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普段、用のないところなので良く知らなかったのだが、
なんと銀座のまん中にある黒い6階建ての立派なビルが、丸々ミキモト本店であった。
道路に面した壁面にモンロー展の案内とマリリンの真珠のネックレスをした写真があり、
入り口のちょうど上の二階の窓部分に、その写真を拡大して貼ってあった。
うほほー。早速、嬉しくなる。
ショーウィンドウから少し凹んだ入り口は、こんなことでもない限り、
通れそうもないくらい、高級感が溢れている…しかしこの日ばかりは、堂々と入っちゃうのだ。
右には宝石を見る女性たち、左には二人並んだ受付嬢、正面には警備員、
という空間を抜けて、案内の通り、6階のミキモトホールへエレベータでのぼる。
先に乗っていた店員らしき女性が年輩の女性に、
「世界的なコレクターの方が、英語で15分くらい解説なさいます。
もちろん、訳す者が横にいまして…そっくりさんがその後いらっしゃいます」
と説明していた。
おお、初日にしか会えないと思っていた、そのお二方に会えるのね〜!
と、思い掛けない事前情報でうきうきする。
着いた先には一目で見渡せるくらいの会議室くらいの大きさの空間があった。
それが、微妙に仕切られて、ドレスやガラスケースがいくつも見える。
マリリンの歌がバックに流れている。
すぐ右側に芳名帳と受付の方がいたので、早速名前と住所を書き込んだ。
(送られてくるのは宝石の案内だけかも知れないけど)
料金は?と思ったけれど、やはりモンロー購入の真珠のネックレスの復刻版の、
商品促進のためで、料金は無料なのだ。ありがたやありがたや。
まあ、そのせいか見ているのもやはり、顧客の方らしい年輩の女性がほとんどだった。
ちらほらと似つかわないおじいちゃんぽい人がいると、モンローファンだと、すぐ分かるな〜。
いや、私達もカジュアルすぎてすぐ分かるか。
一応、そこにいた受付の女性に「撮ってもしてもいいんですか?」と聞くと、
「貼ってある写真のパネル以外、ドレスや遺品は結構ですよ」と、
たけしさんの教えてくれた通りであった。
そしていざ、展示品へ!
まずは、今回のミキモトの目玉、当時のモンローの買い求めたネックレスと、
それを挟んで、復刻版の50万円のネックレス、100万円のネックレスが飾ってあった。
革製の箱も復刻しているのです。いや〜、もう、これこそ、見るだけか…
そして壁に沿ったガラスケースの並びは、マリリンのプライベートのバッグや靴、
襟巻きのファーや手袋等ががそれぞれに飾ってあった。
もちろん、それぞれにジーン・ロンドンさんの説明書きがついていて、
「マリリンの為にデザインされたもの」とか「プレゼントされたもの」等と書いてある。
ケースを覗いていくと、バッターボックスに立った時に履いていた靴、とか、
ディマジオとの結婚発表の時に付けていた白テンのピーターパン・カラー等の辺りは、
その写真も飾ってあって嬉しい。
映画ごとのボックスもあって、「七年目の浮気」のボックスには、
有名なあのドレスのデザイン画、デザイナーがつくったミニチュアのドレス(バービー用のみたい!)、
台本、ロケで撮影された時の写真等が入っていた。
「紳士は金髪がお好き」も「Diamonds Are A Girl's Best Friend」の衣装のデザイン画があって、
ピンクの長手袋とその時に付けていた大きなアクセサリーも飾ってあった。
この装飾品はとても貴重らしい!
それに、雑誌やマグネットやなんかの小物がまとめて入っているケースもあった。
その中に、前にぶりさんに見せてもらった「マリリンのベッドシーツの切れ端」もあって、びっくり!
ぶりさんは「当時、あやしげな雑貨屋で買ったからバッタもん〜」っていってたけど、
これ、本物なのかも? それともこういうグッズも出たということだけなのかな?
クラーク・ゲーブル直筆サイン入りの写真や、レーガンとのショットも入ってたぞ。
また別に、マリリン直筆のプライベートの手紙もあった。
間近でボールペンで凹んだ紙の感じなどを見ると、
ああ、本当にマリリンがここに手を置いて、ペンを走らせたんだなあ…、
なんて思いを巡らすこともできたりして。
ドレスはケースにはいっていなくて、嬉しい!
プライベートのワンピースだけでも4着マネキンで飾ってある。
季節柄のせいなのかな? ワンピースは3着が長袖だし、
ファーの襟巻きの展示が多いよね。
そして、服もバック等も黒と白のシックな組み合わせが多い。
(ワンピースも3着が黒、もう一着も白だ)
マリリンの好みで作られたものは、本当にセンス良くて素敵だ。
着た所を見たいな、なんて、つい考えちゃうよね。
映画の衣装の方は、水着も入れると10着もある!
さすが世界的コレクターの方の持ち物だ!とびっくり感嘆するばかり。
衣装は「ノーマ・ジーンとマリリン」の映画用のものあって、
入り口近くに置いてあった、大統領誕生パーティでのドレス、
中央にあった「七年目の浮気」での有名なホルダードレス、
「バスストップ」の踊子の衣装は、新しい物だった。
それにしても並ぶと実に晴れやかで、知っている衣装ばかりだ。
「紳士は金髪がお好き」の赤いスパンコールの衣装(これはミラ・ソルヴィーノも着た)、
ピンクの「Diamonds Are 〜」の衣装(これはマドンナもプロモの中で着た)、
「バスストップ」のバスに乗っている時の衣装、
「七年目の浮気」の最初に登場する時の水玉衣装は、他の映画用に青く染められてた。
「荒馬と女」のさくらんぼ柄のワンピース。
「王子と踊り子」のドレス(これは「ハリウッド・ビューティーズ展」の時よりも美品)。
それに、金色のマントのついたとても実用的じゃない水着と、
同じく金ラメの、あの有名な深い胸元カットのドレス!
(あ、これも新しい映画用かな…?)
これは想像していたより、柔らかくて厚そうな素材で作られていて、
あのくっきりついていたプリーツの跡が、随分とれた感じがした。
そして表面がけば立っていて、う〜ん、これは着る時ごわごわするのかな、
なんて想像してしまった。
最後の方のケースに、マリリンのモノクロ写真が何枚か散らばせて、
その一番上に、どアップの写真が載っていた。
少し下から覗いた感じのマリリンの顔。
うぶ毛やシワまでハッキリ見える、ごまかしのない写真だ。
説明には「マリリンの顎と鼻の整形の跡が見える。
肌にもホルモン剤のクリームも塗られていた云々」と書かれていた。
ファンになりたての頃は、こんなマリリンの顔を見ると、ショックを受けていた気がする。
でも、今はこんな生々しい感じのマリリンも愛おしく感じたりする。
そんな意味も含めて、展示してあるのかな…なんて思った。
そして、ひと回りしたちょうど入り口前の壁の裏には、
なんと、マリリンの書いたという絵が飾ってあった!
黄色とも黄緑ともいえない淡い色で、さらさらと丸みのある線で描かれた感じの絵。
自分自身のヌードを描いた絵だそうで、サインはMarilyn Monroe Millerだった。
マリリンはきっと、絵や文を別に飾ることなくよく書いていたのかなあ…
パステルでお気に入りの写真を飾ったという文も読んだことがある。
一通り、ここまで見たところで、ジーン・ロンドンさんの説明が始まった。
とても背の高い方で、にこにことした物腰の柔らかい方だ。
「オハヨーゴザイマス(ここだけ日本語)私はモンローのエキスパートです…」
小さな携帯マイクを、横に立つ通訳の男の人と交替で渡しあいながら、説明をしてくれた。
赤いハイヒールの所(バットを持った写真の所)では、
「マリリンはジョー・ディマジオと会った時に、彼を野球選手だと知りませんでした。
『あなた、スポーツは何をやっているの?』『野球だよ』『あら、どこのポジションなの?』と、
聞いていたりしたんですよ。
『私は女優なの』『女優は嫌いだ』と言われると『私は野球なんて嫌いだわ』と答えたそうです」
なんて、エピソードを話してくれた。
衣装の所では金色の衣装のところで、「この胸元カットはとても深い。
「紳士は金髪がお好き」の赤いスパンコールの衣装(監督に15ポンド落とせと言われた!)
よりも深くて、さらにあちらでは胸部分にネットをしてあるのに、こっちはしてません。
マリリンはそのカットから胸の谷間ではなく、少年の胸のように平らな感じを見せたくて、
胸を外側に向けるように作ったんですよ。
映画では五秒くらいしか出ないドレスですが、今日は後ろも見る事が出来ますよ」
と、一回転くるりと回してくれたりもした。
絵の所では「マリリンの描いた絵でこれだけで、この絵はとても貴重なものです。
ストレッチをしている自分を描いたものですね。
金額にしたら、1億円は下りません」とおっしゃっていた。
うはー。確かに、マリリンの絵は初めて見ました。
そして最後に受付奥の方に腕を差し伸べて、ジーンさんが呼んだのは
「Marilyn Monroe!」
ボードの後ろから大きな白い毛皮に身を包んだ、マリリンが現れた!
うわさのそっくりさんだ〜!
その姿と表情はあのミルトン・グリーンの写真集の表紙の、
白い毛皮に「はふっ」って埋もれている感じそのままだった。
迎える人たちは30〜40人程いたと思うけどほとんど「え?」という感じで、
拍手や歓声みたいなものは、少なくて、パラパラ。
私は一生懸命拍手したんだけど、もっとみんなで「きゃ〜!!」って、
迎えてあげたい感じだった。
にこにこ〜って、こちらに近付いてきて、毛皮をハラリ、と取ると、
(毛皮はジーンさんが受け取っていた)
「七年目の浮気」の白いホルダードレスを着ていた。
きゃ〜、白くてなんて柔らかそうな肌!
バストもボリュームがあって、実際のマリリンみたいにウエストがキュッて感じではないけど、
全身からキュートで柔らかくて、会った人を幸せにしてくれる雰囲気が漂ってた。
まず目前にいたご夫妻に「アリガトウゴザイマス〜」とおっしゃっていたので、
ネックレスを買った方なのかもしれない。
そして囲んでいた端の人の方から順に握手をして、
「How are you today?」と笑顔で声をかけていらっしゃる。
私の隣にいたおばあちゃん、て感じの方には、たけしさんもやってもらったという、
お鼻に「ムシムシ〜!」とやっていた。
もー、すっごく可愛い〜!
そして私の前に来て、にこっと、握手。
きゃ〜、なんて柔らかくって暖かい手なの!
なんにも言葉が浮かばなくって「び、びゅーてぃふるぅ〜!」とやっと言った。
まあ、って感じで「Thank you very much」って微笑んでくれた。
決して急がずにゆっくりと動いて、会場にいらっしゃる方の中をふわふわと動いてました。
こ、これは一緒に写真を…!
会場の人に頼んで、うあと彼女を挟んで自分のカメラで撮ってもらった。
なんだかコーフンして、顔も火照って、私はアンパンマンさながらである。
ああ、これで思い残すことはない…とエレベータに向かいつつも、
会場を見守るように微笑んでいるジーンさんと、
最後に写真を撮らせてもらいたくなって、お願いした。
快く承諾してくれて、またうあと二人で彼を挟んだ写真を撮った。
「I hope enjoy」と言葉をかけて頂いて、大きな手で握手してもらった。
実際にお会いするのは、本当に最初で最後の方かもしれない。
貴重なコレクションを、遠い日本までありがとうございますう〜!
こんな風にまとめて公開してくださるのも、世界的コレクターの方だからこそ…
キャプションも型通りではない感じで、嬉しかったし。
彼は本当にマリリンに対してはエキスパートで、
比べたらファンになりたての私とは天地ほども違う存在の方なのですが、
「マリリンを好き」という所で遠いとはいえ、同一線上にいらっしゃる。
そんな方の持っていらっしゃる品々を見ることが出来て、本当に嬉しかった。
ジーン・ロンドンさん、マリリンのそっくりさん、
(あんまりそっくりさんとばかり言うのも申し訳ないのですが)
ミキモトさん、ありがとうございました〜!!
このマリリン展での写真はTAKAKOさんのページで詳細をたくさんみることが出来ます。
とても素敵にまとめてありますので、ぜひ訪ねて見てください(^^)