「ゆっくん達、遅いね」

「そうか?
まだ、約束の時間からそんなに経っていないぞ?」

「いつも遅れてくるお兄ちゃんと比べないでよ。
ゆっくんはいつも時間前に来てくれるんだから」

「へいへい、それは悪うございました」

鹿島学園祭からしばらく経った日曜日。
いつもなら家にゆっくんが来てくれるか私が鹿島に行くのですが、
ちょっとしたイベントの為、涼月学園の校門でお兄ちゃんと一緒にゆっくん『達』を待っています。

「それにしても、よく学園が許可したよね」

「ああ・・・
難しい事はわからんが面白ければ良いじゃないか」

「そういう問題かな?」

それでも、色々条件があったよね。
なんたって・・・

「おっ、来たぞ」

「えっ!?」

目を凝らしてみると、先の方から鹿島学園の制服を着たゆっくん達が見えてきました。
でも・・・

 

『いい、アンタ達!!
もし負けたりなんかしたら解ってるわね!?』

『『『『『ウッス!!』』』』』

 

「まあ、予想していたが気合充分だな、あのピンク」

「せりなさんったら」(汗

何故か先頭を歩いているせりなさんが二股で歩いてきて、何か叫んでいます。

「ピンクって、マネージャーだったか?」

「ううん、そんな話は聞いていないけど」

近所迷惑なくらい大きな声を出しながら、ようやくご到着です。

「スマン、少し遅れた」

「別に良いけど、ゆっくんにしては珍しいね」

「・・・春日が少し・・・な」

その言葉で納得できてしまう辺り、さすがせりなさんです。
それにしても、ゆっくん達の後ろにいる男の人達(もちろん鹿島学園の制服を着ていますよ)が、
何か私の方を見ている気がするんですが。

「何よ、雪之丞。
ちょっと、コイツらに気合入れさせただけじゃない」

「オマエの気合の入れ方は辛いんだ。
試合前にコイツらを潰してどうする?」

「そうだぞ、せりな。
免疫がついている俺でも辛かったぞ」

鉄平さんまで苦しめる、せりなさんの気合に入れ方って・・・(汗

「大丈夫よ!
屍になっても、参加させるから」

『ゲッ!』

よほど大変だったのでしょうか・・・
引いちゃってますよ、後ろの皆さん。

「さて予定より遅れているし、さっさと部室に行くか」

「そうだな」

お兄ちゃんの言葉で皆さん学園の中に入って行きます。
目的地はボクシング部。
今日は、ゆっくん達・鹿島学園と明男君達・涼月学園の練習試合です。

 


2002 elf 『あしたの雪之丞&勝 あしたの雪之丞2』

「幸せなる日々」
 (第14話・練習試合!涼月VS鹿島)


 

ー晶子サイドー

ちょっとした団体さんでぞろぞろとボクシング部に案内しています。

ちなみに先ほど出てきた『条件』というのは、その名の通り決まった事があります。
鹿島学園側というよりゆっくんの希望で、場所を涼月学園にする事。
ゆっくん曰く『もしこちら(鹿島学園)でしたら賭け事を始めるヤツがいて大騒ぎになる』らしいです。
誰かというのは一応、ご想像にお任せします(汗
涼月側は鹿島学園には特に条件は出していませんが、内で色々決まり事が出来ました。
それは『練習試合の事は他言無用』です。
もし、この話が広まっちゃったらゆっくん目当てに大混乱するからです(本人は自覚がありませんが)

「晶子、部員達は相変わらずか?」

「うーん・・・
私は顔を出していないから。
でも、お兄ちゃんなら判るよ」

話に聞いた限りでは相変わらずのようですけど。

「ねえ、部長。
彼女が部長の恋人ですか?」

話の最中に部員さんがゆっくんにそう話し掛け、私を目で指してきます。
ああ、それで私の方を見ていたのですか。
ちょっと恥ずかしいですね。

「・・・まぁな」

少し照れながら肯定してくれます(嬉

「は、初めまして、久保晶子です。
ゆっくんがいつもお世話になっています」

「そういえば、自己紹介がまだだったな。
俺は久保勝。
晶子の兄で、雪之丞とは幼馴染み兼親友だ。
まあ、近い内に義兄が付くかもな」

「久保!?」

「お、お兄ちゃん!?」

「クックックッ・・・
ほら、息もピッタリだろ、この二人」

私の後に続くお兄ちゃんの言葉に思わず、大声を上げてしまいました。
もう!

 

『中々可愛いじゃないっすか。
部長も隅に置けませんね』

『噂にあった他校に恋人がいるって本当だったんだな』

『これを知った女子達、どうするんだろ?』

『呼び方ががゆっくんだって!
部長も彼女に掛れば形無しですね』

『俺はてっきり、春日先輩と付き合っている事を隠しているウソだと思った』

 

アタフタしている私とゆっくんを尻目に色々言ってくれます。
でも、やっぱりせりなさんがゆっくんの恋人に見ている人もいるんですね。

「オマエ達、試合が終わったら覚悟しろ」

「「「「「ゲッ!!」」」」」

口は災いの元ですよ、皆さん。

 

『やっぱり、こうなったか。
俺、口に出さないでよかったぜ』

『でも、雪村くんの恋人がせりなちゃんと思ッている人も結構いますよ』

『えっ、そうなの?』

『ああ、僕もそれは知っている。
実際、雪村くんの隣りにいるのはせりなだからな。
信じていないのは女子ぐらいさ』

『そ、それじゃ、由希は?』

『確かに・・・
でも、一番インパクトがあるのはせりなだ。
前の鹿島祭の事で信憑性上がったらしい』

『ああ・・・
この事が晶子ちゃんに聴こえたら・・・』

 

しっかり聞こえていますよ。
せりなさん、後でゆっくり話し合いましょうね。
まあ、それは置いておいてっと。

「ねえ、ゆっくん。
試合が終った後、どうするの?
もし、時間があるなら少しお家に寄っていかない?」

せっかく来てくれたし、少しでもいいから2人っきりの時間が欲しいです。
でも、ゆっくんの答えは予想外のものでした。

「・・・そんな機会があればな」

「ゆっくん?」

低い声でただそれだけを言って、
いつの間にか着いていたボクシング部のドアを開けて入っていきました。

「晶子ちゃん?
皆、先に行っちゃうわよ」

「えっ、あ、はい」

周りを見回すとドアの半開きの所で呼ぶせりなさんしかいません。
慌てて中に入りながらゆっくんの態度と言葉に大きな不安と、
何故か『ついに来てしまった』という不思議な気持ちを感じました。

 

 

ー雪之丞サイドー

「お久しぶりです、雪村先輩。
わざわざご足労願ってすみません」

「いや、場所を涼月にする事がこちら側の頼み事だったからな。
こっちこそ無理を言ってすまなかった」

部室に入ると全員ウォーミングアップしていて、
こちらに気付いた明男が出迎えてくれた。

「そんなことはありません!
皆も雪村先輩に会えて嬉しいはずです。
そうだろ、皆!」

 

『うーーっす!!』(涼月部員一同

 

相変わらずだな、ココは(苦笑

「こんにちは、雪村先輩」

「ああ、藍川も文化祭の時はすまなかったな」

「い、いいえ、とても楽しかったです」

「それ以上に大変だっただろ?」

「ア、アハハ・・・」(汗

その乾いた笑いが全てを物語っているな。

「やっほー、ちはるちゃん」

「こんにちは」

「オッス!」

「こんにちは、藍川さん」

「皆さんも、よく来てくれました」

 

春日達と藍川が挨拶している間に、俺は明男と話を進める。

「雪村先輩、鹿島学園の部員は5人だけですか?」

「ああ。
開部した時は結構な人数が入部してきたが、
涼月同様、少し揺すってやったら生き残ったのはこれだけた」

「その気持ちはよくわかります。
ウチも半分以上は逃げ出しました」

「だろうな。
最近、ボクシングが何か女にモテる為に入って来るヤツが多い」

「それもわからなくありませんよ。
雪村先輩を見るとそう考える男がいてもおかしくありません。
現にあなたが転校する前はもっと凄かったですから」

「?
どういう意味だ?」

「ハハ・・・
わからなかったら結構ですよ」

何か原因が俺にあるような言い方だな?

「それより、こちらは準備は整っていますがどうしますか?」

「なら、悪いがココで着替えさせてもらって、
ウォーミングアップするから少しばかり待っていてくれ」

「はい」

打ち合わせが済み、宇佐見は部員の所に戻っていく。
さて、こちらも気合を入れるか!

「全員、準備が整い次第、ウォーミングアップを開始しろ!
あっちは気合充分だぞ!!」

 

『はい!!』

 

部員達が俺の掛け声と共にそれぞれ準備に入る。

「合田、悪いが準備運動はオマエが見ていてくれ。
俺は後、顧問にも話があるからな」

「オウ!
任せておけ!!」

涼月ボクシング部顧問・通称『鬼』を無視する訳にはいかないからな。
それと・・・

「春日、少しいいか?」

「何よ、雪之丞?
こっちは忙しいのよ」

「・・・部員達をそれ以上シゴかなくていいから、
間部と須崎と一緒に晶子の相手をしてやってくれ」

「晶子ちゃん?
そう言えば、さっきドアの前でボーっと立ってたわね。
調子悪いの?」

「・・・そうかもしれないから頼む」

考えてみれば、晶子に言った言葉はまずかったな。

「ふーん・・・
まあ、いいわ。
アンタも手が離せないみたいだし。
その代わり、後でちゃんとフォローするのよ」

「わかった」

春日も薄々何かあると気が付いたか?
だが、聞いてこない所を見ると気を使っているみたいだな。
すまんな。
さて、俺も用事を済ませて、準備をしなくてはな。

 

 

それぞれ準備が終わり、練習試合が始まった。
鹿島と涼月の部員達がリングを囲むように立っていて、
俺と明男は少し離れて観戦する(春日はリングに手をついてヤジを飛ばしている

「明男、彼は?
初めて見る顔だが・・・」

「ああ、坂田ですか?
ええ、今年入った一年生ですよ」

一年生か・・・
経験こそ不足しているが・・・

「そうか・・・
良い体つきをしているな。
背中の筋肉の付き方はかなりのものだし、足腰もしっかりしている」

「はは、久保先輩と同じ事を言いますね」

「久保と?」

「そうだぜ、雪之丞!
俺が9月から直々に鍛えてやっているから、簡単に負けはしないぜ!」

いつの間にか近づいてきた久保が話に参加する。

「そうなのか?
意外とトレーナーが向いているんじゃないのか?」

「へっ!
オマエにそこまで言われると嬉しいぜ。
しかし、それはオマエも言えるんじゃないか?
開部して一年ぐらいであそこまで鍛えているんだからな」

「そんなことはない。
せいぜい試合が出来る程度しか無理だ」

「・・・それだけ鍛えられれば充分じゃないですか」

「そうか?」

何故か明男が呆れた口調で非難する。
俺としては当然の事だが。

「オオ!
そう言っている間に勝負が着いたぞ」

久保に言われ、リングに視線を戻すと坂田がダウンしていた。

「やっぱり、まだ辛かったようですね」

確かにな。
しかし・・・

「これからの成長が楽しみだな、彼は」

「そうだろ?
その成長が見れないのは残念だがな、アイツは良いボクサーになるぜ」

「ああ」

 

それからはさすがという事だけあって、残りの4人は鹿島側が敗北してしまう。
副部長戦は合田の気力勝負で文字通り勝ち取った。

「雪村先輩、いよいよ俺たちの番です」

「わかっている。
いくか?」

「はい!」

リングに上がる前にベンチに座っている晶子を見てみるが、
心配そうに俺の方を見ていた。
その視線から逃げるように目をそらして久保を見る。
すまん、晶子。
これは俺が・・・いや、俺『達』が望んでいる事なんだ。
アイツに気付かせるにはこんな方法しか思いつかないんだ。
こんな方法しか・・・

 

 

ー勝サイドー

リングに上がる前に一瞬雪之丞が俺の方を見たような・・・
しかもその目が何か決意を秘めた強い何かを伝えようと・・・

「お兄ちゃん?」

「お、おう、晶子か。
ベンチに座っていたんじゃないのか?」

「うん。
でも、ゆっくんの試合は近くで見届けなくちゃ。
あの時以来だから」

「そうか」

気丈に振舞ってはいるが、
よく見ると胸の前にあてている手が震えている。
立ち直ったといっても晶子にとってボクシングは嫌悪とまで言わないが、
恐れるものだろう。
やはり俺にボクシングは・・・

 

カーーン!

 

「「っ!」」

始まったか!
雪之丞、オマエがどれくらい強くなったか見せてもらうぜ。

 

 

1ラウンド終了し、それぞれのコーナーへ戻る。
俺はもちろん明男の側にいる。
晶子までこちらにいる事に首を傾げもするが、
それ以上に俺は雪之丞に怒りを覚えていた。

「明男、気付いているか?」

「ハア、ハア・・・
ええ、もちろんです。
雪村先輩ですね」

「ああ。
アイツ、去年とまるで実力が変わっていない」

雪之丞、オマエ一年前からボクシングに復帰したんだろ?
なのに何だ、その試合は?

「俺も去年、雪村先輩と試合しましたからよくわかります。
様子見などではなくて、全く変わっていません。
一年間もあれば実力が上がっているのは当然です。
自分を侮っているとしか思えません。
もし、逆にあれが本気なら俺は失望します」

明男も怒りを隠そうとせず、雪之丞を睨みつけている。
俺もおそらく、同じ表情をしている事だろう。

「・・・お兄ちゃん、明男君」

「何だ、晶子?」

リングの下にいる晶子に呼ばれ視線を向けると、
泣きそうな表情で雪之丞を見ていた。

「お兄ちゃん達が今言っている事って本当?」

「・・・ああ。
間違いない」

一瞬、誤魔化そうかと考えたが、ボクシングに対してウソを付きたくないから
肯定する。

「・・・ゆっくん、前に言ってた。
去年の明男君との試合以来、本気になる事が出来ないって・・・」

「なに?
どういう事だ?」

「久保、その理由を知っているのか!?」

「ううん、教えてはくれなかった。
でも、私を守ってくれる為には全力を出すと言ってくれたけど」

その言葉の意味は、俺より当事者の明男の方が理解しているだろう。
実際、明男の表情から怒りが消えていく。

「・・・久保先輩」

「言いたい事はわかる。
本来なら、実力を出す前にケリを着けるのがベストだ。
しかし、これではオマエが不服だろう」

「なら・・・」

「ああ。
なら、無理やり実力を出させてやれ!
この一年間の成果を見せてやれ!!」

「はい!」

雪之丞と明男がそれぞれ立ち上がり、
リングの真ん中で対峙する。

「お兄ちゃん・・・」

「大丈夫だ、晶子。
ちょっと、雪之丞にお灸を据えてやるだけだ」

不安が消えない晶子に、取り除くように軽く笑い返す。
実際、雪之丞も1ラウンドと違って目つきが変わった。
アイツも気付いたんだろう、今のままじゃダメだと。
雪之丞、オマエも悩んでいたんだな、この一年間。
なら、俺にしてやれることは・・・

 

カーン!

 

 

ー雪之丞サイドー

「ハア、ハア、ハア、ハア!」

1ラウンドが終わり、コーナーポストで息を整える。

「しっかりしなさいよ、雪之丞!」

春日がバンバンと両手でリングの端を叩いて、文句を言う。
しかし、それは今の俺にとっては邪魔にしかならない。

「よせ、せりな!
雪之丞 !
オマエは息を整えることに集中しろ!」

「ハア、ハア、ス、スマン」

感謝する、合田。

「本来ならアドバイスの1つはするべきだが、
所詮ボクシングを始めて一年ぐらいしか経験のない俺達には、
正直何を言っていいか思いつかん」

「い、いや、そんな事はない」

合田も前から俺が全力を出していない事に薄々気が付いている。

「それでも、あえて言うとしたら後悔するなよ!
オマエが何を考えているかわからないが、ここで本気を出さなくてどこで出す!?」

「・・・言ってくれるな」

「ヘン!
俺の事なんかより相手や久保さんを見てみろよ。
とっくに気付いているし、全力を望んでいるようだぜ」

言われて顔を上げると、久保と明男が俺を睨んでいる。
その隣りの晶子は不安を拭えないのか、怯えたような顔をしている。

「・・・そうだな。
俺は久保に『ある事』を伝えに来たんだ。
このままでは伝えるどころか、俺の方が挫いていしまう」

「なら、精一杯気張って来い!!」

「ああ!!」

その時に、休憩が終わりリングの中央まで歩く。
第2ラウンドの始まりだ。
久保、見ていてくれ。
俺はオマエに何を伝えたいか・・・
俺達に今、何が必要なのか・・・

 

カーン!

 

いくぞ!!

 

 

ー勝サイドー

 

『くっ』

『・・・・・・!』

 

雪之丞の動きが変わった。
今までが茶番劇のように、明男を翻弄していく。

「お兄ちゃん、これがゆっくんの本気・・・?」

「・・・そうだろうな。
俺もココまでとは思わなかったが、トレーニングは欠かさずやってきた証拠だな」

正直、今の俺は晶子の相手をする余裕もないくらい、2人の試合に目を奪われている。
さっきまで感じていた怒りはとうに消えているが、それ以上に『何か』を感じる。
これは・・・興奮?
いや、喜び?

「雪之丞・・・」

手が震える。
もちろん、恐れなどじゃない。
・・・歓喜に。
そして、雪之丞の強さに。

「あっ!」

晶子の悲鳴と同時に、明男がダウンしてしまう。

 

『ダウン!
ワン! ツー! スリー!!』

 

カンカンカン!!

 

 

雪之丞の勝利が決まるが、
俺もアイツもそんな事は関係ないように睨み合う。
言葉ではない、目を合わせるだけでお互いの言いたい事が伝わる。

 

『久保、俺が言いたい事がわかったか?』

『ああ』

『俺達はあの瞬間から時間が止まったままだ』

『俺自身は前から気付いていたが、
オマエまでとは思わなかったぜ』

『オイオイ。
親友から生き甲斐を奪って、気にせずにのうのうと生きるほどオレは器用じゃないぞ』

『それもそうだ。
オマエは不器用だからな。
いつもいつも引きずって・・・』

『『・・・・・・』』

『雪之丞・・・』

『何だ?』

『俺はボクシングがしたかった。
だから、未練たらしく9月からとれーなーもどきなんてしている。
でも、リングに上がる事は出来なかった。
今まで迷惑をかけてきた家族のことを思うと・・・』

『・・・・・・』

『だが、オマエまで止まっているなら話は別だ』

『・・・・・・』

『やるか!?』

『ああ!!』

 

 

「晶子・・・」

「お、お兄ちゃん・・・?」

悪いな。
今一度だけ、ワガママを聞いてくれ。
一年も経って、いまだ立ち止まっているこんな男達の為に。

 

 

「カムバックだ」

 

 

第15話へ続く

 


どうも、siroです。
ついに来ました、勝の目覚め。
明男は一見影が薄いと見れるかもしれませんが、
彼と雪之丞の試合で勝にボクシングに対する熱い思いを蘇らせた。
これは結構重要な役だと私は思っています。
後、あとがきを書いて読み直してみると何か急ぎ足気味にストーリーが進んでいると感じます。
もうちょっと、追加したらよかったかと思いもなきにあらず(汗
さて、次回は決戦前夜、雪之丞・晶子・勝の決意をの話です。
これは、『幸せなる日々』を書き始めてから考えていた話なので、
もしかしたら早めに投稿できるかもしれません。
あくまで予定ですので(『予定は未定』と言う言葉もありますし
ラングさん・sarenaさん・たけぞうさん・蛇眼さん・FLYさん・ペソさん、ご感想ありがとうございました!