「久保にも新しい友人が出来たのか?」
「うん」
土曜日の夜、今回はわたしがゆっくんのアパートに泊まりに来ています。
今は、晩ご飯の後のお茶を飲みながらお話しです。
実は昨日、風邪を引いて1日中寝込んでいました。
本当はゆっくんのアパートどころか出歩くのは控えた方がいいんですけど、
それならなおさら甘えてばかりじゃなくて、自分でゆっくんの所まで行きたかったから・・・
・・・でも、ゆっくんは『そんな時に意地を張るな、素直に甘えろ』と言ってくれました。
嬉しかった・・・
というわけで、ゆっくんと大人しくしています。
「あいつはあの性格だが友人は少ないからな」
「ふふ・・・そうだね」
それはそうだと思います。
特に付き合いにくいというわけじゃないんだけど・・・
「クラスメートか?」
「そうだよ」
「なら、俺と同級生か?」
「当たり前だよ。
お兄ちゃん以外に留年した先輩はいないよ」
意識不明になったことやリハビリで出席日数か足りなくなって、留年しちゃったお兄ちゃん。
今年の4月からもう一度3年生に戻ってやっと学園に復帰しました。
お兄ちゃんは『面倒くさい』と言っていたけど、それなりに楽しんでいます。
つらいと言えば朝起きることかな?
実はお兄ちゃんを起こす役目はお母さんと完全にバトンタッチしました。
言い始めはお母さんで(わたしじゃないよ)、
最初はお兄ちゃんも『鼻の細胞が死ぬ』とか『朝から気分がダークゾーンだ』と抵抗。
でも、お母さんの『晶子も兄離れしたのに、あんたもいいかげん妹離れしたら?』のひと言で承諾。
お兄ちゃんには悪いと思うけど、毎朝ゆっくんを起こしてあげています。
・・・お兄ちゃんの部屋から叫び声や大きな音も毎朝あるけど(汗
「それで、そのクラスメートはどういう奴らだ?」
「それはね・・・」
それから皆さんのことをゆっくんに話します。
何事にも無関心に見えるけど、お兄ちゃんと意気投合している水島 あきらさん・・・
(お兄ちゃんは反対しそうだね)
落ち着いた性格で喘息持ちだけど、あきらさんの親友の桜瀬 由美子さん・・・
(由希さんによく似ています)
見かけは少し怖いけど、おもしろくてお兄ちゃんと一番の仲の鷲淵 権造さん・・・
(・・・イーグルはいらないよね)
出会った時のことをゆっくりと・・・
2002 elf 『あしたの雪之丞&勝 あしたの雪之丞2』
「幸せなる日々」
(第1話・新しいお兄ちゃんのお友達)
―水島 あきらの出会い―
この日は珍しく、ゆっくりとお兄ちゃんとおしゃべりをしながら登校。
会話の内容は『どうしてお兄ちゃんに彼女ができないんだろ?』というもの。
髪は染めちゃったけど、顔もスタイルも性格だって悪くないのに・・・(もちろんゆっくんが一番だよ)
その事を言うとお兄ちゃんは黙ってしまいました。
機嫌が悪くなったとかじゃなくて考えごとしているようです。
チラっとわたしを見ると少し引きつった顔になりました(何考えてたんだろ?)
そういえば・・・
前に付き合ってた感じのいい人・・・『三枝』さんはどうなんだろ?
その事を聞くと、顔を近づけて『そのことは禁句だ』と言って黙っちゃいました。
さすがに悪かったと思い、謝って違う話をしようとすると・・・
「・・・へ〜え、久保勝にも、ロマンスがあったんだ」
と声の方に向くと、学園の制服を着た女の人が立っていました。
「――ゲッ!」
お兄ちゃんが驚いて(嫌な顔してたけど)いたけど、お互いに自己紹介しました。
―水島あきらさん。
お兄ちゃんのクラスメートで、少し前の居残りの時に話したそうです。
少し口の悪いお兄ちゃんの言葉にも気にしている様子がありません。
それどころか・・・
「・・・あなたも大変ね。こんなお兄さん持って」
・・・無視しちゃってます(汗
どう答えていいかわからなくて困ったけど、大変なのは本当なので頷いちゃいました。
それからわたしをそっちのけで、お兄ちゃん達が言い合いみたいにお話ししています。
性格も違うけど、どこかゆっくんとせりなさんの会話を思い出します。
・・・ゆっくん。
少しゆっくんが恋しくなっちゃったけど、お兄ちゃんのセクハラ発言をしようとして・・・
ギュウ!
思いっきりツネりました。
そのままあきらさんも一緒に登校して、いつもの場所の廊下で別れました。
「それじゃ、あきらさん。
失礼します」
「あ〜、それじゃね」
軽く頭を下げて自分の教室に向かいます。
・・・何か忘れているような・・・
・・・何だろ?
実はお兄ちゃんのお弁当を渡すのを忘れていたのに気付いたのは、
席について授業の勉強道具を出した時でした・・・
「水島 あきら・・・」
「ゆっくん、もしかして知り合い?」
あきらさんのことを話し終わって、
少し休憩にお茶を飲んでいるとゆっくんがあきらさんの名前を呟くから、
思わず質問しました。
「いや・・・、知らないな。
学園ですれ違ったぐらいはあるかもしれないが・・・」
「そうなんだ、よかった」
「よかった?」
「そうだよ。
もしかしたらゆっくんが浮気していたかと思うもん」
「おいおい・・・
あっち(涼月)にいた時は、お前とも付き合っていなかっただろ?」
「それとこれとは話しが別だもん。
だって・・・ゆっくんったら鈍感なんだから。
前例だってあるし・・・」
「前例?」
「中学の頃に女の子と一緒に食事に行ったもん」
「いや・・・ 一度言ったが、ただ飯を食いに行っただけだ。
しかも、ワリカンだし」
「はあ・・・
だから、ゆっくんは鈍感なんだよ」
その話を聞いた時、落ち込んだ気持ちはよく覚えています。
校門でゆっくんと2人でお兄ちゃんを待っている時に、問い詰めても普段通りなんだもん。
ゆっくんにとっては何でもないことでも、わたしにとっては一大事だったんだよ。
そういえば、あの時にゆっくんの好きな人を聞けるまでいったんだよね・・・
・・・もったいなかったかな。
ま、いいや。
今はこうしてゆっくんの恋人になれて幸せなんだから。
「とりあえず、これからは気をつけてね。
もちろん、浮気なんてもってのほか!!」
「あ、ああ。わかった」
「うん!」
「それで、続きは?」
「そうだね。次に・・・」
次に誰の事を話そうか考えたけど、続きに丁度いいから・・・
―鷲淵 権造の出会い―
いけないいけない。
あきらさんとお話が楽しくてお弁当を渡すのを忘れてしまいました。
急いでお兄ちゃんにお弁当を届けなきゃ。
お弁当を持ってお兄ちゃんの教室に向かいます。
教室に着いて少し荒くなった息を落ち着かせてから入ります。
「――失礼します」
えっと・・・
お兄ちゃんはっと・・・
「あ、お兄ちゃん」
あれ?
確かにお兄ちゃんはいるけど・・・
となりに大きな男の人と言い合いになっているみたい。
というよりお兄ちゃんは困った顔をしてます。
どうしよう・・・
本当は終るまで待った方がいいけど、時間も無いし・・・
・・・お弁当を渡してすぐに戻ろう。
そう決めてお兄ちゃんに近づきます。
「ガビーンッ!」
「お、おう、晶子か、どうした?」
「ご、ごめんなさい。
さっき、お弁当を渡し忘れちゃって・・・」
「あ、ああ」
はいっとお弁当を渡して、大きな男の人を見上げます(合田さんと同じくらいかな)
「? この人は?」
「ああ、えっとだなぁ・・・」
お兄ちゃんは困った顔のまま少し考えて・・・
「こいつは、これからケンカする熊だ。
別名、大猿」
「え?」
ケンカと聞いて不安が出てきます。
お兄ちゃんは理由を話しているから聞き間違いじゃない・・・
お兄ちゃんは事故の後遺症で、頭部にある程度以上に衝撃を与えてはいけません。
だから、ボクシングもやめたのに・・・
「そ、そんな」
わたしの表情が曇っていると自分でもわかります。
でも、今まで黙っていた男の人が・・・
「ま、勝ぐん!!」
ちょっと表現しづらい声でお兄ちゃんに話しかけます(汗
あ、お兄ちゃんも困った顔から困惑に変わりました。
「こ、この人はいったい!?」
わたしを妹だと紹介するともの凄く驚いてます(あまり似ていないから驚かれる事はよくあります)
・・・少し引いちゃってます、わたし。
「い、妹の『久保晶子』です」
と、とりあえず自己紹介。
「オデ―いや、わだしは、この度このクラスに転校してきた、『鷲淵 権造』だべ―だす」
オデ? だべ?
ま、まあ、それは置いといて・・・
そっか、だから見慣れない人だったんだ。
「よ、よろしくお願いします、鷲淵・・・さん」
「わ、わだしのことは、い、『イーグル』とお呼びください!」
「イ、イーグル!?」
あ、あの、な、名前につながりがないんですけど・・・(汗
「大空の王者、『ワシ』のことだす!」
「は、はぁ」
どちらかというと『ワシ』より・・・乱暴な『カバ』・・・?
「いやぁ、さすが東京の娘さんだぁ。
お美しい!」
「あ、ありがとうございます」
いきなりそんなこと言われても・・・
「あ、あの兄が何か失礼なことを?」
よくお兄ちゃんがトラブルを起こすから聞いてみます。
「とんでもない!!」
はう! こ、声が大きいよ・・・(汗
それからお兄ちゃんの良い所(?)から転校して来た理由を話し続けます。
お兄ちゃん、助けて(泣
「晶子、弁当は確かに受け取った。
授業が始まるからもう行け」
「う、うん」
心の声が聞こえたのか、お兄ちゃんがそう言ってくれます。
ありがとう、お兄ちゃん。
「――それじゃ、失礼します。
・・・・・・イ、イーグルさん」
「あ、はい、お気をつけて!!」
言われた手前、そう呼びます。
たぶん・・・ううん、絶対にそう呼ぶことがないはずです。
でも、結局ケンカはしなかったことには安心かな・・・
「・・・・・・」
「・・・・・・」
権造さん(あれからそう呼んでいます)の話しが終って、何故か無言になるわたし達2人(汗
出来るだけ控えめに話したけど、それでも・・・
「な、なかなか、ご、豪快なやつだな」
「で、でも、権造さんの実家の新米をわざわざ家に持って来てくれたり、
や、優しい所もあるんだよ」
それでも、権造さんの凄さ(?)にゆっくんも困ってます。
「そ、そうか。
ま、まあ、久保の友人は悪い奴はいないからな。
だ、大丈夫だろ?」
「う、うん」
本当は、ここでゆっくんにやきもちの一つでもしてくれたらなぁ・・・と思います。
信用してくれるのは嬉しいけど・・・
でも、恋人が他の男の人の話しをしているのに・・・
じいっとゆっくんを見ても・・・
「? どうした?」
「・・・ううん、なんでもない」
はぁ、ほんっとうに鈍感なんだから・・・
「何ていうか合田を思い出すな」
「ゆっくんもそう思う?」
「ああ。
それで、次で最後の3人目だな。
俺・せりな・合田と来たら次は・・・間部か?」
・・・ゆっくん、するどい。
「え、えっと・・・次は今日の朝のことなんだけど・・・」
ちょっと、どもっちゃったけど話しを続けます。
あ、ゆっくんったら笑っちゃって・・・
―桜瀬 由美子の出会い―
今朝、お兄ちゃんと一緒に登校しています。
いつもと違うのは、昨日は熱が出てしまっていわゆる病み上がりです。
お兄ちゃんは意外と心配性だから、こういう時は気を使ってくれます。
でも、昨日はゆっくんに電話することができなくて、夜にゆっくんから掛かってきました。
だからと言うわけでもないと思うけど、夜はゆっくんのことが逆に気になってしまいました。
ちょうど今日は土曜だから、学校が終ったらゆっくんのアパートに行く予定です。
とりあえず、今はゆっくり歩いて学園に向かっています。
「あ、おはようございます」
制服を来た女の人がわたし達・・・というよりお兄ちゃんに声を掛けられました。
「おう、由美子ちゃん。
おはよう」
「おはようございます」
一応、わたしもご挨拶します。
「あ、これ、妹の晶子」
お兄ちゃん、これって・・・
わたしは物じゃないよ・・・
いつものことだから気にしないけど・・・
「――晶子、俺の同級生の桜瀬由美子ちゃんだ」
そうなんだ。
クラスメートかな?
なんとなく由希さんに似てるかな・・・
「は、初めまして、妹の晶子です」
改めて、自己紹介します。
・・・最近よく自己紹介しているような・・・
「こ、こちらこそ。
あの・・・お加減はどうですか?」
「え?」
あ、もしかして・・・
「風邪を引いてらしたんでしょ?」
「あ、はい。
もう、大丈夫です」
あ、やっぱり。
「無理しないでくださいね」
「は、はい」
お兄ちゃんから聞いたのかな?
「休めって言ったんだけどね――兄に似て真面目な性格でさ。
一日で復活さ」
真面目って・・・
お兄ちゃんも照れ屋さんだから誤魔化しているのがよくわかります。
桜瀬 由美子さん―桜瀬さんはそのことがわかっているのかクスクスと笑っています。
「今日は調子良さそうだな」
「え、あ、ええ」
「?」
今度は桜瀬さんに言います。
特に調子が悪そうに見えないけど・・・
わたしの頭の上に?が浮かんでます。
「わたし、喘息の発作があるんで」
「あ、そ、そうなんですか」
そうか、それで・・・
でも・・・
「・・・お兄ちゃん、そういうこと聞いちゃいけないんだよ」
そういうことは簡単に聞いちゃ駄目だよ。
大小関係なしに気にしているものなんだから・・・
「――え?
あ、そ、そうだな、ごめん」
素直に謝るお兄ちゃん。
もっと気を遣うことを覚えてくれなくちゃ。
でも、逆に桜瀬さんは・・・
「ふふ、いいんです。
変に気を遣われるよりも、素直に聞かれた方がこっちも気が楽ですから」
笑って言ってくれました。
・・・長い間、発作と戦っているんだなぁ。
「・・・すみません、至らない兄で」
「おまえが謝ってどうすんだ」
「クスクスクスッ」
もう、お兄ちゃんったら・・・
わかってるのかな・・・
そしてあきらさんの時と同じ、3人一緒に登校しました。
「それじゃね」
「おう、くれぐれも無理はせぬように」
「はい」
今日は土曜なのでお弁当はありません。
「それじゃ失礼します、桜瀬先輩」
「ええ」
わたしも自分の教室に向かいます。
クラスメートの友達も心配してくれて嬉しかったです。
・・・でも、権造さんがわたしのクラスまで来てくれた時、
わたしは少し慣れていまいたが友達は引いていました(汗
「桜瀬か・・・」
「ゆっくん、由美子さんを知ってるの?」
話し終わると懐かしそうに言うゆっくん。
これは知っているはずです。
・・・でも、由美子さん(権造さんと同じで今は名前で呼んでいます)はゆっくんと知り合いと聞いていないけど・・・
「ああ・・・
と言っても、そんなに知っているわけじゃない」
「どういうこと?」
「あれは確か・・・一年の頃だったな。
ボクシングをしている途中で美術部が数人来て・・・その中に桜瀬がいた。
『モデルに写真を撮らせてください』と言うから承諾した。
それで、少し知っているだけだ」
「・・・そうなんだ」
確かにあの頃のゆっくんは人気があったから、
そんなことがあっても不思議じゃありません(色々複雑だけど)
でも、あの頃からゆっくんはわたしとお兄ちゃんと幼馴じみということは、
みんな知っているはずです。
わたしに言わなくても、お兄ちゃんには話しの1つに出てもいいような・・・
「ねえ、ゆっくん。
その写真はどうなったの?」
「そこまで知るはずがないだろ?
向こうが適当に処分しているはずさ」
「そっか・・・
それもそうだね」
もしかしたら、由美子さんはゆっくんのことを・・・
・・・ううん、それは考えすぎだね。
知り合ったばかりだし、その内話してくれるよね・・・
「それにしても、確かに桜瀬と間部はよく似ているな。
性格や喋り方が」
「ふふ、そうだね」
もし、お兄ちゃんが由希さんに会ったらどうするだろ?
「さて・・・
話を終ったことだしもう寝ろ」
「え?」
「まだ病み上がりだろ?
早めに寝ろ」
あきらさん達の話しも終って、確かに少し早いけどいい時間になってます。
「ゆっくんはどうするの?」
「俺は課題があるからな。
もう少し起きている」
そう言ってカバンから道具を出すゆっくん。
・・・カバン?
あっ!
「そうだ、おみやげがあるの忘れてた」
「みやげ?」
「うん」
持ってきたカバン(お泊りセット入れ)を開けて、目的の物を取り出します。
「はい、これ。
少し溶けているかも」
「アメ?」
昨日の夕方、寝込んでいるとお兄ちゃんが色んなデザートを買ってきてくれました。
アイスにプリンにヨーグルト、後ケーキも。
でも、一番嬉しかったのは・・・
「そうだよ。
小さい頃によく食べたラムネ味のキャンディーだよ」
思いの詰まったキャンディー・・・
「ああ、懐かしいな・・・」
「そうでしょ。
はい、ゆっくん」
「ああ、もらおう」
キャンディーを口に入れて、味わいながら小さい頃の駄菓子屋さんを思い出します。
「あの時の晶子は緊張していたからな。
『人見知り』という意味もわからなかったな」
「うん。
でも、お兄ちゃんもひどいよね。
小さな女の子に『梅昆布』なんだもん」
「まあ、それが久保らしいと言えばらしいな」
「それで泣きかけたわたしに、ゆっくんがキャンディーをくれたんだよね」
「ああ、俺が買ったのはそれだからな」
「美味しかったよ、本当に・・・」
わたしはとても幸せだと思います。
こうやって、思い出を嬉しく話し合えるんだから。
「でもね・・・」
「どうした?」
「このキャンディーも、もうお終いだって・・・
製造していた会社がつぶれて・・・」
この時に、口に入れたキャンディーも溶けてしまいました。
「そうか・・・」
「でも、駄菓子屋さんのおばさんがね、残りを全部くれたんだよ。
今日は全部持って来れなかったけど、半分こしようね」
「ああ」
わたしは立ち上がってゆっくんの側に・・・
胸の中に入って抱きつきます。
「晶子・・・」
「確かに、思い出の形が消えていくのは悲しいよ。
でも、思い出じゃなくて、現在(いま)は思い出じゃない・・・本物のゆっくんが、
わたしの側にいてくれるから・・・
それだけで・・・充分幸せだよ」
「そうだな・・・」
そのまま、ゆっくんは頭を撫でてくれます。
それがとても気持ちよくて・・・
「もう少し・・・このままでいい?」
「甘えん坊め」
「いいもん、甘えん坊で。
こんなに甘えるのはゆっくんだけなんだから・・・」
そのまま目を閉じます。
このまま寝てしまうとわかっていても離れたくありません。
昨日は一人で寂しかったから・・・
今はゆっくんがいてくれて安心するから・・・
だから・・・今・・・は・・・この・・・ままで・・・
「おやすみ、ゆっくん・・・」
「ああ、おやすみ」
どうもです、siroです。
やっと『雪之丞2』に追いつきました。
今回は、あきら・由美子・ 権造との出会いを書きました。
出会う場面やセリフはゲームのままですが、設定や考えている事は全然違います(笑
駄菓子屋の回想シーンは結構好きです。
さて、やっとプロローグ・一話目が終って落ち着いたので、
次からは宣言のドタバタ(晶子暴走?)になる予定です。
ラングさん、sarenaさん、ご感想ありがとうございます!
それでは・・・