「だあー!
またババかよ!!」

「フッフッフッ・・・
勝、オデのポーカーフェイスも中々のもんだろ?」

「アンタ達・・・
いつになったら終るのよ・・・」

権造さん・・・
それならお兄ちゃんと最下位争いにならないと思いますけど・・・

「上がりだ」

「うぬぬぬ!!
雪之丞 、アンタ強すぎ!!」

というよりも、せりなさんのリアクションで大体わかると思いますが・・・

「はい、次は晶子ちゃんの番です」

「あっ、ごめんね、妙子ちゃん。
じゃあ・・・ これ」

 

旅行当日・・・
涼月駅のホームで待ち合わせで、全員集合しました。
簡単に分けると・・・

涼月学園から、私・お兄ちゃん・あきらさん・由美子さん・権造さん・ちはるちゃん。

鹿島学園から、ゆっくん・せりなさん・鉄平さん・達也さん・由希さん・妙子ちゃん・詩織先生。

以上、13人です。

内心では、由美子さんがゆっくんと会った時も事を考えると不安がありました。
でも、2人とも笑顔で挨拶をしている所を見るとその不安もあっさり消えました。
その光景を見たあきらさんもゆっくんに何事もなく済んでよかったです。
ですが何事にも予想外ということもあり、権造さんがゆっくんにいきなり勝負を申し込み。
せりなさんに一喝され、詩織先生に説得されていました(汗

 

今は電車の中でトランプでババヌキをしています。
これも人数が多いとすぐ終ってしまうので、それぞれに分かれ・・・

ゆっくん・せりなさん・鉄平さん・達也さん・由希さん。

お兄ちゃん・あきらさん・由美子さん・権造さん。

私・妙子ちゃん・ちはるちゃん・詩織先生。

というメンバーです。
私達は順調良く周っているのですが、
他のメンバーは色々盛り上がっているみたいです(苦情が来ない事が不思議なくらい)

「どうぞ、詩織先生」

「そうねぇ・・・
これをもらおうかしら」

目的の駅までまだ半分はあります。
そろそろお兄ちゃんは限界みたいだし、どうなる事でしょう・・・

「はい、藍川さん」

「は、はい」

あっ、せりなさんも限界みたいです。
ここはゆっくんが頼りだね。

「やったー!
妙子が一番ですー!!」

「おめでとう、妙子ちゃん」

「ありがとうですー」

さてっと、私も頑張らなくっちゃ!

 

「ウオオオー!
もうやってられるかー!!」

「ま、勝さん!
落ち着いて」

 

何か聞こえるけど気のせいだよ(汗

 

「きゃあああ、何でこのわたしがビリなのよー!!」

「か、春日、落ち着け!」(汗

 

ゆっくん、ファイト!

 

 


2002 elf 『あしたの雪之丞&勝 あしたの雪之丞2』

「幸せなる日々」
 (第9話・皆で海水浴!!)


 

「良いところだね」

「はい。
春日先輩が手配した旅館ですから・・・
妙子、もっと古いと思ってました」

それは言いすぎだよ、妙子ちゃん(汗

「アンタ・・・
ケンカ売ってるの?」

「まあまあ、せりなちゃん。
妙子さんも悪気があって言ってるんじゃないし」

「あったら、問答無用で張り倒してるわ!」

「もう・・・」

電車の中で色々な事があったけど(詳しくは言えませんが)、無事に旅館に到着しました。
この後は少し休憩してから泳ぎに行く予定です。

「へえ・・・
これなら由美子も大丈夫そうね」

「すみません、せりなさん。
色々合わせていただいて」

確かに畳は新しくなっていて空気清浄機もあります。

「いいのよ、別に。
やっぱり楽しくいかなくちゃ!
その為なら、これぐらいお安い御用よ」

こういう所がせりなさんの良い所ですね。

「私からもお礼を言うわ。
ありがとう、せりな」

「だから、いいって。
その代わり、海に着いたら何か奢ってもらうから」

「ふふ、了解」

意外ですけど、せりなさんとあきらさんはすぐに打ち解けてしまって、
もう何年前からの親友みたいです。

「荷物はココに置いていいですか?」

「ゴメンね、ちはるちゃん。
詩織先生の荷物も持ってもらって」

「これぐらい平気です。
こう見えても、体力ありますから」

詩織先生は旅館の人に挨拶と別室のゆっくん達の部屋をチェック(色々と)するので、
後から来ます。
実際にお兄ちゃんのカバンの中にはお酒が入ってますし(汗
見つかるかどうかはお兄ちゃん次第ですがおそらく無駄でしょう。

「ねえねえ、春日先輩。
どれくらい休憩するんですか?」

「そうねぇ・・・
詩織先生もしばらく戻ってこないし。
大体、30分から一時間という所ね」

「じゃあじゃあ!
妙子、旅館を見回って来ていいですか?」

「・・・まあ、いいわよ。
その代わりちゃんと戻ってくるのよ。
ココを出る前に水着を着なくちゃいけないから」

あっ、そうなんだ。
それなら私もゆっくんの所にお邪魔しようかな。

「わーい!
晶子ちゃんも一緒に行きましょう!」

「えっ?」

私も!?

「ほらほら、早く行きましょう!」

「ちょっ、ちょっと、妙子ちゃん!」

妙子ちゃんに手を掴まれて、そのまま連れられていきます。
ゆっくぅん・・・(泣

 

 

妙子ちゃんに連れられて色々な場所を見回っていきました。
お土産屋さんから始まり、大きな庭や広いお部屋(おそらく団体さんの食事の間でしょう)、
ゲームセンターにも行きました。
そして、海水浴の次に楽しみにしていた露天風呂に向かっています。
さすがに今の時間で入る事は出来ませんがそれはそれで楽しみです。
露天風呂を目指して歩いていると・・・

「あれー。
あんな所に晶子ちゃんのお兄さん達がいますよ」

「あっ、本当だ」

廊下から外を見ると(横の戸がガラス張りで外が見えるんですよ)、
ゆっくんを除いたお兄ちゃん達が何かコソコソしています。
何かこう、見つからないようにしているのは気のせいでしょうか?
怪しさ大爆発です(苦笑

「ど、どうしようか、妙子ちゃん?」

「取り合えず呼んでみたらどうでしょう?
この戸 、開くみたいですから」

「そうしよっか」

ガラガラと戸を開けて、口の横に手を当てて息を吸い込み・・・
一気に声を出します。

「お兄ちゃーん!!
そんな所で何しているのー!?」

すると・・・

「「「「っ!!??」」」」

皆さんがビクッとして、私達の方を見ると一目散に逃げて行きました(汗

「あれっ?」

「晶子さん。
お兄さん達、何していたんでしょう?」

「さ、さあ・・・」

揃って首を傾げる私達。
考えていても分からないので、気にしない事にしました。
でも、本当に何していたんだろう・・・

 

 

「おーし!!
男共、私に続けー!!」

「「「「オオー!!」」」」

「・・・オー」

せりなさんの掛け声に続いて、テンションの高いお兄ちゃん達。
逆にゆっくんはついていけないみたいです。
ゆっくんもいい加減慣れればいいのに・・・

 

見回りの後、部屋に戻って水着に着替えて海岸へやってきました。
砂浜で準備が終るとさっそくせりなさんが海へ飛び込み、
皆さんがそれに続いていきます。
ですが、私はそんな事より少し落ち込んでいます。
だって・・・

「どうしたの、晶子さん?
あなたはいかないの?」

「え、ええ・・・
もう少ししてから行きますよ。
詩織先生は?」

「私は少し焼こうと思っているから。
若い人達で遊んでいらっしゃい」

水着に着替える時に、改めて感じてしまった詩織先生のスタイルの良さ(しかもビキニ!)
ツーっと私の胸を見るとため息しか出てきません。
あきらさんもビキニで他の皆さんはワンピースですが、どうしても見劣りしちゃいます(泣
うう・・・

「ねえねえ、晶子ちゃん。
妙子達も行きましょうよ!
ほら、ちはるちゃんも」

「えっ?」

「は、はい。
お供します」

私の胸の中の葛藤(小さくありませんよ!)に気付いてくれなく、
もう一度妙子ちゃんに手を掴まれてグイグイ引っ張ります。

「詩織先生。
荷物、お願いします」

「ええ。
行ってらっしゃい」

「はーい。
ほら、晶子ちゃん」

「・・・そうだね。
行こうか」

せっかく海に来たのですから、精一杯遊ばなくちゃ!!
・・・決して、諦めた訳ではありませんよ。

 

「えいっ!」

「やりましたね、妙子さん。
お返しです!」

「わわっ!?」

 

バシャーン!

 

「あはは!
妙子ちゃん、大丈・・・キャッ!」

 

バシャバシャ!!

 

「油断大敵ですよ、晶子さん」

しょっぱーい(泣

「けほ、けほ・・・
もう、そっちがその気ならこっちだって!
えいえい!!」

 

パシャパシャ・・・

 

「えへへ!
これぐらいなら、そんなに効きませんよ!!」

それくらいはわかってますよ。
本当の狙いは・・・

「今よ、妙子ちゃん!!」

「はいです!
それ!!」

「えっ?
きゃあああ!!」

 

ザブーン!!

 

ちはるちゃんの後ろに周った妙子ちゃんの攻撃です。
作戦成功(喜

「「ぷはっ!」」

妙子ちゃん達が水面から出てきてお互いに顔を見合わせると・・・

「「「あはははは!!」」」

何か可笑しくて、もの凄く楽しくて笑いが出てきます。
それからしばらくすると・・・

「楽しそうね。
私達も一緒にいいかしら?」

あきらさんと由美子さんがこっちにやって来ました。

「もちろんいいですよ。
でも、あきらさん達はせりなさん達の方が・・・」

「せりなのあのテンションに連いていくのはちょっとね・・・」

「はは・・・」

納得です(汗

「妙子ちゃんもちはるちゃんもいいよね?」

「もちろんですー」

「わたしもいいですよ」

「ありがとうございます」

もちろん2人ともOK。

「それじゃあ、何をしましょうか?」

「晶子ちゃん達がさっきやっていた続きでいいわよ」

「妙子もそれが一番楽しいです」

「じゃあ、由美子さんとちはるちゃんもいいかな?」

「はい」

「もちろんです」

女の子だけじゃあ出来る遊びは限られていますが、
水の掛け合いというのも楽しいんですよ。

「せーの・・・」

皆さんが手を水につけて準備OKですね。

「「「「「それ!!」」」」」

 

それからは、せりなさんが集合をかけるまで楽しい時間が続きました。

 

 

「ゲーム・・・ですか?」

「そう。
泳ぐばかりじゃなくて、他にも海でしかできない遊びがあるじゃない。
それで、1位になった人は誰かに1つだけ言うことをきかせる事が出来るの。
もちろん参加は自由だし、このペナルティは参加者だけ有効。
ちなみに男どもは強制全種目参加よ」

「ちなみに、『これだけ参加したい』というものはOKなんですか?」

「もちよ。
わざわざ不得意なものに出る必要はないわ」

それなら私が出来そうなゲームがあるかも。
でも、せりなさんのことですから何かとんでもないゲームを用意しているかも・・・
考えすぎかな?

「フッフッフ・・・
ついにオメェと決着をつける時が来ただな?
マンモス・鉄平」

「オウ!
後で吠え面かくなよ!!
イーグル・権造」

せりなさんとあきらさんとの仲も意外でしたが、
鉄平さんと権造さんはお互いをライバル視しています。
・・・ネームに共感を覚えたのでしょうか?

「雪之丞!
全力でかかってこいよ!!」

「もちろんだ。
オマエこそ手を抜くなよ」

ゆっくん、応援してるからね!

「あきら、どうする?」

「しばらくは観戦ね。
ま、少しは参加しようと思うけど」

「そうね。
私も出来るものがあればやりたいわ」

由美子さんは喘息の為に激しい運動はできないし、あきらさんはその付き添い。
しばらくは観戦するみたいです。

「あの・・・
達也さん、頑張ってください」

「まあ、程ほどに頑張るさ。
でも、あのせりなだからね。
正直言って、御免被りたいよ」

「はは・・・」(汗

由希さんと達也さんの仲も少しは進展しているようです。
このまま恋人同士になってくれれば、
私とゆっくんを冷やかすせりなさんの攻撃が半減するのですが・・・

「ちはるちゃんはどうするんですか?」

「出来るだけ参加しますよ。
旅館でも言いましたけど、こう見えても体力ありますから」

「頑張ってくださいね。
春日先輩の事ですから、自分に有利なものをや何か企んでいるかも」

「聞こえているわよ、ソコ」

妙子ちゃん・・・
もう少し気を付けようよ(汗
ちはるちゃんは小さい頃からボクシングをやっていた事をお兄ちゃんから聞いています。
実際に驚くほど強いそうです(お兄ちゃん談)

「詩織先生はどうしますか?」

「そうね・・・
私は審判でもやらせてもらおうかしら。
晶子さんは?」

「内容次第ですね」

「そう、頑張ってね」

「はい」

妙子ちゃんじゃないけど、せりなさんは私達(女の子)にも出来るゲームを考えてくれているのでしょうか?
少し・・・結構不安です。

「よし!
始めるわよ。
最初のゲームは・・・」

 

 

ービーチバレー

いきなりのチーム戦です。
個人の実力や人数・ライバル視を考慮して・・・

「いい!?
何が何でも勝つのよ!!
ミスしたらタダじゃおかないわよ!!」

「「オ、オオ・・・」」

せりなさん・ゆっくん・鉄平さんのチーム。

「気合い入れろよ!
権造、ちはるちゃん!!」

「わかってるだ!」

「はい!」

お兄ちゃん・権造さん・ちはるちゃんのチームです。
達也さんは人数の都合上、外されました。

「妙子、ワクワクしていきました」

「これは面白いものが見れるわね」

確かに面白いかもしれませんが、それ以上に感じるこの不安はなんでしょう?

「せりなが暴走しない事を祈ろう」

「達也さん・・・」

ゆっくんとちはるちゃんは大丈夫ですが、他の人達は・・・(汗

「勝君からのサーブね。
よーい・・・」

どうもちはるちゃんがサーブを打つみたいです。

 

ピーーーー!!

 

開始の笛がなり、ついに始まりました。

 

「そーれ!」

ちはるちゃんは強いボールでいい所を狙いますが・・・

「フッ」

すかさず、ゆっくんが受け止めます。
さすがゆっくん、動きが速いです。

「せりな!」

鉄平さんが、せりなさんにトスを上げてチャンスです。

「いくわよ!」

気合一戦。
ジャンプしてアタックを決め・・・

「くらいなさい!!」

 

ボス!!

 

「ガフッ!」

 

ドサッ

 

「「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」

・・・たのですが、あまりの出来事に時間が止まりました。

「よし、殺った」

せりなさんの爽やかな声で、ようやく状況が掴めてきて動き始めます。

「お、おい。
権造、大丈夫か!?」

「・・・ピ・・・ピンクの山姥が・・・・・・」

「久保先輩・・・
気絶してます」(汗

そう・・・
せりなさんのアタックが、見事に権造さんの顔面にヒット。
そのまま倒れてしまいました(汗

「せ、せりなさん。
今のは反則よ」

「いやですよ、詩織先生。
ちょっとした手違いですよ。
それにこれは遊びなんですから細かい事は言いっこなし!」

ちょっとした手違いなら、あの掛け声は何でしょう?

「ねえ、あきら。
権造さん、大丈夫かしら?」

「ああ。
丈夫だから気にしなくていいわよ」

あきらさん、容赦ないですね。

「せりなのヤツ、いきなり暴走しているな」

「せりなちゃんったら」

呆れた声を出す達也さんに困った顔の由希さん。
昔からせりなさんに付き合っていた2人ですから、予想していたかもしれません。

「ほらほら。
やっぱり、春日先輩は悪です!
晶子ちゃんもそう思いますよね?」

「えっと・・・」

そんな答えられない質問しないでよ、お願いだから(泣

 

それから五分後、権造さんがリタイアしたままゲーム続行です。
でも、再開する前にお兄ちゃんとちはるちゃんは作戦を話し合っています。

「だから・・・・・・で・・・頼むよ」

「でも・・・すると・・・ですよ」

「いいんだよ・・・・・・・だろ?」

「ですが・・・」

遠くからなのでハッキリとは聞えませんが、何かちはるちゃんが困っているみたいです。
お兄ちゃん、何を話しているの?

「なら・・・・・・・どう?」

「うっ・・・ました」

「よし!・・・・・・いいから」

「はい・・・」

ようやくまとまった様で、コートに戻ってきたお兄ちゃん達。
さて、今後は何が起こるのでしょうか?
不安いっぱいです。

「せりなさんのチームからのサーブ。
よーい・・・」

 

ピーーーー!!

 

「うりゃ!!」

せりなさんのネットギリギリ低めのサーブですが、
お兄ちゃんに止められて上手く高く上がります。
そのチャンスボールをちはるちゃんがアタックを・・・

「ごめんなさい!!」

 

ボスッ!!

 

「フガッ!?」

 

ドサッ

 

「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」

打たれたボールは鉄平さんの顔面を直撃。
痛そう・・・

「ナイス、ちはるちゃん!」

「は、はい。
でも、やっぱりこういう事は・・・」(汗

「いいの、いいの。
やってきたのは向こうからなんだから」

せりなさんの方を見てニヤッとするお兄ちゃん。
お兄ちゃんもやられたらやり返す性格だからなぁ。
でも、やられたら何百倍に返すせりなさんは・・・

「フッフッフッ・・・」

うわ・・・
低い声の笑い声が恐怖を駆り立てます。
怖いよぉ・・・(怯

「雪之丞!!
あのバカ男、殺るわよ!!」

「へん!!
やれるものならやってみろ!!」

やっぱりこうなる訳ですね。

「あらら。
2人共キレたわね」

そう思うなら止めてくださいよ、あきらさん。

 

それからはこの試合(というのかな?)は一時間近く続きました。
せりなさんとお兄ちゃんは攻撃しかしなかったので(地面ではなくお互いに当てるように)、
ゆっくんとちはるちゃんがサポート。
結局、せりなさんの気力勝ち。

「ビクトリー!
わたし&雪之丞のペアに勝てる者なし!!」

あの、鉄平さんは・・・?

「春日に付き合っていると、こっちの身が持たん」

あはは・・・
お疲れ様、ゆっくん。
何はともあれ、ゆっくんとせりなさんがそれぞれに特典ゲットです。

 

 

ービーチフラッグー

今回は男女別です。
女子は前回同様、せりなさんとちはるちゃんしか参加しないと思っていたのですが、
何故か妙子ちゃんも参加です。

「晶子ちゃん、雪村先輩、見ていてくださいね。
妙子、春日先輩なんかやっつけちゃいます!!」

「ほ、ほどほどにね」(汗

と気合を入れていたのですが、いざ始まると・・・

「あう・・・
妙子、負けちゃいました」

あっさり負けてしまいました(苦笑
残り二人は接戦でしたが、僅差でちはるちゃんの勝利!
この辺りが鍛えていた人との差が出てきますね。
男子は、今だ権造さん・鉄平さんは気絶中の為に不参加。
ゆっくん・お兄ちゃん・達也さんで勝負。

「さっきは春日に邪魔されたが、今度はそうはいかないぜ!
勝負だ、雪之丞!」

「気合充分なのはいいが、程ほどにな」

「はあ、僕はおりたいよ」

お兄ちゃんはやる気満々、ゆっくんはいつも通り、
達也さんは肩を落としながらスタートラインへ向かいます。

女子の間では、誰が1位になるか予想中。
もちろん、勝てばお願いできる権利が貰えます。

ゆっくんには私・せりなさん・妙子ちゃん。

お兄ちゃんにはあきらさん・由美子さん・ちはるちゃん。

達也さんには由希さん。

詩織先生は審判の為、不参加。
ゆっくん、頑張って!!

「位置について・・・」

ドキドキ

「よーい・・・」

・・・・・・(緊張

 

ピーーーー!!

 

っ!!

 

「惜しかったな、久保」

「クソ!」

ゆっくんの勝利!(喜
お兄ちゃんも頑張ったんですけど、やっぱりゆっくんが一番!

「久保先輩、負けてしまいましたね」

「そうね。
やっぱり、義理で久保勝に賭けるんじゃなかったわ」

「あきらったら」

お兄ちゃんに賭けたあきらさん達は、負けたのにあっさりしています(何でだろ?)
それより達也さんですが・・・

「だから僕は嫌だったんだ」

「ま、まあ、達也さん。
そう気を落とさずに」

由希さんに慰められています(汗
実は、達也さんは途中でコケてしまい最下位。
しかも顔面から砂に突っ込んだので落ち込むのも分かりますが・・・

「晶子ちゃん、妙子ちゃん!
こっちに来てちょうだい!
ジャンケンして1人に決めるわよ」

あっ、そうか。
ゆっくんに賭けたのは3人。
予想だけなのでチームと違って、勝者は1人。
むむ!

「いくわよ」

「はい」

「はいです」

ここは絶対勝たなくちゃ!

「ジャーンーケーン・・・」

ゆっくん、力を貸して!

「「「ポン!!」」」

せりなさんはチョキ・・・
妙子ちゃんもチョキ・・・
私は・・・

「やったー!
勝っちゃったー!!」

グーを出して勝ち取りました!

「あああ・・・
負けた」

「妙子、また負けちゃいました」

お二人とも残念そうですが、私は気にする余裕はありません。
嬉しさいっぱいです。
ゆっくんに何をお願いしようかな(嬉

 

 

「はあ・・・
いい気持ちだねー」

「はいです。
こんな温泉なら毎日入りたいですー」

「そうだよねー」

 

あのジャンケン勝負からもゲームは続き・・・

スイカ割りであきらさんが勝利。

貝殻拾いで妙子ちゃん。

etc・・・

本当に色々とやりました。
海から旅館に帰って来た後は皆さんで夕食を頂いて(戦争でしたけど)、
今はお楽しみの温泉に入っています。
やっぱり、足を伸ばして入れるというのは気持ちいいです。

「それにしても・・・
改めて思うけど、雪之丞ったら凄いわね」

「やっぱり雪村先輩は最高ですー!」

海でのゲームを思い出してみると、ゆっくんは凄く強いです。
でも、女の子でも参加できるものは手加減してくれたりする優しさがあります。
(せりなさんにとっては屈辱らしいですが)
逆にお兄ちゃんはそれこそ全て挑戦したのですが、1つも優勝する事はありませんでした(苦笑
もの凄く悔しがっていたのを覚えています。
あっ!
そういえば、お兄ちゃんで思い出したけど・・・

「せりなさん、ちょっといいですか?」

「ん?
なに?」

「実は妙子ちゃんと海へ行く前のことなんですけど・・・」

由希さんと洗いっコ(少々手つきが妖しいけど)をしているせりなさんに声をかけて、
お兄ちゃん達の挙動不審の経緯を話します。

「・・・という訳なんです」

「はあ。
全くお約束なヤツラね。
ねえ、あきら?」

「そうね。
雪村君は大丈夫だと思うけど」

「あ、あきら、もしかして・・・」

「由美子の考えているとおりよ」

「もう、あのコ達は・・・」

「えっ?
皆さん、何をしていたか分かるんですか?」

思わず妙子ちゃんと顔を見合わせてしまいます。
お約束・・・?
ゆっくんは大丈夫・・・?
どういう事?

「ま、論より証拠。
そこを動かずに見てなさい。
あのバカ達に天誅を下してくるから」

ザパーと石鹸を流してから身体にタオルを巻いて足音を立てずに、
男湯と隔ててある岩(壁)の奥に向かっていきます。
由希さんは何故かその場でダウンしていましたが(汗
そして足元にあるホースを取って、繋がっている蛇口を捻って水を出します。
水の冷たさと勢いに満足してせりなさん特有の邪笑を浮かべると・・・

「うりゃっ!!」

掛け声と共に岩に『空いている穴』にホースを差し込み・・・
って、穴!?

「「「きゃあああ!!!」」」

「「「「うぎゃああ!!!」」」」

状況が掴めた私達の悲鳴と、男湯からの悲鳴(たぶんお兄ちゃん達)が同時に上がります。

「このノゾキ共!
天罰よ!!」

パニック状態の私達を尻目に、
せりなさんは岩を登ってお兄ちゃん達に(見えませんが)直接水を掛け始めました。
おそらく男湯から見れば上半身は出ている後姿に、
『せりなさんも男湯を覗いて(堂々と)大丈夫?』
と思うのは私だけでしょうか(汗

「まずは鉄平と達也!
覚悟しんしゃい!!」

「ま、待て、せりな!
ガフッ!」

「そうだぞ、せりな!
まずは話を・・・ブッ!!」

「ノゾキ魔に言い訳は無用!!」

最初の犠牲者は鉄平さんと達也さんのようです。
普段の私なら暴走したせりなさんを止めようとせめて一声かけるのですが、
今回は全くしません。
私の裸を見ていいのはゆっくんだけですから(照

「おっし!
次!」

「ま、勝!
いつの間にオデの後ろに・・・
ブハッ!!」

「よし!
最後、久保勝!!」

「ま、待て!
オレは覗いていない!!」

「だったら、雪之丞が大人しく入っている温泉とかなり離れている場所にいるのよ?」

「グッ・・・
それは・・・」

「問答無用!!」

「ちょっ、待っ・・・グハッ!!」

お兄ちゃん、後で私も話しがあるから覚悟してね(怒

「雪之丞。
このバカ達をそこの水風呂に放り込んどいて。
その冷たさは特別だから少しは堪えるでしょ」

「・・・わかった」

さすがゆっくん!
お兄ちゃん達とは違うね。

「じゃあ、後はよろしく―」

手をヒラヒラ振って下りてくるせりなさん。
ホースの水を止めて、再び温泉へ浸かります。
一段落(?)した事ですし、もう一度質問します。

「せりなさん。
どうしてお兄ちゃん達がその・・・覗いているとわかったのですか?」

「そんなの簡単よ。
男達が温泉の近くで不審な行動をしている。
それは覗き場所を捜していると誰でもわかるわよ。
晶子ちゃん達もすぐに気付かなくちゃ」

「はあ・・・」

そ、そういうものでしょうか?

「な、なら、どうして場所までわかったのですか?」

これが一番の疑問です。
せりなさんは迷わずお兄ちゃん達の向かい側にたどり着きましたが・・・

「それも簡単。
だって、あの穴を用意したのがわたしだもの」

「へっ?」

「つまり、前もってそこに穴がある事は知ってたの。
単純な男達だからココから覗くと確信していたわ。
あっ、大丈夫よ。
あの穴からはちゃんと見えないようになっているから。
・・・ギリギリでね

「・・・・・・」

これからもせりなさんだけは敵に回さないでおこう。
そう改めて考えさせられる夜でした・・・

 

 

「さて、これからどうしましょう」

皆さん、温泉から上がって思い思いにくつろいでいます。
お兄ちゃん達は詩織先生にこっ酷く叱られお部屋の前の廊下で正座中。
その後は部屋から外出禁止です。
ゆっくんはその限りではありませんが、今日は合わせるようです。
今夜は早くに男女別々に分かれました。

「あら、そんな事決まっているじゃない。
ねえ、せりな」

「もち。
皆も聞きたいわよね」

「あ、あの、何が決まっているのでしょうか?」(汗

皆さんは分かっているようですが、私はさっぱりです。
でも、何か嫌な予感がするのは気のせいではないはず。
その証拠にいつの間にか囲まれちゃいました(怯

「女の子同士の話しっと言ったら・・・」

「言ったら?」

ゴクッ

「好きな人の話に決まっているじゃない!」

「す、好きな人の話・・・?」

好きな人・・・
私にとってはもちろんゆっくん。
・・・まさか(汗

「分かってくれたみたいね。
この中で唯一付き合っているのは晶子ちゃんに、
洗いざらい話してもらいましょう!!」

「ええーー!?」

ピ、ピンチです。
せりなさんとあきらさんだけじゃなくて、他の皆さんも興味津々な表情で私を見てます。
詩織先生だけは参加していないので、助けを求めても軽く首を横に振るだけ(泣
うう・・・

「あ、あの、雪村さんとどういう所にデートしたりするんですか?」

ち、ちはるちゃん?

「もうキスは済ませましたか?」

た、妙子ちゃん?

「ふ、二人っきりの時は何をしているのですか?」

由希さんまで・・・(泣

「ゆ、雪村さんのドコが一番好きですか?」

由美子さんも・・・

「何日にHしてるの?」

あきらさん!!

「さあ、全部話してもらうわよ!」

いやー!!

 

その後からは逆らう事も出来ず、全て話してしまいました。
ごめん、ゆっくん。
明日、せりなさんにからかわれるかも・・・
話を続けながら、心の中でゆっくんに謝りながら夜は更けていきました(泣

 

 

第10話へ続く

 


どうもです、siroです。
スランプです(泣
このSSは4月中旬ぐらいから書き始めていたのですが、
人数が多い上にスランプにどっぷりハマッてしまいここまで遅くなりました。
書いては消すか削るかの繰り返し・・・
今の疲労度と私自身の力ではこれが限界です(苦
これからGWがあるので次回は早めに出来ると思います。
その次回ですが、シリアスです。
雪之丞と権造との決着などを予定です。
気長にお待ちください。
ラングさん、たけぞうさん、たっぴ〜さん、ご感想ありがとうございます!!
たっぴ〜さん、このSSはラングさんへの投稿しているものなので、
ご感想などはラングさんの掲示板でお願いします。
私のメールアドレスを公開したら良いだけですが、色々とありまして・・・
ですが、そこまで気に入っていただくとSSを書いていく気力になります。
では・・・