魔法学園に入学して、色んな事があった。
その度に強くなり経験を積んできた。

「はあ・・・
リサ、緊張するっす」

「僕もだよ。
一体、どんな事があることやら」

仲間が出来た。
辛い戦いや苦楽を共に乗り越えてきた仲間が。

「さて、楽しみだな、ミラ？」

「・・・そうね。
せいぜい、頭を使う困難が出てこない事を期待しましょ」

兄と義姉も出来た。
元は敵同士だったけど、今はよきライバルが。

「ライル、大丈夫？」

「リラックスですよ、ライルさん」

「今までの成果を見せてあげましょう」

大切な人も出来た。
未だに誰かと決める事は出来ていないけど、それでも大切な・・・

「皆さん、お待たせしました」

お母さんが見つかった。
様々な苦難を乗り越えた人達がその思いを俺たちに託してくれる。

「それでは、魔法学園・卒業試験を始めます」

２００２　スタジオ・エゴ！『メンアットワーク３』

『その後の物語』
第５話・卒業試験（前編）

「学長、卒業試験ってどういう内容なんですか？」

「ライル、それを今から説明するから黙って聞いてなさい」

「はーい」

卒業試験というには、周りには俺たちしかいないとお母さんしかいない。
ずっと気になっていたがあっさり釘を刺されて、大人しく説明を聞く。

「まず、この場に貴方達しかいないと言う事を説明しましょう。
理由は簡単、この試練が特別だからよ」

「「「「「「特別？」」」」」」

「そうよ。
だって、貴方達は私達が倒せなかったアイザックを倒したんですもの。
生半可な試験はあっさりクリア出来るから無意味よ。
ジェイルとミラも同様。
今までの経験に比べたら、並みの試練なんて何事もないようにあっさりクリアできるわ。
だから特別」

そっか。
実感なかったけど、アイザックはお母さんや先生達でも倒せなかったんだよな。
それを俺達が倒したものだから、実力的に言って他の生徒には負けないくらいの実力がある。

「はい、質問！」

「モニカさん、どうぞ」

ビシッと手を上げるモニカ。
小学生みたいだな。

「えっと・・・
話を聞いて思ったんですけど、
特別っという事はそれなら一応、私達はハンターとしては認められると言う事ですか？」

確かに。
もし俺達が受ける『特別の試験』に落ちたら留年、
他の生徒が受ける『従来の試験』が受かれば卒業。
これはちょっと問題がある。

「ええ。
貴方達の実力は立派にハンターとしてやっていけるわ。
でも、私は学長として同じハンターとしてもっと成長して欲しいと思うの。
これは私の我侭かもしれない。
一応、どっちでも不合格なら留年になるの。
だから、辞退する権利もあるわ。
辞退したらいつも通りの試験を受けてもらうけど」

苦笑しながら話すお母さんだけど、
寂しさと心苦しさが伝わった。

「もし、辞退するなら今言ってちょうだい。
後で他の先生方に案内してもらうから」

お互いに顔を見合わせる。
・・・答えは決まっている。
お母さんがこれほど認めてくれたんだ。
断るはずがない！

「学長先生、俺達は受けますよ。
そこまで言ってくれるなら期待に応えなくちゃ！」

他のメンバーも頷き、ジェイルとミラは不敵に笑っている。

「ありがとう。
なら、場所まで案内するから着いて来てちょうだい」

お母さんも微笑みながら、部屋を出て行く。
でも、不安だな、特別試験・・・（汗

案内された所は元賢者の石があった塔だ。

「・・・・・・・」

お母さんが呪文を唱え始めたから、一歩下がり様子を見る。

「ハッ！」

カッ！

「クッ！」

呪文が完成すると、光に包まれて目を被う。
光が収まって目を開けてみると、渦のようなものが出来ていた。

「試験はこの渦に飛び込んで、
課題をクリアしたら合格よ」

「何があるのですか？」

「これは個人別だから、何があるということは出来ないわ。
私たちも昔、この試験に挑戦したけど・・・
よしましょう。
どんな事が待ち構えているか、それぞれが確かめなさい」

これが試練。
この先に何が起こるかは判らないけど、絶対乗り越えてみせる！

「いくぞ、みんな！」

「ええ！」

「はいっす！」

「いくよ！」

「いきます！」

「参る！」

「おう！」

「はいはい」

皆、同時に渦の中へ飛び込む！
そして、クリアしてみせる！！

中篇へ続く

完結に向かい始めました。
おそらくシリアス続くになると思います。
さて、どうやって終わらせようかな（汗