾いてくれました。イントロ間違えてやり直しとカッチョ悪かったけれど、これぞPOCOって曲でとってもよかったですよ。 「Rustyよ原点に返って、スティールを弾きまくれ!」と言いたくなりました。そんな心が通じたか本編最後の"Heart Of The Night"ではペダルを気持ちよく奏でる姿がありました。 そしてアンコールは"Crazy Love"。 オーディエンスのシング・アウトもあり爽やかな最後でした。もちろんオイラも歌ってましたよ。 あ〜、終わっちゃったんだって感じですね。 |
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3組正味3時間30分のライヴは、あっという間でした。帰りのバスを捕まえなければならないので足早にその場を立ち去る。ハーバーを離れバスの通る大通りまで歩くにつれてクール・ダウンの効果をあげていく。待つこと20分、バスが近づくにつれて右手を上げている自分がそこにいた。 |
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