「そういうのはお断りしているんで」

「いえ、怪しいとか勧誘じゃなくて・・・ああ・・・」

何時ぞやとの同じやり取りで断られちゃう。
はあ、やっぱりドコでも風当たりは一緒なのね・・・

しばらく前に運が良いのか悪いのか微妙な所だけど・・・
ある有名なボクサーからカップルのアンケートが取れてバタバタしちゃったけど、
見ての通り、また外で募集しているんだけど成果が・・・(汗
今回、当選(こっちが勝手にランダムで決めるんだけど)は桜坂市で、今いる所は駅前プロムナード。
場所が悪いわけじゃないのよ。
人は多いし賑やかなんだけど、一向に相手にされないの(泣
午後からも頑張ってはいるんだけど・・・ね。
ハア・・・
今日もカスかしら・・・

ええい、今日はこのまま諦めちゃえ!
それに楽しみにしていた事もあるの。
少し離れているけど、クレープの美味しいお店があるのよ!
やっぱり、いくつになっても女は甘いものが好きだもの。
ちゃっちゃっと片付けてレッツゴー!!
そこのキミ!
これはサボリじゃないのよ!
『偶然的』に早く終わったからちょっと寄り道するだ・け(ハート

 

ここがそうね・・・
中々オシャレじゃない。
雰囲気もいいし、募集もココですればよかったかしら?
でも、下手したら営業妨害になるかも。
やっぱり女の子が多くて、男の子にはちょっと来にくいわね。

グルッと見回すと・・・私は見つけた。
あるグループに引き付けられた・・・
7人の女の子に男の子が1人。
けど、それが単なる集まりじゃないと女の勘が訴える!
この機会を逃さないわ!!
仕事を切り上げたのに・・・
ウン、私って職場の鏡!!

「すみませーん!
少し良いですか?」

「んが?」

「「「「「「「はい?」」」」」」」

 


2002 BasiL 『それは舞い散る桜のように』

「突撃レポーター! 悠が行く!!」
 (いつまでも貴方のそばに・・・編)


 

「あの雑誌ですか!
いつも読んでいます!!」

「あっ、私も!
特にそのコーナーには勉強させてもらってます!!」

簡単な自己紹介と趣旨を説明すると、彼女達も礼儀というか信用してくれたのか名前を教えてくれたわ。
片方の髪をリボンで止めている雪村小町ちゃん(『雪村』の名字に反応したのは内緒)と、
チョコンと髪がはねているちょっと胸の小さい子(希望はまだあるわよ!)の芹沢かぐらちゃんが反応してくれた。
よかった・・・
ここで全員『知りません』と言われたら、あらゆる意味でショックだもの。

「?
ゾンミは知ってるの?」

「うん、知ってるよ。
私も最近読み始めたばかりだけどね・・・」

それでも緑髪のショートカットにちょっと吊り目の女の子・八重樫つばさちゃんは全く知らないご様子。
そんな彼女に黒髪をポニーにしている女の子・星崎希望ちゃんが説明してくれている。
そしてもう一人、ピンクの髪にショートカットでリボンをしている子・森青葉ちゃんも一緒に聞いているわ。
これで3対2。
残りの理知的な眼鏡をつけている子・結城ひかるちゃんと、
このメンバーのは不似合いな猫のリュックがとても似合っている小さな子・里見こだまちゃんに目を移す。
それにしても里見ちゃん・・・
その年齢(見た目からの判断だから正確な年齢はわからないけど)でその胸は反則。
高校を卒業する頃にはどんなスタイルになるのよ!

「私、そんな雑誌は読まないから知らないわ」

「え、えっと・・・ごめんなさい」

・・・これで3対4。
最後に微かな望みを賭けてハグハグとクレープを食べている男の子・桜井舞人君を見ると・・・

「知らん!!」

胸を張ってキッパリ言ってくれたわ。
編集長、減棒になってもかまいませんから殴っていいですか、この男の子?(怒

結局3対5という敗北を背負いながら、
皆さんに改めて出版社から雑誌まで説明して本題に戻す。

「・・・というわけで、カップルのアンケートにご協力をお願いしたいんです」

「キャー!
聞いた聞いた、舞人君!!
カップルだって!!」

「ぷしゃげるなよ、星崎。
いいか?
ハードボイルド系で海が似合う男・この桜井舞人!
たかが女一人で繋ぎ止められると思うな!
オレを屈したければ・・・」

「一人じゃ不満なんだ?
それなら何人なら満足するの?」

「・・・・・・」(固まっている

照れているのか恥ずかしがっているのか(どう見ても嬉しそうにしか見えないけど)わからない星崎ちゃんと、
独自のテンションで我が道を進む桜井君に無感情な声でツッこむ八重樫ちゃん。

「え、えっと・・・」(汗

そんなやり取りに正直着いていけないというか・・・
何にどういうリアクションをすればいいのか困っていると・・・

「あれは放って置いてください。
いつもの事ですから」

「そ、そうなの?」

「舞人君ったら・・・」

結城ちゃんが助け舟というか、駄目ダシした(汗
いや、芹沢ちゃん?
そこは微笑む所じゃないと思うんだけ・・・(汗
オ、オリジナリティがある子ね(汗

「そ、それで、アンケートの件なんだけど・・・」

しかし、ここは大人の意地を絞り出して本題に戻す。
ここでこぎつけないと、桜井君に振り回されて日がくれそう。

「ちゃんとプライバシー・・・名前も伏せますし、
喫茶店・シャルルマーニュの割引券をあげるわ!」

今回のプレゼント品はここじゃ有名なお店の割引券!
地元だからって良く行くはずよね!!

「あれ?
確か八重樫先輩って、そこでアルバイトしていませんでした?」

「え?」(汗

森ちゃんの一言は私の唯一の武器を破壊されてしまった・・・

「・・・ホント?」

恐る恐る八重樫ちゃんに確認すると、コクッと頷く。
も、盲点だったわ!
こういう返し方があるなんて!!

「でも、私はやってみたいなぁ・・・
かぐらちゃんと青葉ちゃんは?」

先ほど以上に敗北感が襲う私に、
天の助け、雪村ちゃんがノッて来てくれた

「えへへ、実は私も興味があったの」

「ですよねぇ、女の子なら・・・
いえ、ここは是非やるべきです!!」

森ちゃんと芹沢さんも賛成してくれたわ。
ここは一気に押し倒しちゃえ!

「星崎さん達もどう?
ここは騙されたと思って試してみない?」

「でも・・・
私達はちょっと複雑な関係で、はっきりと付き合っているとは・・・」

・・・里見ちゃんに言われなくてもわかっていた。
ここにいる女の子全員が桜井君の事が好きなんだってね。
そして、彼もそれを認めている。

「いいのよ、別に。
そんな傍目から見た他人の考えより、大切なのは本人達でしょ?
貴方達が彼を想っていて付き合っている。
桜井君も理解していて一緒にいる、とても大切にしている。
そうでしょ?」

「・・・ああ」

桜井君も私の眼を見てしっかりと頷く。

「なら、貴方達は立派なカップルよ。
大丈夫、私はお似合いだと言えるわよ。
そして誰一人も欠けちゃいけないって思えるもの」

ちょっと真面目くさかったかしら?
今更ながら照れくさくなってきたわ(恥

「宮下さん・・・」

「はい?」

星崎さんに呼ばれ振り向くと、
何故か右手の手のひらを上にして私に向けていた。

「アンケート、受けさせてもらいます」

「い、いいの?」

「はい」

突然の承諾に思わず確信するけど、
彼女だけじゃなくて他の皆も賛成の様子。

「私達はこういう仲になってからそういう風に言われたのって、初めてなんです。
とても嬉しかったです。
だから、ぜひ受けたいんです」

雪村さん・・・
皆さん・・・

「・・・それじゃ、お願いします」

私以外にも貴方達の仲を認める人は沢山いるわ。
気づかないだけよ。
そんなことを思いながらアンケート用紙を皆さんに配る。

「でも・・・」

「何ですか?」

配り終った後に、結城ちゃんが桜井君を見て一言。

「アイツがまともな回答なんて期待するだけ無駄よ」

あっ、それもそうかも(笑

 

ようやくアンケートの回答が始まり、約10分後・・・

 

「はい、お疲れ様でした」

「うむ、よきに計らえ」

最後に桜井君から用紙を回収して終了。
ちなみに割引券は一応渡したわよ。

「どうします?
希望があるならコピーしますが・・・」

「いいえ。
その分、その雑誌の発売されるのを楽しみにしています」

自信たっぷりな様子の結城さん。

「あら?
残念ながら必ず乗るとは限りませんよ?」

だからちょっとしたイジワルな質問をしてあげる。

「こんな特ダネ、没なわけないじゃない」

ジャーナリストとしての私にとって、ピンポイントな攻撃だわ。
やるわね(ドコが?

「あー!
もうこんな時間だよ!!」

森ちゃんが時計を見て大声を上げる。
ちなみに今の時間は5時過ぎ。

「タイムセールが始まってます!
早く行きましょう!!」

いきなりリアル(スケールは小さいけど)な問題を言いながら、皆さんを急かす。
それにしても、主婦的な発言ね(汗

「よし!
今度こそ玉子を買い漁って食うんだ!!」

玉子に変な思い出があるのか、
桜井君はそんな掛け声と共に走っていく。

「ま、待ってよ、舞人君!!
し、失礼します!!」

忙しいのにわざわざ私に頭を下げてから追いかける星崎さん。
それからつられる様に皆さんも追いかける。

「いくわよ、こだま!」

「わ、待ってよー、ひかりー」

「そんなに急がなくても・・・」

「甘いですよ、八重樫先輩!
主婦達の修羅場を甘く見ては生き残れませんよ」

「そうだよ、てやんでえ、だよ!!」

「青葉ちゃん・・・」

あっという間に見えなくなっていく・・・
嵐のように去っていく様子に思うことはただ一つ。

「カップル名・・・聞くの忘れた」(汗

 

 

ここでようやく最初の目的であったクレープを購入し、
さっそく用紙に目を通す。
ご丁寧に右上に名前まで書いてくれている。
これも私を信用してくれたと自惚れてもいいのかしら?
正直、人数が多いしどれが誰かなんて分からないから助かったわ。
桜井君のはおそらく珍回答だから後回しにして、
彼女達の方を先にね。

 

Q1:相手とは年上?年下?

里見こだま:一つ年上ですけど、初対面の人は信じてくれません

結城ひかる:一年、年上

星崎希望:同い年の同級生です!

八重樫つばさ:同級生。ちなみにクラスメイト

雪村小町:一つ年下です。でも、同じアパートに住んじゃってます!

森青葉:2つ年下でお隣さん。

芹沢かぐら:年下なんです。しかも2つも!

 

えーとー(汗
色々と言いたい事があるんだけど・・・
小町ちゃんや青葉ちゃんもそうなんだけど、一番言いたいのは・・・
こだまちゃん!
貴女、年上だったの!?
その容姿じゃ誰だって・・・ねぇ
下手したらかぐらちゃん達より下よ?
世の中って、あらゆる意味で理不尽よね。

 

Q2:恋人になる前のお互いの関係は?

里見こだま:先輩後輩・・・というより、同じ部の友達

結城ひかる:部の部長と下っ端

星崎希望:幼馴染兼クラスメイトで親友

八重樫つばさ:中学からのマブ

雪村小町:幼馴染といいますか、先輩後輩と言いますか・・・

森青葉:お隣に住む優しいおにいちゃん

芹沢かぐら:幼馴染(一日しか知り合っていませんが)兼尊敬する人

 

これだけいれば回答も千差万別も当たり前。
でも、幼馴染も結構いるのね・・・
というより、かぐらちゃん?
舞人君のドコを尊敬しているの?
お姉さんに教えてほしいわ。

 

Q3:どちらが告白しましたか?

里見こだま:えっと・・・内緒(恥

結城ひかる:私から

星崎希望:一応、私

八重樫つばさ:アイツは鈍感だからね、私から

雪村小町:私です!でも、中々信じてくれませんでした

森青葉:あの・・・私

芹沢かぐら:私からですよ!でも、その前からのアプローチは意味がありませんでした。

 

ほんっ・・・・・・(貯めている)とうに鈍感ね、舞人君は!!
挙句に彼女達のほうから告白させるなんてもってのほか!!
今度会ったら、そこの辺りを叩き込まなくちゃね!!

 

Q4:相手の性格は?

里見こだま:突拍子な事もするけど、意外と本を書く方のタイプ

結城ひかる:バカ

星崎希望:鈍感!!

八重樫つばさ:からかい易い

雪村小町:色々言っているけど、ちゃんと見守ってくれる優しい人

森青葉:とっても頼りになるおにいちゃん。

芹沢かぐら:子供のような無邪気な性格。

 

あー(汗
どう言えばいいのかしらね・・・
なおさら分からなくなったわ、私。
まあ、彼のアンケート用紙を見れば少しは分かるはず。
と言うわけで保留。

 

Q5:お2人の出会いは?

里見こだま:学園の図書室。背が届かなくて困っていたら取ってくれた(でも一年生と間違えるなんて酷いと思いません?)

結城ひかる:クレープ屋の前で親友にセクハラしようとしたのをぶん殴った時

星崎希望:クレープ屋さんの前で彼を見つけて、近づいたら抱きつかれました。
      後日に彼の親友に押された事故だって言っていました。

八重樫つばさ:中学時代に友人から話しを聞いて、連れて来てもらったわ

雪村小町:小さい頃に公園でポツンとしていた私をかくれんぼに誘われました。

森青葉:おにいちゃんがお隣に引越しの挨拶の時に。
     『引っ越し蕎麦』じゃなくて『引っ越しスパゲティ』はおもしろかったなぁ

芹沢かぐら:数年前に公園で泣いていた私に声をかけてきてくれた時

 

色んなエピソードがあるのねぇ。
でも、あまりにふざけた出会いと優しい出会いにギャップに、
『本当に同一人物?』と聞きたいわ(汗
それでも彼女達が好きになった『彼』は全部ひっくるめて『彼』なんでしょうね。

 

Q6:相手にやめてほしい癖や行動は?

里見こだま:子ども扱いしないで!

結城ひかる:『姐さん』と呼ばないで、お願いだから

星崎希望:もう少し女の子の気持ちを理解してほしい

八重樫つばさ:甲斐性なし

雪村小町:せんぱいは今のままでいいです!

森青葉:もうちょっと朝早く起きてしてほしいぁ

芹沢かぐら:乙女の悩みを無自覚に刺さないでください

 

こだまちゃん、それは無理だわ。
胸の件がなければ小学生でも通じるかも・・・
ガンバ!!

 

Q7:では逆に好きなところは?

里見こだま:想像力が溢れているとこ

結城ひかる:子供っぽい所ね

星崎希望:私達を大切にしてくれる

八重樫つばさ:付き合いやすさ?

雪村小町:全部です、全てです!!

森青葉:ご飯を食べてもらっている時の笑顔かな

芹沢かぐら:彼が彼らしいところ

 

口ではどういっても皆、彼に骨抜きねぇ。
つばさちゃんは照れ隠しがあるようね。
もう少し正直にならないと取られちゃうわよ。

 

Q8:初めて行ったデート先は?

『『『『『『『皆と一緒に行った遊園地』』』』』』』

 

予想はしていたけど、皆一緒なのね。
逆にバラバラで行っていたら舞人君の財布の中身がもたないからね。
彼女達に振り回される彼が目に浮かぶわ。

 

Q9:では、一番印象深いデート場所は?

里見こだま:さくら通りです。
        付き合う前だからデートとは言えないですけど、初めて彼からプレゼントを貰いました

結城ひかる:デートじゃないけど、駅前プロムナード。
       近くで子供が躓いて泣いていたけど、彼がぶっきらぼうに助けている場面を見た

星崎希望:秘密の場所だよ。
      一番思い出深い場所ですから

八重樫つばさ:カラオケ。
         皆で罰ゲーム付きで白熱の勝負で盛り上がったわ

雪村小町:バクロワルドです。
      一途に想っていたら、たまにすごい偶然を呼んでくれますよね!

森青葉:商店街だね。
     おにいちゃんと一緒に買い物に行くと、新婚さん気分になっちゃうの

芹沢かぐら:公園です。
       嬉しい事と悲しい事を一緒にある場所ですから

 

場所はデートでも行っているけど、
その理由は付き合う前のもあるのね。
でもね、舞人君?
もっと彼女達に楽しい思い出を作ってあげなさいよ。

 

Q10:自分がヤキモチをやくときはどんな時

里見こだま:綺麗な人に目がいった時に、思わず彼を抓っちゃう。

結城ひかる:彼と良い雰囲気になった時にバカな行動をとる時(思わずグーで殴ったわ)

星崎希望:ノ、ノーコメント(汗

八重樫つばさ:デートの時間より、ゲームを優先された

雪村小町:せんぱいを信じていますから、そんな事はしません。

森青葉:他の女の子の料理を褒めちゃったら

芹沢かぐら:自分より胸のある人の話しをしている時。
       本人は自覚はないですが、やっぱり胸があるほうがいいのかなと冷や汗ものです

 

甲斐性なし!!
コイツ・・・
やっぱり今度会ったら、きっちり説教してあげなくちゃね(怒
デリカシーゼロ!!

 

Q:11キスは付き合ってからいつ頃に?

ALL:『・・・まだしていません』

 

・・・・・・
ウソッ!?
何で、どうして!?
あれだけ良い仲に雰囲気なのに?
絶対すませていると思っていたわ。
・・・説教追加(激怒

 

Q12:お互いのご両親に面会済みですか?

里見こだま:いいえ。彼の実家は近くじゃありませんから

結城ひかる:まだね。今度連れて行ってもらおうかしら

星崎希望:小さい頃に。向こうも私の事を覚えてくれていました

八重樫つばさ:会ってないわ。話しに聞く所、彼とソックリらしいけど

雪村小町:会ってますよ。優しい人で尊敬しちゃいます

森青葉:ないの。一度会ってみたいです。

芹沢かぐら:残念ながら。でも、電話でお話しはしました。

 

舞人君の実家は桜坂市じゃないんだ。
でも、この子達と縁があるわね。
それにしても、『この子にしてこの親あり』っぽいけど想像出来ないわね。
どっちの親に似ているのかしら?
親子の会話は・・・頭痛くなりそう(汗

 

Q13:デートの待ち合わせの時間になっても相手は着ません。
   あなたはどうしますか?

里見こだま:許す許さないは関係なく、待ち続けると思います

結城ひかる:遅刻なんて最低なマナー違反よ。少しでも遅れたら取り合えず殴る

星崎希望:やっぱり、待つんじゃないかな。
      もちろん連絡をとりますけどね

八重樫つばさ:メールで呼びつける

雪村小町:雨が降ろうが雪が降ろうが槍が降ろうが、ずっと待ちます

森青葉:ソワソワしちゃうけど、動かないと思う

芹沢かぐら:あの人はそういう約束は守りますから、いくらでも待ちます。

 

うんうん、良い子達ね、あなた達。
ひかるちゃんもつばさちゃんもどう言っても、待つでしょうね。
今頃いないわよ、こんな一途な子。

 

Q14:相手に嘘はつけますか?

里見こだま:すぐにわかっちゃうのでいいません

結城ひかる:からかう程度なら・・・ぐらいね

星崎希望:少し・・・

八重樫つばさ:当然

雪村小町:せんぱいに嘘なんて言えません

森青葉:ううん、おにいちゃんに隠す事なんてないもん

芹沢かぐら:誤魔化すくらいには(汗

 

大小あるけど、やっぱりあるわね。
そんな中小町ちゃんと青葉ちゃんは否定している。
そこまで彼を信じているのはいいけど、
もし冗談半分でスリーサイズなんて聞いてきたらどうするのかしら?

 

Q15:相手を動物に例えると?

里見こだま:モグラ。色々意表をついてきますから

結城ひかる:なまけもの。アイツは楽しむ事には手間暇をかけないけど、それ以外には面倒臭がりだからね。

星崎希望:気まぐれな猫

八重樫つばさ:・・・猿

雪村小町:自由な鳥

森青葉:ワンちゃん。美味しそうにご飯を食べてくれるから

芹沢かぐら:ライオン。カッコいいですから!!

 

見事に一人一人の回答が違うわね。
かぐらちゃんの意見を除いて(恋は妄信ね)、他の人は彼の性格がわかるかしら?
無理ね(即答
というより、私は希望ちゃんに賛成ね。
あんな気まぐれというか掴み所のない人なんて、会ったことはないわ。

 

Q16:最後の質問です。
    相手とは婚約又は結婚する気はありますか?

ALL:あります!

 

もう何も言わないわ。
予想がついていたし、あれで別れるなんて考えられない。
アッ・・・
何故か数年後、ウエディングドレスを着た彼女達と引きつった顔の彼が浮かんだわ。
しっかりね、未来の新婚さん!!
法律云々は無視してね。

 

 

さてさて、お次は舞人君の方を・・・

Q1:相手とは年上?年下?

このニヒルでハードボイルド、海が似合う男・桜井舞人にそんなもの関係ない!
来るもの拒まず、去るもの逃がさず!
ストライクゾーンは広いぜ!!
オレに近づくと火傷するぜ、子猫ちゃん?
そして・・・

以下、検討につき省略

 

・・・もういいわ(ため息
これじゃ、次もこんなのばかりでしょうね。
仕事だから目を通さないといけないけど、これは載せることはできないでしょうね。
しっかり、文の中に本人の名前まで書いてるし・・・(汗
考えなしに書いたのね。
今日は見るのはやめましょう・・・

 

さて、クレープも食べた事だし本社に戻ろうかしら・・・
クレープを巻いていた紙をポイッとゴミ箱(皆もちゃんとゴミはゴミ箱に捨てようね)に投げ捨て、
駅に向かう。

 

 

「お疲れ様ですー。
宮下、戻りましたー」

『お疲れー』

いつもどおりのやり取りをしながら、席に戻る。

「お疲れ様、悠さん」

「詩織先輩もお疲れ様でした」

詩織先輩も別件の取材で外に出ているはずなのに、
いつも私より戻ってくるのが早い。
サボっているのではなく、彼女は要領がよくてペースが速いだけ。
その才能、羨ましいです。
今日も先輩が入れてくれたコーヒーを貰い、一口啜ると・・・

「おーい、宮下!!
戻ってきたら、ちょっと来い!!」

編集長においでおいでされてしまい、
優雅に湯気を出すコーヒーにサヨナラを告げる。

「何ですか、編集長?
あっ、その前にこれが今日の成果です」

本題に入る前に、今日の収穫(アンケート用紙)を編集長の机に置く。
実は雪之丞君の件の時に、この編集長は明らかに自分よりも上司に圧力をかける事が出来る、
ちょっと摩訶不思議な人なのだ。

「お疲れさん。
話しだが、まずこれを見てくれ」

「はい・・・」

差し出されたハガキサイズの用紙・・・いや、ウチの雑誌のアンケート兼感想ハガキを受け取り、目を通す。
始めに雑誌の5段階評価に続き、
最後に意見や感想・私が担当しているアンケートの場所のリクエストを募集の欄を読む。

『私は桜坂市にある学園に通っているのですが、
ある男子生徒が下級生・同級生・上級生の女子、計7人誑かしているんです。
これは是非、そちらで調べてみては?
きっと、面白いネタになりますよ』

女の子向けの雑誌なのに、明らかな男の執筆とわかる文字に感じる疑問も押しのけるほど、
さらなる不安が生まれる。
大丈夫、大丈夫。
場所もその組み合わせも似ているけど、関係ないわ(汗
ないわよね?
けど、その淡い希望も次の文で消えてしまう。

『女子の名前は言えませんが、男子生徒の名前は桜井舞人と言います。
ぜひともお願いします』

・・・・・・
現実に眼を背けながら、黙って編集長にハガキを返す。

「読んだとおり、中々面白い情報でな。
これはアンケートのみならず、色々と話しが聞きたい。
今回の場所も桜坂市だろ?
何が何でも見つけて接触してほしい」

ああ、舞人君・・・
貴方は私が思っていた以上に有名で、男子生徒の嫉妬をかっているのね。

「宮下?
どうした?」

今回も無言で差し出したばかりのアンケート用紙のある部分を指差す。

「ん?
この用紙がどうし・・・は?」

編集長もその部分を見て、思わず変な声が出てる。
提出した用紙の右上に『桜井舞人』とはっきりと書いてあるのだから。

「まさか・・・」

「ちなみに今日は一組しか取れませんでした」

慌ててファイルから用紙を取り出す編集長。
上の用紙を抜けば、残りは7枚。
うわー、すごいぐうぜん(棒読み

「何でオマエは先に仕入れてくるんだ!!
しかもアンケート以上に価値があるものだけ!!
前回と言い、喧嘩売ってるのか!!」

「私に言われても分かりませんよ!
それに言われる前に取材できたんですから、むしろ褒めてくださいよ!!」

あまりの理不尽(編集長の言い分と私の運の両方)に、私もさすがに言い返すわよ!!
でも、編集長はお構いなしにマイウェイを突き進む(困

「いいか!!
今から戻って、掴まえて来い!」

「い、今からですか!?
もう仕事は終わりですよ!?
それに今から戻っても会えるわけないじゃいですか!!」

「そんな事関係あるか!!
掴まえるまで戻って来なくていいからな!!」

「そんな!!
無茶苦茶ですよ!!」

「無茶でも何でもいい!!
行って来い!!」

り、理不尽だわ(泣
それでも逆らうわけにはいかず、桜坂市に戻るしかない。
仕事を早めに切り上げて、クレープを食べたバチが当たったのかしら・・・

それから、いくら探しても彼女達に会う事が出来なかった。
もちろん住所は調べれば判るけど、それはやってはいけない。
信用を裏切る事になるからね。
こんな一生で一度(いいえ、2度起こったわね)の出来事に出会った自分を恨むわ・・・

 


最後にカップル名は『one boy and girl's』
単純だけど、これしか思いつかなかったわ。
ちなみに、舞人君の回答は一つも載せなかった(載せられないわよ、あんな回答!!)

 

 

な、何とか問題も収まり、次に私が飛んだ場所は・・・

 

 

『幸せは手の中に』編へ続く

 


続いて『いつまでも貴方のそばに・・・』編です。
疲れました(マジで
さすがにSS3つ(さらにラングさん専用SS3つ)も書くと、気力を使い果たしました。
回答にやはり7つは難しく・・・というよりも、思い浮かばなくて苦労しました。
元々書くペースは遅いのに、これだけで3日掛かりましたよ・・・。
ラングさんの掲示板で宣言した事に後悔しましたね。
待っていただいた皆様(いるのか?)遅くなってすみません。
このまま『CLANNAD−クラナド−』に取り掛かります。
こちらは書く意欲はあるのですが、もしかしたらもう1プレイするかもしれません。
その為、こちらも気長にお待ちください。