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表参道のハナエ・モリビル、ザ・スペースで開催されている
「ハリウッド・ビューティーズ」に行ってきた。
ファッション振興財団主催の、ハリウッド映画で女優達が実際に着た衣装を展示する映画衣装展だ。
前に駅張りポスターでちらりと見て、「あ、マリリンの服もある!?」と気に掛けていたものの、
なかなか場所や詳しい事を調べないまま、今日まで来てしまった。
ハナエ・モリビル、と8月の何日かまで、だけ覚えていたので、今日一人で出かけてみた。
着いてみると、無事開催中。しかも来週までだった。ああ、よかった!
ポスターには、タイタニック、オードリーの「マイ・フェア・レディ」などあり、
右端にマリリンの「お熱いのがお好き」の衣装の写真があった。
お尻にハートの透けるところがある、あのセクシーキュートな衣装です♪
ルンルンとおしゃれなファッションビルの5階に登り、チケットを買って入る。
浮かれて、チケットのおつりを貰いそこねるところだった(笑)
入っている人は見事に女性ばかりだ。
もちろん、ファッションに興味のありそうな方も多そうだけれど、
映画好きで実際の衣装に興味のあるの女性連れが多いみたいだ。
映画の紹介がいくつかされた先の空間に、衣装が柵もガラスもなく置いてあった!
きっと回り込んでいろいろな角度から衣装を見れるようにだと思う。
とにかく触れないまでも、目の前まで顔を近づけて見れるのが嬉しい。
しかし、最初にマリリンの衣装が飾ってあったのだけれど、
なんと、マリリンの「お熱いのがお好き」の衣装だけはへこんだ空間に柵付きだった。
スパンコールが効果的に使われた、ぴったりしたあの衣装。
色はすっかりベージュになり、所々に染みも見える。
ああ、でもその辺が、本当にマリリンがこれを着ていたんだ〜!
という感じがして、実感が沸いてくる。
でも真正面を向いているので、どうやっても、お尻が見れない。
うろちょろ覗いてみるが、しばらくしてあきらめる。
横にはあの映画中着っぱなしだった「王子と踊り子」の衣装と、
「恋をしましょう」のホルタートップのピンクが下に行くほど濃くなるロングドレスがあった。
マリリンだけで3着も! 嬉しいなあ〜。
しかもこっちは後ろまで回り込んで見ることができるのです。
「恋をしましょう」の方はまだ随分きれいで、今でもすぐに着て踊り出せそうな、
ふわりと柔らかく、下に行くほどピンクの濃くなる美しいロングドレス。
「王子と踊り子」の方は「お熱いのがお好き」のと同じく、年代を感じさせられた。
でも、小さく付いていた真珠(?)の飾りも見事に残っている!
説明によると、映画中はとにかくアクセサリーが変わるだけで同じ衣装のため、
同じ衣装が3着作られたのだそう。
その内のこの1着が不思議なほど状態が良く、個人のコレクターの方が保存していたのだそうだ。
これも、ちょっとした染みがあったり、ほつれもあるけれど、
「着ていたんだなあ…」としみじみしてしまう。
何より、横にファスナーとホックが見えるのですよ!
ファスナーは昔らしく、目の荒い銀色のもの。
そしてホックはそれを隠すように沿って、ちょっとはじけ飛び加減で並んでる。
ああ、マリリンが着たときには、このファスナーをぎゅ〜っとあげて、
ヒップのボリュームを服の中に押し込んでたんだなーと想像してしまう。
マリリンがこの衣装を身に纏っていたんだなあ…しみじみ。
同じときに一緒に見ている方達が、
「すごいプロポーション!」「細いよ〜」「背も高いね!」
などと感嘆しているのを聞きながら「そうだろそうだろ」とほくそ笑んでいた私(おいおい)
でも、マリリンの衣装はマネキンが着ていると、
一様に胸とヒップが余っているのでした。ウエストはそのままなのに!
マリリン用のマネキンを作って欲しいなあ、という贅沢な願いも生まれてしまいました。
他にも、エリザベス・テイラーやビビアン・リーの衣装、
(「風と共に去りぬ」の衣装は豪華!)
オードリーの「マイ・フェア・レディ」は今回復元されたものだそうで、
今さっき映画から抜け出たようだった。
(本物は盗まれているのです! 映画中の他の2着も盗まれて、
コレクターの間でこそこそ取り交わされているらしい)
新しいところでグウィネス・パルトロウの「エマ」「恋に落ちたシェイクスピア」、
ニコール・キッドマンの「ある貴婦人の肖像」、
ケイト・ウィンスレットの「タイタニック」「いつか晴れた日に」「ハムレット」、
マドンナの「エビータ」が並んでいた。
さすがに「タイタニック」「エビータ」辺りは衣装も多く、あでやかで美しく保存されている。
映画で見るとさらっと見てしまうのだけれど、この辺の衣装は以外と細かい柄が入ってますね〜。
質感も映画のイメージと実際ので結構違って「どこの衣装!?」と悩んでしまったりして(笑)
それに比べると、昔の映画の衣装の方が印象に残るくらい大切に使われて場合が多いのかも。
さて、もう一度、未練でマリリンの衣装をちょろちょろと見回っていましたが、
「ここで見れなかったら、一生見れない!」と係の方に声を掛けさせてもらった。
「すいません、一歩だけ踏み込んで、お尻の柄見させてください!」
「は…、い、一歩だけ…でも」と困った様子だけれど、
すぐ横の衣装のところまで来てもらってしまった。
そして、一歩、いや二歩位進んで、ぱっ!とだけ覗き込んだ。
あった! 赤いビーズに囲まれたハートの形が〜! 思ったより大きい!
それだけ瞬間的に確認して、すぐに戻った。
「すいません! ありがとうございました!」
優しそうな係の方は「なんだこいつ?」というようなという笑顔を向けてくれた。
本当にすいません、無理いって…
もう思い残すことはない、と、さっさとその場を去らせていただきました。
とにかく、期待以上に感激してしまった。
やはりマリリンが着て動いていた映像が残っている物達の存在感はすごいのだ。