Not Friends

第1話 悪魔に乗った王子様

 押し固められた土の大地に砂塵が舞っている。
 乾いた土から少しだけ顔を出す雑草以外、命の色がない荒野。
 今でこそ風の音しか聞こえないが、先刻までは激しい音が鳴り響いていた。
 人に似せて造られた二足歩行兵器、『SP(steel puppet)』による、高エネルギーのぶつかり合いが行われていたのだ。
 この場を流れている少し乾いた空気がそれを証明している。
 繰り広げられていたのは二機のSPによる一騎打ち。
 決着はついている。
 一方のSPはほぼ無傷。もう一方のSPは、動力系の配線のほとんどを、SPの主力兵器であるプラズマによって撃ち抜かれている。
 もはや動くことはできないだろう。
 勝者側のSPは、翼のような形のバーニアが二枚ついており、全体もおそらく鳥をイメージしているだろうデザインで、色は濃い緑。
 敗者側は、全身が漆黒に染められており、騎士のようなフォルムをしている。随所に施されている、金色のラインアートが美しい。
 しかし今は多くの箇所が破損していたため、悪魔、もしくは堕天使のようにも見えた。
 両者ともしばらく動かない。もっとも敗者の方は動けないのだが。
 その光景は、悪魔の死体を、腹を空かせた鳥が今にもついばもうとしているかのように見える。
 まるで止まっていたように思える二機のうち、一機が動き出した。正しくはそのパイロットというべきか。
 鳥型SPのコクピットカバーが開き、パイロットが姿を現す。
 パイロットは若い女性であった。
 彼女の名はネイ。髪はダークブラウンのショートカット。スラリしたスリムな体型。どこの軍のものでもないパイロットスーツを身につけており、年齢は二十歳前後。
 耳にはスカウター付きマニュピュレータ(略してマニュと呼ばれる)を装着している。
 鋭い目つきと端正な顔立ち、そしてその格好から、全体的に中性的なイメージを持つ。そして、その鋭い目の中にある、深海のような深い青い瞳が印象的だった。
 ネイはマニュを操作してスカウター部分を閉じ、肉眼で黒いSPを凝視した。
(完全に死んでるみたいね)
 ネイは心の中でつぶやき、再びマニュを操作し始める。
 鳥型SPがゆっくりと跪き、ネイはコクピットから地面に向かい軽快に飛び降りた。
 本来のSPの降り方とは違っていたが、高さ約6メートルのSPが跪けば、コクピットと地面の距離は2メートルに満たない。飛び降りるのは造作もないことだ。
 地面に降り立ったネイは、腰に装備していた銃を抜き、黒いSPのコクピット部までゆっくりと歩み寄る。
 ネイは相手のパイロットの生死を確認しようとしていた。コクピット内のパイロットの生死だけは、SPのコクピットカバーを開いてみないとわからない。
 黒いSPのコクピット部分にたどり着いたネイは、外部から強制的にコクピットカバーを開く操作をする。
 コクピットカバーとその下のシャッターが開かれると、ネイはパイロットの存在を確認する前に銃を向けた。
 中にいたの見知らぬ青年。服装は帝国軍のパイロットスーツを着ている。彼はコクピットに座ったまま下を向いており、ネイが正面に立っているのにもかかわらず、何の反応も示さない。おそらく気絶しているか死んでいるのだろう。
 いや、油断させるための演技だという可能性もある。服装からして帝国軍のパイロット。こういう状況下での反撃方法なども、訓練されているかもしれない。ネイはそんなことも考慮して警戒を怠らない。
「死んでるの? あんた?」
 ネイは銃を向けたまま声をかける。青年はその声にも反応を示さなかった。
「死んでても答えなさい!!」
 ドカァッ!
 無茶な言葉と共にコクピットの壁に蹴りを入れる。
「う……」
 青年はその声と、蹴りによって起こった振動に、ビクリと反応してゆっくりと顔を上げ始めた。
 しかしある程度頭があげると、突然後頭部を押さえて、「痛っ……。」と小さく声を漏らす。どうやら先ほどの戦闘の衝撃で後頭部を強打したらしい。
 しかしネイはそんなことを気にもとめず声をかける。
「あんた何者よ? 何の理由があって私を襲ったの?」
「え?」
 青年はネイのその言葉によって、初めて目の前に立つ存在に気がつく。
「う、うわぁっ!?」
 自分が銃を向けられていることに気付いた青年は、あわてふためくようにして銃を抜こうと腰に手をかけた。

 その刹那。

 乾いた銃声がコクピット内部に反響するように響き、ネイの銃口から閃光が放たれた。
 放たれた閃光はまっすぐと進み、青年の額の中心に命中する。
 ガクリと項垂れ、そのまま動かなくなった。
「………………」
 動かなくなった青年を見たネイは、自分の行動に嫌悪感を抱く。
(相手が抵抗する素振りを見せた瞬間、反射的に確実に仕留められる頭を撃ってしまう……。
 まったく……)
 ネイは銃をしばらく見つめてから腰に戻した。



 人間という知的生命体が支配しているサガと呼ばれるこの星。
 戦い、争い、時には手を結び……。それぞれの場所の、それぞれの人間が起こす一つ一つの行動が歴史を紡いでいく。
 例えそれが、記録として残らなかったとしても……。
 現在帝国歴1年。
 帝国歴とは2年前に集結した戦争で、全世界を統一したロッシャル帝国が名付けた年号である。以前の年号は太陽暦、これは世界が正式に暦を定めたときから定められた年号だ。
 帝国歴1年を太陽暦になおすとすると2070年である。
 終戦から2年の月日が流れている今、人々はささやかな平和な時を過ごしていた。
 勿論その戦争によってつくられた傷は、そんな短い期間で消えるわけはない。今も人の体や心に残り、疼き続けている。
 そんな状況のサガの歴史がどう紡がれていくのか……。それは予言者でもない限りわからない。
 そしてこの星には予言者が存在しないのだから、サガの歴史の行く末は、時が流れることでしか明かされることがないのだろう。


 サガの北方に存在するロッシャル本国。基本的に冷帯のこの国だが、領土はサガの20分の1と莫大に大きいため、南方は温帯の地域となる。サガを征するロッシャル帝国の帝王が住む「カイザーズ」は、その地域の中央に存在していた。
 そのカイザーズの南方にしばらく進んだところにある大きな町、「サイズ」に、黄色系迷彩カラーの、特殊なシップが停泊していた。
 シップとは戦争時に使われたSPの搭載機能がある大型の母艦の名称。
 そのシップは、後ろにシップと同程度の大きさの車両を連結しており、大型のトレーラーのようだと言えなくもない。しかし、対空砲、機銃、ミサイルポットなどが装備されているので、戦闘用であることは明白だ。
 サイズは軍の基地がある訳でもないし、防衛が必要になるような重要拠点でもない。そんな場所に、兵器であるシップが停泊するなど、戦時中でなければ考えられないようなことかもしれないが、このサガではごく普通のことだ。
 ロッシャル帝国の法で、武装の制限のされることがないのだから。
 この事実は、ロッシャルが最強で揺るぎない帝国であることを誇示している。武装が自由だということは、いつでも反乱を起こせるということだ。
 それを覇者たるロッシャルがそれを許している。
 つまりそれは、例え反乱が起こり、戦争が再び始まっても、またロッシャルが勝利するというロッシャルの自信である。
 もちろん武装自由と言うことから、強盗などの事件は多い。もちろん警察も武装をしているが、武装した犯人が起こす事件が多くなってくると、警察でも手に負えない状況になる。
 そこで警察は、一般人に協力を要請するため、武装犯人グループの壊滅などに賞金を懸けることにした。
 そうすると当然現れる賞金を狙う者。彼らも武装をするだろう。
 もちろん犯罪の被害者である、銀行や企業なども非武装である訳はない。
 そんな理由からサガ全土は、多くの兵器がごく普通に存在するのだ。
 だからこのシップもその多くの一つでしかない。
 だがそれでもこのシップは特殊だといえた。このシップは、乗員が特殊といえる存在なのだ。


 ネイの鳥型SPは、黒いSPを引きずりながら荒野を走っていた。ネイの向かっている場所はサイズの町に停泊している特殊なシップ。彼女がその特殊といえる乗員の一人である。
 ネイはSPをひきずりつつ、走りにくい荒野を平地と同じようにスムーズに走っていた。SPの標準装備であるローラーフットと、鳥型SPの特徴である二枚の翼型バーニアを巧みにつかっているためだ。
 走行中、ネイはマニュを操作し通信機能を起動させる。そして短縮に入っているチャンネルに合わせると、応答がすぐに返ってきた。
「こちら、ネイ」
「ネイ? シリアよ」
 ネイの通信相手はシリアという人物であった。声からして若い女。このシリアもシップの乗員の一人だ。
「お土産があるんだけど」
「お土産?」
「返り討ちにしたSP。だからトレーラーのSP格納庫をきれいにしておいてくれない?」
 シリアがオウム返しに聞き返すと、ネイは答え、すぐに用件を伝える。
 ちなみにネイがトレーラーと表現したのは特殊なシップのことである。
 このシップの乗員は、このシップのことをトレーラーと呼んでいた。
「パイロットは?」
 説明不足ともいえるネイの言葉に対して、今度はシリアが質問を投げかける。
「……抵抗したから撃ったわ……」
「そう……」
 質問に対してのネイの答えは、さっきと同じように簡潔だったが、シリアはそれですべてを納得したように相づちをうった。
「そういうことだからよろしく」
「……了解」
 言葉の少ない通信はそこで終わる。2人は打ち合わせてもいないのに、ほとんど同時に通信を切っていた。


「あーら、すっごぉぉい!」
 妙に間延びした口調の若い女が、煎餅をかじりながら感嘆の声をあげる。
 歳はネイよりも少し上くらいで、目鼻がくっきりとした整った顔立ちをしている。さらにバサッとしている美しいブロンドのロングヘアーの彼女は、間違いなく美人と表現できる容姿だった。服装は、ジーンズを太股がむき出しになるほどカットしたショートパンツ。それにランニングシャツという露出度の高い服を着ている。スタイルの良さも手伝い、男ならば目のやり場に困ってしまうような服装だ。
 彼女は、大地の土のような深い茶色の瞳を見開いて、テレビのモニターを食い入るように見つめている。
 ここはトレーラーの中の一室。その部屋は綺麗に片づいており、女性らしく可愛らしい飾りつけがされている。
「ミルカ?
 大声なんて出してどうかしたの?」
「リン? ちょっと来てみなさいよ! すっごいのよぉ!」
 室内にいたロングヘアーの女、ミルカが部屋の外から聞こえてきた声の主、リンに少し興奮気味に返事をした。
「え? 何々? 
 入るよ? ミルカ」
 しばらくしてから機械的な音を立ててスライドするドア。トレーラーの部屋の出入り口はすべてこの型で、コンピュータで制御されている。
 ドアが開いてから遠慮がちに部屋に入ってきたのは、15歳前後のまだ少女と言われるくらいの女性。リンと呼ばれる少女は、長い黒髪を一本の三つ編みでまとめて、ポロシャツにスカートいう地味服装にエプロンをつけている。
 顔立ちは、ミルカと比べてしまうと、平凡で地味だが、少女らしい可愛らしさがあった。
 口調や物腰などからして、いかにもおとなしそうなイメージがする。しかし血の色のような赤い色の瞳は特徴的である。
「ほらほら見て見て! 賞金三億ディラ!!」
 ミルカは見ていたテレビを指さしながらリンにテレビを見るように促す。
「えぇ!?」
 リンは驚きの声を上げ、先ほどのミルカと同じように、テレビを食い入るようにして見始めた。
 ミルカとリンを惹きつけるその報道は、賞金三億ディラという破格の賞金のためか、何度も繰り返されている。
 その内容は、逃げ出したロッシャル帝国の王子、フェイルの影武者の逮捕、もしくはヒットというものだった。
 影武者はSPに乗って逃走していて、そのSPも破壊しても構わないとのことだ。
「三億ディラもあったら……私のモーリガンのオーバーホールをしても全然お釣りがくるわぁ……」
「三億ディラ……。新しい洗濯機も冷蔵庫も……。ううん、キッチンの改装だってできる!」
 リンとミルカは、恍惚とした表情で浮かべながら、三億ディラが手に入ったときのことを想像し始める。そしてその数秒後、二人は無言で顔を合わせると、お互いの意志が通じあったように頷き、一緒にどこかに向かって走り出した。


「このボロボロなのがお土産」
 特殊なシップ、彼女らのいうところのトレーラーにたどり着いたネイは、再びマニュの通信機能を起動させ、シリアと通信をする。
 通信の返事の代わりにトレーラーのSP用出入り口が開く。ネイは黒いSPを引きずったままトレーラーに入った。
「お土産は6番格納庫において」
 シリアの声が格納庫に響く。ネイはその言葉通りに6番格納庫に黒いSPを置いてから、自分のSPは1番格納庫に置き、SPを降りた。
 それを待っていたかのように、ネイの元にゆっくりと人影が近づいてくる。
 身長は百三十センチくらいで、どうみてもリンよりも若い少女。少し癖毛のセミロングの髪は、ネイより明るいブラウン。そしてその体格に似つかわしくない大きなサングラスをかけているのが特異な印象を受ける。服装はオイルのシミがたくさん付いている作業着。腰には工具をいくつか携帯している。
「あ、シリア。さっそく例のSPを見てくれない?」
 ネイはその人影がシリアだと認識すると、マニュを外しながら声をかける。
 シリアは何の反応も示さなかったが、6番格納庫に向かって歩き始めていた。ネイもそれに続く。
「設計思想からして帝国のSPね。こんな変な型は見たこと無いけど」
 6番格納庫のSPを品定めするようにじっくりと見てからシリアがつぶやくように言う。
 彼女の声は、少女のものとは思えないほど落ち着いており、感情のようなものが一切感じられない。
「中身をどうにかしてからじゃないと、細かく調べられないわ」
 シリアはSPのコクピット部に移動し、ネイに開けろと言う仕草をする。ネイはそれに従い、銃を手に持ってからコクピットを開く操作をした。
 コクピットカバーとシャッターが開く。中いる青年は項垂れたまま動かない。
「麻酔銃じゃなきゃ即死ね」
 シリアが青年の赤く腫れている額の中心部を見て言った。
 この言葉でわかるとおり、あの時青年が受けた閃光は麻酔銃より放たれたものだった。
 ネイの使った麻酔銃の閃光は、脳のあたりに命中すると、全身麻酔が強制的にかかってしまう効果があったのだ。
「そろそろ切れる」
 青年に麻酔がかかってから三十分。ネイの言うとおり、普通の健康的な青年ならばそろそろ切れる頃だ。
「う……、ううん……」
 ネイの声が意識を取り戻すきっかけになったのか、青年が軽くうめき声をあげる。ネイはそんな青年の頬を軽く2回叩いた。
 ゆっくりと開かれる青年の目。ネイは例のごとく青年に銃口を向けた。
 青年の目が半開きになり、顔がゆっくりとあがる。その青年は鮮やかな金髪と整った顔立ちを持つ、かなりの美男子だった。ネイとは比べものにならないくらいの、明るい青空のような青い瞳が、さらに青年の美しさを引き立てている。少し童顔であったが、体型などから見てネイよりは年上であろうことが推測できる。その青年の顔に、ネイもシリアもなぜだか見覚えがあった。
 青年の頭はまだはっきりと活動していないようだった。目を覚ましても、麻酔が完全に切れたわけではない。しばらくは頭に片手を添えてボーッとしていた。
「睡眠時間は充分とらせてあげてるはずだけど? さっさと起きなさいよ」
 そんな青年の様子にしびれを切らせたネイが、銃口をグイッと青年の頭に押しつけて言う。
「……あ……? あぁ!?」
 自分の頭に銃が突きつけられていることに気がついた青年は、慌てふためく。
「抵抗しようとしてもムダよ。武器は寝てるあいだに失敬させてもらっから」
 ネイは青年の持っていた銃を懐から取り出し、見せつけた。
「き、君はいったい何者なんですかっ!?」
 銃を突き付けられているためか、青年は少し震えた声で、それでも虚勢を張るように強い口調でネイに言葉を投げつける。
「それはこっちの台詞よ?」
 青年の虚勢にネイは少しも動じずに、冷静な言葉を返した。その言葉を受けて青年は黙り込んでしまう。
「……追っ手……じゃない?」
 しばらく考えて出した言葉がそれだった。
「追っ手?
 ……まさか勘違いでいきなり襲いかかった訳じゃないでしょうね?」
 ネイが青年を睨み付ける。
 先ほどの戦闘の発端は、この青年のSPがネイのSPにいきなり襲いかかったことにあった。
 ネイは訳も分からないまま応戦をしていたのだ。
「……型が帝国のSPだったもので……すいません」
 青年が深々と頭を下げて謝罪の言葉を述べる。
 ネイたちはその態度に拍子抜けしてしまった。青年の行動がまったく予測できないものだったからだ。
 こういう状況で、図星をつかれて素直に謝ってしまうなんて芸当は、普通はできない。
「……で? 結局あんたは何者なのよ?
 帝国型のSPに追われる覚えがあるってことは反乱分子か何か?」
 ネイの後ろから顔を出したシリアが、落ち着いた口調で青年に問いかける。シリアはずっとネイの後ろで何も言わずに立っていただけだったので、青年が彼女の存在に気がついたのは今だった。
 青年はそのいきなり出てきたシリアの存在に戸惑いを覚える。
 青年の認識の中で、シリアのような少女が、今のような口調で、今のようなことを質問してくるなんてことは到底考えられない。
 かけているサングラスの不相応さも相まって、彼女の存在が青年の思考を一時的に止めてしまう。
「いきなりケンカを売ったんだから、それぐらい答えてもいいんじゃないの?」
 ネイはそんな青年を正気に戻すため、銃口を額にグッと突きつけた。
「や、やめてください。そんなものを突きつけられながら答えろなんて……」
 額に感じた冷たい感触によって思考が戻った青年は、震える声で抗議の言葉を口にする。
「……答えます。ですから銃をしまってください。
 これは尋問と言うわけではないんでしょう?」
 スッと息を吸ってから青年は抗議を続ける。
 今度は震える声でなく、堂々とした声で、ネイの目を真っ直ぐと見据えていた。
 もう先ほどのように、銃に物怖じしていない。
「……これでいいの?」
 青年の目を見たネイは腰に銃をしまい、両手を広げて見せ、もう銃は持ってないというジェスチャーをする。
「ありがとうございます」
 笑顔で答える青年。
 その笑顔は、年齢に似つかわしくないほど、純真で屈託のない無邪気な笑顔だった。
 その笑顔にネイとシリアは少し困惑する。
「……僕の名前はフェイルと言います。
 ……フェイル・ロッシャル・カイザーズ。ロッシャル帝国の第1王位継承者です」
「……!?」
 笑顔のあとのその言葉も、ネイとシリアを困惑させるものだった。

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