「よし、そこにするか。
悪かったな、間部」

何よ、雪之丞ったら!
わたしの意見をあっさり却下したのに、由希の意見は聞いちゃって!
(鉄平・達也の意見も却下されたことは忘れている)
これは何かお仕置きが必要ね・・・

「いいえ。
楽しんできてくださいね」

楽しむ・・・?

これよ!
何で今まで考えなかったのかしら。
あの堅物男・雪之丞がデートよ!
しかも遊園地!!
これを見逃して何を見ろというのよ!!

「にししし・・・」(邪笑)

いいこと、雪之丞。
これは覗きじゃなくて、暖かく見守ってあげようという友情から来るものだからね。

 

昼食を食べ終わって教室に戻る時、由希達に放課後集まるように伝えた。
(もちろん、雪之丞には内緒で)
その放課後にこの計画を話すと、鉄平・達也は乗り気だったけど・・・
案の定、由希は反対した。
でも、元々由希も少し好奇心を持っているのに気付いていたから、そこを攻めたら参加させる事に成功(ブイ)
・・・出来たら、晶子ちゃん側の協力者がほしい所ね。
仕方がない、あのバカ男(勝)にも話すか・・・

次の日に晶子ちゃんに電話をかけて(今日は雪之丞がかけてるから)、
少しばかり遊園地でのデートについてアドバイスをしてあげて、あの男に替わってもらった。
計画を話すと予想通り乗ってきたわ。
ここまで来たら一蓮托生!
楽しみにしてるからね、雪之丞!
精一杯、わたし達を楽しませなさいよ!!

 

そして、日曜日・・・

 


2002 elf 『あしたの雪之丞&勝 あしたの雪之丞2』

「幸せなる日々」
 (第4話おまけ・それ行け、春日独立愚連隊&その他1名!)


 

わたし達は計画通り、先に遊園地に先回り。
久保勝は雪之丞達が出発すると連絡し、違う道でダッシュで先にわたし達と合流。
今は、全員そろって2人が来るのを待っている。

「・・・ねえ、せりなちゃん」

「何よ、由希?
何時来るかわからないんだから、目を離しちゃ駄目よ」

少し引きつった声の由希に注意しながら振り返る。

「ご、ごめん・・・
でね、そのサングラスは何かなって・・・」(汗

「これ?」

今、私が付けていたサングラスを外して由希の目の前に突きつける。

「何って、変装に決まってるでしょ。
いい、由希?
雪之丞達に見つかるわけにはいかないでしょ?
だから、顔を隠しているんじゃない。
それに、美人なわたしを狙うナンパにも注意しなくちゃいけない。
わかる?」

「な、何とか・・・」(汗

サングラスは変装の基本よ。

「おいおい、自分で言うか?」

「まあ、そこがせりなだな」

「そうそう、その自信ぶりがね」

聞こえているわよ、そこの男3人衆。

 

それから、5分後・・・

 

「来たわ!」

少し遠いけど、雪之丞は目立つから(悪い意味じゃないわよ)すぐにわかる。
2人とも隠れているわたし達に気付かずに通り過ぎていき、その後ろを追う。

「どうやら、どこに行くか決めているみたいだな」

久保勝がわざわざ言わなくても地図を広げて止まっていたら、誰だってわかるわよ。

「なあ、せりな。
あいつら、どれに乗ると思う?」

「そうねぇ・・・」

取り合えずお化け屋敷と観覧車は進めたけど、どれも初めから乗るものじゃないし・・・

「ねえ、アンタはどう思うの?」

ここは昔から2人を知っているこの男に聞いてみよう。

「おいおい、アンタはないだろ?
これでも、お前達より年上だぞ」

「同じ学年なら意味ないわよ。
いいから、どうなの?」

戯言をバッサリ切り捨てる。

「はあ・・・
俺が思うに、コーヒーカップだな」

へえ、意外ね。

「ま、初めだからな。
それにメリーゴーランド辺りは乗る歳でもないし、絶叫系はまだ早い・・・
晶子がそれほど好きじゃないし。
後は、ミラーハウスなどの『見る』だけというのもつまらないだろ?」

「・・・納得」

やっぱり、こいつは雪之丞と晶子ちゃんの事をよくわかって・・・・ううん、理解している。

「せりな、こっちに来た!」

「えっ!?」

達也の慌てた声で呼びかけられる。
ま、まずい!

「ぜ、全員、隠れて!!」

 

・・・・・・

 

「あ、焦ったわ・・・」

「さ、さすがにな・・・」

何とかバレずに後を追いながら、今の心境を口に出す。

「雪之丞も勘がいいからな・・・
気を付けろよ」

「・・・了解」

今言わないで、前もって言いなさいよ!

「おっ・・・
見ろよ、せりな。
言っていた通り、あいつらコーヒーカップに乗ったぞ」

「・・・さすが久保勝。
よくわかっていらっしゃる」

「おう!
アイツらの事でわからない事はないぞ」

雪之丞を本当に理解している事に少し羨ましく思いながら、乗り込む2人を見る。

 

 

~コーヒーカップ~

「おいおい・・・」

鉄平の呆れた声が聞こえるけど、わたし達は反応を返さない。

「ねえ、せりなちゃん。
あれ、どれぐらい回っているのかしら?」(汗

「わからないけど、異常なくらいと言っておくわ」(汗

他のコーヒーカップに乗っている人も居るけど、雪之丞達が乗っているものが、
もの凄いスピードでそれはもうグルグルと回転している。

「普通、あれほど回したら絶対酔うな」

「いや、もしかしたら気絶してもおかしくないぜ」

あれはわたしでもツライわね。

「問題は雪村君が勝手に回しているか、晶子さんが希望したか・・・」

達也の言う通り、問題はそこね。
離れているからわからないけど(あれなら近づいても気付かれないと思うけど) 、
どうも雪之丞の方が辛そうに見えるのは見間違い?

「おそらく晶子だな。
なかなか酔う事はないからな。
そういうのは強い」

だ、大丈夫なの、アイツ・・・(汗

「と、取り合えず、雪之丞が無事で生還してくる事を願いましょう」

心の中で十字を切る。
・・・ここで、ダウンして帰ったら追いかけた意味がないじゃない!
男なら根性見せなさいよ、雪之丞!!

 

「さすがにダウンだな」

「そうですね・・・」

「でも、帰る様子はない見たいだから一安心ね」

案の定、雪之丞はダウン。
ベンチの上でグロッキー状態ね。
でも・・・

「大衆の中で膝枕か・・・
やるな、雪村君」

「というより、そこまで気にする余裕もないのでは・・・」(汗

そう、膝枕よ!
雪之丞も人が見ているところで、そういう甘いシチュエーションは苦手だからね。
逆に、晶子ちゃんはそういうのに憧れているから・・・
辛いところね・・・

「見ろ、春日。
あいつ、ようやく立ち直ったぞ」

「へえ、思ったより復活が早かったわね」

ベンチから立ち上がって次に行くようね。
でもね、雪之丞。
そんなフラフラでどこに行くのよ?
まあ、すぐに治ると思うけど・・・
どうやら、初めからかなり体力を消耗したみたいね。
さてさて、次は何を選ぶのかしら?

 

 

~ミニコースター~

「また、とんでもないものを選んだわね」

「そうか?」

「たかが、ミニコースターじゃないか」

甘いわよ、あんた達。

「いいこと。
確かに、高さ・スピード・時間はジェットコースターの方が上よ」

「? なら・・・」

「話は最後まで聞きんしゃい」

鉄平の言葉を止めさせ、話を続ける。
久保勝は言いたいことが分かっているのか、ウンウン頷いている。

「それじゃあ、聞くけど・・・
鉄平、簡単に2つの違いは何?」

「そりゃあ、乗れる人数とコース、スピード・・・だな」

「その通り、ジェットコースターは長い分曲がる時は斜めになっているけど・・・」

ちょうど、雪之丞が乗るゴンドラ(?)が曲がっている(2人の悲鳴付きで)

「あ・・・」

由希は気付いたみたいね。

「あの通り、ほとんど直角に曲がるわ。
それに、小さい分遠心力もあって結構な力がかかるのよ」

「「おおっ」」

やっとわかったようね。

「コースも短い分、詰め込んでいるから上下も激しいのよ」

「それじゃあ、雪村君達・・・」

「今度は晶子もダウンで、あいつは再起不能かもな」

あ・・・
また、2人の悲鳴が聞こえた・・・

 

「今度は2人揃ってベンチにダウンだな」

「でも、座るだけで済んでいるけど雪之丞もかなり疲れているはずね」

2人共、俯いて体調を整えているみたいね。

「でもよ、何でこう・・・
意外なものばかり選ぶんだ?」

「さあ・・・」

まあ、いいじゃない。
楽しそうだからね・・・

「次はどこに行くんでしょうか?」

由希もその意外性がおもしろいのか、結構楽んでいる。

「次は大人しめで・・・
乗り物じゃないだろう・・・」

「そうね、わたしもそう思うわ・・・」

でも、ここまで意外な所ばかりなんだから次も期待しちゃうわ。

 

 

~アイスランド~

意外って言ったら意外なんだけど・・・(汗

「・・・寒いわね」

「・・・寒いな」

「・・・ああ、寒い」

確かに見るだけよ。
でもね・・・
ここはないでしょ、アンタ達・・・

「何で、こんな所選んだのよ・・・」

「・・・晶子はペンギンが好きだからな」

「・・・ニセモノだぞ」

由希はさすがに辛そうだから表で待ってもらった。
でも、1人じゃあ心配だから達也も置いてきた。
こんな場合でも、気が利くわ・た・し。

「『雪村雪之丞』っていうから、寒さに強いと思ってたのに・・・」

「さすがに名前は関係ないだろ、せりな」

「だって、ユキユキよ」

「春日、意味がわからんぞ」

まあ、それは置いといてっと・・・
さすがに我慢できないのか早歩きで進む前2人。
ペンギンの模型なんて気にもせずに・・・
だけど・・・

「? 晶子が止まった・・・」

「どうしたんだ、あまりの寒さで固まったか?」

男達はわからないみたいだけど、わたしはわかる。
というより気付くでしょ、普通。

「あ、晶子・・・」

晶子ちゃんが雪之丞の耳を引っ張って、近づけて何か言った後に走っていく。
・・・雪之丞は置いたままで。

「おいおい、置いていったぞ・・・」

「というより、なんで雪之丞は追いかけないんだ?」

はあー、この鈍感どもめ。

「はいはい。
後で話してあげるから、さっさと出るわよ」

雪之丞も出たから、こんな所にいるつもりはないわ。

 

「何だ、要するにトイレか」

「つまらない理由だな」

「男に取ったらそんなでも、女の子にとっては恥ずかしくて中々言えないわよ。
ねえ、由希?」

「う、うん・・・」

あ・・・
由希に話を振るのは失敗だったわね。
赤くなってる。

「で、鈍感男があそこにもう1人」

晶子ちゃんに怒られているユキユキ。
当然の報いよ。

「どうして、こう・・・
男はデリカシーに欠けるのかしら」

「お前が言うか、春日」

「うっさい!」

コイツに言われたらお終いね・・・

 

 

~昼食~

「ラブラブねぇー」

「さすが、晶子。
ここでもそういうのは外さないか」

あれから、雪之丞達は3つほど回って昼食。
わたし達も持参してきたおにぎり(大量に)を食べながら、様子を見る。

「だがよ・・・
雪之丞のヤツ、顔が引きつってないか?」

「鉄平。
雪村君は前からそうじゃないか」

「そうですね」

そうよね・・・
あいつもいい加減諦めたらいいのに。

「へ、それイタダキ!!」

「ああーー!!
何するのよ、バカ男!!」

くっ、油断したわ。

「いいか、春日。
メシの時は文字通り『弱肉強食』!!
隙を見せたら負けだぜ!!」

そう・・・
あんた、ケンカ売ってんだ・・・

「・・・その挑戦受けた!!」

それからしばらくわたしと久保勝と死闘を繰り広げていた。
しばらくすると・・・

「ねえ、せりなちゃん・・・」

「黙ってて、由希。
こいつとは決着を付けなくちゃいけないのよ」

・・・この後、雪之丞達をそっちのけでおにぎりがなくなるまで続く。
不毛な戦いだったわ。

 

 

~お化け屋敷~

「おい、春日・・・
晶子にここを勧めたというのは本当か?」

「もちよ。
遊園地と言ったらここは外せないっしょ。
ほら、晶子ちゃんも雪之丞に甘えられるじゃない」

やっぱり、わたしの考えは間違うはずはないのよ。

「それにしても、せりな。
こう暗くては見にくいぜ」

確かに鉄平の言う通りなんだけど・・・
まあ、それは覚悟の上だし。
ちなみに由希は今回も不参加。
達也も同様、置いてきた。

「そろそろ限界だな」

「今、なんか言った・・・」

久保勝がボソッと小さい声が聞こえて、聞き返そうとすると・・・

 

「きゃあああああああ!!」

「ぐあっ」

 

晶子ちゃんの悲鳴が全てを遮る。
こ、これは利いたわ・・・(汗

「おーおー・・・
ついに限界を超えたか」

鉄平も今の悲鳴でダウン。
けど、この男は前もって耳をふさいでいた。
予想していたの?

「げ、限界?」

「ああ。
お前みたいに精神が図太くないからな。
晶子に甘える余裕なぞあるはずがない」

そ、そうだった・・・(汗

「出たくても、あいつらが前だからな。
追い抜く事も出来ん。
ここは諦めて、雪之丞の苦しみを味わおう」

「そ、そんな・・・」

ごめん、雪之丞・・・
予想外だわ・・・

 

「きゃああああああああああああああ!!」

「ぐおっ」

勘弁して・・・(泣

 

「落ち着いたか?」

「・・・うん」

あれからさすがに気になっちゃって、ベンチに座っている2人のすぐ後ろに近づく。
(後ろは草むらだから隠れる事はできるのよ)
もちろん、1人だけで(多いとバレる可能性が高いしね)

「それほど怖いなら、なぜこんなものを選んだ?」

あ・・・
ま、まずいかも・・・

「・・・だって、遊園地でデートと言ったら『お化け屋敷』と『観覧車』は外せないって聞いたから」

正直ね、晶子ちゃん・・・
それが良いところだけど、今はその正直さが憎いわ・・・(泣

「誰から聞いた、誰に?」

言わないでくれると嬉しいんだけど・・・(汗

「・・・せりなさん」

オー、マイガ!!
やっぱり、言っちゃうわけね・・・(泣

「ん?」

ヤバ!
雪之丞ったら、突然こっち(雪之丞にとっては後ろ)に振り向く!

慌ててその場から離れたけど、気付かれなかったみたいね。
バカ男が言った通り、勘がいいんだから・・・

 

 

~観覧車~

「せりなちゃん・・・
双眼鏡まで用意してたの・・・」(汗

「もちろんよ。
晶子ちゃんには観覧車に乗るように言ったから、用意は万全よ」

でも、一つしか持ってきていないからもちろんわたしが独り占め。
ちなみに、もう片手にはお菓子を持っている。

「どうだ、春日・・・
変化があったか?」

「うーーん・・・
特にないわね、今の所」

だから、そんな暑苦しい顔を近づけないでよ!

「なあ、達也。
せりなのヤツ、何がそこまでさせるかわかるか?」

「わかるはずがないだろ?
強いて言えば、面白そうだからじゃないか」

うるさい!
鉄平・達也、後で覚えていなさいよ!

「あっ!
動いた!!」

晶子ちゃんが雪之丞の隣りに座って、抱きついた!!
よし!!
そのままいけ!!

「か、春日、俺にも見せろ!!」

「うっさい!!
あんたは、そのあるかどうかわからない眼で見んしゃい!!」

いい所なんだから、邪魔しないで!!
と言っている間に、お互いに眼を閉じて近づいて・・・

「あれ?」

や、止めちゃった・・・
な、なんで・・・
そこまで盛り上げて何でやめるのよ!!

「せりなちゃん?」

「ど、どうなった!?」

由希の声で気を持ち直した途端、お預け状態になっている久保勝が突っかかってくる。

「いや・・・
もう少しでキスしようとしたんだけど、やめちゃって・・・」

「何!?
お前そんなモノ見ようとしたのか!!
俺ですら見たことないのに!!」

「だから、結局やらなかったって言ってるでしょ!!」

はあー
もう少しだったのに・・・

「おい、せりな!!
アイツら、出た途端走り出したぞ!!」

何!?

「全員、追いかけるわよ!!
見失うわけにいかないんだから!!」

・・・キスする前、一瞬、雪之丞がこっちを見たような。

 

 

~出入り口~

結局、見失ってしまい捜したけど見つからず、閉会近い時間になったから帰る事になったわ。

「もうー! あんたが遅いから見失ったじゃない!」

イカシン、イカシン、怒り心頭!!
元はこいつが悪いのよ!!
案外、足が遅いから出遅れたわ!!

「何だと! お前だって雪之丞達を見失うまで菓子なぞ食っていたじゃないか!」

だって、勿体無いじゃない!

「まあまあ、せりなちゃん、久保さん」

由希・・・
落ち着かせてくれるのは嬉しいけど、こいつとは決着を・・・
もういい、疲れた・・・

「しっかし、いい所まで行ったのに勿体無かったぜ」

「そうだな。 雪村君のあんな所なんて見る機会なんてないからね」

そうよね・・・
何で止めちゃったのかしら?

「はあー・・・。
ま、いいか。 学園で思いっきり冷やかしてやる」

「あははは・・・」

いやー、明日が楽しみね。
どこから、冷やかしてやろうかしら・・・(嬉

「おい」

後ろから男の声がわたしを呼び止める。
・・・どこかで聞いたような声ね。
まあ、気のせいでしょ。

「何よ、うるさいわね。
ナンパならよそでしなさいよ」

こっちは雪之丞を逃がして機嫌が悪いんだから。
ナンパは他所でしなさいよ。

「おい」

何よ、こいつ。
肩まで掴んできて!
なんてタチの悪いヤツなの!!

「しつこいわね!
ナンパしてる暇があったら勉強でもしていなさい・・・」

コイツにはガツンと言って・・・

「勉強か・・・
お前には似合わないな」

「ゆ、雪之丞ーーー!!?」

な、何で、雪之丞がいるの!?
い、いや、いるのは当たり前なんだけど・・・
どうして、後ろから声をかけてくるのよ!?

「し、晶子・・・」

「こんばんは、お兄ちゃん」

アイツも晶子ちゃんにタジタジしているわ(汗

「い、いやー・・・
奇遇ね、雪之丞。
こんな所で会うなんて・・・」

ここは、是が非でも誤魔化さなくては!!

「一体、何時から後を追っていた?」

「あう・・・」

全部、お見通しなのね・・・(泣

 

結局、全てを話すしかなく綺麗さっぱり話したわ・・・

「晶子、始末は任せる」

「うん、任せて」

あ、あの・・・
晶子ちゃん?
その笑顔がなぜかとても怖いのですが・・・(汗
晶子ちゃんが鹿島学園に来た時に似ているのは気のせい?

 

 

あれから、晶子ちゃんにお仕置きされました・・・
鉄平・達也は雪之丞に2週間奢らされたらしい。
由希は計画を止めようとした事と借し(遊園地と言う意見を提供した事)があるから、無罪。
久保勝はなぜか教えてくれなかったわ・・・
会ったら青い顔してたから聞くに聞けなかったという事もあるけど・・・(汗

 

それでわたしは・・・

「ふにゃー・・・
わかんないよー」

「頑張れ、春日」

「せ、せりなちゃん。
頑張って・・・」

『今度のテストや課題に誰も手を貸りない』と約束されました(泣

「ねえ、雪之丞・・・
もう、許してよー」

今も課題をやっているけど全く進まないわ。
いつも由希に教えてもらうから、わたし1人では出来る可能性は薄い。
由希は自分が何もないのが悪く思って、一緒に待ってくれているのよ。

「断る(即答
テストまで日にちを晶子に教えてあるからな。
どうしても教えてほしかったら、直接晶子に言え。
今の時間なら帰っているだろ」

そうでしょうね、授業が終ってから3時間たっているんだから・・・

「それが無理だからアンタに頼んでいるんでしょう・・・」

あの時の晶子ちゃんの怖さは2度と忘れないわ・・・(汗
でも、前に久保勝も晶子ちゃんからお仕置きを受けた時に、
雪之丞に助けを求めたと聞いたから、ユキユキに頼むしかないわよ。

「俺から晶子に止めてやるつもりはない。
あきらめて考えろ。
まだ、先は長いぞ」

「ふぇーーーん・・・」(泣

誰か、ヘルプミー!!!

 

 

第5話へ続く

 


どうも、siroです。
本当に遅くなってすみません。
このSSで1ヵ月以上空いたのは初めてですね・・・
こちらも1月は忙しくてなかなか・・・
そこで、2月はSS強化期間にしたいと考えています。
一週間に一つラングさんに投稿したいと思いますので、見捨てないでください。
さて、言い訳はこれくらいで・・・
この第5話はsarenaさんのご意見で『晶子を大事に思う雪之丞の心理などを』を受け、意識して書きました。
・・・でも、もう少し雪之丞の思いを書けばいいかなと後で思いました(汗
これは今後の課題として、次回に再チャレンジします。
そして、おまけですが・・・
こちらはせりな視点です。
元々、せりな視点で書きたいと思っていたので丁度良く書けました。
同じ話しでは面白みがないと思いおまけのおまけ(?)で+αを追加しました。
これからも続けていきますので、よろしくお願いします。
ラングさん、sarenaさん、ご感想ありがとうございます。
sarenaさん、ご感想の返事が遅くなってしまい申し訳ありません。